『誰よりも』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私が誰よりもあなたを愛しているのに
私は誰よりもあなたをオモっているのに
ワタシハ誰よりもアナタを見ているノニ
なんで、ワタシジャナイノ?
誰よりも貴方を愛してる
だから、貴方も僕を愛して
重たい愛情を僕に注いで
その場にいた誰よりも私は絶望していた。高校最後の絵画のコンテストで私は最優秀賞を取れなかった。現地で、どんな作品が選ばれたのかを見に行こうと足を運んだのが間違いだった。
私は今まで使ってきたキャンバスの中でも一番大きなものを使って、海に映る宇宙を描いた。キャンバスが大きい分、どこから見ても完璧になるように、どこから見ても美しいと思ってもらえるように、どこから見ても粗がないように。そう意識して完成させた作品は最後の作品としては文句のつけどころがないほど、美しく仕上がった。自分でも、こんなふうに描くことができたのだと感動するぐらい、私は過大評価をしていた。だが、当然完成させた時はそれが過大評価だなんて思っていなかった。妥当な評価だと。これで最優秀賞とって、美大に進学する許可をもらおうと思っていた。
それなのに、最優秀賞という札の上に飾られていた絵は、私のキャンバスの半分もないサイズで、美しい花を食べる死体のような女の人が描かれていた。人間をモノクロで描いて、花には対照的な鮮やかな色が使われていた。技術も感性もすべて負けたのだと感じてしまった。
泣きながら美術館をあとにした。なんの札ももらえなかった私の自信作は展示が終われば、家に送られてくる。
だが、そんなものを飾る場所はない。学校でしか絵を描くことを許されていなかった私にとって最後のチャンスだった。最後にSNSで自分の絵を載せた。次々といいねが押されていく。ネットではこんなに評価してもらえるのにと、悔しくなった。帰宅して、一番に今までの画材をすべて捨てようと思った。光続けているスマホの電源を消そうとしたところでDMが届いていることに気づいた。
「今日、その展示会に行ってきました。誰よりも輝いてみえてとても綺麗でした。今日初めて知りましたが、今後の活動を応援させてください」
その名前に私は見覚えがあった。間違いなく、最優秀賞を獲っていたあの人の名前だ。嫌味かと思ったが、それ以上にこんなふうに言葉にして私の絵を褒めてくれたのが嬉しくて泣いてしまった。
私も、一番になれるような感性が欲しかったよ。
誰よりも強いと思ってたあの子は、
実は1人じゃ立てなくて、
誰も知らないところで泣いていて、
私の前では愚痴をこぼした。
「こうやって愚痴吐けるの、あなたしかいないんだ」
誰よりも強いと思っていた私の友達は、今まで見た誰よりも弱く見えた。
誰よりも弱いと思ってたあの子は、
実は1人で戦える力があって、
誰も知らないところで努力して、
私の弱さを全て受け止めてくれた。
「大丈夫だよ。私にいつでも頼ってね」
誰よりも弱いと思っていた私の友達は、今まで見た誰よりも強く見えた。
誰よりも君のことを理解していると思う。
僕が知っている君のこと。
いつもたっぷり寝てるはずなのにいつも寝不足なこと。
外が暗くなった頃に、カフェの窓際の席で読書していること。
バックに付けている星のキャラクターのストラップは、学生の頃から持ってるお気に入りなこと。
夢中になると周りの声が聞こえなくなること。
人よりも心拍数が低いこと。
寝てる時、近くにあるものを抱きしめる癖があること。
浅いのよりも深いキスが好きなこと。
これを言うのは気が引けるけど、
誰よりも僕のことを好きでいてくれてること。
──誰よりも
誰よりも
(本稿を下書きとして保管)
2024.2.16 藍
誰よりもあなたの幸せを願っていた
でもなんでだろう
あなたが彼女できて祝うべきなのに今回だけは無理そう
きずいてからじゃ遅いね
【誰よりも】
他の誰よりも長くお前の隣りにいた
他の誰よりもお前を理解している自信がある
他の誰よりもお前だけを幸せにしたいと思っている
だからこそ
俺はこの世界の誰よりも
自分の性別を恨んでいる
誰もみな、自ら嫌われたいとは思っていないと思う。わたしもそう。
だから、いい顔しちゃうんだ。
優しい人、物わかりのいい人、なんでも嫌な顔せずやってくれる人、いつも元気で明るい人、どんなことにも動じず冷静な人...
別に疲れたりなんかしない。これがいつもの自分なんだから。
でもどこからか綻びって出てくるんだろうな。
新しい人間関係が始まってしばらくは調子いい。すぐに近い距離感になれる。仲良くなれる。
でもいつからか離れていく...。
本当の自分をさらけ出して付き合えたなら、ありのままのわたしを受け入れて貰えるなら、きっとこんな風にはならないんだろうな。
誰よりも1人になりたくなくて、誰よりも臆病なわたし。だれも知らないわたし。
私は誰よりも不幸だった。
というか、その自信があった。
何をしても失敗するし、じゃんけんに勝てたことなど一度もない。
友達もみんな病気で亡くなってしまった。
テストだって、お菓子作りだって、全部全部失敗に終わる。
私は不幸だ。
だけど最近、幸運なことがあった。
彼氏ができたのだ。
まぁ、これも罰ゲームとかなのだろう。
それでもいい。
私は彼氏ができてから、幸運なことが続いている。
これは、彼のおかげなのだろう。
罰ゲームだとしても、私には得なことしかないから、少し申し訳なく感じてしまう。
でも、今私は誰よりも幸福である自信がある。
このまま、友達のところに行けるまで、幸福が続くといいな。
誰よりも
誰よりも君を知ってる
誰よりも君を見てる
誰よりも君を信頼してる
誰よりも君が好きだ
詩を書く子どもだった。ことばを選んで、自分の思いをつくるのが好きだった。形にならない感情が渦巻く前に、印のついたことばで気持ちを積み上げる。そうやって詩ができて、そうやってものを考えて、そうやって涙を流した。
誰よりもリアルで、誰よりもフェイクな子ども時代。
#誰よりも
『誰よりも』
かっこよくなりたい
かわいくなりたい
強くなりたい
完璧になりたい
1人で生きていけるぐらい
誰よりもあなたを愛している。
私の心はあなたのもの。
誰よりも速く
誰よりも深い
誰よりも軽く
誰よりも広い
心にある つかみどころのない 風景を
なんとかとらえて 言葉にしたら
わたしのなかにそれがあるのだと
記録する
目を凝らす
逃さないようにする
有り様だから
わたししかしらないこと
あらゆる分野における価値が誰よりも低いと知ったとき、人間は果たして生きていけるだろうか? 人間はなにか自分には価値があると信じうる状況下においてのみ正気で生きていけるのではないか? もし街を歩いている他人全てより自分が価値のない人間だと知ったら、その者はもはや自殺するか、地の果てに行くか、社会とのあらゆる紐帯を切り捨てたホームレスになるかしかない。しかし幸いなことに今の社会では誰よりも価値の低い人間だと自分を証し立てる手段はない。どれほど他人より劣っていると感じていても、自分よりなお下の人間がいるという可能性を完全に否定することはできない。私たちはその否定の不可能性の上に立って、現世を正気で生きている。
きっと誰よりも激しく君に恋をしていたのだけれど、それを愛だと呼ぶほど厚顔にはなれず、だからこの恋はそっと殺しておきます。
きっと誰よりも狡猾に策を巡らせていたのだけれど、それを愛のためと言うほど嘘つきにはなれず、だからこの腕は静かに下ろしておきます。
きっと誰よりも賢しらに諦め続けてきたのだけれど、それを愛してもらおうという気にはなれず、だから私はここで佇んでいます。
#誰よりも
誰かの顔色をうかがって余り物を選ぶのも、いつしか慣れていた。
けれど今この空間には、家族の気配すら感じられない静寂が流れている。
もしかしたら初めて独りになれたのかもしれないと、部屋の中央に寝転び、とりあえず目を閉じてみた。
ちょっとだけ「ひとり」を大切に出来そうな気が、する。誰でもない自分を。
【誰よりも】
誰よりも先ず
自分を本当に心から
大切にしないと
他の誰も何も
大切に出来ない
「誰よりも」
誰よりもあなたを愛している
そう言ってしまうのは
おこがましいことだろう
あなたは万人に
愛される資格がある
でも それを承知で
なおもあなたに言うだろう
誰よりもあなたを愛している