『蝶よ花よ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【蝶よ花よ】その美しさを私にください。その華やかさを
私にください。その華麗さを私にください。
それがあれば、私の人生変わっていたかも!!??
なーんて、おもってみたりして(笑)。
3年のpure
『蝶よ花よ』
蝶よ花よと育ったお嬢さんは、素直で朗らかな優しいお嬢さんになると思います。
明るい陽のあたる道がよく似合うことでしょう。
きっと、わたしなどは、すれ違うことすらない天使かと。
喋よ花よこの世に残って下さい。
とても素敵で綺麗な喋よ花よ、どうかこの世で幸せに暮らして下さい。
蝶よ花よ、この国の醜さを嘘かのように逆転し幸せな国へ変えて下さい。
嗚呼 人任せにするなって感じでしたか?すみませんでした。
では私もこの世に残り、幸せな国へ変え、この世で幸せに暮らすということを
試みてみますね……。
そこで皆様に1つお願いがあります。
出来たら、でいいので私と共にこの世に残り、この国で幸せに暮らし、この世界を幸せに変えてくれませんか?。
もちろん強引にやれとは言いません。
出来たらで良いです、お願い致しますm(_ _)m
私の夢は世界にいる人全員で喜びと嬉しさを共有しあって一生幸せに暮らす事です。
貴方が「こんな夢が叶う訳ない」「非現実的過ぎる」と思ってる物でも、
"もしかしたら"当たり前となってくるのかもしれません。
蝶よ花よ
私は、物心ついたときから大切に育てられてきたんです。
それは私が麒麟と呼ばれる神獣だからだと周りの人は言います。
でも、私は麒麟としてではなく1度だけでいいから人として街に出てみたいのです。
(蝶よ花よ)
私は、蝶なんて大っ嫌い
花も紫も
あの人が好きだったもの全て嫌い
私は、この体は私だけの物なんだから
あの人を庇って怒られるのも、あの人を慰めるのも全て嫌
でもあの人に教えてもらった綺麗な紫色の蝶と、可愛い紫色の花それだけは嫌いになれない
弱い方の私はなんであんなに優しく教えてくれたんだろ、憎めないじゃんか
蝶よ花よ
私はいわゆる箱入り娘。親や親戚、兄姉から蝶よ花よと育てられた。弟や妹はいない。末っ子だ。
自分は恵まれていると思う。何にでも甘えてしまう自分が嫌で、変えたいと思って、一人で買い物に行ってみた。一人でお店に入って、自分が欲しいものを選んで、店員さんに渡してお金を払う。たったそれだけの事なのに緊張して心臓が痛かった。世の中の人はこんなことを普通にしているのか。すごい。でも一人で買い物をしてみると成長できた気がして嬉しかった。
またやってみよう。もっと他のこともやってみよう。私の心は希望でいっぱいになった。
【蝶よ花よ】
君に愛された花弁達
蝶に踏まれた花弁の気持ちを
君は考えたことありますか?
ひら
ひら
ひら
儚く命散りゆくその姿はまるで花のよう
こんなにも私が愛した子は
こうも呆気なく散ってしまうのね
「なんで私じゃなかったんだろう」
静かな部屋で寝転んで天井をみつめる。和室特有の葦草の香りとか土壁の匂いとか、窓の外から吹き込む湿っぽい風がぐちゃぐちゃとかき混ぜてどこかへいく。
こんな私の思考も感情もどこかへ運んでくれればいいのに風は無視してあっという間に去っていく。
いっそ、役立たずだと責めてくれたなら恨むこともできたのに。怒りで目の前が真っ赤になるくらい許せないのも悲しくて手を伸ばして縋りつきたくなるくらい情けなくなるのも、全部ぜんぶ受け止めて呪文のような謝罪を口にして捨てられるのだ。
はじめから私のものなんて何一つない。
この身体も心も言葉も感情もそれらすべて私のものだったことがない。お人形遊びをしているかのように、与えられた台本にそって動かされる。その間わずかに残っている意思が背筋がゾッとするようなことを考え続けた。
そうしているうちに私は私が大嫌いになっていった。
横たわる亡骸をみて悲しくて寂しくてしかたなかった。あんなにも強い人が亡くなってしまうなんて考えていなかった。冷たくなった手に触れる。なんの温度も感じないけど馴染みのある手だ。つい先日も触れたばかりなのになぜこんなにも遠く感じるのだろう。
泣くこともできず、言葉も出てこない。手を添えるだけでそれ以上のことは何もできない。私はなんて無力なのだろうか。
昔、お菓子を取り上げられて泣いたらまた叱られてそれ以上泣くことも言葉を重ねることもできず曾祖父母がよくいた部屋に入った。そこで曾祖母は静かに座っていて私をみてガラス戸の棚から茶葉を入れる缶を出した。内緒だよといって隠していたらしい角砂糖を1つずつ口に放りこんだ。
あまり口数の多い人ではなかったから、そういう小さな気遣いばかり覚えている。
大嫌いな私ではなく、優しい人が亡くなっていく度に口にする言葉。蝶よ花よと可愛がられて育った友だちには気味悪がられた言葉。病んでいるとまで言われて病院にまで連れていかれる羽目になった言葉。
私はどうすればよかったのだろう。
【題:蝶よ花よ】
蝶よ花よ(2023.8.8)
へぇ、私の言葉がわかるなんて、変わった人間もいたもんだね。私が何者かって?見たらわかるだろ、蝶々だよ、あんたらで言う「アゲハチョウ」ってやつ。羽が綺麗だって?あぁ、ありがとね。
それはそうと、あたしあんたら人間にひとつ言ってやりたいことがあるんだよ。「蝶よ花よと育てられる」、この言葉は絶対におかしいね。だってあんたら人間は蝶も花も愛でたりしないじゃあないか。あたしら蝶々が飛んでたら顔を顰めるし、蛾に対してなんてもっとひどい態度だ。それに、花だってやたら桜やらコスモスやらは褒め称えるくせに、道端の小さい花なんかには見向きもしない。挙げ句の果てに、せっかく咲いた花を引っこ抜いたり切り落としたりしてる。これのどこが「蝶よ花よと育ててる」のかね。全く、おかしいったらありゃしないよ。
あー、すっきりした。くだらない愚痴を聞いてくれてありがとね。あたしらが普段なにか考えてても、人間にはちっとも伝わらないからさ、ついぐちぐち言っちまったよ。
さて、忌々しい鳥どもが来る前にそろそろお暇しようかね。じゃ、またね。
蝶よ花よ
大事に大事に育てられたんでしょう
全て持って生まれたあなた
私はあなたの毒の花になりましょう
さぁ、この蜜を吸って
産まれてからずっとこの大きな屋敷で暮らしてきた、手を鳴らせば執事やメイドがすぐ飛んでくる。
学校へは通わず、専属の家庭教師を付けられて一般常識から一切を学んだ。
欲しい物はどんな物だろうと手に入り、蝶よ花よと育てられ何不自由無く育ってきた。
所が、大事に育てられ過ぎて外への関心が一切無く、当主が学校へ行くように進めるが撃沈、全てを屋敷の内部で済ませる形に収まっていたのだ。
だが、今やご令嬢も15歳になり気持ちに変化が現れた。
それは天気の良い日に敷地内の庭園で寛いでいた時だ。屋敷の塀の先に二人組の女子の会話が聞こえて来てからと言うもの、人生で初めて学校生活に大きな憧れを抱いたのである。
『ねぇ、佐伯。そろそろ私も高校生に上がる歳よね?』
「はい、左様でございます。」
『友人と呼べる存在が一人も居ないのも退屈だわ。それに学校生活という物にも興味が出て来たし…』
「ですが、学校へは行かれなくても家庭教師が居りますので、何ら心配は無いかと…」
『勉学に関しては問題無いかもしれないけれど、同学年ぐらいの方と比べたら、私には人生もそれに恋愛だって…経験が足りて無いと実感したのよ!そうだわ、行きたい学校をリストアップしてお父様に伝えなきゃ…』
思い立ったら吉日とばかりに自室に向かって駆け出した。
「やれやれ、お嬢様もやっと外の世界にご興味が出て来て私も一安心ですよ…」
佐伯と当主で仕込んだ数々の作戦が今やっと花開いたようである。
笑い声が響く。 特別大きくもないのに、君の声がいちばんはっきりと聞こえた。
ふとそんなことを思い出した。これかわって〜 とか、貸してーとか、言う君に、しょうがないなー!と微笑むと調子のいい笑顔をかえす君の顔を思い出した。
クイズをしている時に、答えがあってると正解!!と元気に返す君の笑顔を思い出した。
君を思い出すと、君の笑顔を思い出した。
もっと色んな景色を見てきたのに、君が咲かせた花が一番映えている。とても暖かい気温と甘い匂いに包まれている。
蝶よ、花よ、またその景色を連れてきてはくれないだろうか。
#116 愛されし蝶々
今日も舞う
華やかなライト
栄光の喝采
やまないアンコール
愛の紙ふぶき
休むことはありえない
私はみんなの私
いつの日か
舞えなくなる日が
来たならば
広げた羽をピンで留め
美しくおさまったガラスケースの中から
蝶よ花よと
愛されることになるのでしょう
「蝶よ花よ」
海の近くに旅行に来た。
海水浴を楽しんでから旅館のチェックインまで時間がある、私はお地蔵さんの絵が描かれたカフェに立ち寄った。
引き戸を開けると、瞬間にコーヒーの香り。人当たりの良い中年の男性が出迎えてくれた。ジャズピアノのbgmが程よく流れ、間接照明が暖かく照らす店内。お客は3組ほど。入った瞬間確信した、アタリだ。我ながらよく見つけた。ふふん。
深く沈んで思わず眠ってしまうのではないかと思うほど柔らかい椅子で、頼んだ抹茶ラテと珈琲ゼリーわらび餅を食べる。抹茶ラテは抹茶が濃く、程よく甘かった。ミルクが60度に設定されているそうで、冷たすぎることも無くとても飲みやすい。珈琲ゼリーわらび餅は、口に入れた瞬間きな粉の甘いさりっとした口当たり、噛めば噛むほど広がって、やがて餅の奥からゆっくりとコーヒーの香りが広がってくる。なんと贅沢なことか。
海水浴で疲れた体が糖分で癒されていくのを感じる。人にはやっぱり、ゆっくり寛ぐ時間が必要なのだ。あぁ、チェックインをもう少し遅くして、ミステリ小説でも持ってくればよかった。そうすれば、もう少しここに居れるのに。
家族と、友達と、華やかな時間を過ごすのも悪くない。だが、私にとってはこういうゆっくりと流れる時間が、蝶や花と同じくらい、大切なのだ。
#蝶よ花よ
蝶よ花よ、そう言って人を愛でるのは、
蝶が花の周りを舞っている様を
美しいと感じるからだ。
電気屋のテレビに写っているような花畑なんかは
その例だろう。
では、蛾よ草よ、と言うとどうだろう。
似た形をしていても、全くの別物になる。
手入れのされていない林などを思い浮かべてしまう。
「少年の日の思い出」に出てくる
クジャクヤママユは珍しい蝶だと名高いが、
その実、蛾である。
そう聞くと途端に美しくなくなったような気がする。
私の頭の中の蝶は、リアルな生物の姿ではなく、
"美しい"の象徴として存在しているのかもしれない。
蝶も花も、容易く壊れる
愛そうと思えば思うほど、それが出来なくなる
愛されるのが怖い私だって同じだ
愛すのも、愛されるのも、怖い
失うのに、何故か愛してしまう
どうせ私を置いていく癖に
君のせいだ
蝶よ花よ、私はきみたちに問いたい。
なぜ今日も変わらずきみたちは綺麗な色を身に宿し、今日も変わらず笑っていられるのか。
【蝶よ花よ】
カナコは蝶よ花よと甘やかされて育った。
両親は揃って晩婚で、歳を重ねてからカナコというひとり娘を授かったので、それも無理はない。
幼い頃から可愛らしかったカナコは、母に連れられてキッズモデルとなり、それ以降、「可愛い」だの「綺麗」だのとチヤホヤされる毎日だった。幸い、大学教授をしていた父の遺伝子も受け継ぎ、勉強もできる方だったので、学校では皆から憧れられ、いつでも注目の的だった。欲しいものはなんでも手に入ったし、多少のわがままも許された。
大学に入ってからもモデルの仕事は続けていたが、持って生まれた資質だけでは立ち行かないという事を思い知らされるようになった。可愛い子は掃いて捨てるほどいる。その中でも食事に気を遣い、欠かすことなく運動し、自分の長所短所を知り尽くした上で上手く個性をアピールする子だけが成功する。カナコなりに努力はしたものの、自分がトップクラスに食い込む程のものは持っていないということに、やがて気づいた。
モデル業を辞めて就職活動に専念するかどうか悩んでいる時に、自動車整備士の男性に出会い、恋に落ちた。彼はそれまでに出会ったどの男性とも違い、とても不器用で、一生懸命にカナコを愛してくれた。照れくさそうにしながらも毎日カナコの事を綺麗だと言い、真摯に向き合ってくれた。それで、モデルも就活も辞めて、彼と結婚した。
結婚する、と話した時、初めて親から反対された。すぐに結婚しなくても、どこかに就職して、しばらくしてから考えても良いんじゃないか、モデルの仕事だって、もう少し続けても良いんじゃないか、相手の男性の稼ぎだけで本当に生活できるのか、などと言われた。今思えば、彼との結婚に反対されたのではなく、カナコの行動が軽率に見えて、それを指摘されたのだろう。
カナコは反対を押し切って結婚した。二人の息子を授かり、贅沢はできないものの、幸せだった。夫は相変わらずカナコを溺愛していた。
息子が乳離れした頃、モデル時代の友人がアパレルブランドを立ち上げ、そのモデルをやらないかと誘われた。久しぶりに華々しい世界でまた働ける、とワクワクし、二つ返事でOKした。
そこで、あるカメラマンと出会ってしまった。あとはもう、どうにも説明がつかない。「惹かれ合ってしまった」としか言いようがない。彼はファッションやモデルの世界をよく知っていて、話が合った。カメラを通して彼から見つめられるたびに背筋がゾクゾクしたし、彼が撮ってくれる自分は今までで一番美しく見えた。若かった頃よりもだ。
しばらくして、彼の子を妊娠し、夫とは別れた。
家を出る最後の日、息子たちの寝顔を見た時は、さすがに胸が痛んだ。それでも、夫を裏切った自分が引き取るよりも、夫に託した方が良いだろう、と思った。夫は息子たちをとても愛してくれていたし、夫の実家も近いので、そう困ることはないだろう。夫に不満など何一つなかった。とても優しくて、良い人だった。自分に落ち度がある事は分かっていたが、自分の気持ちにも嘘は吐けないと、本気でそう思っていた。
今、40を過ぎてもなおそのスタイルを保っているカナコは、疲れた顔で深いため息をついた。両手には、栄養バランスを考えて作った料理をのせたお盆がある。子供部屋に向かう階段の前で、今一歩、足が進まない。
あれからカメラマンの彼と再婚し、息子一人、娘一人を授かった。今の夫が浮気をしていないなんて断言はできないが、なんとか結婚生活は続いている。生活レベルは随分と上がった。不自由なことはない。
娘が産まれた時は本当に嬉しかった。両親がしてくれた事を娘にもしてあげようと心に決めた。
13歳になった娘は今、心を固く閉ざし、もう何ヶ月も自分の部屋から出て来ない。
なぜだろう。あんなに、蝶よ花よとかわいがったのに――――。
柔い頬、大きな目、ほんのり赤い唇
ふにゃりと微笑む顔は天使のよう
この子が、これからの人生幸せであるように。
『蝶よ花よ』