NoName

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誰かの顔色をうかがって余り物を選ぶのも、いつしか慣れていた。
けれど今この空間には、家族の気配すら感じられない静寂が流れている。

もしかしたら初めて独りになれたのかもしれないと、部屋の中央に寝転び、とりあえず目を閉じてみた。
ちょっとだけ「ひとり」を大切に出来そうな気が、する。誰でもない自分を。

【誰よりも】

2/16/2024, 1:44:06 PM