『胸が高鳴る』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「あと10秒……2……1……」
アタシは時計を見ながら、0時きっかりに送信ボタンを押した。
今日はあの人の誕生日。日付が変わった直後に、おめでとうメッセージを送信した。
今あの人は寝てるかもしれないけど、目にした時に真っ先にみるメッセージがアタシだったらいいなって考えると、胸が高鳴って眠れなくなる。
……明日、どんな顔して渡そうかな。
可愛いリボンに包まれたプレゼントを眺めて、ベッドへ潜り込んだ。
胸が高鳴る
あっ、もう少し…
もう少ししたら君に会える。
でも会えば離れる寂しさ襲うんだ。
僕は君との待ち合わせ時間、
今の時間が1番すきだよ。
だって会える嬉しさだけが僕の胸を高鳴らせるから。
明くる日の朝に消え去ろう。
ここに居る意味も失くなった。
がらんどうに慣れるなら、
いっそ箱さえも消してしまえ。
夜半過ぎの決意は、心臓を高鳴らせ。
奇妙な高揚感だけが、感情を支配した。
明くる日の朝に消え去ろう。
夜明けと共に消え去ろう。
月と共に消え去ろう。
朝日の代わりに消え去ろう。
高鳴る鼓動の音だけを残して。
#胸が高鳴る
お題に困った時の、虚構頼みなおはなしです。架空で童話で1%のリアルを含んだおはなしです。
最近最近、都内某所に、稲荷神社の敷地内の一軒家で、不思議な子狐が家族と一緒に住んでおりました。
徳を積み、善き化け狐、偉大な御狐になるための修行として、子狐は夜な夜な、葛で編んだカゴに不思議なお餅を入れ、それを売り歩くのでした。
「できた、できた!」
子狐には、まだまだ1人ぽっちですが、お餅を買ってくれるお得意様がいました。
「トーシツノスクナイモチ、できた!」
お得意様は、キラキラ大きな500円玉と、チャリチャリ小さな100円玉で、計600円、お餅を3個買ってくれますが、
ある日、「低糖質餅(トーシツノスクナイモチ)は無いのか」と、まさしく現代的なニーズを、ぽつり、要望したことがあったのでした。
子狐はいっぱいいっぱい、都内某病院に漢方医として属し労働して納税する父狐と、この現代的ニーズについて、お勉強しました。
お米はトーシツで、あんこもトーシツで、だいたい甘いものはトーシツなのだと、よくよく、学びました。
つまりお米を減らして中に詰め物をして、しょっぱい味付けにすればよろしい。
餅売りの子狐は、ちょっと薄めに伸ばした餅で、
ひとつはケチャップまみれのとろーりチーズ、
もうひとつはマヨとバターのスクランブルエッグ、
それから細切れコンニャクとツナの水煮の混ぜもの、
そしてすき焼き風なひき肉とタケノコの混ぜものを、
それぞれ、試作として包んだのでした。
しょっぱいからトーシツじゃないもん。
えっへん。子狐は誇らしく、胸を張りました。
「よし。さっそくおとくいさんに、見せにいこう!」
ピザお餅、マヨ玉お餅、ツナお餅に、すき焼きお餅。丁寧に笹の葉でくるんで、葛のカゴに入れます。
子狐は胸の高鳴りを抑えられず、お得意様のアパートに向けて、ぴょんぴょんぴょんぴょん出発しました。
きっとあの善きお得意様は、子狐の労をねぎらい、頭に触れ、腹を撫でてくれるに違いありません……
胸が高鳴る
貴方からの通知
誰からの言葉より
貴方からの視線の方が
胸が高鳴る
誰からの態度より
貴方からの未読無視が
貴方からの別れの言葉が
視界が歪む。
明日もいつも通りの日だ
月曜日になるから学生は学校へ
仕事がある人は会社へ
バイトをしたり用事で出かけたり
学校に行けば勉強をさせられる
会社にいけば働かされる
バイトにいけば怒られる
用事があっても休めたりはしない
だから毎日が憂鬱なのだ
でも学校で君とすれ違った時
会社で目が合った時
バイト先で励まされた時
用事先でたまたま見つけた時
君がいる
ただそれだけで
胸が高鳴る
《小さな喜び》
#4
いつもと同じ時間、
スマホのアラームが鳴る。
まだはっきりしないままの頭で音を止めた。
ふたたびやってくる海の底のような静寂。
もうちょっとだけ、と二度寝しかけて
何かが引っかかっていることに気づいた。
画面の上の方に、なにやら見慣れないポップアップ。
「今日、暇だったりする?」
送り元を確認すると 先生 の二文字。
一気に目が覚めた。
「卒業したら会いに行くよ。」
あの言葉は嘘じゃなかったんだ。
頬が紅潮するのがわかる。
鼓動がうるさい。
細胞一つ一つが小躍りしているみたいに嬉しくて、
気づけば声に出していた。
「はい!!暇です!!!」
あなたに気づいて欲しいから
心が扉をノックする
それは
いつも突然に
色づきはじめる
あいのおと
『胸が高鳴る』
胸が高鳴る
これから高校最後のサッカーの試合。
負けたら終わりのノックアウト形式。
ドキドキするけど、楽しみ。
こんな経験もうないよ。
当時の自分にそう言って上げたい。
でも、それって終わってからじゃないとわからないんだよな。
人間って愚かだよね。
「シェフの胸の高鳴りサラダでございます」
とウェイターが前菜のサラダを持ってきた。気まぐれじゃないそのサラダを食べると、確かに、シェフの胸の高鳴りを感じた。
「胸が高まるサラダですね」
と、ウェイターに告げると、
「シェフの娘さんの、出産予定日なんです」とウェイターは答えながら、スープを置いた。
「シェフの胸の高鳴りスープでございます」
きっとデザートまで、高鳴り続けるに違いない。
テーマ:胸が高まる #127
貴方が好き。
私は口数よりも心のほうがおしゃべりだ
告白するのが怖いから告白はしない
でも、心の中でずっと告白し続けている人がいる
思い続けている人がいる
恋バナする相手がいないからと
女子の間では素っ気なくしているけど
実は聞く耳立ててしまうのは
彼の話題が出ていたら
静かにその人を観察するため
(少し怖いかな……)
その代わり
結構顔に出てしまっているらしい
友達によく
「わかりやすい」
そう言われる。
まぁ、その人のことを好きなことは、
バレていないみたいだけど。
今日も横目で彼を見る
あぁ、今日もかっこいい……。
優しいし、ちょっとした時に見える笑顔とか最高……。
たまに彼がこっちをチラチラ見てくるときがある
私は視線を逸らす
胸が高まるのを感じる
今日も好きだな……。
胸が高鳴るとはこの事か
「不整脈持ちなの?」
口をついて出そうになった言葉を奥底にしまい込む
いくら私だって、
そんな空気の読めない女には成り下がりたくない
持病を疑ってしまうほどに大きく、
重く、確かに、鼓動を刻む彼の心音とは裏腹に
私の体は至って平穏だった
あまりにも静かで、
もはや私の心臓が動いているのかさえ不思議なくらい
そういうことだ
私の体は、
私の心よりも正直に、
全てを語ってくれていた
同じ速さで、
同じ重みで早鐘を打てないことに
なんとも言えない申し訳なさを感じながら、
私は私が生きている音を聞きたくて、
目を閉じて、内なる音に集中した
しかし残念なことに
私の内からは何も聞こえてこない
次第に相手の鼓動が鬱陶しくなったので
内も外もなく塞ぎ込んで、
私は今日の夜ご飯のことを考えることにした
胸が高鳴る
心臓のドキドキが
ふだんの心臓の位置より高い所で
ドキドキしてる
あの経験
懐かしいなぁ
最後に高鳴らせてくれた人
今は想い出の人
私にも、ようやく、好きな方が出来た。
その方と、一緒に居たいと考え、鼓動が高鳴り、どんどん好きになっていく。
この今の、私から、お相手に対し、心が踊り胸が高鳴る。
『胸が高鳴る』
学生の頃は、まさかこんな惨めな人生になるなんて想像もしていなかった。
卒業したら、就職して、いずれ結婚して…なんて何の根拠もなく思っていた。
それなのに…
仕事もない お金もない 恋人もいない
夢も希望も何もない
自分なんかこの世にいてもいなくても同じ、死んだところで誰ひとり悲しんでくれる人もない。
自分は家族や社会に必要とされ役立つ人間だと思いたかった。
そんな心の支えが欲しかった。
けれど、自分は誰からも必要とされていない。
現実に打ちのめされ、どん底に突き落とされた気分は、更に暗闇の世界に簡単に引きずり込んでしまう。
もがいて あがいて それでも無理で…
だけど…あの日…
どす黒い闇に覆われていた自分の人生に
一筋の光明が差した気がした
心洗われるような、美しい音色
無意識に涙が流れた
次々に涙が溢れ…止まらない…
「私…まだ泣ける…だったら…また笑えるかも…」
胸が高鳴るって、こんな感じなのだろうか?
何の根拠も自信もないのに
何だかなんとかなりそうな気がした
あの日、一歩を踏み出す勇気をくれた
誰かが弾いてたピアノの音色
今でも
自分を見失いそうになるたびに思い出す
花に
蝶々が
歌うように
小枝で
小鳥が
歌うように
浜辺で
波が
歌うように
夜空で
星が
歌うように
どうぞ
わたしに囁いて
胸が高鳴る
あの言葉
「ずっと一緒だよ」と
歌うように
囁いて
# 胸が高鳴る (75)
「胸高鳴るとは正にこのこと!」
鹿撃ち帽とインバネスコート、上質な仕立てがみちみちに膨らんだスーツ姿の探偵───否、探偵っぽい益荒男は、大虎のような声量で高らかに吠えた。
ついでに、パイプを持っていて欲しい片手に斧を掲げた。薪を割るための立派な備品であるはずの大きな斧だが、この男が掴むと500mLのペットボトルくらいにしか見えない。野蛮だ……。小さなホテルの、そう多くない宿泊客の誰かが呟いた。
ぼくもそう思う。
「オーナーさん、よろしいのですね。この男、本当に扉を割りますよ」
「は、はい、はい。なにしろ、マスターキーは、中の彼が持っているのです。オカくんは、日の出の頃には仕事を始めるような男なのです。こ、こうなってはもう、」
そこまで言って、そこから先を言えなくなってしまった白髪のオーナーさんはウウと唸った。
仕方あるまい。
何しろ、日の出の頃には仕事を始めるようなオカくんの靴を履いた片足が、朝7時も過ぎたホテルの裏庭で発見されてしまったのである。
片足だけが、膝上10cmくらいのところから、バッサリ。
「聞いたか友よ。俺の目の前に密室がある。木造の、古風ゆかしく、なんともいとけない密室が」
「密室に使う形容詞じゃないよ」
「では、ウーム、儚げな、としておこう。さあ解決するぞ、今するぞ!」
寝起きとは思えない肺活量で雄叫び、探偵は斧を振りかぶった。二の腕が丸太みたい。今気づいてしまったが、ぼくの友人は廊下の自販機よりそこそこデカいんだな……。この男がいるホテルで人死にを出そうとは、よほどの気狂いがこの衆人の中に混じっていると見える。
衆人注目の大男は、メジャー選手もかくやというフルスイングで、軽々密室のドアを叩き割った。ペラペラのベニヤみたいに簡単そうだった。
何をか言わんや、だ。
やれ、胸が高鳴るね。
胸が高鳴る
あなたの電話
が鳴ると何故か
胸が高鳴るの…
いつものわたしと
ちがう
もう1人のわたしが
でてくるの
ふしぎ…
あなたは
きっと…
魔法使いなの
なんでも
魔法が使える
達人…
あなたにかかれば
だれでも…
もう1人のあなたが
出てくるかもね
でも
あなたは
わたしのもの…
たいせつ
どろり、と視界が解ける。意地で瞼を押し上げてはまた下げて、それでもまた上げて。物凄く眠いけれど寝るには勿体ない気がする。風呂上がりの、体温が冷えていく感覚が心臓を少し速める。肌寒い。
「もう、眠いの?」
斜め上からの声に頭だけを動かして応える。目を閉じれば映画の音楽が響き、まだ見たいと目を開ければテレビから発せられる独特な青い光が酷く眩しくて。
急に肩が温かくなる。それと対比してか、小さな毛布に入り切らなかった足元が一段と冷えた気がする。さむい、と隣に縋り付いた。半身から受け取る熱と、己のものでは無い匂いが心臓を強く打った。
お題 胸が高鳴る
期待に胸が高鳴って
誇らしい気持ちで息を吸い込む
自分の努力をねぎらい
これから存分に力を発揮しよう
つぎつぎ道を切り拓いて
素晴らしいものを成し遂げたい
それができる気がするんだ
ここから始まる
全身に力が漲る
前途洋々
晴れ渡る空
世界が 未来が輝く
いざ、さらば
「胸が高鳴る」
#50