流れゆく景色、
小さな二つの箱は決められた道を進む。
ぎゅうぎゅうと押し込められたその中から
車窓の向こうをぼうっと見つめた。
右から左、色が流れて。
小さな太陽が通り過ぎた。
冬にはわたあめ。はらはら溶けゆく。
強かで、そして、たおやかな花。
/ 繊細な花
あか、みどり、きいろ。ふたつずつ、みっつの箱は錆びた路の上を走る。揺れ響く音は隣の声を掻き消した。最寄りはきいろ。雨の匂い。しとしとと振る雨はやがて叩きつけられて染み込む。みずいろの傘、あめあめふれふれどしゃぶりに。
6/25/2024, 5:20:19 PM