Sasha

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つつじの花が咲いている。昔通った通学路には、ユスラウメも豊富に実っていた。

つつじの花の蜜もユスラウメも、長い通学路の空腹を満たしてくれるおやつだった。

酸っぱいイタドリや道に垂れ下がっている枇杷も、子どもには格好の獲物だ。私は何だって食べた。

喉が渇いたときに、水道水を飲ませてもらっていた鍛冶屋を覚えている。

中学生になると、自転車を使うことを覚え、道端の植物をむさぼることはなくなってしまった。

さらに高校生になると、小遣いを握りしめてお好み焼き屋や安いケーキ屋に出入りするようになる。

しかしお金のいらない道端のおやつの思い出は、今でも私の気持ちを豊かにさせる。


【花咲いて】

7/24/2023, 8:15:08 AM