『行かないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
行かないで
「っ…行かないで!!」なんて…こんな台詞言う資格もないのにね。
「行かないで」とかけまして
「役職は変わらない」と解きます。
その心はどちらも「移動/異動」しないでしょう。
行かないで
どこに行くの?
どうして置いて行くの?
いつ帰ってくるの?
私も連れて行って。
一緒に行きたい。
お願いだから。
行かないで。
行かないで
どこにも行かないで
何もしないで
淋しい‥
『行かないで』
行かないで、なんてすがりつくことができたのなら、今も私の隣はあなただったのだろうか。
あの時にあなたが言ったのは行かないで、なんて可愛らしいものじゃなくて、行くな、というなんとも上からの言葉だったけど、その震える手と縋りつくような瞳は確かに行かないで、という色を宿していた。
振り払おうと思えばいくらでもそうすることができたのにしなかった理由を、あの時の俺は知らなかったけど、今ならきっとわかる。
俺だって、きっと、あなたのことが好きだったんだ。
結果的に俺はあなたを選んで、あの人を捨てたことになったが、その選択を後悔したことはない。
後悔する暇などないほどに、あなたに愛された自覚があった。あなたを愛した自覚があった。
人生の全てを捧げられるほどに、俺の今までをたった一言でひっくり返してしまったあなたが、大切で、愛おしくて、何よりも美しかったんだ。
行かないで
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.10.25 藍
おかえり。貴方の待つ家にずっと帰り着きたかったよ。着慣れて草臥れたエプロンを、笑って伸ばしたりしたかったよ。行かないで、って、縋ったりしたことはない。信じてるみたいに目を逸らしていたのかなあ。
跳ねるような陽射しに笑って、足音に合わせて前を向いて、大きくなった背丈を追い越さないでいたくて、自分はずっと、ここで。ここに…いつしか…いないもの…を、見なければ信じてられると思ってた。
「伝えたいことがある」
彼氏からLINEがきた。
私は大学1年から5年間付き合った彼氏がいる。
彼氏の名前は奏士。とても優しい。
ある日奏士からLINEが来た。
「伝えたいことがあるから、今からいつもの公園に来て。」
そんなLINEだった。いつもの公園とは湊公園。最初にデートしたのが湊公園だったから、思い出の場所だ。
伝えたいことがあるからって、、、。なんだか鳥肌が立った。嫌な予感しかない。そう思いながら、重い足を動かす。
「好きな人が出来た。別れよう。」
だったらどうしよう、、、。最近の奏士はどこか落ち着かないようすだった。そう思いを巡らせているうちに公園に着いてしまった。入口から50m離れたベンチに奏士が座っている。行きたくない、嫌だ。でも行かなきゃ。大丈夫!きっといい話!そう自分に言い聞かせながら、笑顔をつくって奏士に話しかけに行った。
「やっほ!奏士。話ってどーしたのー?」
「あぁ。話っていうのは、」
ドキドキと鼓動が大きくなっていく。鼓動を抑えながら奏士の次の言葉を待つ。
すると、奏士が地面に膝をついて、ポケットから小さな箱を取り出した。その中に入っていたのは指輪。
「結羽。君のことを一生幸せにし、一生一緒にいたい。だから、結婚してください!」
待ち構えていたのは、プロポーズだった。私は気が抜けた。別れ話じゃなくて良かった。答えは1つ!
「はい!お願いします!」
「いま行く」と
からりと笑い
なかよさげ
いつも僕は
でんしょばと
諦めて『名前を付けて保存』する
時計の針は止まってくれない
行かないで
行かないで(2023.10.24)
『お話したいことがあります』
そんな文面で始まるLINEの通知を見て、一瞬ぎょっとした。相手によっては、なんだかこちらに都合の悪い話をされそうな書き出し。しかし、送り主は最も親しい友人で、最近喧嘩などしたわけでもない。どうしてこんな改まったような語り口なのだろう、と訝しむ気持ちと、薄々何の話題かを察したような気持ちのまま、LINEを開く。
『あの人と、お付き合いすることになりました』
「あ、やっぱり」思わず声に出して納得してしまった。最近ずっと友人の恋愛相談もどきのようなものを聞いていたので、それほど大きな驚きはなかった。とはいえ、やはりおめでたいことなので、言葉を尽くして祝福のメッセージを送る。
そうしてしばらく会話が続いた後、一息つくと、俄かに猛烈な寂寞が胸に湧き起こった。
いやいや私よ、あの子に恋人ができたところで、私たちが友達であることには変わりないじゃあないか。それとも、構ってもらえる機会が減るのが寂しいのか?友人より恋人を優先するのなんて当たり前だし、きっとこれからも無下にはされまい。何をそんなに悲しむことがあるものか。そう自分に言い聞かせても、やっぱりわだかまりは残る。
意味もなく友人とのLINEの会話の跡を眺めながらしばらく考えて、あぁ、と得心した。きっと私は、置いていかれるのが寂しいのだ。いつまでも子供っぽい私と、青年期の複雑な感情を抱えたあの子。「恋人」という、私自身には想像もつかないような関係性を持ったあの子。それが、なんだか私だけ取り残されているようで、置いていかれたようで、どうしようもなく寂しいのだろう。
気づいてしまえば、なんとも子供っぽい、誰かに話すのも憚るような、くだらない心情だ。こういう気持ちに区切りをつけなければ、いつまで経っても置いていかれたままだと。そう、わかってはいるのだけど。
私を置いて行かないで。今日だけは、そう思ってもいいだろうか。
「行かないで!」
あの頃はとても幼かった。久しぶりに遊びに来てくれたおばあちゃんが、実家に帰ってしまうのが悲しくて、泣きながら言っていた。
今では従兄弟の○○ちゃんが、私が帰るたびに泣きわめきながら言ってくれる言葉。でも、多分あとちょっと時が経つと、私のために言ってくれなくなるだろう。
これが成長ということなのだろうか。少し大人になって、きっとまた会えると思ってしまうのだろうか。なんだか寂しい気がする。
もし今、誰かが言ってくれたら。または幼かった私にこう答えるだろう。
「会えなくても、想いは繋がってるよ!」
行かないで。
彼はいつもそう思っていた。
また、置いていかれてしまうと。
友達がまたいなくなってしまう。
だから、仲良くなるだけ辛くて。
ある時、彼はさよならだけが人生という言葉を知った。
そして気付いたら独りを選んでいる。
だから今日も独り。
「行くのか」
老人は声をかけられたことに驚く。
「ほう、儂に気づいておったのか」
老人は興味深そうに声の主の男を見る。
「ああ。あんた、ぬらりひょんなんだろ」
「その通り」
ぬらりひょんと呼ばれた老人はクツクツと笑う。
「なぜ分かった?」
「そうだな、この家には主人がいないって知ってるからかもな」
「なるほど。そういうこともあるか」
ぬらりひょんは仕切りに感心していた。
「どこに行くんだ」
「ちと渋谷へ。ハロウィンにな」
「さすがにハロウィンはまだ早いだろう」
「早めに行って渋谷がよく見える家に居着こうと思っておる」
「ハロウィンに思い入れがあるのか」
「思い入れはないが、仲間たちが集まると聞いてな。百鬼夜行でもしようかと思っておる」
「そうなのか」
男は老人に目をじっと見た。
「何じゃ。まさか行くなと言うつもりか」
男は肯定した。
「ああ、行かないでくれ。この家には主人が必要だ。偽物でも」
「何言っておる。自分でも言うのもなんじゃが儂は邪魔者であろう」
ぬらりひょんという妖怪は、忙しい時にその家の主人のように振る舞い、お茶と茶菓子を食べてくつろぎ、そして帰っていく。
ただそれだけの妖怪である。
何の役にも立たない。
強いて言えば、作業の邪魔である。
「もう何ヶ月もいるだろ。何ならまた帰ってきてもー」
「お前、怖いのだろう。家の主人なるのが」
ぬらりひょんは男の声を遮る。
「それはー」
「子供が生まれるのだろう。自信がなくとも、この家を支える人間に、家の主人にならねばならん」
「俺には、出来ない。怖い」
「それでもだ」
老人は若者を諭すように話す。
「自信が無いのなら、周りを頼るといい。儂を見てみろ。一人では何もできん」
男は思わず吹き出す。
「話しすぎたな」
ぬらりひょんは玄関の方へ向かう。
男は黙ってその姿を見送る。
ぬらりひょんがドアノブに手をかけ、思い出したように話はじめる。
「一つ、言い忘れたことがある。この家を出る理由だが、実はもう一つある」
男は何も言わず、続きを待つ。
「一つの家に、主人は一人だけだ。二人は多すぎる」
そう言ってぬらりひょんは出ていった。
「ただいま」
ぬらりひょんが出ていくと同時に、妻が産婦人科から帰ってきた。
「検査、問題ないって。順調に行けばあとー、ってどうかした?」
妻が顔を覗き込む。
「何にもないけど」
「ほんとに?ならいいけど」
「あのさ」
「何?」
「俺、頼りないけど、頑張るから」
妻は笑う。
「なに言ってるの。いつも頼りにしてるわよ」
自信は相変わらず無い。
だけど、もうちょっとだけ頑張ってみようと思う。
生まれてくる子供のために。
ハロウィンまであと7日
『行かないで』
待って、ちょっと待って?
違うじゃん、私たちいつも一緒って言ったじゃん。
その人誰?新しい友達?私は大学でぼっちだけど。
え?恋人?私たち同い年だよね???恋人なんてできたこと......。
え?バイト始めたの?そんなに稼いでるの?うわぁ、友達と旅行?へぇ、私保護者同伴か修学旅行しか、.........。
それに、どうしても半年以上続かないんだよね。バイトで稼いだお金?貯金だよ。月々の定期代とか、.........うん、まぁおかげで一年くらい働かなくても困らなかったよ。
不思議だよね、私たち、同じ服着て、同じ鞄持って、同じ教室で、同じ黒板で勉強してきたのにさ。
あなたはそんなに遠くに.......。
行かないで
待って?行かないで?ねぇッてばっ!!
もしも、もっと早く気づいていたら。
もっと、楽しい日々を過ごせていたんじゃないか。
ねぇ、兄弟。
ごめんなさい。
あの時もっと俺がちゃんとしてたら。
一緒にいられたかもしれない。
親が離婚しちゃって。
俺、なんもできなかった。
ごめんなさい。
本当にごめんなさい。
ごめんね?ぼくおにいちゃんなのに、しっかりしてなくて。ごめんなさい。
だからお願い。
行かないで。
そんなに早く歩いて疲れるよ
はいはいそっちに行きたいのね
ぎゃー脱走したぞ
そのうちだんだん
ゆっくり歩くようになって
歩くことも少なくなって
寝ることが多くなって
先にお空に旅立った
いつも私の先に行くんだね
私の愛犬 こんどは一緒に歩こうね
テーマ「行かないで」
題名「先をいく愛犬」
虹音
今日、わたしはフラれた。徹頭徹尾、フラれた。
追い縋れば気持ちが変わるかな、とか、自分の性格を見つめ直せばあるいは、とかそういった淡い期待や望みを持つことすら許さず、彼はわたしをフッたのだった。
むしゃくしゃして、わたしはフラれたその足でスーパーに寄り、筑前煮の材料を買い込んだ。彼はごぼう入りの筑前煮が大好きで、わたしはレンコン派。わたしは彼の前ではかわいい女を演じていたから、いつも作るときはごぼう入りの筑前煮にしてきたけれど、今日でそれもさようならだ。
筑前煮の煩わしさは、下ごしらえと煮込み時間の長さだとわたしは思っている。その煩わしさを耐えてこそ、あの味のしみた最高の筑前煮ができるのだけれど、そう言えばあの男はそんなわたしの影なる努力も知らずに、ぱくぱく食べていたっけ。ああ、でも。ごはんを決して残すことはなく、豪快とすら思える食べっぷりが、わたしはいつも愛おしかったのだ。
出来立ての筑前煮を小鉢に盛る。湯気が立つ。わたしの好きなレンコン入りの筑前煮。文句なしの出来映えだ。ああ、美味しい。わたしって最高じゃん。こんなに美味しい筑前煮を作れるやつ、絶対ほかにいやしないのに。
馬鹿だな。本当に馬鹿。
わたしはいつしか、ごぼう入りの筑前煮の虜になっていたようだ。
テーマ「行かないで」
大切だったものを、投げやりにして
得られる「幸せ」、って
「本物」かな?大切に出来るのかな?
夢でしか、出会えない、そんな人なはずなのに
そんな夢のなかで、私は息が出来ずに
目を伏せてしまうの。
心が、痛くて。悲しくて、辛くて
知らずに前だけを見られずに、後ろばかり気にして歩いて。
2023/10/25/Wed 「行かないで」 ≠Mee≠
「大丈夫!」笑って私に貴方が話しかける、
ーーーこれは現実か?「…もう、大丈夫だよ?」
貴方の頭だけは、私、撫でてあげられない。
『どうしてーーー?どうして、こんなことしたの?』って
言われることで、また傷つけてしまうのが、辛いから。
ーーーそうしたら、突然
「最後にするから!」って、あえて一筋、自分に傷をつけて
貴方が突然、振り返って私の頭を撫でた。
「逃げなかったね」って。たくさん頑張ったね、って
「ごめんね」があまりに苦しいから、沢山「ありがとう」を
伝えてくれた。私の一生は、こんなことじゃ終われない。
ーーー生まれて始めて、私に生まれて良かった、って
心から思えたんだよ。
思いつかないので保存用です、あとで編集します
お題「行かないで」