『裏返し』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「裏返し」
私たちは表の顔と裏の顔がある。
人前によく振る舞う面の顔。疲れたときにみせる裏の顔。
ときには親しい友人にもいずれか裏をみせ、「親しかった人」になる。
【裏返し】
あるところに誰が見ても綺麗だというカードがありました。
ある日そのカードに触れて裏返そうとした人がいました。
「辞めときな」
「どうして?」
「綺麗なものほど裏側は汚いものさ・・・裏側を見てしまえばもう見てないときには戻れないよ」
そういう老人の言葉を聞き少し考えたが結局考えは変わらずに老人が帰ったのを見てカードを裏返した。
「・・・好きだ」
そのカードは誰が見ても殆どの人は汚いと言うだろう。
「僕たち似た者同士だね僕にとっては裏側のカード面の方が安心できるしありのままの面を見ているようで僕はこっちの方が好きだよ」
靴下を
裏返しにして
脱ぐ子供
戻して干す
裏返らない愛
右 左 上 下 斜め
この決断が運命を決める!
「姉ちゃんさっさと置いてよ」
「ここに置けば勝てる!」
裏返して裏返す
おやつをかけたオセロ対決。
裏返し
好きな彼と遊びに行くとき寝坊した。
なぜなら殺人報道があったからだ。
しかも私の住んでいる家の目の前の家で起きた事件。
凶器はアイスピック。
[この服は裏返しにしなきゃ色が見えちゃう]
テレビから音が流れる。
《未だに凶器は分かっておりません》
「私。貴方のこと嫌いだ。だから、貴方のことを忘れようとおう。」
ずっと、貴方の事を考えていた。貴方を思い浮かべる曲を聴いて、貴方が残した小説を読み、貴方の面影を探して、貴方に再会出来るのを今か今かと待ち続ける。
少しそれが苦しくなってきていたのは、何となく気付いて居たけれど、認めてしまえばきっと、辞めてしまうと思ったから。
貴方を忘れてしまうと思ったから、目を逸らしていた。
でも、何処に居るのかも分からない貴方を待ち続けて、期待し続けて何になるのだろうか。
そう思うと、何だか、胸が締め付けられて、首を内側から締め付けられた様な、気持ちの悪い感覚で体が満たされていった。
「私、幸せにさせた途端消えるような貴方は嫌いだ。」
心の中の貴方が、言う。
「そうだね。きっと私は最低だ。」と。
きっと、貴方は困ったような笑顔で、こちらを見ると思う。それは私の願望だと、思うけれど、仕方がないじゃないか。
今の貴方はどんな表情で、どんな動きで、どんな言葉を紡ぐのだろうか。貴方が居なければ、何も分からないのだから。
これが恋とか愛とかそんな言葉で表せる情ならどれだけ良かったのだろう。
私は貴方の事を、信仰している。
踏み絵すらも出来ないくらい貴方の全てを、絶対と信じて止まない。
これは、きっと貴方が居なくなってから、だと思う。思い出は美化されるし、居ないのなら最悪が増えることはない。ただ、キラキラと綺麗な思い出が降り積もるだけ。
日々日々、変わっていく貴方を。
私の中で変えられていく貴方に耐えられなくなった。
「私、貴方のこと嫌いだ。だから、貴方のことを忘れようと思う。」
言うつもりのない言葉が零れる。
それはきっと私の本音だ。私が裏の裏にまで隠した本当の音が、変わっていった貴方に引き摺られて出てきてしまった。
裏を返して、全てを見せようとする。
私を変えるのは、やっぱり何時でも貴方なんだね。
あのね。私、貴方を忘れようとしてる。
嫌いだと思ったから、私を変えていく貴方が。だけど、忘れるってことはずっと覚えてるってことなんだね。
結局さ、貴方のことずっと考えてしまってた。暑いな、体調は大丈夫かな、元気かななんて。
結局、裏返った私も貴方のことを大好きなんて、笑っちゃうよ。
まぁでも、裏が表になっても表は裏になるだけだから、ね。
てか私の心はリバーシブルですから!!
──────
長々と、なんかよく分からないのを書いてました。すみません。
まぁでも、本当に無理に忘れようとすると、かえって心に残るんですよ。
カサブタを無理やり剥がしたら跡が残るように、人の心も同じなんだと思います。
だから、忘れようと思うなら寧ろ自分の中で育てまくってしまった方がいいのかもしれません。
忘れよう、だけど、覚えてた。
嫌い、だけど、大好き。
裏返してても結局人の本質は変わらないと思います。リバーシブルの衣服のように。
どれだけ可愛いぬいぐるみでもどれだけ綺麗な服でも裏は表より醜いものです。どれだけ綺麗なあの子でもどれだけ完璧なあの子でも裏では何を思って何を考えているかは分からない。じゃあ表が醜いものはどうなのでしょう。裏は綺麗なのでしょうか?だとしたら貴方はどちらでありたいですか?
「裏返し」
つらいと思っていたことが幸せだったり
幸せだと思っていたことが
じつはそこから先のない話だったり
将棋の「歩」が
裏返しになると「金」になるなど、
この世には
ひとめみただけではわからないものがある。
裏返してこそ
本物に巡り合う可能性がある。
「裏返し」
15歳に興味がなくなった。未熟さに飽きたからだ。僕は君のこう言いたかった。エレベーターが、しまるその瞬間、無理やり扉をあけて、言いたい。まあちゃんの言うこと聞いて頑張ってたら、きっといいお兄さんになれる
裏返し
「病は気から」
なんて言葉があるでしょ?
そう、気持ちが落ち込むと風邪をひいたりするってやつ
でも、言葉を裏返して「気は病から」にしてみて。
結局病に気づいた時には心が壊れてる。
貴方はどっち。
〘裏返し〙
明るさと優しさ強さ合わせ持つそれこそ望みもがき続ける
モニター。
PCの。テレビの。ショッピングモールのイベント広場の。家電量販店の売り場に並ぶ大量のモニター。
それを見るといつも裏側に回ってみる。
流石に入り込めるんじゃないかなんて今はもう思わなくなったけど、それでも確かめずにはいられない。
ホントに?って。
そこに映るのは有名な球場。観客で埋め尽くされている。吹奏楽と応援の声。強い日差し。
マウンドに立つ男の子が今、ボールを投げた。ああ、空振り…!立ち尽くすバッターの子。すごく悔しそう。
大歓声と興奮したアナウンサーの声で、画面の前に並んで立ち、8Kとか何Kとかを熱心に説明する店員さんの話は半分も届かない。
私は一瞬目を閉じた。
シャットダウン。
野球をしている高校生たち。それを撮るカメラ。映像が映るテレビ。テレビ画面を見る私の眼。情報を受信する私の脳。
裏返し。
情報を受信する私の脳。テレビ画面を見る私の眼。映像が映るテレビ。それを撮るカメラ。野球をしている高校生たち。
ホントに?
AB型は手のひらをヒラヒラと裏返すように、気分がコロコロ変わるらしい。
いつも素直でいなくても良いけれど
相手を傷付けることを、正当化するのは違うよね
構って欲しいから
躾の一環として
自分のことをワカッテ欲しくて
あなたはすべて、感情の裏返し
でも、傷付いた心は戻らないよ
――――――――――――――――
裏返し
裏返しができるということは表があるということ。
表と裏の多くは違いがあるということ。
人間だって人間関係は表面的なんだから、
裏があっても焦ったり怒ったりしてはいけない。
あなただって人に言ってない一面はあるはず。
全てを見せる人間なんて、
ほとんどありはしないのだから。
だから、あなたのその一面を大切に。
■テーマ:裏返し
裏返して脱いだ服 直す気力もない
実家にいた頃は母が口うるさく言うから…
あっけなく「習慣」が剥がれると
孤独であるよりも 痒くて寂しい
私の幼なじみは最低なやつだった
幼稚園の時は大嫌いな虫を持って追いかけられた
小学生の時はスカートを捲られた
中学生の時は教科書にくだらない落書きをされた
高校生の時なんてひどかった
片思いの男の子に私の恥ずかしい過去を告げ口された
やっと大学で離れられたのに
またこうやって一緒にいる
しかも「俺と結婚してほしい」だなんて
どうせまたからかってるんでしょ?
でも仕方ないからしてあげる
昔から「愛情の裏返し」で散々いじられた分、
一緒にいていっぱい仕返ししてやるんだから
あれ?この服、どっちが表でどっちが裏だろう……
もしかして裏返しに着てないかな?
って、よく見たらリバーシブルの服だった。
裏表の無い服って最高!
裏表のない人間も最高!!
リバーシブルになりたいな。
突然だが、小説家の恩田 陸さんをご存知だろうか。
Wikipediaによれば、
《郷愁を誘う情景描写に巧みで「ノスタルジアの魔術師」と称される。
(中略)
ジャンルの枠にとらわれず、SF、ミステリー、冒険小説、ホラー、青春小説、音楽小説など、そしてクロスジャンルの作品と、幅広く執筆している。》とある。
【裏返し】というキーワードでいうと、恩田 陸さんの常野物語シリーズの短編「オセロ・ゲーム」、第三弾の「エンド・ゲーム」のことが思い出された。
特殊な能力を持った「常野」の一族。
その能力は様々にあり、一つの能力がそれぞれの家系へと受け継がれてゆく。
何を裏返すのか?それは受け継がれてきた本人達も実はよく分からないらしい。よって、「あれ」と呼ぶ。
エンド・ゲームの主人公である時子の父親は「あれ」を裏返す能力が強かった。では、【裏返し】たのなら、【裏返され】ることもあるのだろうか?
読み進めていくと、どうなっていくのか展開が読めず、恩田 陸の世界観に引き込まれてしまう。
それがとても面白く、非日常感を味わえる。これ以上の娯楽があるだろうか?
また久しぶりに読みたくなってきた。大人になったからには、全巻まとめ買いしようかと思う。
「裏返し」No.28
紙を裏返すとそこには愛してるという字が書いてあると思った。でも紙は真っ白のまま。私はその場でしゃがみこんでしまった。わたしたちの愛は偽物だったみたい。