『貝殻』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『貝殻』
イングランド東端で、約180年前に発見された、貝殻で装飾された『シェルグラッド』と呼ばれる地下洞窟がある。
185平方メートルの空間の内部の壁や天井は、計460万枚もの貝殻を用いた装飾で、びっしりと埋め尽くされている。
花や太陽に見えるマークやハート型のシンボル。全体的にモザイクのような模様になっていて、天井からは太陽光が差しこみ、芸術的な空間を演出する。
かように豪華なつくりの空間を建築したにも関わらず、誰がいつ何のために作ったのか、一切分かっていない。
古代の神殿なのか、秘密結社の集会所か、密輸業者の隠れ家なのか。謎は謎を呼んでいる。
古代の人々の考えや習慣、儀礼は
現在生きている我々には理解できないほど
ミステリアスなものである。
理解できないからこそ、理解できない部分を
いろいろ想像して、穴埋めしていくのが楽しい。
実際、合っているかは知ったこっちゃない。
だって世界中の歴史学者が議論し合っても
分からないんだから。
自分なりに解釈してもいい。
みんな。歴史を学ぼう!
楽しいよ〜
海なんて何年も行ってないな〜
最後に行ったのは相当小さい頃かな
波打ち際で塩水に触れながら砂遊びしてた
貝殻も紛れて小さな生き物と遊んで
また海に行けたらいいな
美味しい、美味しい、ご馳走の時間だ。
全てを吐かせてから。
そのまま、
炙って、
焼いて、
茹でて、
煮て、
あとは何が出来るだろうか。
隅々まで味わい尽くして、残ったそれはどこに飾ろう。
まだ、生きてる?
『貝殻』
〜貝殻〜
硬く閉ざし身を守る
他人にすれば厄介なこと
自らすれば必要なこと
硬く閉ざした中は安全
でも生きるためには
閉ざしたままではいられない
少し開いて中に入れる
それは思わぬ産物を生み出した
自らの意思で入れた
小さなものは"しん"となり
年月をかけて完成体となる
いびつな形
綺麗な形
光り輝く色
魅力的な色
小さなもの
大きなもの
全ては自らの意思のままに
そうして人を魅了する真珠は生まれる
浜辺に打ち上げられた貝殻を拾い上げ
穴に耳を当ててみる
どこかしこかの波の音が聞こえた後に
「たすけて」
という声が鼓膜を貫いた
びっくりして貝殻を離し
浜辺に落とす
最近は海での事故が多いときく
この貝殻はいったいどこの波間から
この浜に流れ着いて来たのだろう
【貝殻】
~貝殻~
海で拾った貝殻に耳をあてる
遠くの方でさざ波が聞こえる
そんな詩的なこと
人生で一度くらいしか
やったことないよ
「貝殻」
夏休み最後の週末、クラスの仲良しグループ30人で海に遊びに来ている
私はリーダーの前で披露したウミガメの産卵シーンがウケてグループの仲間入りを果たせた
どうしても仲間入りしたかった理由がある
そう、三年間想い続けた彼へ告白するためである
クラスで2軍の彼と接触できるチャンスは今日が最初で最後だと思い、恥を忍んでナミダを流して卵をたくさん産んだのだ
彼の水着姿が見られるなんて…私は体の芯を熱くした
これで満足してはいけない…今宵、彼と一つになるのだ
私以外、みんな海で楽しんでいる
チャンスがきたっ…ここでジャージを脱ぎ捨てこの大胆な水着で彼のもとへ駆け寄ればイチコロのはず!
貝殻を拾い耳にあてる…波の音が私を落ち着かせた
「セックス」
貝殻がそう呟いてくれた
恥を捨てろ、私は新人グラビアアイドルだ、どんな仕事でもやるんだ
私は満点の笑顔と貝殻ビキニで彼のもとへ駆けだした
今日の嫁いびりは、アサリのお味噌汁のアサリは貝殻だけでした。
ほぐすの手間かかってて、お疲れさん。
年金暮らしの義理の両親、結婚してすぐ同居の為仕事辞めたまま働かない夫。三人の生活費を稼ぐ私。
離婚準備、整いました!
私がいなくなったあとは夫の不倫相手の風俗嬢にたんと稼いでもらってくださいねー!
子供の頃、海に連れてってもらった。
その時に集めてた貝殻は、いまだに実家の押し入れに眠っている、かな?流石にもう捨てられてるかな。
もしあったとしたら。何の回なのかもよくわからないその貝は、化石のように家のどこかを漂っているのだろうか。
堆積する、海のかけら。
小学生の頃に母とクラフト教室で作った貝殻のフォトフレームに入れるポストカードを変えようと思い、美術館に向かった。
みたい展示があるとか、年間パスポートの元を取りたいとかではなく、貝殻のフォトフレームのために美術館に行くのはわたしにとっては珍しいことではない。
貝殻のフォトフレームには今はゴーギャンのタヒチの女を入れている。次は何のポストカードにしようか。クールベの波なんかどうだろう。うざったい残暑にぴったりの色合いだ。
イタリア暮らしの収穫は?
スポーツ紙の記者に聞かれて
ムール貝を食べるのが上手くなりました
と答えた
ご自分で料理もされるんですか?
モテたいですから。
そっけなく答えて、空港からあいつの部屋へ急ぐ
ムール貝の貝殻が積み重なるたびに
あいつに会いたい気持ちも積み重なっていたんだ
「貝殻」
「貝殻」
海へ行けば 必ず集めた貝殻
どこから来て どうしてこの形?
少し大きい貝殻を耳に当てたら波の音
小さなバケツにたくさん持ち帰る
あの日の眩しい砂浜 乾いた素肌
たくさんの思い出が詰まったあの貝殻入りバケツ
いつの間にかどこかへいってしまった
子供だった頃の自分と共に 無くしてしまった
子どもの頃、夏になるとよく海に連れて行ってもらった。熱くなった砂の上を裸足で歩きながら貝殻探しを始めた。私のお気に入りはピンクの爪の色をした貝殻だった。同じように見えても微妙に色が違っている。色の濃淡がさらに貝殻探しを面白くさせていたのだと思う。帰る時間を忘れるくらい探すことに夢中になっていた。
「貝殻」
私のうたかたの恋
この掌にある
ひしゃげた貝殻と重ねる
貝殻。子供の頃なんの貝殻か知らないけど耳に当てると海の音がするってのをやったことあるな。あれなんの貝殻だったんだろ。
貝って例外なく美味しいし好きだけど俺のような貧乏人にはとても食えない高級食材だ。食えてあさりしじみ、後はおつまみコーナーにあるホタテ系か。
そもそもそれ以外の貝ってあまり売ってないんだよな。近くのスーパーは鮮魚コーナーちっちゃいから貝の取り扱いが少ない。それともあれくらいが普通なのかな。
まぁ鮮魚コーナーが大きくて貝の取り扱いが豊富でも金がないから買えないんだけどな。貝は好きだけど食卓への貢献度が値段ほどないし。貝って嗜好品というか贅沢品だよな。
貝で時々買うのは牡蠣だな。なんか食べたくなる時がある。といっても本当に時々で年に数回かな。それで食べてこんなもんかってなる。スーパーのしかもパックの牡蠣じゃそんなもんだよな。
一度牡蠣とかあわびとかを専門店で食べまくってみたいものだ。たまの贅沢にそのくらいする金はあるんだけど遠出するのめんどくさいし金かかるしで結局一度もそういうことしたことがない。
貝殻
自分好みの貝殻探し
大きさや形
色も大切です
やっと
見つけたと思ったら
波にさらわれて海の中へ
素敵な貝殻めぐる 戦い勃発
せっせ せっせと
ヤドカリ達の貝殻探し
貝殻
九月になってもまだ暑さは厳しい。
少し水遊びでもさせるつもりで海辺に娘を連れ出した。彼女は少し足を濡らすと、後は波打ち際でうずくまっている。
「暑くないの?」
「うん、貝殻集めてる」
小さなバケツの中には、角が取れた淡い緑色のガラス片に黒い小石と小さな白っぽい二枚貝の貝殻がいくつか入っていた。
「たくさん集めたねー」
「いっぱい見つけた。ねえお母さん、手出して」
彼女は握った砂だらけの手を打ち寄せる波で濯いだ。濡れた手から滴が光って落ちる。
彼女の言う通りに私が手を出すと、薄いピンク色をした小さな貝殻がそっと手のひらに乗せられた。
「一番きれいなのをお母さんにあげる」
緩やかに寄せてきた波が足元を濡らした。きらきらした黒い瞳が私を見上げている。差し出してくれる何かとてもピュアなもの。胸の奥がじわりと熱くなった。
「ありがとう。嬉しいな」
「うん!」
波に洗われた小さな手の爪が、桜貝を連ねたように美しく見えた。
貝殻
20分も車を走らせればそこは海
子供たちは“純粋”に貝殻拾いに夢中
私はシーグラス拾いに夢中
心の中…(メルカリで売れそうな綺麗なやつないかな…)
純粋な心 どこいった…
貝殻。貝殻ね。貝殻にまつわる、よるのはなしをしよっか。おれはねぇ、あの本がすき。入学したてのころ、昼寝する場所をさがしててた折。図書室の深窓で、ひとりでに落ちてきやがった本。むかぁしの本だったかなぁ。
オンナが「もう死にます」って言った。傍らにいたオトコが、ソイツの遺体を埋めて、百年、オンナがかえってくんのを待つはなし。
あんなに、よると月魄がにあう、ふしぎなゆめのはなしが、おれのこころに居座ってる。オトコはやくそくをまもるんだよね。真珠貝で穴を掘って、オンナの遺骸を埋めて。それから星の欠片を供えて。苔むした石の上で、いちにちを数え待つ。つめたいよるに、自然のあたたかさが手に添えてくれる感覚がすんの。なんとなく、これがニンゲンなんだって、オレはおもった。
でもさぁ、おれには「対価」が必要なの。だから、オトコが百年待つ理由は、ない。…オレがオトコだったら。オンナのためにはまいにち待たない。めんどくせぇじゃん。オンナに言われたから待つんじゃなくて、おれが「待ちたい」っておもったら。それはただの、おれの、エゴ。あは、おもしろ。
アイとかコイとか、そんなものは要らない。おれとおまえが、てきとうにたのしければ、それでいい。もしおまえがしんだら、おれはおれなりの方法で、かえってくるのを、気長にまったげる。かも。やっぱりおれのことだから、飽きるんじゃね?アハ。其れもまた、人間臭くて良いんじゃねぇの。
貝殻/それから 約束の話
貝殻と聞くと、6年前に5歳の息子を連れて家族3人で、江ノ島に行った時のこと思い出す。息子はその日以来行方不明になった。息子は貝殻拾いに夢中だった。「僕海になりたい」それが息子から聞いた最後の言葉だ。本当に海になるなんて思わなかったの。