』の作文集

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』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

6/11/2024, 1:48:01 PM

光の渦の中を、いく筋もの静脈が流れていた。

 この街を上空から見下ろせば、きっとそんな光景が見えるのだろう。

 立ち並ぶ高層ビルは、街の中心部を形作る。競うような高さくらべを、ひときわ天に近い企業ビルがせせら笑う。そんな彼らの足元では、争うレベルにすらない社屋が、卑屈に軒を連ねている。

 それを円状に取り囲む住宅街もまた、競うべき何かを常に探し求めるかのよう。丘陵地帯の邸宅は、登るほどに大きく絢爛になってゆく。特異な何かで飾りつける必要のないお屋敷は、それ自体が既に特異だ。一方で、平地に建てられた家屋は似通った造りが多く、庭の手入れや置いてある車でなんとか差異を見出そうとしている。

 低地へ、郊外へ行くほどに、灯りが失われてゆく。道路はひび割れ、細い通りが多くなる。それはまるで、街というひとかたまりの光にヒビを入れているようだ。

 しかし、その闇は、ある地点で突如途切れる。コンビナートに差し掛かるのだ。

 
 海を囲うそのコンビナートは常にこうこうと輝き、船舶の入れ替わりはいっそ慌ただしい。昼夜を問わない輸出入は、途切れぬトラックの列がどうにか捌いている。


 車列は散開し、光の渦に飲まれてゆく。一台を気まぐれに追えば、それはチャイナタウンへと向かってゆくだろう。

 赤を中心としたその街並みは、明るさで言えば中心街よりも抜きん出ている。活気と熱気ならば、夜間ですら恐ろしいほどだ。行き交う人々は皆して上機嫌であり、地元の者ですら、訪れるたびに新たな発見を喜ぶ。

 だがその喧騒も、ひとつ通りを入れば静まり返る。乱雑に置かれたゴミ箱が口を開け、室外機の上では猫がエサを求めて悲しげに鳴く。

 店のあわいにできたデッドエンドでは、倉庫にすら使えないようなトタン造りの住居が居並ぶ。これで雨風を凌げるのは、主にブルーシートのおかげだろう。


 そんな観察ができる程度には、明るいものだ。それはこの地区の頭上では、ネオン光がギラつく明かりを投げかけているためである。

 そのネオンは、隣り合う電気街と地続きとなっている。一帯が観光客向けに開発された過去があり、その名残なのだ。


 さて。電気街で目を引くのは、やはり猥雑な看板の群れだ。雑居ビルの中に押し込まれたあらゆる種類の商売が、互いを食らうように存在感をアピールする。

 ポスターや壁面では、男女問わず、アイコニックなキャラクターがこちらを向いていることだろう。立ち止まってそれを眺める人間は、たちまちいずれかの店に手を引かれることになる。

 それらの誘惑を振り切って歩けば、大きな駅に辿り着く。既に笑えるほどに大きな構えの駅は、道路を挟んで向かいの商店街と並べば、いよいよ居丈高だ。





 そう、商店街。それは意外なほどにしょぼくれていた。くすんだ茶色のシャッターは、夜中になる前に降ろされてしまう。

 戦前から残るその通りは、駅がもっと小さく、明かりがもっと少なく、辺りがまだ田んぼと畑しかなかった頃から、人々の中心だった。


 古臭いカフェの看板はいつからか「準備中」から裏返されなくなり、生鮮品を扱う店にトラックが止まらなくなってしばらく経つ。ここが最も活気付くのは、学生たちが登下校で通り過ぎるタイミングだ。


 それでも、ここは死んでいなかった。人が立ち退かされ、道路が伸びて、大型ショッピングモールができた。ビルが建ち、新幹線が通り過ぎて、それでも、なお。



 しょぼくれた商店街。光の渦に走る、くらい静脈のひとつ。


 脈打つ都市には、それが必要だったのだ。

 
 



目標文字数2,600字
実際の文字数1,417字

主題「街」
副題「経済」

おはなしにならねーー!!

6/11/2024, 1:46:34 PM

初めて街に出てきた女の子は、
朝早くから街を探検した。

縄張り争いをしている猫
泥酔している大人
威張りんぼうの爺さんと
耳を失くした婆さん
寝坊して会社の遅刻を恐れている男性
自分の価値観で人にランク付けをする女性

女の子は、街にはいろんな人がいるのだと知った。
自分が今まで学んだことは世界の端っこの端っこで
存在していると気付いた。
そしてほんの少しだけつまんないなと女の子は思った。
 
女の子は自分の町に帰って行った。


                 ーエリンジウムー

6/11/2024, 1:41:36 PM

【街】

初めは何もない空き地だった

草原だったかもしれないし

砂場だったかもしれない

はたまた公園だったかもしれないし

路地裏の片隅だったかもしれない

見る人によって変わる世界

そんな世界の中心にはいつでも音楽があった

見えるものは違うはずなのに

みんな同じ方向を見て楽しんでいた

思い思いのものを持ち寄って

自分の作品を作って、誰もがそれを賞賛した



いつからかそんな噂を聞きつけた人たちが集ってきた

それに合わせて広場もどんどんと広がっていった

集まった人たちは疲れた顔をしている人が多かったけれど

ここで過ごすうちに明るい表情に変わっていった

そんな変化も中心で流れている音楽のおかげだと

誰もが知っていて、誰もがそれに感謝し、

それぞれの見え方で愛していた

広場が広くなるにつれてここに住む人も増えていった

最初は各々の場所で過ごしていたが

灯りが集まっていつからかそれは街のようになったけど

それはどこか外の世界のようだった



2024-06-11

6/11/2024, 1:39:43 PM

低い街灯が1つ明滅している
乾いた月明かりが
私を照らす
真夜中の街
夜勤の帰り道

6/11/2024, 1:39:24 PM

〚街〛

都会の街はいつも明るい。
元気な街で治安が悪い所もある。
でも街の空はいつも自分を見ている。

6/11/2024, 1:37:36 PM

#街

 最近、街歩きが目的のひとり旅を
 
 よくするようになった

 知らない街を歩いていると

 自分は、どこへでも、どこまででも

 行けるんだなぁという解放感で

 スキップしたくなる

 
 数時間、数日だけの通りすがりの自分には

 街も一面しか見せてくれないだろうけど

 少しでも深く深く入り込もうと

 歩いて歩いて歩き回る旅

 なかなか悪くないですよ

6/11/2024, 1:37:30 PM

小高い丘から見下ろすと
私が生まれ育った街が見える

私を育ててくれた
街を出て今は
別の場所にいる

時々帰りたくなる
あの街へ

6/11/2024, 1:35:54 PM

【街】
(※性的表現有り🔞)

「君、可愛いね」
「やあお兄さん」
「君のダンス、とても可愛くてセクシーだ」
「僕?」
「とりあえず乾杯しようよ」
「いいよ ずっと踊っていたから喉が乾いているんだ」
「ねえ 君ってどこかのダンサーなの?」
「いや、好きなように踊っているだけさ
もっと僕の踊り、見たい?」
「ああ 見せてくれよ ボクちゃん」

ーーー
ーー


「すごいね
最近のダンサーはここまでサービスしてくれるの?」
「サービス?違うよ。
僕がしたいからしてるだけさ
だって僕のダンス、好きでしょ?」
「ああ、誰もが君を見ていて虜になってた
嫉妬しちゃうよ」
「ふふっ 嫉妬してたの?嬉しいね」
「俺も君の虜だ」
「おや、冗談よしなよハンサムさん
逃げられなくなっちゃうよ?」
「逃げる気なんてないよ
…俺だって君を逃さない」

ーーー
ーー


「あ…ああっ…」
「はぁ…やばい…本当に君はすごいな」
「もっと…踊らせて?」
「わがままなボクちゃんだな」
「あなただって欲しがり屋さんだね」
「君だって…」
「…。」
「…。」
「もっと僕が欲しい?」
「ああ…もっとボクちゃんが欲しいよ」

6/11/2024, 1:32:58 PM

"街"

 久しぶりに晴れた今日は、街中を突っ切っていくコースにした。
 久々に晴れた早朝、久々の散歩でハナの足取りが心做しか軽やかだ。
 露出している肌の感覚が少し湿っぽくなっている。梅雨というのもあるが、少しずつ上昇している気温も空気の湿っぽさの理由だろう。
──そろそろ扇風機を出して、クーラーも点検しなきゃな……。
 ぼんやりと考えながら街路樹の傍を通っていく。
 そういえば、ハナにとって初めての夏だ。身体が小さく体毛が生えている猫など人間よりも体感温度がもっと暑いはず。
──猫の夏バテ対策を調べるのも必要だ……。今年は大変だな……。
 去年の夏はとてつもなく暑かったのを思い出して、ため息が出た。
 そのため息に反応してハナが振り向いて「みゃあ」と鳴いた。
「なんでもねぇよ。ほれ、雨に降られる前に早く行くぞ」
 ハナを抱きながらの折り畳み傘はしんどい。風にあおられやすい構造の折り畳み傘を差しながらハナを抱くのはハナが確実に濡れる。だからなるべく避けたい。
 俺の意図を読んだのか、前を向いて先程までよりも早足で歩き出した。
 リードが張らないように歩くスピードを早めて、早朝の街中を歩いていった。

6/11/2024, 1:30:29 PM

私は私が住んでいるこの街が好き。
朝は迚も静かで耳を澄ますと鳥が小さく囀る音が聞こえてくる。昼は子供の賑やかな声が時折聞こえてきて、穏やかな気持ちになる。夕刻になると美しい夕日が建物の間から垣間見えて世界の美しさを痛感する。夜はまた静寂に包まれ、街灯が灯る…毎日見る同じ景色、それでも私は、美しい、と毎日感じる。
私はこの街に生かされている。
死にたいと思う時、辛いと思う時、悲しい時、そんな時は何時も、嗚呼、この街の景色を見たい、そう思う。この美しい景色が消えない限り、私は永遠に死にたいとは二度とは思わないだろう。
私の住む街は迚も美しい。
貴方の住む街はどうですか?
きっと美しいのでしょう。
辛いですか、悲しいですか、死にたいですか。
ふと、街に目を向けて欲しい。
そこにあるのはきっとこの世の何よりも美しい、貴方を毎日見守ってくれている街でしょうから。
明日もこの景色を見れたなら、それはとっても素敵でしょう。

6/11/2024, 1:26:45 PM

この街の中心にそびえ立つ塔

真上にある満月が全てを照らし

全ての影を作っていた

一人の少女はそんな塔の屋上に立っていた

風が強くて体を揺らし

彼らのように突き落とそうとしてくる

ゆっくりと一回転し街を見渡す

ビル群は残業成果の灯りが並び

住宅街は睡眠時間だと強制するように静かだ

大好きで

大っ嫌いなこの街

月に向かって手を伸ばした

だれか助けてくれる人が降って来ないかなって

そんな期待をした

でもその期待を裏切るように

何が月から降りてくる

あれは一体?

お題『街』

6/11/2024, 1:26:26 PM

煌々と輝く看板たち。
雑念と並んだ建物たちが、皆一様に蛍光色を光らせる。
低高問わず並ぶ光り物たちに紛れた赤信号がゆっくり瞬く。

うなじで簪が揺れる。
浮ついた雑踏の中を、私は足音を高らかに鳴らして歩く。
いくつもの視線が刺さる。
この花街ではお馴染みの視線だ。

私は凛と背筋を伸ばし、それを受け流しながら、歩く。
『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』
この街で恋を売る者にとって、常に意識すべき戒めの言葉だ。街を歩く時、私は常に心の裡で、唱えて歩く。

べったりと欲望の滲む風に乗って、怒鳴り声や呻き声が運ばれてくる。
この街は暗黒街でもある。
この街の、雑多に輝く灯りと人混みが作り出す深い夜の帳には、溢れんばかりの人の欲望が、昏く際限なく渦巻いている。

この街の、そんな混沌さが、私は好きだ。

この街で働く者たちが客を選ぶには、それ相応の価値が要る。
完璧な自己責任が暗黙のルールであるこの街は、実力も努力も持ち合わせない者には際限なく厳しい。

銭に見合う価値のない者たちは、使い潰され、打ち捨てられる。
華やかな街並みを背景に、打ち捨てられた黒い人影がひっそりと蹲っている。ここはそんな街だ。

そして、時にはそんな影と、ふと目が合うことがある。
…ちょうど今のように。

白濁した薄い膜の張ったような瞳が、こちらを見上げている。
不均等に乱れた髪をそのままにして、爛れた右目を引き攣らせて、異常に緩慢にこちらを眺める、未成年とも満たない、くすんだ少女。辺りに保護者は見当たらない。

こういう子どもには、胸が痛む。
この街で捨て置かれる人間は、大抵が自業自得だ。
街の風景に同化しているこの手の人間は、自身の怠慢や不注意から、自分が取れる範囲の責任を超過したことをそのまま地を這いつくばった者たちなのだ。

…だが。だが、そんな人間に巻き込まれ、生まれた状況に恵まれないだけで、不運にも、捨て置かれる人間がいるのだ。
捨て置かれた人間から、この街に生まれた子どもは、その際たる者である。

少女は、殴られた後の仔犬のように、怯えと卑屈の滲む顔で、じっとこちらを見つめている。

綺麗な顔立ちだ。
すっきりとした目鼻立ちに、柔らかそうな頬。前髪にかかったまつ毛は、長く跳ね上がっている。
……美しい子だ。私よりもずっと。

気がつくと、私は少女に手を差し伸べていた。
「おいで」
たくさんの言葉が脳内を駆け巡り、指先に迸ったが、口から出てきた言葉はそれだけだった。

おずおずと、緩慢に、彼女は私の手を取った。
ボロボロだが、大人よりはずっと柔らかい。
薄汚れた瞳は焦点を絞らないまま、こちらの瞳の奥をじっと見つめている。

街の喧騒が遠い。
体にも教育にも悪そうな、この街の、ビビットカラーのネオンたちだけが、私たちを照らしていた。

6/11/2024, 1:26:24 PM


朝は静かみんな仕事に出かける
夜は疲れやストレスを発散するためにあの街にいく
たまにはいいよね発散しないといつかパンクしちゃう

6/11/2024, 1:25:50 PM

題 街

一緒に歩きたい人がいる。
だけど、街に誘えない。
遊びにも、どこにも。

私の心が臆病だから。
一言声をかければいいのに

そしたら、結果が分かるのに。

それでもその結果すら
知るのが怖くてどうしようもない

一緒にいたいよ
隣でいたい
私の隣にはあなたしかありえないと
確信しているのに

臆病な心は

言葉を紡ぐのを拒絶する

結果を告げるあなたの顔を見るのが怖いから
あなたと話すのは
こんなに楽しいのに

この心のぐるぐるを
誰か収めてほしい
私はどうしたらいいの

どうしたら勇気が出るのかな

どうしたらあなたの横に並べる?

そんな事を考えながら
私は今日も平然とした顔であなたと話す

チャンスを伺いながら
あなたへの本心をひた隠しにしながら

6/11/2024, 1:23:27 PM

我が家は広場の真ん中にあって、四方に道が伸びている。
南の通りに入れば本屋が並ぶ。
東にはCD、北にはゲームショップ。
西の通りは映画館がたくさん。
住んでいるのは私ひとり。そういう街を心に描く。
好きなだけ孤独になれる街。

6/11/2024, 1:23:25 PM

『街』(春)

猫がブロック塀の上であくびをする。
桜が風に撫でられる。
散る沢山の花びら。
その1つが、寝転がる川の背中にちょこんと乗る。
今年も君と春を迎えられてよかった、と
花びらは微笑む。

子供たちが公園を駆け回る。
紋白蝶がそれを追う。
飛び交う子供たちの歓声。
それを遠くで佇み見守る木陰が私を誘い込む。
今年もあの人とここで春を迎えられたらな、と
私は微笑む。

そして少しだけ、空の彼方を見つめる。

6/11/2024, 1:22:56 PM

「街」

都会にはキラキラした人生を送っている素敵な人ばかりだと思っていた。

そんな都会に憧れ、わたしはど田舎の地元を離れて東京に行った。

いざ住み始めるとその生活はキラキラと輝いていた。

でもそんな気持ちもすぐに変わった、

ほんとは心に闇を抱えたくらい人が多くまいにち泣きそうになる毎日。

今週末にでも実家にいこうかな

6/11/2024, 1:22:52 PM

【街】

観覧車
遠くに見える街は
僕には大きかった。
母を置き去った故郷は
遠くも心はそこにあった。


観覧車
遠くに見える街で
僕は仕事に明け暮れた。
母を置き去った故郷は
遠くも心はそこにあった。


観覧車
遠くに見える街に
護るものを見つけた。
母を置き去った故郷は
遠くも心はそこにあった。


観覧車
遠くに見える街を
妻と子と眺め笑う。
母を置き去った故郷に
想いを寄せて帰省する。


観覧車
ゆるりと
流れる時と人
ゆっくりゆっくり
出会い、繋がる。

6/11/2024, 1:21:37 PM

荒れ地も湿地も砂漠も森も
人交わりて街となる

『街』

6/11/2024, 1:18:37 PM

『街が消えた日』

どかーん、と
爆発一つ、二つ、三つ…

真っ暗闇の空から光の雨が降り注ぐ
それが家や地面にぶつかって

どかーん、と
爆発一つ、二つ、三つ…

昨日まで確かにあった
僕の家も
学校も
人も
街も

ぜんぶ、ぜんぶ

どかーん、と
爆発一つ、二つ、三つ

簡単に吹き飛んで消えていった
僕らの3月9日東京

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