『絆』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
絆
どんなお題でも、娘のことを考えてしまう。
どうすれば良かったのだろうかと
悔いることはない。
どうすれば良いかと、今を悩むこともない。
どうすることもできないと、歯痒いだけ。
ただ寄り添い、温もりを伝えるだけ。
絆はじんわり温かい。
テーマ『絆』
絆か。絆という言葉を聞くと眩しい光をイメージするのではないか。昔は、友達との間に絆があると信じていた。しかし、成長するにつれ、人の醜さ、裏切りを見ていくうちに、絆なんてものは忘れ去っていた。
今現在、私には友達がいる。かなり多いほうだと自負している。しかし、それぞれに絆があるかと聞かれたらキッパリと『ない』と答えるだろう。なぜなら、そこまで信用していないからだ。いくら信用したとしても、いくら仲良くでも、人はいつか変わり、時には裏切る。
だからこそ、大人になった今では絆など、このテーマがなければ、忘れていた単語であった。ああ、あの純粋な幼少期が懐かしい。人生で一番輝いてたであろうあの頃が、一番楽しかった。思い出させてくれてありがとう。
もう一度、人間関係について振り返ろうと思う。
いつか、絆を深めたいと、この結びつきを断ちたくないと思えるような存在に出会えるよう。
絆
手を取り合い
涙と笑顔を共有し
時を超え絆いでく
どんな困難も
決して切れることのない
強く結ばれた絆
遠く離れていても
心は繋がっている
絆は奇跡の贈り物
大切にしよう
永遠に続く絆を…
ワンピースって結局何だと思うって質問に、目に見えないものを答える人と、実際に目に見えるモノを答える人のどっちが好きかを考えている。
漫画や小説なんかのフィクションの世界で、それは劇的に、美しく、感動的に描かれる。
現実でも有り得るのだろう。ニュースで時々そういう〝奇跡の実話〟みたいな話は見るし、それを見て感動する気持ちはある。家族や友人、または同じコミュニティの者同士の深い繋がりを感じさせる話を見聞きして、「いいな」と思う気持ちはある。
けれど実感が無い。
それは感じる必要が無いほど人生で深刻な事態に陥ったことが無いからか、それとも·····そういう感情がそもそも欠落しているからか。
いつか、私も誰かとの絆を感じる日が来るのだろうか。
END
「絆」
「絆ってさ、切っても切れないものなんだって。」
『じゃあ、人間切断マジックにでも出演して来たら。』
「嫌だよ、痛そう。」
『でも絆は切れないんでしょ?』
「確かに私の名前は絆だけどさ、物理的に切ろうとするのはやめてよね。」
〈絆〉
友情の証、親愛の証。
無理して元からあるカタチの内側に当てはめようとしなくても、それとなく連絡を取る人物とは、日々の愉快さを分け合い笑っている。
自分ではないのが、電話口の相手。
人が良すぎるあの子は、時々訪ねて来るような押し売りの業者に負けそうで少し心配になる。
……この例え話だと杞憂で終わるけど。
それでも、いろいろキッパリ物を言うタイプの私とは、真逆の人柄だ。
初めのキッカケは何気ないものだったと、話かけた側の私が多分一番驚いている。
それがいつしか数年経ち、今では信じられないほど長い付き合いの友人になっていた。
ただ、明確に親しさを喜べる繋がりは、安易に得られる代物じゃあないと知っている。
何よりも変え難いのが分かるからこそ、自分にとっても大切な関係性の一人だと認められる。
時間をかけて深まる理解と共感が、いつか互いのかけがえのない財産になると柄でもなく受け止めてしまうほどに。
まあその、なんていうかさ。
まだ面と向かって伝えるのには、正直こそばゆいなとは思うんだけどね。
いつも、ありがとなって言いたくなるんだよ。
【絆】
この教室も今日で見納めか。3年間通いつめたこの学校とおさらばする日になってしまった。
友達なんてろくに出来ず、だらだらと1人で過ごすことが多かったけど中々いい高校生活だったんじゃないだろうか?
ぼーっと窓際の席から空を眺めていると岩下くんが教室に入ってきた。もう生徒は全員帰ったものだと思っていたから少し驚いたけど特に話す用もない。ただただ気まずい時間が流れるだけだった。
岩下くんは少し不思議な人だった。友達もいるし勉強も中々できる、至って普通の人だ。しかし何故か不思議な雰囲気を持つ人だった。言葉に表すのは難しい。何故か惹き付けられるような人だった。
岩下くんは自分の机から何かゴソゴソと取り出しお、あったと呟いて嬉しそうにしていた。どうやら忘れ物を取りに来たらしい。無意識にぼーっとその様子を眺めていると岩下くんがこちらに近づいてきた。
「いやーもう卒業だよ、早いなー。」
と一言。まさか話しかけられると思わなくてそうだな、と短く返した。それからこれからどうするのかと他愛もないことを話し、少しして岩下くんは教室から出ていった。
たったそれだけだけど僕は今でも時々岩下くんを思い出す。彼が纏っている不思議な雰囲気も顔も声も鮮明に覚えている。
友達と呼ぶのはおこがましいだろうか?絆が出来たというのもおこがましだろうか?でも僕には確かにそこに絆があったと思いたかった。
絆
2人の絆は
何で、どうやって繋がってるだろうか。
とたまに不安になる。
それはお金か、愛情か、情か。
私は彼と居る時間全て愛おしい。
居ない時間は彼を思うこと、それが愛おしい。
時に激しく衝突し合って、納得いくまで
話し合う。そしてまた笑い会えたら
それこそ、また硬い絆になるような気がする。
しかし、絆はとても危うくて脆い。
だから慎重に確かめ合わなければならない。
その相手が自分の全てなら。
絆が確認出来る時は、2人で共通の何かを
達成したときだとおもう。
お互いがお互いのやるべき事をして
共通する何かにむかって前むいて向かっていく。
時には挫けそうになり、弱音もでてしまうこともある。そこでお互いがお互いを思いやり達成できるように言葉だったり、行動を起こす。
倒れそうなら支える。支えられたら支え返す。
こういうことの繰り返しで絆が生まれて
達成出来た時、確認ということができる。
そんな気がする。
それは紛れもなくお金でもなく、情でなく
愛情で動かされることであって欲しいと願う。
#絆
「久しぶり、元気にしてる?」
何年ぶりかの幼なじみからの電話だった
「どしたの?急に連絡とか。何かあった?」
そう聞くと、
「いや、なんかあったのあんたでしょ」
と言われた。
「なんか胸騒ぎしたんだよね」
そういう彼女に驚きが隠せない。
泣き出しそうな嗚咽混じりに声が出なくなる。
「なんで分かるの?」
「SNSの写真とか見て何となく」
「私なんか病んでる投稿とか上げてないよ?天井写真とかしてないし」
「そんなの無くてもわかるの」
「エスパーかよ」
「ねえ、どこに居んのよ?」
「……公園」
「市役所の側の?」
「うん」
小さい頃から良く遊んだ公園だ。
「時計塔のとこで待ってなさいよ。飲み行くわよ」
「え、顔ぐちゃぐちゃなんだけど」
「あんたの顔なんて誰も見ちゃいないわよ」
「うわ、ひど」
有無を言わさない彼女の言動に笑いが込み上げる。
普段から連絡取り合うほどに今は親しくないくせに、
こんな時にさっと気付いてくれる彼女。
自慢の幼なじみである。
体育館のキャットウォークにかかる垂れ幕には僕たちへのメッセージが綴られていた
「ご卒業おめでとうございます」だとか「今までありがとうございました」だとか
どこにでもありふれた何でもない言葉の数々
この情景にも何も思えなかった
これまでに僕は感動という体験をしたことがない
別に薄っぺらい道のりを歩んできたわけでもないのに
どちらかというとそういう体験ができる環境に恵まれていた
親は金持ちだし、僕自身も優れた能力を持ち得ていると自負している
特に最近は友達といえる人間もできた
だけど、僕はそいつとも本気で気持ちをぶつけ合うことはなかった
生まれつきだから仕方ないと言い訳をして何も変わろうとしなかった
でも、もうそんなことしたくない
何の努力もしないで、いつでも冷静な僕に自惚れて
僕は……変わりたい
__すべての感情を込めて鍵盤を弾ませる
指揮を振るあいつと目を合わせ、心なしか笑ってみる
向こうは察したのか微笑みかけるように優しく笑っくれた
僕は間違えないよう、丁寧に音を鳴らす
何度も弾いたこの曲だけど今日はいつもより調子が乗る気がする
あいつが向こうを向いて、左手を出した瞬間、そちらからの和声が僕の耳に入った
その声は僕の奏でる音と調和し、美しく響いた
一瞬、僕はあふれんばかりの“何か”を感じた
プロのオペラ歌手なんかの方が格段に上手いはずなのに
あぁ、美しい
気づくと、僕の視界は歪み、頬に温かい感覚を覚えた
そうか…これが…“感動”
いくら見えづらくたって
たとえ眼を閉じたとしても
鍵盤を押しまちがえることなんてないと確信した
僕たち全員が一つになる
これで最後か……
__今まで、ありがとうございました。
ちょっと前まで
あなたは
彼氏で
わたしは
彼女
だった。
今は
あなたは
夫で
わたしは
妻だ。
2人だから
毎日が
豊かになったなぁ
と思うし
しんどい時も
味方がいる
って思えるし
あなたが
大変な時
助けてあげたい
って思える。
今後
その
【タイヘン】が
想像以上に
もっともっと
【タイヘン】になっていく
かもしれない。
それでも
あなたの家族で
あなたの支えで
在りたいな。
#絆
絆
「断つことのできない人と人との深いつながり」
今も昔も他者とのコミュニケーションを疎んじている私だけれども、最低限の意志疎通は図れるようにその時々で連絡先は交換している
LINEやSNSが発達した今日では、アカウントやIDを教えるだろうが、10年以上も前の当時は、電話番号とメールアドレスの交換が主流だ
交換した数は大して多くないけれど、今も連絡先は携帯電話に記録され続けている
大半は既に繋がらない連絡先であると思う
中にはおそらく一度も連絡したことが無い人もいる
それでも私は、
使えないと分かるその日までは、
連絡先からその人を消すことが出来ない
小中高と積み重ねてきた時間で、私たちは絆をより強固にしてきた。
けれど、もう今の私は今のあなたの話で笑えない。
私が変わったのか、あなたが変わったのかも分からない。
でも過ごしてきた時間があなたから離れることを許さない。
あなたとのたくさんの思い出が、今の私を縛るしがらみになるから。
そうしてまた、あなたの連絡に返事をしてしまった。
男女間の友情ってのは存在しえなくても
男女間の絆ってのは存在するんじゃないかな。
「そう言った君に裏切られた私はどうしたらいいのよ。」
「えへへ、ごめんごめん。」
目の前には椅子に座りコーヒーを飲む男が1人。
私は真っ白のお皿に乗ったチーズケーキをフォークでふすっと切って口に運ぶ。
「でも、"絆"って一体なんだろうね?」
「話、逸らさないでよ。」
「スミマセン。」
彼はもう一口コーヒーを飲む。
私はチーズケーキを食べる。
「私を裏切ったことは、もう時効だし許してあげる。」
「ほんと?ありがとう!」
彼はもう一口コーヒーを飲む。
私はチーズケーキを食べる。
「私、用事あるから行くわね。」
「うん!じゃあね!」
彼は空のカップを置く。
私はお財布から千円札を机に置く。
彼は
もう春が近づいてきてる。
出会いと別れの季節。
こんなに縮まったのに、また離れて。
忘れていっちゃうのかな。
拙くてもいいから、
糸、1本でいいから。
もしも、人との「繋がり」が見えたなら。
忘れないし、寂しくもないし、
安心することもできるのかしら。
#2
絆
絆
英語で絆はボンド。人との繋がりもボンドでくっつけられたらいいのに。そしたらあなたの事を離さないでいられるのに。
私達の心は絆で繋がってる。
この夏、起きたことは本来ならありえないこと。
私たちはこんなことが怒らなければ、会うことなんてな
かったかもしれない。
いや、なかったと思う。
絆は強い。
深い、深い所で繋がってる。
私はこの絆を大切に生きていきたい。
絆。
2人との絆が
深いよ。
絆は
見えないけど
大切。
この想いが
ちゃんと2人に
届けっ。
"絆"
整理や片付けで手が離せない時、開院前や閉院後の来客──時間外で来る来客は全員見知った奴──の出迎えをハナに頼む事がある。
最初はただの好奇心で、俺より早く行って出迎えてたが、数週間前から俺が『頼む』と言った時以外は俺が立ち上がるのを待ってから俺の少し前を歩いて出迎えるようになって、それが定着しつつある。
それと少し前から、来た時の俺の反応を『見て』なのか、歩き方が変わっているのに気付いた。
基本は俺の少し先を、あまり来る事が無い来客の場合は何メートルも先を歩いて迎えるが、飛彩の場合のみ俺の横にピッタリ付いて歩いている。
それが他の人から見れば『絆の芽生え』なのか。
俺には《周りを見るようになった》という、《成長》だと思う。