行かないで』の作文集

Open App

行かないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

10/25/2023, 12:20:32 AM

10/24「行かないで」

 手を伸ばしたまま、目が覚めた。
 夢だ。追いかけて、追いかけて、倒れて、叫んで、手を伸ばした。行かないで、と。
 元彼の夢なんて久しぶりだ。とっくに未練はないはずなのに、一体どうしちゃったんだろう。
 寝覚めのコーヒーを淹れながらテレビをつける。
「先程入った事故のニュースです。今朝6時頃、〇〇県〇〇市の路上で車とバイクが正面衝突し、バイクに乗っていた男性が死亡しました」
 ―――ああ。
 そういうこと、か。
 一口飲んだコーヒーはひどく苦くて、もう飲む気になれずにテーブルに置いた。

(所要時間:7分)

10/25/2023, 12:08:33 AM

『行かないで』

 夢を見た――
 そこは聖域だった。かつてのような、晴天の日でもどこか薄暗い雰囲気の漂うそれではなく、地上を守る戦女神の加護を受けた輝かしい場所としてだ。それはきっと、十三年間聖域を欺き続けた邪悪が討たれ、本物の女神が帰還されたからだろう。
 その聖域で、オレの隣にカミュが立っていた。カミュはいつものように柔らかな微笑みを浮かべていた。そこには一切の翳りがなくオレは嬉しくなった。
『これからは、本当の女神のために戦おうな』
 そう言ってカミュの肩に掛けようとした手は空振りに終わった。オレは怪訝な顔でカミュを見る。その笑顔は、寂しげなものに変わっていた。カミュは首を振る。
 ――そうだ、カミュは、死んだ。自らが育てた弟子の手で。カミュが持つその力と意思を弟子に託して。
 カミュが歩き出す。その先には光が溢れていた。その時確信した。二度と、彼と会えなくなるということを。
 オレはカミュを止めようとその後を追う。だが不思議なことにカミュとの距離は開くばかりだった。カミュは歩き、オレは走っているにもかかわらず。オレの手は彼に届かず、カミュは今まさに光の中に消えようとしていた。
『待て、行くな!』
 オレの叫びにカミュは足を止めて振り向いた。その表情は既に寂しいものではなく、安らかな微笑みに満ちていた。憂いも心残りも、何一つ無いというように。
『氷河を、頼む――』
 彼はそう言い残し、光の中に消えた。あとに残されたオレは、ただ立ち尽くすだけだった。

 目が覚めたオレの脳裏には夢の出来事と、カミュの言葉がはっきりと残っていた。カミュは死んだ。だが、その遺志をオレは確かに受け取った。
 自宮を出たオレは走り出し、ずっと下の白羊宮に向かった。そして、オレの突然の来訪に驚く白羊宮の主に告げた。
「オレの血を、氷河の聖衣に使ってくれ」

10/24/2023, 11:57:30 PM

行かないで

あの時、素直にそう言えてたら
今でも隣にきみがいたのかな

新しい日々を綴るSNSの
タイムラインに紛れ込む君の笑顔には
悩みも未練のかけらもなくて
別に悔しくなんてないけど

立ち止まったままの僕
軽やかに歩いてく君

どうか 行かないで

10/24/2023, 11:43:01 PM

行かないで

置いて行かないで

1人は寂しいでしょ。

おいて逝かないで

1人で先に逝かないでよ…
私もいっしょに逝くよ。

10/24/2023, 11:41:57 PM

「それじゃあ、また明日!」

 そう言って、彼女は笑顔で別れを切り出す。
 いつも通りの帰り道。ちょっとお茶に寄って、満足するまで喋り倒して、それじゃあまたねと、分かれ道で言われているだけの言葉。
 その笑顔はかわいくて、無邪気で、明日も会えると信じて疑わない。
 それがあまりに眩しくて悲しかった。私に向けるその笑顔が、他の人に向けるものと何一つ違いがないから。
 私がここで「行かないで」と一言言ったらどうなるのだろう。
 きっと彼女は優しいから、なにかあったのと一番に聞いてくれる。私が言い出すまで側にいて、優しく背を撫でてくれるだろう。
 でも私は、そんなんじゃ足りない。
 また明日、と笑って去ろうとする手を取って浚いたかった。二度と「また明日」が来ないように閉じ込めて、私と彼女二人きりの世界に行ってしまいたい。
 どこにも行かないで。私とだけ一緒にいて。
 そう叫んでしまいたい衝動がどれだけ彼女の迷惑になるかわかっている。優しい彼女が私の手を取ってしまいかねないことも知っている。そんなのは駄目だ、だって私は、みんなのために一生懸命になれる彼女が好きなのだから。
 相反する衝動を懸命に飲み込んだ。
 大丈夫、今日もちゃんと言える。

「うん、また明日」

 完璧な笑顔を作って言えば、彼女は手を大きく振りながら背を向けて歩き出した。
 夕日の中、一人立ち止まってそれを見送る。
 そっと手を伸ばした。
 その手は、まだ彼女には届かなかった。

10/24/2023, 11:20:37 PM

彼は学生の時から役者だった。

それが軌道に乗ってテレビに映れるようになった。

私は常に彼を応援した。

彼が好きだったから。

彼もそんな私が好きだったと思う

友達に見せる顔にしては甘すぎる顔をしてたから。

人一倍応援してた私は

最近では彼が有名になって欲しくないと

思うようになった。

こんなのダメだとわかってるのに

『行かないで』

この言葉を彼に言ってしまいそうになる

今日もこの気持ちを殺しながら

テレビに映る君を観る。





─────『行かないで』

10/24/2023, 11:20:12 PM

行かないで
と言ったところで
時間はするりと腕から抜けていく
嫌でも時間は進み
みんな
いってしまうんだ

お題
行かないで

10/24/2023, 11:18:56 PM

「行かないで」と
  引き止めたい思いは
  涙と一緒に
  溢れてくるけれど


  未練だけの世界で
  お互いを縛り合うのは
  あまりにも
  辛く
  哀しいから  


  去っていく後ろ姿の君に
  潔く手を振って
  何も言わずに
  見送ろう


  泣くのは
  そのあとでいい





         # 行かないで (312)

10/24/2023, 11:09:18 PM

《行かないで》

自分が歳を取るにつれて 小さくなっていった背中が
夢の中では今でも広くたくましい

「一緒にお酒を飲めるようになったね」と言った声も
今ではもう遠い過去のよう

私が結婚するときに
冗談めかして「行かないで」と言ったあなた
あなたがこの世を去るときに
心の底から「行かないで」と願ったわたし

病床に伏していると 思い出が駆けめぐる
「手術中」のランプに灯が灯った
ごめんなさい 私はまだそちらには逝けない
「行ってらっしゃい」と言う 小さな家族がいるから

10/24/2023, 10:56:35 PM

「行かないで」
なんで私を置いてくの。あれだけ努力したのに、あれだけ愛したのに、あれだけ尽くしたのに。行かないで。私のことを愛してくれたじゃない…!
ハッ…!
起きたらそこは、私の部屋のベッドの上だった。
「またこの夢か…」
私は一ヶ月間誰かを愛して、愛した人に置いていかれる夢を見続けている。
私はあんな風に彼氏に置いていかれないように努力しなければ、愛さなければ、尽くさなきゃ…愛して、もらわなきゃ…。

彼女は愚かだった。その夢が未来の自分だと気づけていたら…なんてね。

10/24/2023, 10:51:14 PM

行かないで楽しかった思い出
行かないで少し無茶しても元気だった体力
行かないで何もごとにも挑戦出来た気持ち
行かないでおなかいっぱい食べれた胃
行かないでやる気
行かないで若さ

10/24/2023, 10:49:18 PM

行かないで


本当はこの高校に行ってほしくなかった。
だって、通学路が心配だから。
本当はその部活に入ってほしくなかった。
だって、心身ともに大変だと
知っていたから。
心配性の私は、行ってほしくなかった。
無難に安全に、行ってほしかった。

でもあなたは、ちゃんと自分で路を選び
大変だと知りながら挑戦した。
そんなあなたを、私は尊敬する。

10/24/2023, 10:42:29 PM

お題 行かないで

つぶらな瞳に大粒の涙を浮かべて、その子は行かないでと僕に訴えてきた。まるでこの世のお別れでもあるかのような真剣な表情でだ。

「また、会えるよ。そんなに泣かないで」

僕はそう言って帰りの新快速に乗った。だがもうその子に会えることが出来なくなってしまった。
実はその子、すでに亡くなっていたからだ。しかもこの駅で。
電車に轢かれて亡くなったそうだ。僕は胸が押しつぶされそうになりながら、天国に召されるよう祈った。いつか冷たい地上から温かい天上の世界へ昇れるようにと願う。

「行かないで」

そんな言葉を発して、誰かをそちらへ呼び寄せないように。

10/24/2023, 10:36:42 PM

自由なあなたが好き
自由を求めて
もがき 苦しみ 命を削った
そんなあなたに私は救われた

あなたの自由には
幾人の希望が詰まっていることか

こんなにも傷だらけの体で羽ばたこうとしてるのに
その細い足にしがみついて
あなたの羽根を奪う真似はしない
私はただ
あなたを見上げて
ただただその影を頼りに走る

永遠などないとあなたは言うけれど
せめて私の息の根が尽きるまで
私はあなたの隣に居たい

『行かないで』

10/24/2023, 10:29:50 PM

嘘つき。
 一緒って約束したのに。
 どうして行ってしまうの?
 嫌だ。
 行かないで。私を置いていかないで。

「行かないでーっ! 一緒にマラソンゴールしようって言ったじゃーん!」
 友達との距離はどんどん離れていく。
 一緒にゴールするって約束したのに。
 勝手に一人で先に行くなー! 嘘つきー!


『行かないで』

10/24/2023, 10:25:03 PM

行かないで

「…っ。」
行かないで、そう、喉から出かけた言葉を飲み込む。
泣いてすがっても、きっと君は行ってしまうのだろう。
どこで間違ったのだろう。
「またね。」
また会える保証なんてないのに、そんな言葉しか出てこない。
こんな形で別れが来るなんて少しも想像してなかった。
少し考えれば分かることだったのに。
「元気で。」
あぁ、行ってしまう。
行かないで。
言えない言葉の代わりに、あなたの健康と幸せを願う。

10/24/2023, 10:11:20 PM

愛はいつも記憶の中。大人と呼ばれなかった頃。きっと大人でないから、愛をもらえた。愛を感じてた。迷子の今、愛を探すけど難しい。愛はいつも、記憶の中の、すぐ近くに見つかる。ほっとする。歳を重ねる。まわりも同じように歳を重ねる。記憶の中の人は、空へと旅立っていってしまう。行かないで。

10/24/2023, 10:01:59 PM

行かないで

大人になってもずっと友達だって言ってくれた。
あの頃の私たちはこの関係はずっと続くとお互いに思って疑わなかった。
でもあなたは変わってしまった。あの約束はなかったかのようにあっさりと行ってしまったね。

今、また再びそんな友達ができようとしている。
あれがあってから友達ができる度に次はどこまで持つかななんて疑ってしまう自分。
今度の君は信じれるかな。

10/24/2023, 9:58:43 PM

【行かないで】

 海沿いの遊歩道を、君と二人で歩いていた。太陽が大海原へと沈んでいく。空は燃えるように赤く染まり、海の水面がキラキラと眩いほどに輝いていた。
 見慣れた景色だ。今さら美しいとも思わない。だけど何故だか今日だけは、その鮮やかさがやけに目に沁みた。
「じゃあ、そろそろ行くね」
 大きなトランクケースを一つ。カラカラと音を立てて転がしながら、君は軽やかに微笑んだ。別れを惜しむこともなく、普段通りの足取りで遊歩道を離れ、大通りへと歩を進めていく。
「うん、元気でね!」
 幼い頃からの夢を叶えに旅立つ君の背へと、大きな声で呼びかけた。長く伸びた影が奇妙に滲む。ひらりと一度だけ手を振ってくれた君が、私を振り返ることはない。それでもとびきり明るく笑ってみせた。
 海外へ行こうと思うんだと打ち明けてくれた君の背を押したのは私だ。応援してる、頑張ってと告げたあの日の自分の言葉を、裏切るわけにはいかない。
(――行かないで、なんて。言えるわけないじゃん、馬鹿)
 君がどれほど真摯に夢を追っていたか、私が一番知っているから。だからせめてこの閉鎖的な村で、私だけは君の味方でいたかった。たとえもう二度と、君に会えないとしても。この胸を締めつける痛みを、永遠に抱え続けるのだとしても。
 旅立つ君の背中が見えなくなり、周囲が夜の静けさに包まれるまで。私は一人きり、取り繕った笑顔でその場に立ち尽くしていた。

10/24/2023, 9:58:20 PM

まるで 砂みたいに

指の隙間からこぼれていく…


それを また両手ですくって

数えきれない あなたとの思い出も

あなたの為に 生まれてきた

この感情(おもい)たちも

私の溢れる涙で固めて閉じこめるの…


ずっと一緒にいるよ…



嘘つき…



あなたの背中がラストシーン

伸ばしかけて引っ込めた手

そして 咄嗟にあなたの名前を飲み込んだ。


この手を伸ばして

うん…

本当は言いたかった


行かないで…って。




- ラストシーン -

Next