『誰かのためになるならば』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「ねぇ、聞いて。お願い。」
この言葉を本当に無視してよかったのだろうか。僕みたいな無能が彼女に逆らってよかったのだろうか。考えるだけで心が痛んでくるような気がする。
先日彼女は亡くなった。僕を庇って。
「ねぇ、神様。この世って酷いよね。無能が残って、優秀な人が消えちゃって。」
「誰かのためになるのなら」
道化を演じることで
誰かのためになるのなら
それでもいい
なんて
そんなバカげた事はないんだよ
嗤われたら怒りをぶつけてもいい
誰かのため を
考えるよりも
まずは自分のためを
一番に考えてよ
憤りに蓋をせずに
誰かのためになるならば
もし、友達や家族が困っていたら助けてあげたい。
けど、それが私じゃなくてもできることなら、やらないかも。
私は、私じゃないとできないことしかやりたくない。
だから、私は自分勝手で自己中な性格なんだと思う。
私の生命など
世の中のなんの役にも立たないとずっと思っていた
でも最近ある出会いから
小さなリサイクル活動や小銭単位だが募金を始めてみた
こんな私でも誰かのためになるのならと
無理のない程度には続けていけたら
地球規模で少しずつ平和に近づくのかな
光のモヤは断固として俺が生きていた場所へと送り返す気だ。だが俺は、断固として首を縦に振らなかった。
もうどれくらい経ったのかわからない。…此処は、時間の概念がない場所らしい。俺の体感じゃ既に数時間は経っているといっても過言ではない。
俺は生前、所謂この世という場所で、生まれた時から孤児であり、親はなく身内すら知らない存在だった。物心ついた時から、犯罪を重ねてきた。
窃盗、人身売買、薬物、殺人…。この世の罪を重ね、重ねてきたのだ。俺を諭す者は誰一人としていなかった。
それがどうだ。今此処でようやく俺に説教をしてきやがったのは、人間ではない、だと?
光のモヤは言う。
「うーん、君は物事を確実なものにしないと理解しないってことだね。わかった。…でもちょっと考えてみてほしい。もしも体の中の機能が自分勝手に動き出したらどうする?」
「なんだ、そりゃ」俺は頭を捻る。
光のモヤは言う。
「君自身の体のことさ。君の身体の中の臓器が、個を主張して自分勝手に好き放題し出したら、君は、君として機能するのかい?」
「いや…言ってることがよくわからんが。」
「君たちの身体の中には、臓器があるよね。臓器に限らず、頭、首、胴、手、足。細かく言えばもっとある。でもそれらの機能たちが君の意思とは別に勝手に動き出したら、どうする?
お互いに協力し合わず、それぞれが勝手な行動をし始めるんだ。」
うんうん、とその光るモヤは自分で納得しながら話している。
俺は、そんな事は無いと答えた。
そんなものは、絶対にありはしない。
俺の為に動かねぇなんざ、不要だと。
光のモヤは言う。
「でも、困らないかぃ?
機能が"機能"しなくなるんだよ?
君という個体は、君の身体の中の機能があってこそなんだと、思わないかい?それに、この臓器や四肢たちは、君の意志で働いてきたと思うのかい?」
なにが言いてぇんだ。
「…あぁ、そうだろうよ。俺の為に動いているからな。」…当然の事だろうが。
「いやいや、違うよ。君の中の機能たちは、自分のために生きているのさ。正確に言うと、君の中には無数の微生物が生きている。君たちには、見えないだろうがね。
その微生物が何のために?と考えたことはあるかな?答えは簡単さ。自分のために、だ。
じゃあもし、その微生物に脳があったらどうかな?君たちのように色々と考えて、他の個体のために働くなんてバカバカしいって思う個体も出てくるんじゃないか?
数が多ければ多いほど、色々な考えを持つ個体が現れる。君たち人間と同じさ。
平和的に生きる者、他人に攻撃して生きる者(君のように、ね)、自分のために生きる者、誰かのためになるならばと生きる者。…まぁ、後者は偽善だよね。だって君たちは慈悲深い。僕たちにはそういう気持ちはないからね。…まぁこれは余談だけど。」
光のモヤは続ける。
「君たちはその動物的本能から子孫を残す行為をするだろうけど、微生物も同じさ。彼らのために、君は生かされているんだよ」
俺は手足を見る。
俺のコイツらが俺の意志に反する…?
人の心を読んだかのように、光のモヤは
「うーん、でもまだ君は確証を得てないような顔をしているな。じゃあ、実際にやってみるとしようか!」と言った。
その瞬間、俺の身体に異変が起こり始める。
…うっ、ぐ…な、なんだこれは…
俺の腕が…左手が…
腕はしだいに細くなり干からびていく。手は徐々に力が抜け始め、弱々しくなっていく。それだけじゃない。俺の意志とは正反対に動く。指一本ずつが意思があるように俺の意志では無い個体が、動いている。
これは…麻痺や痙攣ではない。俺の身体中が震えている。まるで無数の何かが、俺の中で暴れているのだ。
や、やめてくれっ!
思わず叫んでしまった。
何も出来ない自分がひどく情けなかった。
…こんな感覚は今まで感じた事がない。
「分かってくれたかなぁ?
君の意志で動く、なんて思っていただろ?みんな目に見えないものは信じないんだ、特に君たちは。まぁそれは無知というのだがね。
それはいいとして、どうだった?
他人の為に動いたことがない君は、身体が動かなくなってどう感じた?君が殺した人たちと対して変わらなかっただろ?」
光のモヤは言った。
意志に反して固体となった俺の中の機能は、突如反乱が起こったかのようだった。そして俺は、体の中の機能が初めて働かなくなって抱いた。この不甲斐なさは、俺がこの手で血に染めてきた人間の、感情なのか…?
「君が、君の意志だけで動いた結果、殺されていく人たちの意志は無になるんだ。殺された者は、どう思おうが、死者は口を開かない。それは体の機能がやがて死に向かい、その人の意志ではもう動かなくなってしまうんだよ。
君が今、体験したことと同じになってしまうのさ。
でも…そんな君に大チャンスさ!
…君は、選ばれたんだ!
こんな機会、滅多にないことなんだよ。どうだぃ?今度は、誰かのために生きてみないかぃ?」
俺はずっと社会を恨んで生きてきた。
この恨みは、誰かが作った誰かの社会に矛先を向けて、他者が生きる社会に対し、俺は絶望を勝手に抱いていたのかもしれない。
思い上がって生きてきたのだ。
俺は真っ直ぐ光のモヤに視線を向ける。
「…ふむ。考えは纏まったようだね。良い顔だ。
では、これから君に"生"を与える。…大丈夫。今度はきっと上手くやれるさ。なんたって、僕の加護を受けたのだから」
俺は、頷く。
…あぁ、今度は真っ当に生きてやるさ。
--では、送り出そう!さよなら、だ!
光のモヤと同じに辺り一面が輝き出す。
そして、俺の意識は小さく細く、そこで途切れた。
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光のモヤは、天を見上げる。
最後の意志を残してくれたことに、感謝しながら。
…そう、これが誰かのためになるならば、僕は……。
いや、俺は、俺自身のために"俺"を送り返そう。
……かつての俺の罪を償うために。
お店のある階へのエレベーターに乗る。
後ろから人が来たので開けるボタンを押してあげる。
降りる時にも開けるボタンを押してあげる。
私の順番は最後になってしまった。
『誰かのためになるならば』
決して見返りを求めてはならない。
人に期待してはならない。
それでも私は、自分だけがよければ良いと誰もが思う世界にはしたくない。
その人の手助けになればと行動しても、人によってはお節介。お礼は言うけど、本音は違う事も。
誰かのためになるならばと行動するのはいいけど、結果に結びつくことは難しい。
相手の実力も信じて、見守る事も大切。
助けを求めてからでも、大ごとでなければ大丈夫。
手を差し伸べるのは、いつでもできるから。
誰かのためになるならば、と
そうして僕らは強くなってきた
それが僕らの生きている意味で
今ここにいるという存在証明で
ただその代償は
あまりにも孤独なのも事実で
「辛い」を何度も飲み込んだ
たまに吐いた「もうだめかもしれない」は
自分の手で処理をした
誰もいない所で泣く事も 眠れなかった日も
何度も自殺願望に負けそうになった夜も
そのうち「あぁ、またか」とただ身をゆだねる
たまに「いや、まだやれる」と身を捨てて
そうして僕らは大人になっていった
誰かのためにと今日も笑いながら
それが強さとか優しさとか周りは言うが
僕の場合
自分のために頑張る理由が見つからないだけで
ずる賢く紛れて生きてるだけだよ
これからもそうなのかは分からない
ただ「ありがとう」と言われた時の
あのふわりと心臓が揺れた感覚は
ずっと忘れないでいようと思う
自分自身が怪我をしたり、死んでしまったって良いんだよ
自分がそれで良いのなら
身を削る行為だって惜しまない
誰かの為になるなら。
大丈夫!任せて!俺ならできる!
何度もそうやってきた。何度も何度も
でも最後は誰もいなかった。
僕は現在23歳の一人親方です。
昔の会社話なんですけど、その会社は僕が高校生の時からアルバイトでお世話になってた会社でした。
僕はその会社の中では1番若く、若いから大丈夫
若いうちは苦労するもんだとか言われ続けてました。
だけど誰かの為になるなら、と、自分が苦労した分先輩たちが楽できるならと、頑張り続けていました。
その会社に入って1年半ぐらいがたった頃、僕はちょっとした事故で右手を骨折してしまいました。
もちろん左手だけじゃ、まともに今までやってきた仕事量をこなすのが難しく、それを今まで手ずだってきた、先輩たちに相談しました。だけど先輩たちはそれを無視し、それはお前のノルマだから達成するまで帰るなとか、色んなこといわれました。
なんで、こんなヤツらのために頑張っできたんだろう、
その会社では誰も助けてくれなかった!
もうこんな会社やだと思って、そっから直ぐに辞めました。
長くなったけどこれは本当に自分が体験した話です。
ここまで読んでくれた方ありがとうございます。
誰かのためになるなら、なんでもする。あなたが戻ってくるなら、前の関係が戻るなら。
『誰かのためになるならば』
私がしていることや存在が
誰かのためになっていると思ってる
誰しもが誰かの役に立っている
ひとりひとり
みんなかけがえのない存在だということを
忘れないでいてほしい
そのやさしい心を同じだけ自分に返すのを忘れないでね
誰かのためになるならば
この手がどれだけ汚れようとも構わないと思っていた。
そうすることが俺の役目だったから。
それがつらいだなんて、気づかせないでくれ。
俺はここにいたいんだ。
俺の存在価値を、どうか奪わないで。
「誰かのためになるならば」
自己犠牲、なんて甘美な響き
(誰かの古傷を抉りそうだけれど、
自分の古傷も一緒に貫いてるから許してほしい)
天秤を恣意的に傾けるのはとても気持ちがいい
誰かのためになるならば、と
自分のことをなげうって
相手を思いやるふりをする
気持ちがいいよね
ちなみに
本当に良い人、凄い人はもっとうまくやるよ
誰かのためになるならば
君が最後まで嫌った『偽善』で
最高の舞台を飾り付けてみせよう 。
『誕生日』
ちょっと早く仕事が終わった日
家までの道を ぼんやりと歩いていた
まだまだ日が長い 夕焼けがきれいだ
公園からは 子どもたちの
元気な声が聞こえてくる
ほわりほわりと
シャボン玉の集団が流れていく
誰かが シャボン玉で遊んでいるんだろう
幸せのおすそわけだ
そういえば 今日って
誰かの誕生日だったよなと
それを見て思い出す
ふわっと 頭の中に
懐かしい顔たちが浮かんだ
もう 昔には戻れないけど
確かに 一緒に過ごした時間
あの頃は楽しかったな
バカだったけど
アホだったけど
ただ ただ 楽しかった
『好きなことをやって生きる』って
実は 意外と難しくて
あの頃は 今よりももっと必死で
でも 今よりも もっと充たされていた
そんな気がする
誰かの誕生日だと言えば
集まって飲み
誰かが別れたと言えば
集まって飲み
なにかしら みんな
顔を合わせていた気がする
『縁』なんて言うとおかしいけど
こうやって何年たっても
フッとした瞬間に思い出す
真夜中の公園で
シャボン玉をやろうって言い出したのは
誰だったか
近くのコンビニにある
シャボン玉セットを全部買い占めて
いつものメンバーで 一斉に吹いた
夜のシャボン玉は
公園の街灯に照らされて
ぼんやりと漂ったあと
ゆらり ゆらりと 暗闇にとけていった
割れたのか
割れてないのか
結末は誰もわからない
まぁ そんな最終回があっても
別に誰も気にしないだろう
思い出は 終わりがない
そしてまた
現実にも 終わりはない
「ほら!帰るよ!」
「はーい!」
シャボン玉の子たちの母親だろうか
さて 自分も 帰ろう 帰ろう
それにしても 誕生日が誰だったか
ちっとも思い出せない
(帰ったら あいつに 電話してみるか)
もうすぐ 夕焼けが終わる
ぼんやりした 重い足取りが
少しだけ 軽くなった気がした
ギフ、ドラグブラッカー俺と契約しろ、そしてエボルト、お前もだ。俺と手を組め。
自分のことで精一杯なのに誰かのためを思わせるなんて
世界は酷だ