「私。貴方のこと嫌いだ。だから、貴方のことを忘れようとおう。」
ずっと、貴方の事を考えていた。貴方を思い浮かべる曲を聴いて、貴方が残した小説を読み、貴方の面影を探して、貴方に再会出来るのを今か今かと待ち続ける。
少しそれが苦しくなってきていたのは、何となく気付いて居たけれど、認めてしまえばきっと、辞めてしまうと思ったから。
貴方を忘れてしまうと思ったから、目を逸らしていた。
でも、何処に居るのかも分からない貴方を待ち続けて、期待し続けて何になるのだろうか。
そう思うと、何だか、胸が締め付けられて、首を内側から締め付けられた様な、気持ちの悪い感覚で体が満たされていった。
「私、幸せにさせた途端消えるような貴方は嫌いだ。」
心の中の貴方が、言う。
「そうだね。きっと私は最低だ。」と。
きっと、貴方は困ったような笑顔で、こちらを見ると思う。それは私の願望だと、思うけれど、仕方がないじゃないか。
今の貴方はどんな表情で、どんな動きで、どんな言葉を紡ぐのだろうか。貴方が居なければ、何も分からないのだから。
これが恋とか愛とかそんな言葉で表せる情ならどれだけ良かったのだろう。
私は貴方の事を、信仰している。
踏み絵すらも出来ないくらい貴方の全てを、絶対と信じて止まない。
これは、きっと貴方が居なくなってから、だと思う。思い出は美化されるし、居ないのなら最悪が増えることはない。ただ、キラキラと綺麗な思い出が降り積もるだけ。
日々日々、変わっていく貴方を。
私の中で変えられていく貴方に耐えられなくなった。
「私、貴方のこと嫌いだ。だから、貴方のことを忘れようと思う。」
言うつもりのない言葉が零れる。
それはきっと私の本音だ。私が裏の裏にまで隠した本当の音が、変わっていった貴方に引き摺られて出てきてしまった。
裏を返して、全てを見せようとする。
私を変えるのは、やっぱり何時でも貴方なんだね。
あのね。私、貴方を忘れようとしてる。
嫌いだと思ったから、私を変えていく貴方が。だけど、忘れるってことはずっと覚えてるってことなんだね。
結局さ、貴方のことずっと考えてしまってた。暑いな、体調は大丈夫かな、元気かななんて。
結局、裏返った私も貴方のことを大好きなんて、笑っちゃうよ。
まぁでも、裏が表になっても表は裏になるだけだから、ね。
てか私の心はリバーシブルですから!!
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長々と、なんかよく分からないのを書いてました。すみません。
まぁでも、本当に無理に忘れようとすると、かえって心に残るんですよ。
カサブタを無理やり剥がしたら跡が残るように、人の心も同じなんだと思います。
だから、忘れようと思うなら寧ろ自分の中で育てまくってしまった方がいいのかもしれません。
忘れよう、だけど、覚えてた。
嫌い、だけど、大好き。
裏返してても結局人の本質は変わらないと思います。リバーシブルの衣服のように。
8/22/2023, 3:26:25 PM