見つめられると
アルバムを開くと、いつもそのなかの君は笑っていた。
時にとても、屈託なく。
時に、柔らかく。
それが、今の君は。
どうして、そんなにも怯えた眼をするようになってしまったのだろう。
じっと見つめると、まるで眼がカナシバリにでもなったかのように。
怯えてるくせに、そらさない。……いや、そらせないのか?
それこそ、蛇に睨まれた蛙のような。
どうしたら、君は笑えるようになるのだろうか。
そう思ったら、勝手に手が君の目尻に触れていた。
──ああ。頼むから、そんなに怯えないで。
3/28/2023, 12:08:19 PM