『花咲いて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
暑い夏休み。わざわざ早起きして学校に行くのは辛い。
委員会で決まったことで、夏休み中にクラスごとに当番制で
花の水やりをしなければならない。
他のクラスメイトはいつも来ない。
だるいからサボっているのだろう。でもその中でただ一人。
私以外に毎回来て黙々と花に水やりをしている男子いる。
真面目に仕事をこなす、その男子を、好きになって
しまった。
この花が枯れる頃には「好き」と言えるだろうか。
お題「花咲いて」
花咲いて
花は散る。
散るところがいい。
儚い。
ーー
でも私は造花の方が好き。
[そっと枯れたい]
花が咲くまでは長くかかるけれど、枯れてしまうまでの時間が早いのはなぜか?
私はこう思う。
綺麗な姿のまま長い間地上に置いておけば愛でる意味がなくなるからではないだろうか?
美しく儚いものになぜか惹かれてしまうのが人なのだから。
でももしかしたら花はこう思ってるのかもしれない。誰に知られることもなくひっそりと枯れてしまいたい。と。
なんてね。
太陽と空に恋した花、向日葵。
暖かい色味で人々の心を明るくして
真っ直ぐに
ただただ恋しい愛しい太陽と空へ向かって咲き誇る花
とびきりの愛を捧げるように大輪を咲かせて
最後はまた来年逢いましょうと
逢えますようにと願い
種を残して花を散らす
昔ひまわり畑をみにいった時にふと思ったこと
花言葉は『あなただけを見つめる』『憧れ』
11本の花束で『最愛』
恋して花咲き誇る向日葵に似合う素敵な言葉
きっと恋愛の先輩なんだって
いつか私も向日葵のようなまっすぐで
おじーちゃんおばーちゃんになっても仲良くなれる人と恋をして
最後は笑顔でお別れしたいなと思った
お花屋さんにあった素敵な向日葵をみて思い出した
昔の小さい頃の思い出話
枯れちゃうと
思ったアサガオ
花咲いた
ダメな日もある キミ咲き誇れ
花咲いて
花よ花よ花は咲く
花の命は短くて
苦しいことのみ多かりき…
生きることが辛いとか
苦しいだとか言う前に
野に育つ花ならば
力の限り生きてやれ
「生きてやれ」って言葉が好きですねこの歌。
大空と大地の中で 松山千春。
やっぱ松山千春も長渕剛もロン毛でフォーク・ソングの頃が良かったよね。
花は咲く前が美しい。
令和6年7月23日
心幸
くっきりと青色が貼り付いている。
快晴の、茹だるような暑さが揺らいで、太陽が地上を焼いていた。
揺らいだ暑さはいつまでも地面に縫い付けられて、陽炎と呼ばれて、そこに居た。
…ようやく、花が咲いた。
前に蒔いた種が、苗になり、蕾を綻ばせた。
葉に這い寄るナメクジに塩化ナトリウムをかけた。
花咲いて。
大輪のヒマワリは、太陽の方を向いて、堂々と一本立ちしていた。
けたたましいセミの波長と太陽の熱光線に祝福されて、ヒマワリはまっすぐに太陽を見つめていた。
花咲いて、
ヒマワリを抜くことにしたのは君だった。
一番立派に育ったヒマワリを、根ごと掘り出して、無邪気な笑顔を浮かべて君はヒマワリを抱きしめた。
私がこの地に降り立った時、同じ笑顔で君は言った。
「せめてこの種だけは育てさせて」
「花が咲いて、花が咲いたら…あなたにきっとぴったりな花だから」
だから私は待った。
この星で半年と数える期間を。
しょうがない。
だって一目惚れしてしまったのだ。
地球人とは存外無力で可愛らしく感じたから。
歪んだり慌てたりするのを眺めるのは、最高に可愛い素質がありそうな星だった。
ここまで強かだとは思っていなかった。
両腕に痛みが走る。気のせいだ。
もう私は故郷に帰ることはない。
花咲いて。君笑って。私の腕舞って。
私はこの青色の空に閉じ込められた。
ヒマワリのように、太陽のように、眩しくて大きな笑顔に捉えられてしまったから。
花が咲いたから。
愛とはなんだろう。
私はこの星の支配種族たる人を愛していた。愛でたかった。
なのにこんなことになるなんて。
巻きついた鎖。
地に縫い付けられた足。
ない両腕。
取り上げられた宇宙船。
頭上に蓋をする、悍ましい青色の空。
大輪のヒマワリを抱いた君の笑顔。
陽炎がゆらめく。
この茹だるような暑さは、私と同じ境遇らしい。
太陽はいつまでも燃えていた。
どこまでも、どこまでも、ヒマワリが続いている。
花咲いて。
こちらに顔を向けて。
けたたましいセミの波長が、いつまでも、いつまでも、空気を震わせていた。
帰り道、馴染みの駄菓子屋の前で、友人と他愛ない会話をする。
時々、くだらない冗談を言い合ったりして。
その度に、夕焼けをバックにした大輪の花が咲くから。
今日も「好き」が募る。
【花咲いて】
「花咲いて」が今日のテーマだ。自分は植物が嫌いではない、というかかなり好きなのだが、植物を育てる才能がない。園芸の名人の手を「緑の手」と呼ぶらしいが、「あんたは茶色の手やな」と母に言われた。買ってきた観葉植物も花もサボテンも、いつの間にか枯らす。もともと面倒くさがりなので、「植木鉢を充分に日光の当たる場所に置き、きちんと定期的に水やりをしながら、水をやりすぎないようにも注意する」という基本的なことが難しい。
そんな自分がちゃんと花を咲かせられたのは、子供の頃にやったヒヤシンスの水栽培くらいだ。ペットボトルをハサミで切って鉢の代わりの容器を作り、ヒヤシンスの球根を乗せた。球根の下側1/3くらいが水に浸かるようにしておくと、白い根っこがスルスルと生えてきた。そのうちに球根の上部から芽が出て蕾が出て、良い香りの花を咲かせてくれた。世話はペットボトルの水を毎日替えるだけだったと思う。水栽培だから水をやりすぎる心配がないし、球根に栄養が蓄えられているから肥料をやる必要もない。根っこに光が当たらないように、ペットボトルを黒い色画用紙で覆っていた。その黒い紙をそっと剥がすと、水中に垂れるしなやかな白い根っこが綺麗だったことを覚えている。
花咲いて…
桜と紫陽花おわったらポインセチアまであっという間!
花咲いて。
ずっと咲いて欲しいと思っていた恋の花。
咲き誇って、いま、満開に。
このまま咲き続けるように。
「花咲いて」
1人ぽつぽつ歩いてると目の前にとても長い道が続いていた。
とても長い真っ直ぐな道には1本だけ花が咲いていた。
輝いて見えた。
咲くたびに触れる記憶の褪せていくその切なさを春に映して
花咲いて
花咲いて
やっとコスプレ衣装届いた。ぼっちちゃんの衣装だ。初めてのスカート。初めてのウィッグ。初めての女装コスプレ。全てが初めてで何もかも上手くいかない。ウィッグの付け方もメイクも。でも自然と諦める気にはならない。
「これからも沢山練習しよう。」
そう自分に言って鏡に写る自分にシャッターボタンを押した。ウィッグ専用のクシと髪をしまうネット?みたいなのを買わなくては…財布には500円とちょっと。
「バイトしなきゃ…」
いつか絶対に上手くなってやる。そう決意した。
今日も花は美しく咲き誇る夢を見て眠る。
花咲いて
3月のとある日。
外は麗らかな風が吹いているようで、庭の沈丁花がゆらゆらと気持ちよさそうになびいている。
そんな中俺はパソコンをじっと睨みつけている。
心臓の鼓動が喉に伝わって、
無意味に何度も唾を飲み込む。
部屋は心地いい温度なはずなのに、
信じられないくらいの汗が流れる。
そのくせ手先は氷のように冷たい。
震える手でマウスを握って、クリックする。
「合格」
全身の力が一気に抜けた。
フワフワする。
ほんとに、、受かった。
先生に無理だと言われた志望校。
貫いたけど、現役の時は歯が立たずに破れた。
それでも諦めきれず一浪する道を選んだ。
周りはみんな大学生になった中、自分の選択に不安を覚える日もあった。
けど、、俺にも春が来ました。
やっとやっと春が来ました。
桜の花が咲きました。
ありがとう。俺を支えてくれた全ての人に感謝。
そして諦めずに足掻ききった俺自身にも感謝。
よく頑張ったな、俺。
かっこええ医者になろうな。
花が咲いて、花びらが散って、芽が出て、花が咲いて
そうやって花は生きていく
毎年変わらずに当たり前に咲いている
あなたは何の花を見たら季節を感じますか?
彼は余命半年の宣告をされてからもう半年。
彼はいつ死ぬか分からない。今日、明日、突然死ぬかもしれない。
彼はとても桜が好きだった。
私は彼に桜を見せたかった。
私は彼が好きだから。
だから、一生のお願いです。
花咲いて!!
『花咲いて』
君に届けたいと思った。
君を笑顔にできるかなって
期待を胸に。
花咲いて
君のもとへ。
「うわぁ!!!」
恋人が目の前の景色に喜びの声をあげた。
前に広がるのは、太陽の光をこれでもかと浴びた、太陽に恋した花。それも一輪ではなく、大輪のひまわり畑。
「とてもきれいですね!!」
太陽の光が燦燦と降り注ぐ、この暑い中でも、彼女の笑顔を見ていると心が踊った。
俺はスマホを取り出して、彼女にカメラを向ける。
それに気がついた彼女は、軽くポーズを決めてくれた。
「可愛く撮ってくださいね!!」
「任せてー!」
ぱしゃり。
撮った写真を確認がてら見直す。
そこには、周りに咲く大輪のひまわり達に負けないくらいの笑顔があった。
実は自信があったんだよね、彼女の笑顔を撮るの。
彼女は俺のことが好きだから、カメラを向けると絶対にいい笑顔で撮れるんだ。
こうして、俺のスマホには彼女の笑顔の写真が増えていった。
おわり
お題:花咲いて
【ネリネの海賊】
香りは、聴くものらしい。
そんなことを最近知った。
香りに耳を当てて、味わうこと。
それが「香ること」らしい。
「お嬢ちゃん、こんなところでどうしたの?」
はっとして上を見ると、安っぽい海賊らしき人が立っていた。
「ううん、何でもない。」
「そうかい、それなら良かった」
本当は、何でもないわけでは無かった。
食べ物が尽きてしまったのだ。
ここ3日間はそこら辺に落ちている食べれそうなものを食べていたけれど、とうとうそうすることもできなくなってしまった。
私には帰る家も、家族もいない。
何を思ったのだろうか、海賊は私に一輪の花を差し出した。
「お嬢ちゃん、これをあげるよ。
僕からのプレゼントだ。大事にしな。」
海賊はネリネの花をくれた。
ピンクの、可愛らしいネリネだった。
海賊と別れてから、私は香りを聴いてみた。
この香りは、私のおばあちゃんを思い出させるようだ。
もう思い出したくないけど。
次の日。
何とか食料を見つけて生き延びることができた。
とりあえず半日は大丈夫だろう。
だけどここにいては私は売られてしまう。
私みたいな野生児はお金になるらしいのだ。
とりあえず移動しよう。
海がよく見える場所に着いた。
ここなら大丈夫。
そう思って一息ついた時、言い争う声が聞こえた。
ネリネをくれた海賊と、別の人が喧嘩しているようだった。
「お前、海賊になるなんて正気か?」
「ああ、そうさ。何か悪いか?」
「お前、知らないようだから教えてやるよ。
海賊ってのはな、みんなを困らせる悪い奴らなんだよ。
金目のものを盗んで、自分達だけで独り占めしやがる。」
「そんなことない!僕はそんなことしない。僕はみんなの為の海賊になる。」
「何がみんなのためだ!馬鹿馬鹿しい。」
あの人、海賊じゃないんだ。
すでに萎れかけているネリネをぎゅっと握り、私はネリネの海賊を応援していた。
「お前、ギターと歌は上手いだろ。
吟遊詩人にでもなれば?」
「いや、僕は海賊になると決めたんだ。
ギターと歌は友達みたいなもんさ。」
「ふぅん…。せいぜい頑張れよ。
まあ、お前には無理だろうけどな。」
諍いが終わった。
あの人、落ち込んでるだろうな。
心配になった。
その日の夜。
どこからかギターが聴こえてきた。
繊細な音色。
やがて、声が乗った。
とても、心が洗われるようだ。
教会を想起させるかのようだ。
私は天を仰いだ。
星が綺麗だ。
なんだか、ギターの音色のせいで全てが美しく見える気がする。
何となく、この歌声はネリネの海賊のものだと思っていた。
あの人、いつか本当に海賊になるのだろうか。
色んな島で色んな人に出会うのだろうか。
夜にはみんなで歌を歌いながらパーティをするのだろうか。
私も、いつかその船に乗せてほしいな。
私はすっかり枯れたネリネをぎゅっと握った。
枯れるなよ、私も海に出るんだろ。
そう強く願った。
ネリネは、ほのかに香っている。