『街』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
街。
市内の中心地に商店街がある。郊外に住む私はその商店街を「街」と呼んでいた。
高校生になり、自転車でその街をこえて通学するようになった。
同級生には街の近くに住む者もいたが、彼らとの会話で「街に行った」と言うとびっくりされた。というよりは笑われた。
地元民は○○通り、という名称で呼んでいたのだ。
そりゃそうだよねって話し。
舗装されたアスファルトの
道路、歩道、自転車道、車道、左右斜め、後ろに広がる、ビル群、店舗、公園、住宅街。私は自転車を走らせた。
この場所しか知らない。この街の外へ出たことがない。
オレの世界は、狭い。前は、もっと狭かったけど。家の中だけが、オレの居場所だった。
今は、大学の喫煙室とか、仕事場の仮眠室とか、おまえの部屋とか。そういう所が、自分のいていい場所だと感じる。
どうか、もう居場所を奪わないで。
街が冷えきった空気に包まれて地面のアスファルトには涙のあとが残されていた。不思議と目からは涙が溢れていたのに感情はなにも動かない。"君が消えた"その事実だけが頭のなかにある。辛くても助けを求めなかった君が憎らしくて可愛そうで死んでいった君が幸せそうで嬉しそうだから。余計に自分の無力さが身に染みて分かる。冷えた街のなかを私は今何処へ向かって歩けば良いのだろう。
街。
博多の街に
繰り出したのは
3年以上前の事。
コロナが
流行りだしたくらいで
すぐに治ると
思ってたあの頃。
街には
たくさん
人が増えたから嬉しい。
街
夜雨…傘もささず
…濡れた身体…
寂しげで切なくて
涙溢れ…
街を歩けば…
カップルが
楽しげにはしゃいでる
その光景…
横目で
眺めながら…
ひとりさみしく
家路に向かう…
待っていたのは
愛犬だった…
無邪気にはしゃぐ
姿…
嬉し涙…
待っていてくれたのね
…
ありがと…
有象無象を呑み込んで
静も動も共存する
感情の津波が押し寄せる
色が混ざり合い濁っては分離する
此処ではわたしは
息が詰まる
──街
街
街をきれいにしましょうと
書かれた
ゴミ収集車
本当にありがとう
ゴミ収集作業員の皆様
でも私見ました
ゴミ収集車の運転手
今タバコ
ポイ捨てしましたね
「街」
僕は故郷の街が大好だ
朝は鳥が歌い起こしてくれる
昼は母と祖母が手のこったご飯を作ってくれる
夜は虫達とカエル達が合唱を奏でてる
代わり映えのない退屈な街だけど
その自由さが大好きだ
今は遠くの町に居る
馴染みのものがひとつも無い
とても住みやすく苦労もない
幸せな生活をしている
でも時々思い出す故郷の匂い
久しぶりに顔を出すとやはり変わらない
だから僕はこの
代わり映えの無い退屈で自由な故郷の街が大好きだ
街
私の街は不思議だ。
うさぎは二足歩行で立って歩いているし、
犬は人の言葉を使っている。
レストランに行って出てくる料理は魔物のお肉を使っているし、
飲み物の中には目玉に似ている野菜と言われているものが絶対に入っている。
でもその野菜は、今までに食べたことのないような食感がする。
そして、日に日に私の周りの人が変わっている。
でも私は、この変な街から出ていきたいとは思っていない。
────さぁ、あなたも、こっちの世界においで
貴方の住むこの街に、この身を据えてみたいと思ったの。
『思い出』
人間は 思い出の塊で出来てる
駅からの帰り道 ふとした瞬間に
『ここで 車から降ろしてくれたな』 とか
『この道は 手を繋いで歩いたな』 とか
そんな記憶が浮かんできて
ちょっとだけ 私は苦笑いする
今の私が 不幸せなのかというと
そんなこともなく
じゃあ幸せなのかと聞かれると
「まぁまぁかな」と答えられる
そんなもんだ
生まれてから住んでいた町より
この街に来てからの方が少し長くなった
ずいぶん長生きしたような気もする
あの町も好きだったよ
頑張って 大人になりたくて
生きていた町
この街も好きだよ
必死に 何かにしがみついて
生きている街
だんだん
1年が早く過ぎ去るように思えてくる
5年 10年 あっという間だ
そんな中で 沢山の出来事が
思い出となって 私の中に 積み重なっていく
人間は 思い出の塊で出来ている
私は 今日もこの街に生きる
思い出を反芻しながら
ただ ただ 早くなった時間の流れに
身を任せながら 生きていく
私も 誰かの記憶の片隅に
何かの欠片を残しているかもしれないな
あぁ ごめんよ 邪魔して悪いね
あなたも どこかで苦笑いしているのかな
苦笑いで……済んでいるといいなぁ
太陽みたいな君の笑顔が、心を侵す暗い感情を消し去っていく。
早く早く!と勢いよく手を引いて、走り出した。
高鳴る鼓動、じんわりと溢れる幸福感。
もっと、もっと早く走って。
誰も追いつけないくらい、誰も見つけられないとこまで。
全てがこわれてしまう前に、憎いほど美しい太陽が登る前に、この街から逃げ出そう。
『街』
迷いこんで紛れていけば同じ灰の中の砂塵でも砂糖でも
『街』
街
とりあえず自分の城欲しいよね
街並
あの生活を夢見たのはどの街角だったか
人々の声が聞こえる
都心に比べれば雀の囁きのような小さな話し声
一応中部は都会なんだけどな…
私の住む市は都会だ
私の住む街は田舎街だ
ビルなんて窓から遠く見るだけだ
古びた道路標識。端の錆びたところがポロポロ落ちている
信号機なんて小さな通りに一個だけ
学校に行く道には1年で車が数えるほどしか通らない
これが私の街だ
東京に比べればただのアリに等しいかもしれない
それでもこの街は私の自慢の街だ
この街が消えませんように。
水でうんと薄めた、濁る空を見据えて
ぷかぷかと風とたゆたうミント色のカーテンのように揺らぐきみと
陽をたっぷり吸い込んだグラスのくらりとした光に見とれて
僕はふと自分の食んでいたアイスクリームの味を忘れる
ぽたぽた、と手のひらから続いて落ちた雨色のソーダアイスは
お気に入りのスニーカーと跳ねあがった鮮やかな水溜まりのよう
瓶に詰められた飴玉をひとつつまんでみるように
きみの綺麗な色を掬ってみる
ふと空が透き通って見えて、街に出たくなった
誰もいない世界なんで考えられない
そんな世の中甘く無いどんなに言われても
辛い思いなんてしないだから自分で何をしようともしない自分出できない事は無いのに直ぐに諦めてしまう
君のいるソウルの「街」に行きたいな