『花咲いて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「花咲いて」が今日のテーマだ。自分は植物が嫌いではない、というかかなり好きなのだが、植物を育てる才能がない。園芸の名人の手を「緑の手」と呼ぶらしいが、「あんたは茶色の手やな」と母に言われた。買ってきた観葉植物も花もサボテンも、いつの間にか枯らす。もともと面倒くさがりなので、「植木鉢を充分に日光の当たる場所に置き、きちんと定期的に水やりをしながら、水をやりすぎないようにも注意する」という基本的なことが難しい。
そんな自分がちゃんと花を咲かせられたのは、子供の頃にやったヒヤシンスの水栽培くらいだ。ペットボトルをハサミで切って鉢の代わりの容器を作り、ヒヤシンスの球根を乗せた。球根の下側1/3くらいが水に浸かるようにしておくと、白い根っこがスルスルと生えてきた。そのうちに球根の上部から芽が出て蕾が出て、良い香りの花を咲かせてくれた。世話はペットボトルの水を毎日替えるだけだったと思う。水栽培だから水をやりすぎる心配がないし、球根に栄養が蓄えられているから肥料をやる必要もない。根っこに光が当たらないように、ペットボトルを黒い色画用紙で覆っていた。その黒い紙をそっと剥がすと、水中に垂れるしなやかな白い根っこが綺麗だったことを覚えている。
花咲いて。
ずっと咲いて欲しいと思っていた恋の花。
咲き誇って、いま、満開に。
このまま咲き続けるように。
「花咲いて」
1人ぽつぽつ歩いてると目の前にとても長い道が続いていた。
とても長い真っ直ぐな道には1本だけ花が咲いていた。
輝いて見えた。
咲くたびに触れる記憶の褪せていくその切なさを春に映して
花咲いて
花咲いて
やっとコスプレ衣装届いた。ぼっちちゃんの衣装だ。初めてのスカート。初めてのウィッグ。初めての女装コスプレ。全てが初めてで何もかも上手くいかない。ウィッグの付け方もメイクも。でも自然と諦める気にはならない。
「これからも沢山練習しよう。」
そう自分に言って鏡に写る自分にシャッターボタンを押した。ウィッグ専用のクシと髪をしまうネット?みたいなのを買わなくては…財布には500円とちょっと。
「バイトしなきゃ…」
いつか絶対に上手くなってやる。そう決意した。
今日も花は美しく咲き誇る夢を見て眠る。
花咲いて
3月のとある日。
外は麗らかな風が吹いているようで、庭の沈丁花がゆらゆらと気持ちよさそうになびいている。
そんな中俺はパソコンをじっと睨みつけている。
心臓の鼓動が喉に伝わって、
無意味に何度も唾を飲み込む。
部屋は心地いい温度なはずなのに、
信じられないくらいの汗が流れる。
そのくせ手先は氷のように冷たい。
震える手でマウスを握って、クリックする。
「合格」
全身の力が一気に抜けた。
フワフワする。
ほんとに、、受かった。
先生に無理だと言われた志望校。
貫いたけど、現役の時は歯が立たずに破れた。
それでも諦めきれず一浪する道を選んだ。
周りはみんな大学生になった中、自分の選択に不安を覚える日もあった。
けど、、俺にも春が来ました。
やっとやっと春が来ました。
桜の花が咲きました。
ありがとう。俺を支えてくれた全ての人に感謝。
そして諦めずに足掻ききった俺自身にも感謝。
よく頑張ったな、俺。
かっこええ医者になろうな。
花が咲いて、花びらが散って、芽が出て、花が咲いて
そうやって花は生きていく
毎年変わらずに当たり前に咲いている
あなたは何の花を見たら季節を感じますか?
彼は余命半年の宣告をされてからもう半年。
彼はいつ死ぬか分からない。今日、明日、突然死ぬかもしれない。
彼はとても桜が好きだった。
私は彼に桜を見せたかった。
私は彼が好きだから。
だから、一生のお願いです。
花咲いて!!
『花咲いて』
君に届けたいと思った。
君を笑顔にできるかなって
期待を胸に。
花咲いて
君のもとへ。
「うわぁ!!!」
恋人が目の前の景色に喜びの声をあげた。
前に広がるのは、太陽の光をこれでもかと浴びた、太陽に恋した花。それも一輪ではなく、大輪のひまわり畑。
「とてもきれいですね!!」
太陽の光が燦燦と降り注ぐ、この暑い中でも、彼女の笑顔を見ていると心が踊った。
俺はスマホを取り出して、彼女にカメラを向ける。
それに気がついた彼女は、軽くポーズを決めてくれた。
「可愛く撮ってくださいね!!」
「任せてー!」
ぱしゃり。
撮った写真を確認がてら見直す。
そこには、周りに咲く大輪のひまわり達に負けないくらいの笑顔があった。
実は自信があったんだよね、彼女の笑顔を撮るの。
彼女は俺のことが好きだから、カメラを向けると絶対にいい笑顔で撮れるんだ。
こうして、俺のスマホには彼女の笑顔の写真が増えていった。
おわり
お題:花咲いて
【ネリネの海賊】
香りは、聴くものらしい。
そんなことを最近知った。
香りに耳を当てて、味わうこと。
それが「香ること」らしい。
「お嬢ちゃん、こんなところでどうしたの?」
はっとして上を見ると、安っぽい海賊らしき人が立っていた。
「ううん、何でもない。」
「そうかい、それなら良かった」
本当は、何でもないわけでは無かった。
食べ物が尽きてしまったのだ。
ここ3日間はそこら辺に落ちている食べれそうなものを食べていたけれど、とうとうそうすることもできなくなってしまった。
私には帰る家も、家族もいない。
何を思ったのだろうか、海賊は私に一輪の花を差し出した。
「お嬢ちゃん、これをあげるよ。
僕からのプレゼントだ。大事にしな。」
海賊はネリネの花をくれた。
ピンクの、可愛らしいネリネだった。
海賊と別れてから、私は香りを聴いてみた。
この香りは、私のおばあちゃんを思い出させるようだ。
もう思い出したくないけど。
次の日。
何とか食料を見つけて生き延びることができた。
とりあえず半日は大丈夫だろう。
だけどここにいては私は売られてしまう。
私みたいな野生児はお金になるらしいのだ。
とりあえず移動しよう。
海がよく見える場所に着いた。
ここなら大丈夫。
そう思って一息ついた時、言い争う声が聞こえた。
ネリネをくれた海賊と、別の人が喧嘩しているようだった。
「お前、海賊になるなんて正気か?」
「ああ、そうさ。何か悪いか?」
「お前、知らないようだから教えてやるよ。
海賊ってのはな、みんなを困らせる悪い奴らなんだよ。
金目のものを盗んで、自分達だけで独り占めしやがる。」
「そんなことない!僕はそんなことしない。僕はみんなの為の海賊になる。」
「何がみんなのためだ!馬鹿馬鹿しい。」
あの人、海賊じゃないんだ。
すでに萎れかけているネリネをぎゅっと握り、私はネリネの海賊を応援していた。
「お前、ギターと歌は上手いだろ。
吟遊詩人にでもなれば?」
「いや、僕は海賊になると決めたんだ。
ギターと歌は友達みたいなもんさ。」
「ふぅん…。せいぜい頑張れよ。
まあ、お前には無理だろうけどな。」
諍いが終わった。
あの人、落ち込んでるだろうな。
心配になった。
その日の夜。
どこからかギターが聴こえてきた。
繊細な音色。
やがて、声が乗った。
とても、心が洗われるようだ。
教会を想起させるかのようだ。
私は天を仰いだ。
星が綺麗だ。
なんだか、ギターの音色のせいで全てが美しく見える気がする。
何となく、この歌声はネリネの海賊のものだと思っていた。
あの人、いつか本当に海賊になるのだろうか。
色んな島で色んな人に出会うのだろうか。
夜にはみんなで歌を歌いながらパーティをするのだろうか。
私も、いつかその船に乗せてほしいな。
私はすっかり枯れたネリネをぎゅっと握った。
枯れるなよ、私も海に出るんだろ。
そう強く願った。
ネリネは、ほのかに香っている。
タイムマシーンがあったら、、、
ご先祖様に会ってみたい
亡くなった親戚やおじいちゃんともう一度お喋りしたい
今思えば、もっとお喋りしたり一緒に遊んだりすればよかったって後悔している
だがら、
今、関わっている沢山の人との時間をや出来事を一つ一つ大切にしていこうと思った
皆に伝えたいことは、
おじいちゃん・おばあちゃんとこれからもずっと
一緒に暮らしたり、会えたりすることが永遠に続くことはないから、時間を大切にして過ごしてほしい!
H
『花咲いて』
期間が長く咲き乱れる花
夜中にひっそり、一日しか咲かない花
いろんな花があるけれど、
育て甲斐があるのは、どっちだろう?
『花咲いて』
子供の頃、勉強嫌いな私がたくさんもらった花は、縄飛びの検定試験の合格印の花丸でした。
縄飛びカードに花が咲くのが、嬉しくて、冬場はピョンピョン跳んでいました。
花丸の力って、凄い!
#3 “本日のテーマ”
花咲いて
[一瞬の命]
夏にかけて、向日葵が植え替えられた。
来る日も来る日も、少しずつ成長する。
雨に濡れながら、風に煽られながら。
それでも懸命に太陽の光を浴びて、成長する。
7月になり、ようやく花が開いた。
あふれんばかりの生命力で満ち満ちている。
その姿は人々の目を潤し、心にあたたかみを与える。
そこに存在しているだけでいいのだ、と知らしめるがごとく。
1週間経ち、少しずつ枯れてきていた。
見た目の美しさを失っても尚、懸命に輝いている。
枯れゆく中、最後まで命を燃やして、人々の心に訴えかける。
最後まで一生懸命に生きて死ぬのだ、と。
桜の花が咲いた時
貴方はこの学校には居ないね、
寂しくなるよ。
【花咲いて】
私にとっては
数々の想い入れが引っ張られてくる字面だ
まぁ実際に咲いた訳ではあるが
立派に咲き
実を結び
種子を風に乗せ
降り立った地で
根を張り
芽吹いている
私が栽培した訳ではなく
ある日畑に咲いた野生の花
強さと優しさを兼ね備え
のびやかに繊細に
雨に耐え
太陽に手を伸ばし
風に微笑む
つられて鳥なんかも遊びに来るようになった
賑やかだった畑で
私はまた芋を掘っている
たまに通りかかった鳥が
向こうの様子を伝えてくれる
採れた芋を鳥にことづける
そのうち
芋のお弁当を持って
お花見に行こうっ
花咲いて
周りの花が皆咲き乱れていく
クレチマスの花は風に乗って世界を飛び回る
30本の薔薇は愛を捧げる
飛燕草は独り孤高にそびえ立つ
どの花も水を浴び、光を乞い、そして綺麗に開花する
なのに。
醜い大きな一輪の花は
毒を吸い、闇を望み、そして堕落した花は。
風から逆らい愛を騙り孤独になる
ラフレシア
#花咲いて(2024/07/23/Tue)
はじめて会った頃はとても初々しい蕾で
ながめているだけで心がほっこりした
さしのべた手に温もりが返った時
いつまでもこのままでいたいと思った
ていねいに守っていかなくちゃ
こんなにも美しく咲いた花
「今日もお花に水をあげてくれてありがとうねぇ! (本名)ちゃん、お花いつくらいに咲くのかしら?」
これは小学6年生の夏休み間近の話だった。
学校の委員会で、私は環境委員会という委員会に入っていた。
環境委員は生物、植物、学校環境(掲示板、掃除)の3つのグループに別れて仕事をするらしく、繊細な生き物の世話や、掃除なんて面倒臭い仕事は嫌だった私は植物グループを希望した。このグループでもリーダーを作るらしく、6年生だからと私はリーダーに推薦され、残念なことにリーダーになってしまった。
植物グループの仕事は勘づいている人が多いかもしれないが、基本植物の水やりだ。たまに花を植えたり土を入れ替えたりするくらい。滅多にやらないが。
まぁこんなことは忘れていい。無駄話をしすぎた。
冒頭のセリフを言った人はどういう立場だとみんなは思ったのだろう。おおよそ担任や校長、委員会の先生あたりか?
正解は上記の人達ではなく、よく学校に来るばっちゃん(おばあ様)だ。
「割愛」これからばっちゃんはSと表記します。
「まぁ仕事なんで。ミニひまわりとかそんな名前だったし、そろそろ咲いていいと思うんですけど…中々咲きませんねぇ…」
適当に返事をした。別に適当だからといってSが嫌いなわけじゃない。むしろ好きだ。
「そうなのね…?あ、あれ!あそこつぼみが開花してきてない!?」
Sはそういうと西側の花壇を指した。数秒探したあと、それっぽいものを見つけた。
近寄ると開花しそうな状態だった。
「本当に開花しかけですよ。水水〜っと」
私はそういいそこの花壇に持っていたジョウロのの水をたくさんやった。
とても綺麗だ。つぼみにキラキラと光る水がつき、花が可憐に強く咲いているようだ。
それから残りの花壇にもたくさん水をあげ、いつも通りホームルームの最中の教室に入った。
それから休み時間や体育の時には必ず花の様子を見に行き、水が足りなそうだったら水をあげた。
それを数回繰り返したある日、花が完璧に咲いた。
それを見た瞬間、自然と目は開き口角が上がった。
心の底から何かが勢いよく沸きあがってきたように感じた。その瞬間、達成感や満足感に似た感情が強く湧き上がり言葉に表せないほど嬉しかった。
今はもうその周辺のことは覚えていないが、凛々しく可憐に、そして美しく咲いていたあの花や、雲ひとつない暑いあの晴天はしっかりと覚えている__
花咲くと言えば春
出会いと別れの季節。
入学式の後新しい教室に入って見慣れない人に囲まれながら外を眺めていた。
風に吹かれて鮮やかな桃色の桜の花びらが飛んできた。きっと春のお知らせだ。
教科書が配られて緊張しながら名前を書く。新しいから丁寧に。
その日は特に授業もないからすぐに帰れた。まだ早い時間だから外も明るい。
明日からは新しい日々が始まると思うと少し楽しみ。
そんな気持ちで通学路を歩いた。
通学路は知っている道だけど特別な道に感じた。
気づけばもう花咲く季節だ。
手には卒業証書、周りには見慣れた人達。
みんなの卒業アルバムにメッセージを書く。思いを込めて丁寧に。
式を終えて友達といつも通り話したり、写真を撮ったりしたから空はもうすっかり橙色。
最後の通学路を歩いた。明日からはいつもと違う。新しい日々が始まるんだと思うと少し寂しい。
花咲く木の下でみんなで笑ったあの時に戻れたらいいのに。ってこの季節が来ると思うんだ。