『美しい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
茨に囲まれた城がありました。
そこにいる人々はすべて、呪いによって眠りについていました。
そのお城の一番上等な部屋に、それはそれは美しいお姫様が眠っておりました。
この城の噂を聞きつけ、お姫様の姿を一目見てみたいと、隣国の王子様がやって来ました。
「なんて美しい人なんだ」
王子様はお姫様を見て、あまりの美しさにキスをしました。
すると、なんとお姫様が目を覚ましたではありませんか。
そして状況を理解すると、お姫様は叫びました。
「……変態! セクハラ!」
「えぇ!? ここは『あなたの愛が目を覚ましてくれたのね』って喜ぶところじゃないのかい!?」
「人工呼吸なら人助けだけど、美しいって理由だけで欲望のままにした一方的なキスは犯罪です。ちゃんと同意求めないと駄目です」
「えぇぇぇ!?」
いやたしかに人助けしようとしてキスしたわけじゃないけど! 欲望のままにしたかもしれないけど! でもほら少女漫画でもあるじゃん、寝てるところに思わずキスしちゃうやつ! 大体呪いで寝てるところをどうやって同意求めろと! むしろこういうシチュエーションのキスって、人工呼吸と同じで、人助けじゃない?
お姫様の叫び声を聞きつけ、丁度目を覚ました城の人達が部屋に駆けつけました。
そうして、王子様は捕まり、隣国との関係は拗れに拗れたそうな。
めでたくなしめでたくなし。
『美しい』
美しい
この世に可愛いもの、きれいなものはタンとある。
では、美しいものとは?
綺麗と同義、
それなら何も言うまい
だが、
美しいとは?
綺麗は光を反射するもの
麗しく艷やかであるもの
しっとりと
簡単に口から出てしまう
「この人。きれいだね」
「綺麗な景色だね」
だが、
美しいとは?
海外の人はよく使うのを見る
例えば神社とか、寺だとか
しかし僕には
男が、最上級の気障な褒め言葉として
使ってくれればそれでいいことにしようとしたい
冗談や照れ隠し以外僕には出せない
昨日の夜の記憶が曖昧だ。だいぶ酔っていたことは確かだが、色々やらかした気もする。いや、飲み会とかに行ったわけではなく部屋で一人で飲んでいたのだが。
一昨日から母親が旅行に行っているため、昨晩は自分で夕食を用意して酒を飲みながら自室で食べていた。健康上の理由で普段は酔っ払うまで飲むことは少ないが、こういう機会にたまに飲むのが好きなのだ。特に、Amazonプライムでアニメを一気見しながらの酒は格別だ。
そんなわけで、今日は胃が若干やられていてムカムカする。胃薬は飲んだが果たして効くか。
その美しい人は、雨に濡れて薄汚れた子猫を蹴り飛ばした。
自慢のヒールを汚されるのが我慢ならなかったらしい。
高価なヒールは彼女の美しさの一部だ。
身にまとう美しさは、その心の醜さを覆い隠し、彼女は今日も羨望のステージに立つ。
スポットライトを浴びて、ヒールに付いた汚れをひた隠して。
ヒールの先で蹴られた子猫は、止まりかけた呼吸を何とか取り戻した。
頼りない小さな体で、それでも何とか生きようと抗っている。
泥にまみれて、雨に濡れて、明日を生きる糧もない。
だがしかし、生きようとする思い、それはがむしゃらで、煌めく命の灯火は美しい。
惰性で生きる人間達を、羨むこともない。
その後、子猫は通りかかった老婆に拾われ、濡れた体は毛布にくるまれる。
美しい命が美しい心に出会い、この混沌とした世界に生きる手段と理由を生み出した。
美しい人はその業界を席巻し、不動なる地位を築いてゆく。
ある日の雨上がり、移動する車内から、水たまりで遊ぶ幼い子供達を見かけた。
靴が汚れてしまうことなど気にもせずに、戯れる子供達。
ああ、私にもあんな時代があったな。
そうは思ったが、戻りたいとは思わない。
私は幸せを手に入れた。
もがき、あがき、血を吐く思いで。
この幸せを、いつまでも守り続けたい。
子猫と老婆は寄り添いながら眠り、このささやかな幸せを、いつまでも守り続けたいと願う。
子猫は温もりを手に入れ、老婆は孤独を癒してくれる存在を手に入れた。
幸せの形は違えど、誰もがそれを求めて生きている。
世界に息づく、そのすべてが美しいと思った。
美しいもの。
光にかざしたビー玉。
そこら辺の草の葉脈。
落ちてる烏の羽根の、濡れ羽色。
君の天使の輪っか。艶々の髪。
長い指。桜色の整った爪。
君の歩く姿勢。
君の横顔。
蛍。
プールの光の反射、水飛沫。
夜空の星。
ツルツルの丸い河原の石。
優しい人
希望に溢れた人
自分に自信がある人
努力している人
好きなことに一生懸命な人
美しいもの。
沈んでいるときほど、美しいものに気づけるね。
悲しいときほど、人の優しさに気づけたり、ね。
僕の周りは、美しいものと、美しい人で溢れている。
#美しい
追記:美しさが揺らがないもの。
推しの顔面。尊い。
〜美しい〜
この世界は美しい
美しいものに溢れている
残酷で美しい世界に
私たちは生きている
何を美しいと感じるかは人それぞれだが
些細なことに美しさを感じる
そういう人間でありたい
きっとそうすれば
この世界は美しいもので溢れていく
3年ぶりにあった友達に、
前より大人っぽくなったと言われて
この3年の苦しさや楽しさがこみ上げてきた。
すべての感情は私を大人にさせてくれた
美しいもの
蜘蛛の巣に捕らえられた雨露
ブロック塀に這う飴色のカタツムリ
飛行機に置き去りにされたばかりの白い飛行機雲
横から見ると透明のドームのように見える猫の目
宝石みたいにそっと箱に収まった高級チョコレート
かじるとさやの中から顔を出すスナップエンドウの豆
磨かれたばかりの蛇口
動くたびに表情を変えるトバトの首周りの羽毛
額縁の中で丁寧にピン留めされて形を保った虫の剥製
一夜で見た夢
満開の桜
丁寧に、気持ちを込めて書かれた文字
積もったばかりの雪
どこかの誰かが人生を削って書いた詩集
苔と蔦に覆われたコンクリート
沈黙
ひらがな
遠くから見る星
晴れている日の海
横で手元に目を落とすあなたの横顔
静寂な宇宙に響く
真理の調べ、それは数。
点と線が織りなす無限のキャンバス、
そこに描かれる、幾何学の夢。
素数の神秘、フィボナッチの螺旋、
黄金比に潜む、自然の息吹。
論理の鎖が紡ぐ定理は、
疑いのない、揺るぎない光。
方程式が解き放つ、未知の扉、
微積分の流れに、時間の鼓動。
抽象の翼広げ、高みを目指せば、
そこには普遍の、秩序が息づく。
数式の中に宿る、見えない力、
対称の美しさに、心奪われ。
理性と感性が交わる場所、
ああ、数学よ、汝こそ美。
鳥の多い
地域ではある
道で出会い
庭々にやってくる
この一週間
緑道の桜に
ウグイスが現れる
枝に小さな黒い影
ホーは
息を長く引いて
ホケキョは
空に向かい
小さな体をふるわせる
この地域
150世帯
さながら
ライブのように
美しい声を
堪能する
【美しい】
辛いほど息を吐いてる君の目が
うるおう様子を、ただ見ている。
「綺麗な人」と言うと
表面的な感じがして
本当のところは
どうなんだろうって
性格とかも気にしてしまう
それに比べて 「美しい人」は
性格の良さ 身のこなしなど
表面的ではなく その人の
中身を評価した言葉だと思う
もしかしたら
綺麗な人とは なかなか
言われないかも知れないが
努力次第では「美しい人」に
なれる可能性は0ではない
「美しい人」になるために
規律正しい生活をしよう!と
最近ご無沙汰のジョギング用のシューズを
履いた。
#美しい
きみは美しい
とても美しい
そんなきみの引き立て役は
いっつもわたし。
t「美しい」
人の美的センスなんて様々だから、なにを美しいと思うかは分からないよな。
美しさへの価値観で人生が大きく変わる場合だってある。人のものさしによって変わるようなお題って自分や個性が出るから書きづらい。
たとえ世に出ているキャラだとしても、そのキャラを通して美しく感じるものを文字としておこした時にでさえ思想が出てしまう。
答えのない価値観はお題としては難しいかな。
美しいと感じるものは沢山見てきた
輝きの眩しい石、朝露に濡れた道端の花
陽の落ちる寸前の空や、洗練された美術品
その他にも、沢山、たくさん…
けれど
背中まで長く伸びた艷やかな髪
透き通った白い肌
切れ長の目
姿勢
歩き方
髪を結い上げる手の
ひとつ、ひとつの動きまで
美しいと、思ったのは
まして、ヒトに対して感じたのは
貴方が初めてだった
お題『美しい』
自分の眼球に、貴方が映っているのすら信じられない。流石、モデルだ。男性的な身体付きであり、所作はガサツでありつつも、淑やかさが滲み出ている。
「ちょっといいですか?」
「ん?どうした?」
断りも入れず、髪に触れる。
「ゴミが付いてましたよ」
嘘だけど。事前に手にしていた毛玉を見せる。
「ありがとな!」
パチリと瞬きした後、眩しい程に感謝を伝えようとする表情に、目が釘付けになりつつも視線を逸らしたくなる。そんな顔を向けられていい人間なのかと、自問しながら。
さらさらな感触が手から離れない。指先を見つめながら考えても考えても、答えは出なかった。
「美しい」〜答えなんてとっくに〜
ああどうして貴方は歳を重ねても
浮いた血管さえも美しい
♯美しい
この世界はきっと美しい
色眼鏡を外したとき
初めて知る
もっと見れたらいいな
月華
美しい
雨の日は美しい
お花がとても美しく
感じる…
脆くて…繊細な気持ちに
させてくれる
2025年6月10日
【美しい】
「美しい」とは
咲き誇る花の色だけじゃない
誰にも見られず 静かに散っていく
花びらにも 宿るもの
涙をこらえて笑った横顔
言葉にできなかった「ありがとう」
ひとつひとつに触れたとき
胸がふるえる
きっとそれは
誰かのために願う心とか
何かを失っても なお
やさしくあろうとする姿とか
そんなものに
人は「美しい」と 名をつけるのだと思う
目に見えないものが
心を揺らすとき
ほんとうの美しさは
そこに、そっと 息づいている