『落ちていく』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
真っ暗で底が見えない穴。
ずっと、その中を落下しているオレ。
間違えたから?
間違えたというなら、最初から間違いだったんだ。生まれてきたことが、まず間違い。
ああ、そうか。
ここは、廃棄物処理場だ。
君の姿
君の声
君の仕草
君の匂い
ああ、今日も君を見れて幸せ
今日の君も好き
また君の心に落ちた
これは夢だ。
そう分かっているから、滝つぼに落ちていく影を見かけても驚きはなかった。きっと昇仙を目指す者が千度の滝登りに挑んでいるのだろう。
これまでも夜ごとの眠りのなかで様々な土地を旅してきたが、仙人の住まう国へ来たのは久しぶりだ。ゆったりと流れる雲の行方を追いながら、金鳳花が揺れる野辺を独り散策する。
穏やかな風に光の粒がきらきらと舞う。ここでしばらくのんびり暮らしてみたいが、ささやかな願いほど儘ならないもの。夢の終わりを告げる不穏な鐘の音が空の上から降ってきた。スマホのアラーム。放っておくと大音量で帝国のマーチが始まってしまう。
さて、この美しい世界が現実に侵略されてしまう前に、こちらからおいとましなくては。
ひとつ深呼吸をすれば意識は一気に浮上する。
おはよう。また新しい一日を迎えられたよ。
旅立ちの夜の訪れまで、今日も丁寧に生き延びよう。
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「落ちていく」
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所感:
特定の一点へと向かっていく抗い難い引力の働きと思えば、落ちていくときも浮上するときも身体に受けるのはよく似た感覚のような気がします。
『 落ちていく』
落ちていく。
徐々に。
静かに。
高くもないのに、
落ちていく。
最初から、誰も見上げてなんかなかった。
だから、
堕ちてしまった事も、落ちていることも
誰も、気づかない
誰一人も、知らない
それでいい
どうでもいい
本当に
どうでも。
〜落ちていく〜
ふと目が覚めると落下していた
何が起こっているのかさっぱり分からずぼーっとする
何故こんなことに?
重力に引っ張られて落下していく体をどうにもすることは出来ずに、ただただ落ちていく
状況を整理しよう…、何があった、
何故だろう
落下する前の記憶が思い出せない
どうしてこうなったのか分からないから何も出来ない
まず掴まれる場所がない、辺り一面真っ白
音も聞こえない
白い世界は体感では何十分と過ぎているはずなのにそこが見えない
どうしてだろう
落下してるのに落下してない、不思議な感覚だ
それでも、何故か落ち着く
ポタポタと何かが聞こえてくる気がするが気のせいだろう
また、静かに目を閉じる
次目覚めたらきっと大丈夫だろう
〜一言〜
すいません💦
最近時間無さすぎて手抜きで、すみません💦
Clock
落ちていく
落ちてゆく。
重力に身を任せ、流れるまま。
抵抗は何の意味もなく、物体は落下運動を続ける。
自然落下。
どこまで落ちてゆくのかなんて、この身が分かるはずもない。
地球の引力に、自然の流れのままに落ちてゆくだけだ。
堕ちてゆく。
どこにも光のない、闇のなかへと。
何もかもを染める黒。硝子の盾は壊され、心は闇に堕ちた。
色などない。ただ暗闇だけが広がる。
その暗闇が安心をもたらすこともあるだろう。
闇は深くて暗いが、深ければ深いほど、暗ければ暗いほど、そこから見える光の眩しさに気づける。
絶望の闇の中だからこそ、本当の光が見えるんだ。
堕ちてゆく。
どこにも光のない、闇のなかへと。
何もかもを染める黒に魅せられた心は闇に堕ちた。
色などない。ただ暗闇だけが広がる。
もう何も失うものなどない。
この身を蝕む傷みも、恐れも感じることはない。
絶望が私の内なる狂気を呼び覚ます。
絶望の闇のなかで、狂い堕ちてゆく。
さあ、ゲームの始まりだ。
落ちていく
静かな夜、呼吸のたびに睡眠へと落ちていった
流れに乗って
時には流されて
進んできた
戻ることは出来ず
脇に留まっても
押し出される
進んできた 今
底がなくなり
落ちていく
轟々と音をたて
飛沫をあげながら
落ちていく
/ 落ちていく
落ちていく
心地よい揺れに微睡んで。
眠りの淵で車内に流れるアナウンスを聞いていた。
電車の中はいつもとても居心地が良い。
本を読んだり、何かを暗記したりするのもいいし、
疲れたら寝ていてもいい。
本当は一時間くらい乗っていたい時もあるけれど
仕方なく降車の準備をする。
いつか、一人でローカル線を巡ってみたい。
密かにそんな憧れを抱いて。
落ちていく
思考の渦の中に、
たらればを延々と考える思考の中に
そんなこと考えても意味無いなんて
ずっと前から気付いてる
それでも私は落ちていく
貴方を、忘れないように
自由落下で
ノイズの海へ
浮き袋は重たくなりすぎて
ちぎれて先に沈んでしまったよ
カンダタは幸運だ
ここは暗くて さよなら今世
来世の希望は泥の味がした
あがれるやつは上がればいいさ
あがれないよ、あがらなくていい
ずっとずっと沈んだままで 誰か見つけておくれやす
お前も あなたも カンダタも
ノイズの底で 誰かを待ってる
落ちていく
落ちていく心
落ちていく希望
落ちていく光
↓↓落ちていく↓↓
↓上から何かが落ちていく↓
↓スピードが落ちていく↓
↓運気が落ちていく↓
↓能力が落ちていく↓
↓体力が落ちていく↓
↓気力が落ちていく↓
↓意識が落ちていく↓
“落ちていく”って普通に考えれば悪いことって考えてしまうけれど、
でも、一度ひっくり返してご覧。
↑意識が上がってくる↑
↑気力が上がってくる↑
↑体力が上がってくる↑
↑能力が上がってくる↑
↑運気が上がってくる↑
↑スピードが上がってくる↑
↑下の底から復活するかのように上がってくる↑
考え方次第で良い方に転がってくるかもしれない。
只、今は物価だけは落ちていって欲しいものだ。
落ちていく
ひらひら、ひらひら
風に舞う桜の花びらたち
ゆっくり、ゆっくり
暗かった道を優しい色へと塗り替える
なんて美しいのでしょう
蕾の時も 花開いた時も
風に舞う時も 足元を染める時も
違った美しさが あります
もしかしたら
あなたが塞ぐその姿もまた
人間らしい美しさというものが
あるのかも しれませんね
落ちていく
友達としてあなたの隣に居られること
ただそれだけで嬉しかった。
なのにそれだけじゃ我慢できない。
あなたと恋に落ちたい。
「落ちていく」
寝かしつけは、ある意味、娘との騙し合いだ。
だいたい同じ時間にお風呂に入れ、ミルクを飲ませ、背中を叩いてゲップをさせる。もう娘の満足度は100%だ。
「やるか。」
私は抱っこして立ち上がる。うちの娘は、添い寝程度で、寝たりはしない。必ず立って抱っこしなければ、グズりだすのだ。初めての娘で、親の経験値は0だったが、毎日の寝かしつけで、私もいろんなことを学んでいく。揺れていないとダメなので、抱っこしながら狭い部屋をウロウロする。もちろん背中トントンも忘れない。娘は割とアップテンポがお気に入りだ。
しばらくすると、娘はうとうとし始める。部屋の電気を、オレンジの豆球だけにして、勝負の時に備える。大丈夫だ。きっと上手くいく。早く寝てくれ感を悟られないように、おもちゃのチャチャチャを、ハミングで小声で歌う。娘はかわいい目を、もう閉じている。寝たか。しかし少し下すと、また目を開ける。危ない危ない。罠だったか。やるな、娘よ。
またしばらく抱っこしたまま、ウロウロする。腕もちょっとダルくなってきた。もうそろそろいいだろう。私は娘用の小さい布団の横に立ち、少しだけ娘を下ろしてみる。いけそうだ。最新の注意を払って、ゆっくりと娘を布団に下ろしていく。焦るな、私。背中が着くまで、あと3cm。2cm。1cm。ランディング!っと思ったその瞬間、娘のグズり声が、部屋中に響く。失敗だ。また騙された。娘は、完全に寝てはいなかったのだ!
私は、娘を再び抱っこして立ち上がる。立ち上がると、娘は泣き止む。実は娘の背中にスイッチが付いていて、布団に下ろすとスイッチが入るのでは?と本気で思いたくなる。これを我が家では、「背中スイッチ」と呼んでいるのだが、本当に厄介な装置だ。皆さんにも、今までの時間はなんだったんだと、怒り心頭になったことは、ないだろうか。私にはある。毎回ある。一度だけ本気で腹を立て、クッションをソファーに叩きつけたことがあるくらいだ。
こんな格闘が、あと2〜3回続く毎日だった。当時娘は、本当に寝なかったのだ。成功したあとは、私も寝かしつけで力尽きてしまい、眠りの世界に落ちていくことが、日課みたいなものだった。ただひたすら、寝不足だったような気がする。
そんな娘も、今では遅刻ギリギリまで寝る子に育ってくれた。本当に、親に苦労、子知らずである。
風に吹かれて
ひらひらと落ちていく紅葉。
陽の光にきらきらと光りながら落ちてくる赤を
ただぼんやりと眺める。
こんな穏やかなひとときが過ごせるなんて。
今年の秋は、とても贅沢だ。
落ちていく
落ちていく葉っぱ
いろんな色をしていて綺麗だね
来年は何色の葉になるのかな
もうすぐ楽しい冬が来る
舞華
普段かけていないメガネが頬に影を落とす。
さらりと流れ落ちた前髪を耳にかけながらペンを走らせる姿になぜだか艶っぽさを感じた。
また前髪が流れ落ちた。今度はメガネのツルにかける。
教室の窓から差し込む西日がレンズに反射していて見えないが、きっと真剣な眼差しをしているのだろう。
ぼんやりと目の前の彼を眺めていると消しゴムを取り落としてしまった。
拾い上げながらふと気になった。
万有引力を発見したのは誰だったっけ
「ニュートンだよ。」
しまった、声に出てたか。
さっきまで俯いていたメガネの奥の瞳がこちらを見ている。
「集中切れちゃった?んー、そこの計算ちょっと違うから、直したら休憩しよっか。」
指摘された問題を見直してみる。
「……全然わかんない。物理とか意味わかんないんだけど。」
「君がやってるのは物理基礎だろ?何が分からないの」
ノートを見ようと身を乗り出してきた。この人はなぜこんなにも距離感が近いんだ。思わず床に視線を落とすと自分たちの影が見えた。
あ、影が重なる。
なぜだかドキリと焦ってしまう。
「わ、分からないところが分からないんだよ。」
「……あぁ、ふふ、なるほどね。」
やけにドギマギする一瞬が終わると愉快そうに笑われる。
「何笑ってんの。」
「ごめん。いや、N(ニュートン)がないんだよ、ここ。」
どういうことだろう。
トントンとペンでさされた問題文をまじまじと見てみる。なるほど、Nを計算に入れていなかったのか。
「君、本当に物理苦手なんだ。だってそれ、中学生でやるやつじゃないっけ?」
確かに、初歩中の初歩のミスだ。思わず顔が熱くなる。
「だからって、そんなに笑わなくてもいいのに。」
「ごめん、ごめん。お詫びに休憩中のお菓子でも買ってくるよ。」
「いや、そんなのいいのよ。」
第一、勉強を教えてもらえている自分がお礼をする立場なのに。
「僕がそうしたいんだよ。」
待ってて、と微笑むとメガネを外して教室を出ていってしまった。
なんだか甘やかされているような気がするが、これはこれで居心地がいいので困る。このままじゃダメになってしまいそうだ。
頬が熱い。勘違いしてしまいそうになる。だけど、だから、恋の万有引力があればこの思いに説明がつくのに。そう思いながら、計算式を書き直した。
教室から購買を目指して、すれ違う教員や生徒に話しかけられつつ廊下を歩く。
馬鹿にしているように思われただろうか。本当は可愛くて堪らないのに。
『僕がそうしたい』あの言葉にもちろん嘘はない。
愛おしくて大好きだから、勉強だって教えてあげるし、望むものを与えて甘やかしてあげたい。1人じゃダメになってしまえばいいとさえ思っている。
だからね、早く、 俺 のとこまで落ちてきて。
〜落ちていく〜
部屋が真っ暗になった。
「ブレーカーが落ちたのかな?」
確認したが、落ちていなかった。
そうだ。お金がないから電気代払ってなかったんだった。
「堕ちていたのは俺の人生だったか。はっはっは!(ヤケクソ)」
【人生end】