『繊細な花』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
花とは本来強いものだ。
園芸種だなんだと言っても、育てる環境を大外ししなければそこそこ育つし花も咲く。
繊細な見た目の、例えば撫子だって土の下では根を張り、競うように茎を伸ばして花を大きく広げ、花粉の媒介者たる虫たちを呼び込んでいる。
我家の庭には、そんな繊細さとは無縁な猛者たちがひしめき合っている。
大輪の紫がこぼれ落ちるように咲くクレマチス、大量の房咲きバラが一斉に開花して一斉に散り、ラベンダー、ダリア、デルフィニウム、それから名前を失念してしまった花たち。
花壇の主のポンコツぶりはともかく、花は名などなくとも咲く。その花から生まれたひと粒のこぼれ種は、次のシーズンに新たな花を咲かせる。いい加減な世話をされながら、土中や飛来する小さな生き物たちとともに、あるいは逞しく戦いながら。
本当に繊細な花というのは意外と少ないのかもしれない。
それはたんぽぽだった。
家に帰る道を歩いていた。
そこに咲いていたのは普段見ない花だった。
調べたらたんぽぽだった。
それはたんぽぽだった。
私が今のように老いていず若々しい時の話だ。
一輪の花があった。それは少し力を込めて触ってしまえば砕けてしまうくらいに繊細で、でもガラス細工のように透き通っていて美しかった。
平和な時であったなら、両親に大切に育てられて幸福な人生を送っていたであろう。
しかし彼女がうまれたのは、運悪く戦争の時であった。人々が求めたのは、ただ脆くて美しい花ではなく、大地にしかと根付いて折れない花だった。
両親には、虐待のほどは行かないが、かなり罵られた。「役立たず」と。彼女は曲がりなりにも貴族であった。説教が終わるといつも彼女は屋敷を抜けだし下町の横角で泣いていた。
そこに私が通り過ぎた。私は最初見た時、綺麗な人だな、と思った。私は彼女に話しかけた。
初めは彼女も警戒していた。しかし話していくうちに打ち解けっていって私達は度々話をする友人になった。
けれどもある日を境に彼女は来なくなった。
三ヶ月が経とうとした時、ようやく彼女が姿を現した。少し文句を言おうと思ったが、彼女の顔を見るとその気は失せた。何故なら涙でくしゃくしゃになっていたからである。
彼女は結論から言うともう暫く会えないらしい。
魔王が誕生してそれを討伐する為に勇者パーティに無理矢理親に加入させられたそうだ。
その後何気ない雑談をして、別れた。
きっと無知な君は知らぬのだろう。この別れた岐路がやがて交差し片方が消え去ると言うことを。
転移魔法で、すぐ城に戻ると案の定四天王の1人のデュラハンから怒られてしまった。相変わらずの堅物だった。玉座に座り部下にお気に入りの赤ワインを注がせる。そう、私が魔王だったのだ。
これが昔話である。勇者一行は確かに来たが彼女の姿はなかった。勇者を即座に捻り潰し、私は魔王を引退した。
そして旅人の服に身を包み彼女を探して旅へと出かけた。だが3年が過ぎ久々にあの下町に赴くと、小さなお墓があった。まさかと思って埋葬者を見ると、そこには彼女の名前が彫られていた。
なんとも言えない悲しみに、襲われながら私は静かに手を合わせた。どうか彼女の来世に幸有らんことを。
お題繊細な花
ここまで読んでくださってありがとうございました。
繊細な花
触れたら崩れ落ちてしまいそうで
そんな君を優しく見守る
それが僕のできる唯一の…
時をかけて回復し
また満開に咲き誇る日を祈って。
亜麻の花が揺れてる
限りなく透明な青色
涼しげな夏空のよう
大地と繋がっている
地植えの花は逞しい
鉢植えの花は優しく
水切れしないように
暑いとか雨が嫌とか
天に文句は言わない
友人を思い出した朝
今年の夏は暑いかな
ふと私が思ったのは
文句ではないですよ
亜麻の花が笑ってる
あの人がくれた夏色
『繊細な花』
【繊細な花】
少し触っただけでも壊れてしまいそうなほど儚い花
その花はとても生きずらそうにしていた
自分はここで咲いていていいのか
他の花たちの邪魔になっているのではないか
そんなことばかりが頭の中を埋め尽くす
隣の花が風に吹かれ揺れるだけでも反応してしまう
そんな過敏な花も
懸命に生きていた
水をしっかり得て
日を浴びて光合成をする
生きるために
誰かに必要とされなくても
花はずっとそこで咲き続ける
いつか自分を見つけてくれる人を待つように
ずっと……
繊細な花
ある人は薔薇を繊細な花だと表現した
いやいや棘があるだろうと思ったが
棘や毒を持ってまで美しさを持つ花は繊細だろうと返されて拍子抜けしたものだ
ほんの2002年まで青い薔薇自体存在しなかったくらい自分の色にも繊細なのだと
綺麗な形に育てるためにあえて花弁を数枚千切る必要がある種類も存在すると
なるほど繊細な花は奥深いのだと思った
それはそうとして漢字は複雑だけど
『繊細な花』
もうすぐ夏休み。
学園の中庭で、悪役令嬢は花々に
囲まれながらため息をついていました。
「自由研究のテーマはもう決めましたか?」
「それがちっとも思い浮かばないんですの」
「なんと、そんなお嬢様に
ぴったりの品がこちらに!」
見たこともない花の苗を取り出す魔術師。
「それは一体?」
「人恋花。別名メンヘラソウと呼ばれる花です」
「めっ……何ですのその名前は」
"人恋花"(別名:メンヘラソウ)
水、空気、適当な温度、日光、肥料の他に
愛がないと育たないとされる世にも奇妙な植物。
毎日話しかけてあげないと
すぐに枯れてしまうらしい。
「大切に育てると美しい花を咲かせます。
素材としての価値も高い」
「何だか面倒くさそうですわ」
「もちろんタダでとは言いませんよ。
お代はちゃんと払います。自由研究も兼ねて
高額バイトも行える、一石二鳥!」
こうして花のお世話をすること
になった悪役令嬢。
花は極度の寂しがり屋で
傍に誰かいないと不安になり、
話を聞いてあげないと
途端に不貞腐れてしまいます。
「ごきげんよう、今日も綺麗ですわね」
『どうせ他の花にも同じこと言ってるんでしょ?
アタシはそんな安い花じゃないわ』
『アタシのこと大事に扱ってくれない人
とは仲良くなれないの』
『この世で最も哀れな存在を知ってる?
それは忘れられた花よ』
『好きって10回言って』
「好き好き好き好き好き好き
好き好き好き好きですわ!」
「なんて美しい!」「可愛らしいですわ」
「エレガントですこと」「毎日頑張ってますのね」
「一緒にいると楽しいですわ」
悪役令嬢は紳士がレディを褒め讃えるかの如く、
毎日花のご機嫌を取り続けました。
そして気付けば彼女自身も花との時間を
楽しむようになっていたのです。
『……いつか離れ離れになったとしても、
アタシのこと忘れないでね』
翌朝、目覚めるとそこには驚きの光景が。
なんとあの花が、この世のものとは思えない
虹色の煌めきを放っているではありませんか。
『ありがとう。アナタのおかげでアタシ、
こんなに成長できた』
「まあ……立派になって、本当によかったですわ」
手のかかる娘を育てあげた親のような
気分になり、思わず涙ぐむ悪役令嬢。
ハンカチで目元を押さえていると、
「これはこれは、よく育ちましたね。
どうもありがとうございます、お嬢様」
どこからともなく魔術師が登場。
彼は黒いローブの下から鋏を取り出して、
ためらいもなくバチン!と花を刈り取りました。
「なっ!」
「はいこれ、お疲れ様でした」
淡々とお金の入った白封筒を手渡す魔術師。
茫然と封筒を受け取りながら、
悪役令嬢は花の最後の言葉を思い出します。
『アタシのこと忘れないでね』
「……ええ、もちろんですわ」
花と過ごしたかけがえのない日々は、
彼女の心にしっかりと
刻まれたのでありましたとさ。
繊細な花はまるで私の心を示しているよう
私の心は繊細だからあなたはいつも優しく接して扱ってくれるんだもんね、ありがと、笑
君は繊細な花のように儚く消えて
それでもなお私の胸には残り続けるなんて
図々しいと思わない?
それでも「愛おしさ」が私の中にある以上
決して抜けられない呪霊のような恋だった
触れたら壊れそうで
吹いたら散ってしまう
弱くて 儚い花
僕は君の事をそう思っていた
繊細なその花を扱うなんて
とてもじゃないが出来ない
いや
僕には出来なかった
...しようとしなかった、が正解かもしれない
だから手に入らなかった
だから盗られた
繊細な君を
高嶺の花の君を
幸せにする役目は
...僕じゃなかったんだ
今にも壊れそうなこの心を
繋いでしまっておかなくちゃ...
『繊細な花』
野に咲く花が綺麗だった
透き通るような白色だつた
周りの花より一際輝いていて
初めて花を綺麗だと思った
だから、摘んで帰ることにした
こんな場所じゃすぐに傷ついて枯れてしまうと思ったから
適当なコップを見繕って、テーブルに飾った
やはり綺麗だ、部屋の全てが違って見える
水を換えるのを忘れて、いつの間にか枯れてしまった
通りがかりにあの野原を見ると、見事な花畑になっていた
枯れた花によく似た花がたくさん咲いていたが
持って帰ろうとは思わなかった
野に咲く姿が綺麗だったのだ
繊細な花
と、聞いて私は飴細工のようなガラス細工の
滑らかさと細やかさがある職人技が織り成すような
そんな花を想像してしまったが
現実的な話、自分の中で知りうる限り思い浮かぶのが
【サギソウ】くらいしか出てこなかった。
サギソウは羽のように細かく間引かれたような花弁が
繊細さを醸し出す特徴ではありますが
繊細な花を示すには些か物足りないように思う。
想像で物語を広げようかとも思ったが
そもそも根本の``繊細な花´´でイメージできなくて
思わず調べてしまった。
すると本当に``繊細な花´´でしっくりするような花があった。
花の雌しべの中心部から花びらの中間部までは
普通の花びらのようだけれど
中間部から花先に向かって細い糸のように細かく内側にワンカール
まるで異素材の様な白い不思議な花
その名は【カラスウリ】と言うらしい。
彼女のコードネームは カスミソウ
派手では無いが繊細で清楚で可憐な姿
どこにでも溶け込んでしまう協調性の高さ
それでいて彼女の側にいれば
どんな男もスーパーヒーローになれた。
だから彼らは気付かないのだ。
その優越感は彼女が蒔いた餌であり
彼女は助けを求めるか弱いヒロインなどではないことを
___________
カスミソウの臭いはハエを誘き出すためなのだそうな。
美しいものには刺がある。
鋭い棘は触れることが許されないのかもしれない。
ひと時で壊れてしまうかもしれない。
それでも触れてみたいと。感じてみたいと思ってしまうから。
その刺ごと愛おしいと感じてしまうのはいけないことなのかな。
もし、いつかその魅力に負けた時。
きみは許してくれるかな。受け入れてくれるかな。
枯れて壊れて消えてしまったら。
生きた証はどこに求めればいいのかな。
- 繊細な花 -
お水を
あげすぎてもいけないし
手を
かけなさすぎてもダメになる
適度がいい
適当でいい
愛でるだけなら
自然のまま
ありのままで
いさせてほしい
----------------------------------------繊細な花
流れゆく景色、
小さな二つの箱は決められた道を進む。
ぎゅうぎゅうと押し込められたその中から
車窓の向こうをぼうっと見つめた。
右から左、色が流れて。
小さな太陽が通り過ぎた。
冬にはわたあめ。はらはら溶けゆく。
強かで、そして、たおやかな花。
/ 繊細な花
あか、みどり、きいろ。ふたつずつ、みっつの箱は錆びた路の上を走る。揺れ響く音は隣の声を掻き消した。最寄りはきいろ。雨の匂い。しとしとと振る雨はやがて叩きつけられて染み込む。みずいろの傘、あめあめふれふれどしゃぶりに。
繊細な花
繊細な花ということを想像ししてみるとやはり優しいイメージでまた上品な感じだった
とゆうことは繊細なのはいいことで優しいイメージなのかなと思う
花というとバラやたんぽぽがあるがどれも繊細とは言えない気がする
一番繊細な花という言葉が似合ってるのはどれだろうか
僕的には桜かななんとも優しい色をしているでしょうでもって桜はバラのように花束にはできない、人にあげることができない桜が繊細な花といえるとでしょう
繊細な花
綺麗な花を咲かせる。
…という事は、
恐ろしく手間が掛かる。
取り敢えず、苗を庭に植えて、
毎日、水をやってれば済む、
なんて考えは、甘すぎる。
その花の性質を学び、
剪定、病気の予防、害虫駆除など、
様子を見ながら、様々な世話をし、
最適な量の肥料や水を与える。
相当な労力。そして、幸運に恵まれて、
繊細な花は、その美しい姿を見せてくれる。
そんな、繊細な花を育てるなど、
俺には、とても出来はしないが。
それでも。
お前という、繊細な花を守る事なら、
少しだけ自信がある。
だから…。
偶には、素直に弱音を吐いてくれ。
俺が、何とかしてやる。
彼女を花に例えると芙蓉(フヨウ)だ。
芙蓉は【繊細な美】という花言葉があるらしい。
その言葉にピッタリだと思う。
彼女は美人さんで感受性が高く、疲れやすい体質だ。
そんな彼女と入れるのは幸せだけど心配になる。
「僕を頼っていいんだよ?明日休みだしゆっくり休んで。」と言ったらハッと驚いた顔になり「そうだね明日はのんびりするね」と言ってくれたので一安心。
明日はいつも家事をやってくれてるからたまには恩返しのつもりで繊細な彼女を癒します。
━━━━━━━━━━━━━━━
theme 繊細な花 2024-6-26