ただがむしゃらに、こなしていく日々が過ぎていた。あの頃は、立ち止まることがとても怖かった。
周りなんて関係ない、自分たちがどうすべきか?
どう伝え、魅せるか?
それしか考えていなかった。
全速力で階段を駆け上がり、周りを蹴落とし行く。それが当たり前だった……でも、それは間違いの始まり。
だから、少しずつ壊れていく音にも気が付けない。
せっかく撒いた種も、簡単に粉々になり、土に還ってしまう。そして時には、風に飛ばされてしまうこともあった。
もう、ここまでかな……ふと、そんなことも過ってしまう。
何もかも諦めて立ち止まろうかと、周りをゆっくり見渡した。
ぼろぼろの荒れ果てた地面と砂埃の世界だと、勝手に思い描いて信じていたけど。
緑が多い繁り、気持ちの良い風も吹いていた。よく目を凝らすと、とても小さな花々が静かに咲き始めている。
まだ世界は変われる、どんな景色を魅せることが出来るのだろうか……
瞳に映っていたのは、温かな笑顔が咲き乱れ、太陽を求めるように手を伸ばし、ここに居場所を求める声たち。
キミ達がいる限り、一緒に先へ進もう。
そしてこれからもずっと、届けつづけよう。
見つけてくれて、見守ってくれてありがとう。
『花咲いて』
7/24/2023, 9:48:52 AM