『見つめられると』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「見つめられる」ほど どんどんあなたが気になる
それは期待してもいいってことでいいのかな
/見つめられると
アイツが俺を見つめる事はまず有り得ない。
逆もそうだ。
見つめるのだって、見つめられるのだって、想像しただけでトリハダがたつ。本当に、不愉快で仕方ない。
でも、ふとした時に頭に浮かぶのはいつだってアイツだ。
真剣に書類を見ている姿や、紙にペンを走らせる姿。どうでも良さそうに空を見上げては「死にたいなぁ」と零す姿に、好物を目の前にして少年らしく目元を緩める姿。
気付けば目で追いかけ、知らずのうちに見つめていた。
それに気付いたのはアイツが悪餓鬼のような笑顔で「僕の事、そんなに見詰めて。実は好きなの?」と揶揄うように言ってきたからだ。
「気持ち悪いからやめてよね」
そう言って直ぐに真顔に戻ったアイツを見た。
そこまで露骨に目は向けていないはずだ。たまに、隙を見て、ちらりと一瞬。たったそれだけの筈の視線に、アイツは気付いていた。
思わず失笑した。
「手前だって、俺の事よく見てんじゃねぇか」
アイツの、珍しくバツが悪そうにとんがった唇が、面白かった。
僕は人と目をあわせられない。
とてつもない恐怖心にかられ、手が震えて冷や汗が出てくる。
目をあわせる以前に、他人の視線がとてつもなく怖いのだ。
きっとあの人は僕の事を冷ややかな目でみている、変な行動したかな? 格好が変だった?、と、余計なことまで考えてしまう。
その生活に疲れて、疲れきって、僕は引きこもるようになった。家からでなければ誰からも見られることはないから。
しかし、そんな生活をしていたら、今度は家族の視線にさえも気持ち悪さが生まれた。
今まで一緒に生活していたはずなのに、拒否感が半端なかった。
家にも居場所がなくなり、外には出たくなくなり、僕の今の居場所は強いて言えば、ベランダと小さな庭。
雨の日は屋根の下のベランダで、晴れの日は本当にお気持ち程度の庭にいた。
そんな僕の居場所には、いつも先客がいる。その先客は、いつも僕のことを見つめてくる。でも、苦ではない。拒否反応もでない。ガン見で舐めるように僕のことを見つめてくるのにだ。
ベランダの先客は決まって鳥達。餌付けをしている訳でも巣を作っている訳でもないのに、雨宿りにきているのだろうか、毎度あってしまう。
庭の先客は猫。野良猫の通り道なのだろうか、我が物顔で庭を歩いている。ちょっかいをかけてみると、めちゃくちゃガン見してくる。可愛い。
人に見つめられると、本当に気持ち悪くて負の感情しかうまれないのに、こういう動物に見つめられるとほんわかな気持ちになる。
あーあ、どうして僕は人なんだろうなぁ。
【見つめられると】
※【安らかな瞳】の続き
悪戯っぽい笑みで私を見つめるあなた。
その笑顔も慣れたと思ったのに。
見つめられるとドキドキする。
やっぱりあなたには敵わない。
だってこの先もあなたに恋するから。
そんなふうに見つめられたら照れちゃうよ
そんなシチュエーションに出会いたい
楽しいことがないだ
るんるんうきうき
そんな恋愛をしたいのに
なんかそわそわそわそわ
そんなのしかしてないね
どなたか見つめてくれませんか
―見つめられると―
暖かくなると、野良猫が出てくる。
気がつくとこちらを見つめてじっとしている。
どんなに急いでいても、つい見つめ返してしまう。
写真を撮ろうとスマホを向けると大体逃げられる。
残念……。
「見つめられると」
どんなに遠くから見つめられても
そこから近づいてきてはくれない
僕がどれだけ立ち位置を変えても
じっと僕のことを見つめているのに
そこから近づいてきてはくれない
だんだんと恥ずかしくなって
赤くなって
隠れてしまおうとすると
君は首を垂れる
君の名は 向日葵
見つめられると
先生の瞳はどんな宝石よりもうつくしい。
教室の蛍光灯の下でも、
体育祭の濃い青の空の下でも、
放課後の夕焼けの下でも。
それぞれ違う雰囲気を纏っている。
だからついつい、
授業中も先生と話す時もその瞳に見とれてしまう。
あまりにも見つめているからと
先生が目線を合わせてきて、
それがまたうつくしくて尊くて。
ちょっと待って???
もしかして、先生が私のこと見つめてる???
そう気づくと急に頬が熱い。
「海月、耳まで赤いぞー?」
もう、先生分かっててやってるでしょ!
俺は、だいたいのことに興味がない。
好きだとか、可愛いとか、そう思うのは、あなたにだけ。
だから、らしくもなく胸が昂る。
その紅い瞳に、心底から惚れ込んでいるせいで。
『見つめられると』
貴女に見つめられると何故だか胸が痛くなる。もう帰ってこない貴女の写真を手に取る。私のことを一直線に見つめる貴女の瞳は貴女を助けることの出来なかった私の心を酷くえぐった。
いや、違う。
胸が痛くなるわけではないのだ。
これは貴女に向けた私の同情。貴女に向けた私の罪悪感なのだ。写真を持つ手が震え、写真に私の体から出ていった水が落ちた。思わず口から言葉が溢れた。
、、、ごめんなさい、、、
/見つめられると
眼のおもてが
ぐっと押されるようなの
静かなのに強い風を
あてられているみたいに
まぶたが降りる
ぬれてあたたかい眼をつつむ
カーテンのようなそこも
まだ風を感じていて
視線は目にしみる
肌にしみる
少し居心地の悪いほど
わたしを閉じこもらせて
予測のつかない風の手が
わたしの頭を撫でている……
わたくしのお慕いしている方。涼し気な目元に、意思の強い瞳。
遠巻きからひと目見ただけで恋に落ちてしまいました。
わたくしはこんなにも見つめているのにつれないお方。その瞳にわたくしを映しては下さらないの。
貴女を手に入れてしまいたいだなんて言ったら野卑な女だと思われてしまうかしら。それでもわたくし、辛抱強くありませんの。だから……
今思えばわたくしはどうしてあんなにも悩んでいたのかしら。簡単なことでしたわ。隣にいる貴女は少し冷たいけれど……今やわたくしに独り占めさせて下さいます。けれどずっと見つめられていると照れてしまうだなんてわたくしは我儘ね。
見つめられると
アルバムを開くと、いつもそのなかの君は笑っていた。
時にとても、屈託なく。
時に、柔らかく。
それが、今の君は。
どうして、そんなにも怯えた眼をするようになってしまったのだろう。
じっと見つめると、まるで眼がカナシバリにでもなったかのように。
怯えてるくせに、そらさない。……いや、そらせないのか?
それこそ、蛇に睨まれた蛙のような。
どうしたら、君は笑えるようになるのだろうか。
そう思ったら、勝手に手が君の目尻に触れていた。
──ああ。頼むから、そんなに怯えないで。
私のことを考えてくれてるのかな。
私に好意を持ってくれてるのかな。
そう思うとドキドキした。
その時から、あなたは私にとって
気になる人になった。
「見つめられると」
今僕の目の前に立っている女性は僕が嫌いな目をしてる。
様々な欲に染まった、そんな目だ。
彼女の瞳は己は目の前の相手よりも上の存在だと見下しているような、周りの視線は全部自分のモノで全てを手に入れた気になっているような、ドロドロに歪んだ感情に塗れてる。でもその中に僕に対する欲情も孕んでる様にも見えるや。
嗚呼、やっぱり居心地悪いな。あの子の付き添いで参加したこの夜会。あの子の着飾った姿に惹かれて着いてきたけど…ついてない。早くこの場を抜け出したい…。あの子の綺麗な瞳で見つめられたい。この世の"綺麗'を詰め込んだ瞳で、一切の穢れを知らないような純粋な瞳で見つめられたい。
あの子とやりたい事を考えてたら自然と口角が上がってくる。楽しみだなぁ。--ふと目の前の女性を見ると固まってる、真っ赤な顔して。なんでだろ。まぁいっか。適当に話して早くあの子のところに行こ。
「美しいお嬢さん、本日のお召し物良くお似合いですよ。もうすぐダンスが始まると思いますので楽しんで下さいね。」
『あ、あの!良ければ一緒n…ヒュッ』
「…ふふ、どうかなさいましたか?」
『あ…いや、なんでもない…です』
「そうですか、では私はここで失礼致しますね。」
…つい殺気が出ちゃったな。まぁいいや。
-早く、早くあの子の元に
会場を出て屋上に向かうと、居た。白銀の髪が月明かりに照らされて輝いている。僕に気づいた彼女が振り向いてその瞳に僕を映す。青空を閉じ込めた様な、透き通ったその瞳に。
--やっぱり君の瞳は美しい。何者にも及ばない。
そんな瞳に見つめられる、何にも変え難い優越感。
『見つめられると』
見つめられると、声が出なくなる
見つめられると、体が震えてくる
見つめられると、息が苦しくなる
見つめられると、汗が吹き出てくる
見つめられると、素直になれなくなる
だからもう、見つめないでね
自由への讃歌
音楽、絵画、彫刻、建築、そして詩。
これらは皆アートだと僕は思っている。
僕は詩を書くとき、音楽を聞いてインスピレーションを得るんだ。
例えばジャズ。
クラシックも好きだけど、20世紀のスイング、モダンジャズが特に好きで、これを聞くと頭の中に一枚の絵画が完成する。
具体的なものから、だいたいは抽象的な、あるいは記号のようなものが頭に浮かび、それをスケッチするんだ。
スケッチしたものを今度は紙に起こす。
それは抽象画になったり、詩になったりする。
躍動感を得る。
「芸術は爆発だ」とはこの感覚だろう。
逆に僕は風景や自然をアートにすることは非常に苦手で、ただ目に見える美しさというのは表現が困難だと思う。
美しい写真を見るのと、風景画を見るのとでは違う、そんな感じだ。
でも、不思議なことに20世紀のモダニズム建築や古風な住居などを見るとアートの感覚が再び沸き上がってくる。
建築は立派なアートだ。そこで生活する人々を魅了する、設計家たちの感性が詰め込まれた魔法の箱のようなもの。
だから、休日はモダニズム建築巡りの社会科見学ごっこをして楽しんでいたりする。
建築で僕がいちばん好きなのはコンサートホール。
たくさんの観衆の前でグランドピアノを弾くピアニストは圧巻だ。
僕が敬愛している亡きジャズピアニストのオスカー・ピーターソン氏に是非「自由への讃歌」を演奏していただけるなら、そんなコンサートホールで聞きたいと思う。
世界はアートで溢れている。
人々は常に芸術に惹かれ、芸術を創造し、芸術を探求する。
映画や本の世界もそうだ。
チャップリン、キートン、ヘミングウェイ、メルヴィル。
僕も本や詩や絵画を楽しむそんな一派だ。
さあ、今日は何を創造ろうか?
あんなに近くに居てくれて、
手を伸ばせば触れられる距離なのに
怖くて、
とてもそんな事すら出来ない。
近すぎて、ドキドキして、
息が苦しくなったくらいなのに
とても遠くて
心は届かないんだと思う。
あまりにも不意打ちで、
メガネをしないままだったから
表情も何もかもが
ボヤけた視界の中だったけど、
あの人に見つめられたわたしは
止めどない想いが溢れて
自分を見失ってしまう。
やさしく包み込んでくれるような
あなたの瞳に見つめられると、
わたしの気持ちは
止められなくなってしまう。
止まらなくなってしまう。
すべてを投げ出して、
甘えたくなってしまうよ…
- 見つめられると -
見つめられると
ん?と返す
恥ずかしいけど
それは見せないように
一旦視線を外して
今度はそっと見つめて
見つめられて
照れるあなたの
恥ずかしそうな顔が見る
見つめられると
胸の鼓動が高鳴るの…
あなたに聞こえてしまう
かしら?
恥ずかしい…
そんなに見つめないで…
どうしようどうしよう
ソワソワ
恋に落ちてしまいそう…