13.距離
いつも吐きそうになるほど満員な電車。
身長が低いせいかいつも埋もれてしまう。
とても苦しい。だけどいつもあなたが私を見つけて
苦しくないように隙間を空けてくれる。
制服を着ているから学生なのだろう。
あなたと僕は話したこともない。
それでも私を気にかけてくれるあなた。
この1cmしかない距離…
とても近くて心臓の音が聞こえてしまいそう。
電車が揺れるたび、縮まる距離。
私じゃない心臓の音が聞こえてくる。
上を見るとあなたの顔は赤くなっていた。
あなたと目が合う。鼓動が早くなる。この時間がずっと続いてほしいと思った。
降りる駅になり降り、トイレへ向かった。
鏡を見ると顔が赤く熱い。
あなたはどう思ったのだろう…
私と同じ気持ちなのだろうか。
同じならいいなと思いながら学校に行った。
この出来事は忘れたくない。
覚えておきたいと思った。
12/1/2023, 6:25:21 PM