『花咲いて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
花咲いて。
花咲いて。
ひまわりも
ガーベラも
かすみ草も
チューリップも
アサガオも
好き。
花咲いて
君の笑顔が花咲いたようで僕の心を一掴みした
花咲いて
夜空に輝く
花火かな
咲いてしまえば
一瞬で散る
/花咲いて
何気ない日常に
君という名の花が咲いた
美しく透き通る色彩に
優しい香りがして
気づく頃には
もう私はその花の虜。
…花咲いて…
『美咲、花が咲いて、やっと実るのよ、 」
『こんなにも時間かけて、丁寧に、丁寧に、つくってるんだから、残さず食べるのよ』
母の亡き母、つまり祖母はその教えだけはずっと言い続けていたらしい。
わたしも、この前言われた。
努力も一緒かもねって母が小さく呟いた
花咲いて
母は、花を育てるのが好きだった。
そして上手かった。
その当時 ガーデニング という言葉で
流行りだしたそれらを、熱心に吸収し、
本を何冊も買い込んで勉強していた。
「花日誌」なるものもつけて、
いついつ この花の鉢をいくらで買った
いついつ 花が咲いた と。
現金な私は、同じく労力をかけるなら、
野菜がいいのに、
実ったら食べられるのに と
思っていた。
母は、子育てと同じくらい、
いやそれ以上に
ガーデニングにご執心だった。
なぜ?と聞いたことがある。
なぜ こんなに好きなの?と
母曰く、要約すると「打てば響くから」と。
ああ、私は打っても響かない
子供だったのかな。
少し悲しくなった。
今、私はベランダの隅で
ネギと三つ葉を育てている。
スーパーで買ってきたものの根っこを、
プランターに埋めたのだ。
リボーンベジタブル
リボベジ というらしい。
ある意味私は、リベベジ
リベンジベジタブル を
しているのかもしれない。
「花咲いて」
この道を1人で歩くのは何回目だろうか。
隣にいるはずだった人の横顔を思い浮かべふと考える。
堂々と胸を張って笑いながら歩いていた日々。そんな日々を恋しく思いながらも下を向いて歩く。
あの頃はあなたがいなくなるのなんて考えられなかったのに、いつの間にか慣れてしまっている自分に驚いている。
ふわりと手に落ちた桜の花びらを眺めてみる。
昔は好きだった桜も今では嫌いになってしまった。
桜が咲くと元からそこにあったかのように溶け込む。そこにいるだけで綺麗な桜は見惚れてしまう程美しい。そして、すぐに散ってしまう。
元々綺麗だとは感じていたが、散ってしまった後には「あぁ、綺麗。」と改めて気付かされる。
幼かった頃はただただ散ってしまう桜を残念に思っていたが、今はあなたと重ねてしまってどうにも好きになれない。
いつか、胸を張ってこの道を歩く日は来るのだろうか。
保証は無い。確証も無い。だけど何となくいつか来る気がする。
きっといつか。
花咲いて、もっと私を美しく輝かせて…花咲いて、私の心も花のように美しく…花のように何時までも麗しくいたい…花は、何時だって綺麗だ…どんな花だって、何時だって輝いて見える…どんな花だって、一生懸命生きてる…私も、そんか花達に負けずに、何時までも、心も体も若々しく、心も体も美しいままでいたい…私は、昔から花が大好きだ。小さい頃からよく花言葉を調べて、沢山の花言葉を覚えていた。
【花咲いて】
君の笑顔が咲き誇るときには
きっと僕が育てた花も咲き誇っているから
だから幸せなときは笑ってくれ
そうじゃないと悲しみに溢れてるとき気付けないから
ただがむしゃらに、こなしていく日々が過ぎていた。あの頃は、立ち止まることがとても怖かった。
周りなんて関係ない、自分たちがどうすべきか?
どう伝え、魅せるか?
それしか考えていなかった。
全速力で階段を駆け上がり、周りを蹴落とし行く。それが当たり前だった……でも、それは間違いの始まり。
だから、少しずつ壊れていく音にも気が付けない。
せっかく撒いた種も、簡単に粉々になり、土に還ってしまう。そして時には、風に飛ばされてしまうこともあった。
もう、ここまでかな……ふと、そんなことも過ってしまう。
何もかも諦めて立ち止まろうかと、周りをゆっくり見渡した。
ぼろぼろの荒れ果てた地面と砂埃の世界だと、勝手に思い描いて信じていたけど。
緑が多い繁り、気持ちの良い風も吹いていた。よく目を凝らすと、とても小さな花々が静かに咲き始めている。
まだ世界は変われる、どんな景色を魅せることが出来るのだろうか……
瞳に映っていたのは、温かな笑顔が咲き乱れ、太陽を求めるように手を伸ばし、ここに居場所を求める声たち。
キミ達がいる限り、一緒に先へ進もう。
そしてこれからもずっと、届けつづけよう。
見つけてくれて、見守ってくれてありがとう。
『花咲いて』
高校生の時のお花見を思い出した。友達と縁石に座ってあんこ団子を食べた。桜の花びらが舞い散るのを眺めながら。
#111
花咲いて
朝露を日々
まとわせて
そばで見守る
散りゆく日まで
「花咲いて」
学校帰りのバス 何気ないいつもの道
イヤホンをつけながら音楽を聴く
ふと見上げて太陽が眩しく輝いていた
なんだろう
漫画の主人公になった気分だった
『花咲いて』
誰もが無駄だと言ってくる
でも、僕は信じてる
いつか必ず、僕の努力が実を結ぶと
「花咲いて」
咲いた花火と
飛行機を見て
当たらないのか
尋ねた日
そんな幼い
記憶の花が
咲いてもうすぐ
盆が来る
「花咲いて」
揺らぐ水面に花びら落ちて
季節が景色を彩っていく
悲しい時間は
新しいことが少しずつ変えていく
涙池 いま花咲いて 水面春
花の美しさは花が咲いた時にわかる
つぼみの時が綺麗でも
花が咲いたら思ったより
綺麗では無いかもしれない
つぼみの時が綺麗でなくても
その花が咲いた時
その花の美しさに気づく
花は自分の力で
綺麗な花を
咲かす
誰の手も借りずに
その自然の美しさに
思わず引き込まれてしまう
自分がいた
お題[花が咲いて]
No.47
ある日、学校から帰る途中で虹色の不思議な花を見つけた。
赤、青、黄色…とそれぞれの花びらの色が違うんじゃない。
まるで七色の絵の具をパレットに出して、適当に混ぜたような、そんな柄をしていた。
確か、マーブル模様って言うんだっけ?
最初は誰かが色水にでも浸けて、そんな花を作り出したのかとも思ったけど、それは道端に咲くたんぽぽみたいに、アスファルトの上に普通に生えていた。
……もしかしてこれ、新種の花なんじゃ?
そう思って僕は、その花を手折って走って家に持ち帰った。
「お母さん! 見て、この花! 虹色なんだよ!」
僕は乱暴に玄関のドアを開けて、お母さんの元へ駆け寄った。
「虹色の花? ……お花なんてどこにあるの?」
「え? ほらここに……ってあれ?」
しっかりと掴んでいたはずの花は、もう影も形もなかった。
つつじの花が咲いている。昔通った通学路には、ユスラウメも豊富に実っていた。
つつじの花の蜜もユスラウメも、長い通学路の空腹を満たしてくれるおやつだった。
酸っぱいイタドリや道に垂れ下がっている枇杷も、子どもには格好の獲物だ。私は何だって食べた。
喉が渇いたときに、水道水を飲ませてもらっていた鍛冶屋を覚えている。
中学生になると、自転車を使うことを覚え、道端の植物をむさぼることはなくなってしまった。
さらに高校生になると、小遣いを握りしめてお好み焼き屋や安いケーキ屋に出入りするようになる。
しかしお金のいらない道端のおやつの思い出は、今でも私の気持ちを豊かにさせる。
【花咲いて】
花咲いて(2023.7.23)
記憶の中のあの子は、いつも校舎裏の花壇にいた。
「ねぇ、何してるの?」
初めはただ遠くから見つめるだけだったけれど、ある日、ふと声をかけてみた。すると、今まで作業に夢中になっていたのか、顔を上げたその子は、はっと目を丸くさせていた。
「……花の世話」
長いこと話していなかったような、か細い声だった。
「ふーん…何の花?」
私は花というよりその子自身に興味があったけれど、そんな素振りを見せないように話を続けた。
「…咲いたら、わかる。多分、来年の夏には、きっと咲いてる」
「へぇ…」
結局何の花なのかわからなくて残念な気持ちと、思っていたよりも長くかかるんだなという驚きから声が出た。
それきり私が何も言わないので、彼女はそろそろと作業に戻って、つとめて私の方を見ないようにしているようだった。私も、その後しばらくしてその場を去った。
次の年の7月、あの子が死んだ。自殺だったらしい。
私はあの子に近しいわけではなく、たまに花壇で見かける程度の関係性だったから、人伝にそのことを知った。去年から、クラスで孤立して、いじめを受けていたらしい。まぁ、よくある話か…。
もう花壇であの子を見ることはないんだな、と思うと寂しくなって、ふと、あの子の言葉を思い出した。ちょうど、今頃に、あの子が育てていた花が咲く頃じゃないだろうか。
私は校舎裏の花壇へと急いだ。
花壇に近づくにつれて、ふぅわりと、花の香りが漂っていた。白い、白い百合の花だった。
そのとき、あの子はきっと、全てわかっていたんだなと悟った。
風の中で、白百合が寂しげに、けれど頷くように、ゆらりと揺れた。