『裏返し』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
裏返しはうっかりした印象があります。
服を裏返しで着るみたいな。
好きの裏返しで好きな人をいじめる、とは昔から言ったものだ。
子供が好きな子にちょっかいをかけるための小技みたいなもの。
だが大人になるにつれ、あれはいいものでは無かったのだろうと思った。
軽めのものから重めのものまで、子供は加減がまだ分かっていない部分が多い中で好きな子と話したいからとか、意識してもらいたいといったものでちょっかいをかける。
しかし今になれば好きな人には裏返しで思いを伝えるより、全面に出して好きが丸見えくらいの方が良いのでは? と考えてしまった。
「本当はね。」
この先の言葉が言えなかった。君に出会うまでは。
「明日の放課後、駅前のカフェ行こうよ。」
友達が、私の机の前まで来て言う。私は笑顔で答える。
「いいよ。めっちゃ楽しみ。」
本当は行きたくない。面倒くさいし、時間の無駄だし。それでも私は、自分の本心を裏返す。だってここで反対したら、あとがもっと面倒になるって知ってるから。私は、言葉を飲み込むのだ。
私は放課後、明日の憂鬱を忘れるために屋上に向かった。一人になりたかったから。しかし、屋上には先客が居た。その先客は、私のクラスの異端児の男子。ズバズバと正直に言う彼が、少し苦手だった。引き返そうとすると、彼がこちらを見て言った。
「君って、気持ち悪いよね。」
突然の罵倒に、思わず手が出そうになった。しかし、私はその気持ちを抑え込んだ。
「ごめんね。気分悪くしちゃってた?」
笑顔で言う私を見て、彼は嫌そうな顔をした。
「何で、嘘つくの?」
やっぱり気づいてたのか。私は嘘を吐くのも面倒なので、正直に答えた。
「面倒くさいからだよ。でも君には分からないよね。」
「うん。全然分からない。嘘つくのが面倒くない?」
「分からなくて良いよ。私は君を分かりたくないから。」
彼は少し笑った。
「君はさ、そっちの方が良いよ。」
「あっそ。君が良くても私は良くないの。」
「君は、何をそんなに怯えてるの?」
訂正しよう。私は彼が嫌いだ。全てを見透かす彼の態度が嫌いだ。彼に見られたら、私の本心を知られそうで怖い。
「僕が思うに君は、一人になるのが怖いんじゃない?」
ほら。答えられた。知られた。本当に彼が嫌いだ。
「そうだよ。私の本心を知られて嫌われたくないんだ。」
「僕が居るよ。僕だけは君を嫌わない。」
あぁ、辞めてよ。泣いてしまうだろう。彼の言葉は嘘でないと知っているから。彼だけは味方で居てくれると分かっているから。彼が嫌いなんて嘘だ。本当は彼の正直さが羨ましかっただけだ。心の中では、彼に憧れていたんだ。
あの日から、私は彼と放課後を過ごすようになった。その時間は、どの時間よりも楽しかった。きっと私は、彼が好きだ。それでも、私の言葉は嘘だらけで汚れてしまっているから。まだ心の中に置いておく。いつか言葉を裏返さずに、好きの二文字を言えるだろうか。
洋服は裏返すと汚い。
人間も同じ。
どれだけ加工を重ねても声をつくって
良い子を演じても結局どれも私じゃない。
裏を見られてしまえば価値は下がる。
綺麗になりたい、綺麗になりたい鏡の前で
何時間も自分を見つめる。
本当の私を隠すために。
これは、私を想っているからなんだ。
愛しているから、こうしてくれるんだ。
ジンジンと痛む頬を抑え、精一杯の笑顔を作る。
私の為にありがとう、不出来な彼女でごめんなさい
もっともっと、貴方に相応しい彼女になります。
これは愛情の裏返し。決して暴力では無いの。
だって、私は彼に愛されている、はずだから。
裏返し
俺達はカップルだ。彼女は美咲ちゃん。みーちゃんって呼んでる。付き合い始めてもう一年。恋人らしいことが全くできていない。俺が引っ込み思案なせいだ。
だが、今日はみーちゃんの誕生日!おっと、焦って服が裏返しだったようだ。まだ来てなくてよかった。直せる。今、なんと、みーちゃん家に行って、ケーキとプレゼントを用意している。クローゼットに隠れて待とう。ああ、まだ来ないのかな?
お、遅い。おかしい。普段ならもう家で勉強を始める時間のはずなのに。
なんで?あぁ、家族と出かけているのかな?誕生日だもんね!
、、、ハッ!寝てた。今何時だ、、、?
って、9時ぃ!!??あ、ベッドにみーちゃんが居る。寝てる姿も可愛いなぁ。って、いけないいけない。
クローゼットを開けようと手を伸ばした。
私達はカップル。彼氏は将生。まーくんって呼んでるの!付き合い始めてまだちょっとだけど、、。うふふ。こういうの初めてだから緊張するなぁ。
私の誕生日。きっとサプライズを用意してくれる。まーくんはそういう人だから。逆サプライズしちゃお!
まーくん家。開きっぱなしのノート、ボロボロのサッカーボール、裏返して脱ぎ捨てられた靴下。まーくんらしいや。あれ、スマホがない。忘れてきちゃったのかな?まあいいか。『まーくん大好き!』そう書かれたケーキを持ってベッドの下に隠れた。ちゃんと事前にお母さんに許可も取ってある!
あ、あれ?おかしいな?
まだかな?まだかな?
私の誕生日、忘れてないよね、、?
今何時だろう?
もう七時?!仕方ない、寝ようかな。ああ、期待を裏切られた気分。私の誕生日に限って家に帰ってこないなんて。浮気かな。忘れられてるのかな。ああ、辛い。
ガタッ。
「な、なに?!」
「サプラーイズ!!誕生日おめでとう!!!」
「キャッーーー!!!アンタ誰!?」
「ん?みーちゃんの彼氏の金岡 "奏斗" だよ?」
「し、知らない、、。勝手に入ってこないで!どうやって家に!?」
「みーちゃんの為につくちゃった。合鍵。笑」
「、、、あれ、みーちゃん顔変わった?メイク落としたみーちゃんも可愛いよ笑
声も違うような、、?」
僕は将生。彼女ができた。嬉しいんだけど、、。彼女の誕生日が近い。何を買っていったらいいんだろう?妹に聞いてみよう。
「なあ、"美咲"ー。」
「んー、なあに?」
「今度さー、僕の彼女が誕生日なんだよね。」
「うんうん。え、いつ?」
「ちょうど1週間後。」
「えー笑私の誕生日と一緒じゃーん笑」
「あ、ホントだw」
「あー、アタシも彼氏欲しー笑」
「できるよいつか笑」
「いつかっていつよ?」
「いつかはいつかだよ。てか、誕生日何買ったらいいんだろう?」
「あー、女はみんな、〇〇とか喜ぶよ。」
「へー。他には?」
「他にはね、、、。」
誕生日だ!彼女の為にケーキもプレゼントも用意したぞ!よし!
「今日は美咲の誕生日だし、出かけるぞー!」
「えっ」
「今日、将生の彼女の誕生日なんだよ。将生だけ置いて行ってあげて。」
「知らん!家族サービスだ!ついてこい!」
父はいつもこうだ。無理矢理いいことをしたと通そうとしてくる。こうなったら、誰も止められない。
仕方ないので、ラインを打つ。見てくれるよな。あー、明日、一日遅れたこと、フォローしないと。
めんどくさい。許さん父。
補足。裏返しの意味。
1、物の裏を返して表にすること。
2、反対の立場、逆の視点から見ること。
裏返し
途中です!
あらすじを聞いただけで、くっっそほど観たくて観たくてたまらない、と大興奮するような、わくわくが止まらない設定。
大きな困難に対して、どんなに苦しかろうと
成長したい一心で、真剣に、一生懸命に向き合い、立ち向かい方を見つけたら、
死ぬ気で努力しまくって突破口を掴み取る主人公。
そんな神漫画を読むたびに、心の底から思う。
あぁ、私も、あんな良い漫画を作りたい、と。
テンプレすぎる悩み、テンプレすぎる展開。
そんな漫画を読み終わった後、すっきりはする。
けれど、神漫画を読み終わった時のように、
こんな漫画を作りたい、とはまるで思わない。
ぺらっぺらの薄っぺらい綺麗事のセリフばかり
並べた、短すぎる、完成度低すぎる、
"一応作った"感増しましの感動シーン。
そういう漫画を読んだときもそう。
イマイチな漫画を見るたびに、こう思う。
私だったら、もっと良い漫画を作れるかもしれない、と。
どちらにせよ、どんな漫画を読んだにせよ、
いつも思っている。
あぁ、私、漫画作りたいな、と。
普段は、漫画は読むものであって、
作るものじゃないよねー、と澄ました顔でいる。
けれど、漫画を読むたびに、漫画を作りたいという思いがくっきりと浮かび上がってくる。
あたしの世界が狭まってゆく
ついに一直線上の世界が出来ました。
眠っていたい、何も感じず
深い深い眠りの中にいたい。
夜
ひとり眠りについて
朝
目覚めないまま
死ねればいいと思う。
あたしの世界は窮屈だ。
他でも無いあたしがそうしたのだけれど
他人のせいにした方が
すこし
楽そうだ。
思い残し
今日は、彼と別れてちょうど5年になった。哀しみと苦しみが交じる四季を過ごしたせいか彼のことも少し薄れていた。「今何してるのかな?」そんなことを考えながら海の近い桜並木の下を一人自転車に跨がって愛犬と走る。ここを通る度に、あの楽しかった4年間の記憶がじわじわと蘇る。
私の名前は、近江瑠衣現在独身6年目に突入した。今は、幼い頃からの憧れを叶えて小学校の教諭をしている。忙しいがものすごく充実している。あの日の後悔を胸にしまって、彼の事を待っている。私の待っている人、それは今をときめくHani&haniの蓮こと阿部蓮君だ。彼との出会いは、運命のようだった。彼がデビューする前からもっと言ってしまえば、事務所に入ったときから知っている。そんな彼と、ある日会ったのだ。私が、学校から帰ってきた時、まだ中学生くらいだった彼が、私の隣に引っ越してきたのだ。私は最初物凄く驚いた。彼が引っ越してきた次の日から一緒に登校するようになった。毎回のように海の近くを通って、でも彼にも仕事があるので 一人の時の方が多かった様な気がする。あの時はまだ、こんな未来が来るなんて想像していなかった。
「裏返し」
人の裏まで知りたいとは思わない。
仮に、その人の表面しか知らなかったとしても
私が好きなのは、その表面だから。
裏返したら、別人かもしれない。
浅い付き合いと思われるかもしれないけど、これでいい。
自分が楽だから。
逆に自分の裏面は知って貰いたい。
そんな気持ちだと、裏面も意味無くなってくるかも。
表から透けて見えてそうで、だんだん裏表の区別なんか
つかなくなってくる。
人生はいつも良い事と悪い事の裏返し。そんな人生は嫌だと思うでも良い事ばかりではちょっと物足りないのかな?でも悪い事の繰り返しの私は良い事ばかりの方がいいなと思ってしまいます。
彼の腰まである長い緋色の髪の毛は今日も1本に括られ、戦闘時には彼の激しい活躍に合わせて忙しなく揺れている。
上半身だけを見れば女性そのものな容姿をしている「彼」、よしのりは驚異の体力と筋力を持ち、全長およそ120cmほどの大きな鋼鉄製のバールを武器に妖怪も悪魔もゴーストさえも物理で倒してしまう、物理特化の異能力の持ち主で…そして、身体の一部と精神は男性なのである。
そんな「特異」が服を着て歩いているような存在である彼は僕の相棒で、そして僕は彼を狙撃で援護しつつも彼に熱視線を送る日々を過ごしている。
「うぉーい、アルちゃーん!終わったぞー!」
「お疲れ様です!敵やトラップもなさそうですね」
彼が目視できる範囲全ての敵を殲滅し終えてこちらに声をかけたので、僕はスナイパーライフルのスコープから目を外し、双眼鏡で周囲に敵の存在や不自然な地面の盛り上がり、物陰に潜むものが無いことを確認してから彼に安全を伝える。
これがいつものルーティンだ。
「あ、そーだ!さっき巻き込んじまったイノシシここで捌いて持ってくからお前ちょっと目ぇ閉じててくれ!」
「またですか!?一昨日もアナコンダを回収して蒲焼きにしてましたよね!?まだあの肉残ってるんですけど!!」
「バッカお前、捌いてすぐ食った方がいい肉と熟成した方が美味い肉ってもんがあんだよ!猪肉は綺麗に処理してから二、三日熟成させてぇんだよな〜」
「理屈は分かりますけどもう保管できるスペースそんなに無いですって!!」
「んなもん何か適当にでっけぇコンテナでも拾って牽引して行けばいいだろ〜?」
「軽トラでトレーラーのコンテナを牽引できる訳ないでしょう!?貴方さては世界トップクラスの馬鹿なんですね!?」
「アルちゃん?流石にそれはおじさんもちょっと傷付いちゃうぞー?第一、お前運転免許ほぼ全種取ってたよな?」
「ええ、まぁ重機、戦車、船舶、2種、小型二輪は概ね習得してますが…」
「んじゃあ、さっき寄った廃墟群の近くに転がってたトレーラー貰ってくかぁ」
「は…はぁ!?!??何言ってんですか!?大体、廃墟群に乗り捨てられてるって事は使えるかも分からないでしょう!?」
「だーいじょーぶだって!おじさんを信じなさい!」
「そんな奇跡信じろって方が無理ですよ!!ほんと何考えてるんですか貴方って人は…!!」
もう…次から次へと、よくもまぁこれほど奇想天外な発想ができるなと感心しそうにさえなる。
これもまた、いつもの「ルーティン」の1つと言っても過言ではないかもしれない。
この人の食欲とそれに関する知識は素晴らしいが、それ以外はとてつもなく雑で無茶が過ぎるので、それに付き合わされる僕は毎回こうして彼に驚き、暴言に近い説教を試みるものの、彼の方が一枚上手なようで、いつもこうして更なるクレイジー発言を被せられて最終的には言葉も出なくなってしまう。
本当に、この人には敵わない。
いつでも破天荒で、目の前の敵も問題も勢いと思い付きとパワーで粉砕してしまう…嵐というより、もはや自然災害(カラミティ)のような人だ。
きっと、目の前で豪快に笑っているこの人には誰も敵わないだろう。
けれど、僕は知っている。
彼が時折、1人になると静かに物思いに耽っている事を。
全ての感情を噛み殺しているような、それでいて何もかもを持たざる者のような…
内側を読むことができない複雑な表情で、静かに、虚空を見つめている彼は、ある日突然消えてしまうのではないかと僕を不安にさせる。
彼の笑顔は、破天荒で天真爛漫な振る舞いは、彼の人には言えない何らかの凝縮された感情の裏返しなのではないかと。
或いは、彼の内側を蝕む虚ろな感覚であるか…。
そんな事を考えてひとりで悶々としていたら、背中越しに彼の声が聞こえた。
「全部下処理して熟成させようと思ったけど、やっぱ今夜ちょっとだけ猪肉使って石狩鍋でもしようかな?」
……前言撤回。
やっぱりこの人がそんなアンニュイな素顔を持っている訳がなかった。
人の気も知らないで、なんて呑気な人なんだ…
とりあえず僕はいつもの様にこう返した。
「鍋ならキノコも要りますよね?」
あなたのことを思って
は
私の思いどおりに動いて
相手を信じれない私の姿
本当の感情はどこにある
真実はいつも闇の中
裏返し
あ 便利になった
い 本当に
あ いつでも話せる
い 本当そう
あ もしもし…
い …
あ もしもしー
い きっと出かけてるんだよ
『裏返し』
私は人の動作や表情、些細な言葉の一つ一つの
裏返しの気持ちをすごく考えてしまう
考えなければすごく楽に生きられるだろうに
どうしても本心を探ろうとしてしまう
自分で自分を追い込むのはやめたいのにな
新しい服を着てみた
友達から「裏表逆じゃない?」って言われた
前後ろも逆だった。
ある人から貰った手紙。
別に、そんなに仲が良かった訳じゃないけど、
文通を始めた。
今どきスマホがあるのに、
なんで文通しようと思ったんだろうと、
お互いよく分からないまま、
3年ほど経った。
今日の手紙はなんだかおかしい。
いつもより文章が短いし、
書きなぐりのようにも見える
ぐちゃぐちゃな字。
どういう訳か、
なんとなく裏返してみた。
「しにたい。」
と、
一言だけ書かれていた。
びっくりして、
すぐその人に手紙を書こうと思った。
お願い生きて。なんて無責任な言葉は、
絶対に使いたくなかった。
できるだけ
いつも通りの文章で、
できるだけ
暖かい言葉を使って、
最後に私が大好きな漫画の
ある一言を書いた。
"Good Midnight!"
なんだか少し洒落てしまった。
でも今のあの人には
丁度いい。
生きてる間に届けばいいなと
少し曇った空を見上げた。
『は、はあ?! アイツのことなんか好きな訳ないし! む、むしろ嫌いっていうか……』
きっと、どこかでは見慣れたもの。
『味のしないガム』とでも言われそうな程に存在するもの。
『ほんと、ドジでバカで……どうしようもないわね』
彼女はいつも、僕に当たりが強い。他の人間には笑顔で接するというのに、幼馴染の僕と接する時だけはその顔を顰め、眉の形を変えて、怒りの言葉のようなものを発する。
けれど、それは不快じゃない。
『ねえ。────。』
『好きです』
好意の裏返しから来るものだと、分かっているから。
愛の反対語は無関心というもので。
うん。
この不愉快でグツグツ煮えた感情があるということは、どういうこと?
愛してる人のあれこれで、くそ腹立つのは、反対語とは異なる裏返し?
うん。
兎にも角にも、なんだろうね。
時々ね、君からの感情は無関心なのかなって感じるよ。
君は僕が数日いなくても、健やかで清らかに日々を過ごしているでしょう?
うーん。わからない。
言葉にしても収まらないこの感情はなに?
愛の裏返し?愛の一方通行?愛じゃないなにか?
ああ、むかつく。
3日目
「ロディ、ジェシカ破綻。吊っていいと思う」
シンと静まり返った屋敷にたんたんと響いた。
「双子だから疑いたくなかったけど、明らかに破綻してる。これは焦った狼確定でしょ?」
同席している者たちの視線を気にも止めずそう続けたのは、初日から寡黙気味だったサンドラだった。
「サンドラ?でも、その2人は占い師から人狼ではないって診断されてるんだよ?
僕はそうやって場を掻き乱してる君が狂信に見える。…サンドラが狂信なら最後の狼は、、ロディかなぁ?」
メガネをクイっとあげサンドラに反論したのは、誰が死んでも冷静に屋敷を出るために考察を続け、積極的に議論に参加していたフェイだった。
「ごめん。この人数で狂信は残ってないと思うんだ。
それに昨日の段階で狂信はメアリーだってなったじゃないか」
「ロディが擦り寄ってくるんですけど、、
無理。ロディ吊ろう。ジェシカもそう思うでしょ?」
「っ。、、ロディさんはずっと人間だと思ってますのっ。
サンドラも昨日そう言ってたじゃない。ねぇどうして?今はフェイさんかアンナさんじゃなくって?」
少し怯えているような態度でサンドラに反論するジェシカに軽く舌打ちをし睨みつける。
「あのさ、いつまで能天気でいるの?終わらなかったからそこを疑うしかないじゃない。
フェイ目線狂信もいるなら人狼と協力されて私達が殺されるんだよ?分かってるの??
ずっとビクビクして怯えて。そんな食べやすそうなあなたがなんでまだ生きてるの?生きてるだけで怪しいのよ」
そうイラつきながら詰め寄ろうとするとジェシカの前にロディが身を呈して庇った。
「はぁ。お話しにならないわ。私は生きてここからでたいの。
ま、適当に…フェイあたりから吊りましょうか。」
「ダウト!!」
ずっとこの議論を静観していたアンナが急に大きな声でサンドラに言い放った。
「ずっとロディやジェシカに詰め寄っていたのに、急にフェイ吊ろうとか言い始めて、、
焦りすぎじゃない?まぁ、狂信いなかったらあなたで最後だもんね。そりゃ、焦るか笑
言ってることブレブレだし、サンドラが最後の人狼でしょう。はい、終わり」
「だって。それはっ。フェイは私を狂信って言うから!!!」
アンナに指摘されるまで饒舌に罵っていたサンドラが吃っている様子をみてアンナとフェイは嘲笑うかのように言った。
「この様子でわかるでしょう。最後でボロが出たね。
もう時間なんて無視して投票しましょう」
「そうだね。サンドラはあって狂信だと思ってたけど、まさか人狼だったんだ笑
演技が最後まで保てていれば勝ててたかもね?」
とこの3日間時間を測っていたタイマーを叩きこわした。
「やっと終われる!あはは。沢山人が死んじゃったけど生きて出られて良かったわ」
「そんな、、嘘よね?サンドラ?ずっと騙してたの?」
「あージェシカが今日まで生きていたのはサンドラに情が残ってたからかなぁ?」
「サンドラ?…だっておかしい。昨日まで一緒に屋敷を出ようって話してたのに。嘘だよね?」
「チェックメイト」
ふふ。と小さく小さく。誰にも聞こえない声量で呟くサンドラを置いて今日の吊り投票が終わった。
サンドラ 3票
「はっ。あんなに裏切られたのにあなた達は入れなかったんだね?優柔不断は身を滅ぼすわよぉ?」
「ちがう。いやだ。サンドラ!!!ちがうでしょう?あなたじゃないでしょ?あなたはそんなことできるような子じゃない!!!!」
「人狼はサンドラじゃない!!だって。あの時っっ、
なぁ答えてくれサンドラ。今までの時間ずっと僕達に嘘ついてたのか??」
泣き叫び処刑を受け入れられないジェシカとロディ、
そんな2人をニヤニヤ見ているアンナとフェイの前にいるサンドラの前にGMが銃を突きつける。
「あっはははは。こんな状況になってもっ。あんなに罵って突き放してもそんな甘い考えなんだ?
この3日間で分かったでしょ?人間の本性なんてわからないものよ」
泣き笑うサンドラに銃の引き金が引かれた瞬間、サンドラはポケットに隠していた人形を取り出した。
「大好きよ。ずっとずっと」
「道連れは“アンナ”よ!!!!!」
銃声が響いた瞬間サンドラとアンナが同時に頭から血を流して倒れた。
「はぁぁぁ??アンナ?クッソ藁人形がまだ生きてたのかっ。」
『人狼がいなくなったためゲームは終了です。
お好きな時に屋敷から退室してください。』
たんたんと告げるGMの声の後に玄関からカチャリと鍵の開く音が聞こえた。
「え??さん、どら??なんでっ。なんで。なんでっ。
人狼じゃなかったら力を合わせれば勝てたじゃない!」
「そうだよ!サンドラ!!だって、人狼側は多くても2人で!俺たちは3人で、、えっ??」
そう2人は忘れていた。この最終日になった日に、全く発言もせずに部屋の物陰に隠れていた男に。
アンナが人狼だって気づいたけど、この人数だと最後は運になる。ううん。確実にヤられる。そんなの許さない。
確実に2人を生かすんだ。絶対に能力を使わせない!!
ただ心残りとして2人は私に生かされたと知ったらきっと酷く傷ついてしまう。
心優しい人だから。2人を傷つけたくない。
だからあんな言い方して、突き放したのに、、、
「本当にバカなひとたち、」
そう言い残して自分を抱き起こし泣いている2人を見て満足そうに微笑みサンドラは冷たくなっていった。
〜配役〜
サンドラ:藁人形
ジェシカ:市民(呪われ)
ロディ:復讐者(メアリー)
フレディ:ギャンブル狂
フェイ:狂信者
アンナ:狼(LW)
お題「裏返し」
初めての頭使う系でめっちゃ破綻してると思うけどゆるしてね😉
考えるの難しかったけど、意図が伝わって欲しい。