誰かのためになるならば』の作文集

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誰かのためになるならば』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

7/28/2024, 6:18:58 AM

「やぁ。ちゃんと休んでる?」

疑問の形を取りながらも、屋敷の主は部屋を見て満面の笑みを浮かべる。
惨状。全くもって酷い状況だ。
俗に言う人をダメにするクッションに身を預け、そのまま菓子を貪り茶を啜る。堕落を極めたその様に我ながら焦りが生まれるが抜け出す事が出来ず、時間だけが無意味に過ぎてしまった。

「これは酷くね?畳にクッションは邪道だって」
「だからいいんじゃん。余計な事は考えず、欲に従順になればいいよ」

無邪気な笑顔を浮かべながらも、その言葉は悪意でしかない。いや、そのつもりはないのだろうが。

「そもそも仕事しすぎなんだよ。というか摩耗しながらする仕事って何?そういう趣味なの?」
「…人を変態扱いしないで」

酷い。言いたい放題である。
反論しようにも、やはりこの場からは動けず。手はさりげなく用意された新たな菓子に伸び。
末期だ。何とかしなければ。

「村のため。民のため。責務のため。誇りのため…使い古しの物語じゃあないんだし、誰かのためになら、の自己犠牲精神なんて犬にでも食わせればいい。結局は自己満足でしかないそれが、本当の意味で自分以外を満たせるはずなんてないんだから」
「なら、迷い家はどうなんだ?」
「え?」

不思議そうに首を傾げる屋敷の主を手招きして呼び寄せる。自ら動く事は取り敢えずは諦めて。
大人しく近づいてきたその口に煎餅をねじ込み、腕を伸ばして乱雑に頭を撫でた。

「人を招き入れ、もてなし、富を与えて帰らせる…それってさ、招き入れた『誰か』のための行為だろ?現に俺は今、最大限の贅沢をさせてもらってるけど?」
「それは前提が違うよぉ」

瞬いた目が楽しそうに細められる。
ねじ込まれた煎餅をぱりぱり音を立て咀嚼しながら、器用にくふくふと声を漏らして笑う。

「すべてはね、俺さんを認識してもらうためだもの。下心あってのおもてなしだし、与えたものも、その人間が本来その先で得られるはずのものを、因果をいじって与えているだけに過ぎないからね。対価は十分もらっているんだよ」

まるで我儘を言う子を宥めるように優しく頭を撫でられ、薄手のタオルケットをかけられる。冷えると良くないからねと言うものの、肌触りが絶妙に好みのものを与えてくるあたり、絶対にここから移動させないという意思が感じられ、末恐ろしさに思わず身を震わせた。

「俺だって、仕事に見合う報酬は貰ってるつもりだけど?」
「この前の婆さんからは何も貰ってないでしょう?」

この前の婆さん。その言葉に先日叱られた日の事を思い出す。
まだ怒っているのかと苦笑して、ゆるりと首を振って否定した。

「ちゃんと前払いで、しかも迷惑料込みで貰いました。なので今頃、遺産相続で修羅場が発生しているはずですー」

諦めてもらいたい気持ちも込めて普段の倍以上を提示したにも関わらず、即金で払ってもらったのには驚いた。だがそのためにいらぬ苦労をしたし、叱られたのだからもう少し高めでも良かったのかもしれない。

「というかさ。俺も対価というか、下心ありで仕事してるんだよ。主に俺の打つ式がどこまでやれるかの研究込みでやってんの」

だからそろそろ仕事をしたいと訴えるも、屋敷の主は笑みを浮かべたまま。
このやりとりを何日繰り返したか。当初の約束の十日は既に過ぎ、もう一月が経とうとしている。
堕落し、そのために腕が鈍るのだけは許せず外に向けて何度か式を打つも、隔離された空間の先には行けず。
そろそろ限界だった。

「別にこのままでいいじゃん。ここで仕事すれば?」
「だからさ、隔離されてるせいで現世に式が行けないんだって。何度式を打ったと思ってるんだよ」

思わず愚痴れば、屋敷の主の笑みはますます深くなり。

「それは式が弱いせいだよ。術師が未熟だと、当然式もそれ相当になる。術師の真似事をしたいんなら、最低限でも境界を越えられるくらいの式を打たないとね」

正論で煽られた。

思わず身を起こし、その拍子にクッションから転げ落ちる。背中は痛むが、動けるようになった事に密かに安堵した。

「大丈夫?気分転換に温泉でも入ったら?」
「また誘惑…!」

もう嫌だ、とは思いながらも差し出された手に素直に手を重ね。
立ち上がり大人しく連れられる様に、半ば諦めるように溜息をついた。

「まずは意志を強く持つところから始めたら?俺さんとしては見ていて楽しいからそのままでもいいけど」

上機嫌にもっともな事を言われ、何も言い返せず項垂れる。
明日こそはと何度目かの決意をしながら、繋いだ手に僅かに力を込めた。

「あぁ、ちなみに」

不意に立ち止まり、屋敷の主はこちらを見上げ楽しげに囁いた。

「一葉《いつは》の場合はね。お礼半分と、実験が半分かな…まぁとにかく、思う存分好きな事をしなよ」
「ちょっと待て。何か今、流しちゃいけない単語が出なかった?」

実験とはなんだ。
さぁ?と、はぐらかす屋敷の主はやはり上機嫌で。


少しだけ、この屋敷に来た事を後悔した。




20240727 『誰かのためになるならば』

7/27/2024, 10:36:16 AM

『誰かのためになるならば』

今の失敗が経験へ

この謝罪が信頼へ

あの時の失恋がきっかけで

雨が花の根を育てるように

誰かのためになるならば

今起こった事は

必要だったのだ

7/27/2024, 9:50:19 AM

誰かのためになるならば
狡い言葉だ。誰か、を理由に方向を決めているようでいて、その矛先の対象を定めるのは自分自身だから。
100%全ての人間のためになることなんてこの世にはそうそうない。自分のやりたいようにしようとして、たまたま救える人を取り上げて。美化しただけの狡い言葉だ。
私は、自分のためになるのだから。と言える人が好きだよ。

7/27/2024, 9:49:08 AM

誰かのためになるならば

誰かのためになるならばと、私は小さな善行をする。もし本当に誰かのためになったなら、私の元に幸せは帰ってくると信じて。それは偽善?この世に純粋な善行なんてあるのかしら?そう思いながらゴミを拾った、好きな人の前で。

7/27/2024, 9:49:01 AM

#誰かのためになるならば
(2024/07/26/Fri)

 人のためとかなんだとか、考えていたらタイミングを逃したりしないかな。
 誰かのためにとかじゃなくて、自分がそうしたいんだって。
 そういう事。

 ああ、そうか
 自分っていう誰かのためか。

7/27/2024, 9:45:11 AM

誰かのためになんてただの自己犠牲で自己満足だ
きれい事だしそんなの絶対に自分にはできない
けれど
自分にとって大切で大好きな貴方の為ならば
全て渡すことも捨てることも厭わないよ

7/27/2024, 9:42:26 AM

誰かのために、ゴミを拾ったり足りないものを補充したり、譲ったり、綺麗にしたり募金したり。
そういうことをしている自分を、いつもの醜くて愚かで、無価値なゴミよりましなものに思える。
そうやって汚い自分を誤魔化して、自分勝手で嫌われる側の人間を見て心の中で見下して嘲笑った。

そうやって自分をましな人間だと自分自身を騙し続けることに快感を感じてはまっていった。


ある日、その自分勝手で嫌われる側の人間をいつものように心の中で馬鹿にしていたら、そいつを救おうと、本当は優しい人間なんだと信じて疑わない奴がいきなり現れた。
そいつを救おうと、変えようと怒って信じているのを見て、どうしようもない自己嫌悪に襲われた。

鏡で見た自分は酷く歪んで腐っていた。
なんて醜いんだろう。絶望して視界がどんどん暗くなっていく。

ましなものになろうとすればするほど醜くなってゆく。

誰かのためになるならと行動するあいつを見れば見るほど堕ちていく。

誰かのためになるならばという言葉が、酷く遠く感じた。


『誰かのためになるならば』

7/27/2024, 9:37:32 AM

誰かのためになるならば


また 誰かがホチキス出しっぱなしにしてる

また コピー機の紙が補充されてない

また プリンターに出しっぱなしで退社している

また シュレッダーが満タン

また また また

誰かのためになるなんて思わない

誰にも気づかれなくても  

私は自分のために

ホチキスをしまう 

プリンターに出しっぱなしの資料をしまう

コピーの紙を補充する 

シュレッダーのゴミを捨てる

きっと 神様が見ていてくれて

わたしに褒美をくれるはず

自分のために 

誰かのためにらなるならば

そんなの思わない

それは 自分のためになるから

そう思わないと やってられないでしょ

くそっ!

ちょっとはおまえら誰かのことを考えろ。

7/27/2024, 9:34:20 AM

誰かのためになるならば自己犠牲も厭わない
なんて言えるヒーローにはなれないけど
大切なあなたのためなら何でもできるよ

7/27/2024, 9:23:36 AM

誰かのためになるならば

出来れば人を傷つけたくない

だけどどうやったって人を傷つけてしまう場合もある


ここだって

自分の発した言葉が原因で

誰かを悩ませたり、悲しくさせたりするかもしれない  





だけどそれ以上に

誰かのためになるならば

なんでもいいから言葉を紡いで

また明日、生きてもいいかもって感じてもらえる人が

たった一人でもいるのなら

書く意味があると思う


みんな、誰かのために書いてほしい

自分自身のためにでもいい

書いたら、何かがきっと変わるよ

私はそうだった

7/27/2024, 9:13:47 AM

誰かのためになるならば
少しでも朝早く起きよう

誰かのためになるならば
庭の草むしりを誰よりも先にやろう

誰かのためになるならば
募金をしよう

誰かのためになるならば
ゴミを拾って捨てに行こう

誰かのためになるならば
愛されずとも愛そう

誰かのためになるならば
今日も生きていこう

7/27/2024, 9:11:28 AM

他人のために
何かを我慢したり 譲ったり
己の身や心や時間を削り 尽くす


偽善だ 自己満足だ
と言う人もいるけれど

それでいいじゃないか

批判して何もしないより
どんな動機でも行動できる方が
素敵だと思う


#誰かのためになるならば

7/27/2024, 9:11:16 AM

誰かのためになるならば、あとで書くことにする。
今日はとても忙しい。

7/27/2024, 9:05:54 AM

『誰かのためになるならば1』

案外、今の世界は、誰かのためになるならば、という漠然といた先人のやさしさとアイデア、工夫の寄せ集めだったりするのかもしれない。

『誰かのためになるならば2』

1誰かのためになるならば、と考え悩み動ける人は、聖人。

2家族や仲間、会社など自分の周りのためになるならば、と考え悩み動ける人は、一般人。

3自分のためだけになるのならば、と考え動ける人は、愚か者。

2と3を行き来している自分がさもしい。

7/27/2024, 8:57:11 AM

誰かのためになるならば、の後に続くとすると、「この命も惜しくない」だとか「どんな努力もしてみせる」といった自己犠牲の文になるだろうか。
自己犠牲なんて高尚な考えは私の脳みそには無いし、あったとしてそのこころは放っておけば私自身に害が及ぶと思ったから、とかそんなんだろう。それはもう自己犠牲ではないし、世間の方々はよくもそんなに世界に献身的になれるものだと感心する。そもそも「誰かのため」を語るものが“本当に”それを想って自己犠牲をはらっているのか甚だ疑問である。
結局のところ全てエゴなのだ、きっと。
なんて厨二病くさく語ってみたけれど、多分いつだってポンコツな私は私のことで精一杯だし、世界だってそうに決まってる。そういうことにしておいてほしい。


No.3【誰かのためになるならば】

7/27/2024, 8:56:39 AM

誰かのためになるならば

誰かのためになるならば
私は一緒に手伝うし、協力できることはする。
だから言ってきえほしい。

7/27/2024, 8:51:38 AM

誰かのためになるのならば、私はどうなったっていいと思っていた。だから銅像になった。だが広場から楽しそうな人の営みをずっとみていると、なぜ私はあそこにいないのだろうかという気になってね
おかしいね。私は銅像になって人間をやめたのに
銅像になってから人並の欲を手に入れるなんて、神様は意地悪だよね

7/27/2024, 8:49:11 AM

誰かのためになるならば

誰かのためになるならば、という言動は
自分のためにもなる
情けは人の為ならずというように
巡り巡ってその「誰か」が
自分の事にもなる
相手を思った言動の結果
お互いが心地よくいられたら嬉しいし
理想の形だなと思います

7/27/2024, 8:36:07 AM

誰かのためになるのなら、私の大切な物を差し出しましょう。

えぇ、もちろん。私自身の命でも家族の命でもお金でも何だって構いません。

だって私は"良い人"だから。

"良い人"は他人のためなら命だって借金だって自分を顧みずに助けてくれますもんね?




【誰かのためになるのなら】

7/27/2024, 8:35:01 AM

『誰かのためになるならば』

私の血を材料にした薬を作りたいと、人間の男は言った。人魚の肉を食べれば不死の体を得ることができる。その噂が真実であると突き止めたその人は人魚の里へとやってきて一人ずつに頼み込んでは断られ巡り巡って私のところへとやってきたそうだ。里のはずれに住んでいる私には身寄りがない。彼が頼み込む先の最後の一人と知った私はなんのためにその薬を作りたいのかと尋ねた。彼は、長く続く戦争を終わらせたいのだと言った。肉に及ばずとも血にも傷を癒やし病を跳ね除ける力が備わっている。その血の力を増幅させる形で戦争へと向かう兵士たちに薬を配れば数に劣る我が国にも勝算が見いだせる。男が熱を入れて語った真摯な願いを聞き届けた私は男に協力するために里を離れることにした。もとより里からはつまはじきにされてきたようなものだから、ここにいるよりは誰かのためになれるのだとその時は嬉しさすら感じていた。
男に連れられ大きな工場の地下深くに押し込められ、腕に繋いだ管から血を採られるだけの日々がもう何日も何ヶ月も続いている。入れ替わり立ち替わり私の世話をする人たちにあの男に会わせてくれないかと何度か尋ねてみたがなにかと理由をつけられて会うには至らなかった。
ある日にふと思い立って別のことを尋ねた。
「あなたの国の戦争はいつ終わりましたか」
「この国の戦争はもう70年近くは起きていませんよ」
私の時間の感覚がおかしかったのか、男が私に語ったことがすべて嘘だったのかは今となってはわからない。それまで大人しく血を抜かれ続けていた私はその時にようやくいいように使われていたのだと気づき、力の限りに暴れ回った。地下深くから地上に至るまでのすべて壊して外へと出ると、何もなかった工場の周りは繁栄を極めた街となっていた。私の血は見知らぬ誰かのためとなっていたらしい。ならばそれをどうこうする権利が私にはあるのではないか。腕から血を垂らしながら私は街へと向かうことにした。

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