『終わらせないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
日もすっかり暮れかけ、空が鮮やかな夕焼けから濃紺に染まりかけている。
楽しかった今日という日も、そろそろ終わりを迎えかけている。
もう少ししたら、繋いでいる手の温もりも離れ離れにならなくてはいけなくて、私は心の中で大声で叫んだ。
『まだ終わりたくない!終わらせないで!!』
終わらせないで
私の子の恋心
終わらせないで
この素敵な青春
したいことがたくさんあります。そんな気持ちがテスト勉強を終わらせようとしてきます。終わらせないで。
雀の鳴き声と朝日の眩さに脳が起きろと要求してくる。しかしながらこの冬場で布団の温もりも捨てがたい。乱雑に置かれたスマホの画面を見ると、布団に潜っているせいで暗い視界が一部だけパッと明るくなった。まだ7時。今日は休みだから、まだ眠れる。
温もりに身を任せようと思った時、すぐ隣にあった重みがなくなったような気がして慌てて飛び起きる。
見ると、彼がシャツを見に纏い、何事も無かったかのように普通のサラリーマンになっていた。
首元では昨日付けた鬱血痕が存在を主張している。
体に溜まっていた温もりが冷えていく気がした。
まだ、もう少し、待って。
彼のシャツを掴むと皺が出来た。怪訝そうな顔をした男が「何」と聞いてくる。冷ややかな目。お前はもう必要ないという目。思わずゾッとして手を離した。
玄関戸が開けられ、力強く閉められる音がする。寒いからか見送りに行く気も起きない。
特別な情を彼が必要としていない事は分かっていた。分かっていたから私も彼を選んだ。じゃあなんだ、愛着を持ってしまった私のせいなのか。いや、そうか。
まだ終わらないでほしいと思う。せめてこの冬が終わるまでは続いてくれ。少しでも熱がないと私はきっと崩れてしまうから。
微かにシーツに残る彼の体温、匂い、痕跡。顔を埋めて、目を瞑る。
冬はまだ終わらないらしい。
#終わらせないで
終わらせないで
君との日々を
笑いあった時間を
君からの言葉を
君がくれた愛を
君と私の全てを
終わらせないでよ、
決別の朝
細い月が光る冷えた夜。
汚染された空気が漂う、廃墟と化したこのビル街で、二つの影が揺らいでいる。一つ目は少女のもの、二つ目はAD1999───人型に近い清掃ロボットのものだ。少女の隣、AD1999はうなだれるように、瓦礫にもたれかかっていた。
少女はうつむき、スイッチを押そうとする。
「待って。終わらせないで」
AD1999は言った。
腕の部分には「機能停止」の文字が点滅している。
「あたしはもう、見ての通り、終わりかもしれないけど、あなたが、あなた自身を終わらせる必要はないわ」
AD1999は少女の崩れかけた手を取る。同時に、少女の腕にあった「機能停止」の文字が消えた。
「あたしたち機械に、『生きる』って言葉は相応しくないかもしれないけど」
そう言って、冷たい金属の手で少女を抱きしめた。
「生きて。大丈夫。あなたが思ってるより、未来は悪くないはずよ」
東の空が白く霞んで、暗い青を光が覆っていった。
新しい、朝が来る。
11月28日 『終わらせないで』
勝手に話を終わらせないで
私の気持ちを分かった気になって
全部決めつけないで
私の本当の気持ちは
あなたが思ってるのと違うから
でもあなたは信じないでしょうね
いつの間にか
あなたに理解してもらうことを期待しなくなった
だから昨日も私黙っていたの
『終わらせないで』
私の主は、創作家である。
特に、恋愛小説を書いている。
私は、今、主の書いている小説のヒロイン。
ただ、ここ1ヶ月程更新がない。
スランプなのかな?
現在、主人公の男の子と喧嘩をしてしまい、お互い好きだけどすれ違っている最中。
早くあの子に謝りたいのに! そして、あの子と付き合いたいのに! 主は一体、何を戸惑っているの!?
教室の窓際の席で、ぼんやりとあの子の事を思い続けながら早1ヶ月……。
「もうこの体勢飽きたね……」
教室の黒板を穴があくくらい見つめている、隣の席の女の子が、口だけ開いた。
「あなたもずっと空ばっかりみてて、首疲れるでしょ?」
「作品が更新されないとずっとこのままだから……仕方ないよ……」
そして、この恋も、このまま進展しない。
「知ってる? うちらの主の作者、今別の執筆始めて、そっちに集中してるらしいよ?」
「え?」
私は頭を動かさず、信じられない、と言ったように声を出した。
「このままうちらの設定忘れて、うちらのこと忘れちゃうかもね」
私の頭の中が真っ白になった。何も言えない。
それじゃあ、この私の恋は喧嘩をして終了? 何もなかったことになるの? 私、この作品のヒロインだよね?
嫌だ、終わらせないで。
お願い、主! 私達のことを作ったのは主だよね?
ちゃんと最後まで描いて! こんなところで終わらせないで!
未完の私達のことを! 作品であなたの帰りを待っている登場人物のことを! 忘れないで!
【終わらせないで】
終わらせないで
波が襲い…
不安にのまれ…
つらくてつらくて…
どうしようもない時
終わらせないで…
って微かに聞こえたの…
ごめんね
わたしは…
あなたのそばにいる
安心してね…
*終わらせないで
終わらせないで。
いいや、終わらせて。
戦争は始めるよりも、終わらせる方が難しい。
それに、終わらせたくない国があるんでしょ?
ウクライナに武器、弾薬を供給するあの国が。
終わらせないで
わたしのそそっかしい性格の話なんです。
午前中、豚肉が残っていたのを発見!ほんの少しね。
お昼ご飯用にささっとカレーを作り始めたわけです。こういうの得意なの!
洗面所で、洗濯機の止まるピーピー音。早く干さないと天気が悪くなると早速すっ飛んで行きました。
洗濯物干し終わってやれやれ。
次に、二階の部屋がホコリだらけを発見!今度は掃除機かけね。あんまり掃除得意じゃないけど。
これも終えてやれやれ。
台所に戻ると、カレーの食材を切ってる途中を発見!
カレー作るの終わらせないで、
洗濯物干して掃除してました!
やれやれ!
この気持ちに
嘘つかないで
この気持ちを
伝えるんだ
貴方を
好きになってしまった
この恋心
終わらさないで
お題 終わらさないで
#50 病院で、彼女と出会ってしまった。
あの日学校で倒れてから、病院に搬送された。そして、病気がわかった。自分の何も知らないところで身体に危険が迫っていたなんて、、、思ってもみなかった。
ずっと、「生きること」や「死ぬこと」については考えていたことがあったけど。それでも、廊下で急に激痛を感じて、初めてでどうなっているのかもわからなくて、怖かった。
だけど、彼女の言葉で少しは落ち着いて、助かった。
それからずっと入院しているけど、まさか彼女がいるなんて。
前、発作らしきことが起きている時にあったな、と思い出す。
そういうことだったのか?
そう思っていると、勢いよく話してきた。自分に対しての気持ちを。正直、すごく驚いた。だって、同じことをおもっていたから。だから、すぐに逃げようとする彼女を止めた。
「ここで、終わらせたくない。終わらせるなよ」と。
彼女は、泣いていて、自分の死がわかっているように
見えてしまったから。
___終わらせないで
終わり。とても悲しい。
大好きなあの番組も時間がくれば終わってしまう。
でもそこで得たその時間に得た宝物は生き続ける。
推しもその一つ。絶対誰かの心にいる。
居てもいなくてもそれは残る。
でも言えること推しには生きててもらえるだけで幸せ
それがオタクだとわしの中で思う。
今日も誰かの幸せを願う。
【終わらせないで】
この関係を
この時間を
どうか
あなたから終わらせないで
何で勝手に終わらせるの!?
勝手に始めたんで終わる時も勝手にやります。
プでしたっけ?
辞めて!!
プリン
Wwww
【終わらせないで】
自分で信じた道だろ。
好きだって思ったんだろ。
諦めたくないって、捨てたくないって。
周りは本当に関係ない。
認めて欲しいと思うなら、何を知って欲しいか。
愛してるなら、ぶつかっていい。
大丈夫。
貴方はこの世にいるだけで偉いんだよ。
その思いを、終わらせないで。
#終わらせないで
【同じ絶望を知る者はいるのか】
僕は今、とあるゲームにハマってる。
そのゲームは世界的にも流行ってて、凄く面白い。
ただ、セーブ機能とバックアップ機能がなくクリアが難しいゲームでもある。
僕はそんなゲームのラスボスを倒している途中。
「よっしゃ!あと体力半分!」
そこに母が来て大きな声で言う。
「あんた!いい加減ゲーム終わりにしなさい!ご飯食べないの!?」
「食べる、食べるけど今は無理!」
「今は無理、今は無理って…さっきからずっとそう言ってるのに全然終わりにしないじゃない!」
「だっていま、良いとこなんだよー?」
「いますぐに食べなさい!」
「えー無理!」
「じゃあ、あとどれくらいで終わるの?」
「えー、1時間くらい?」
母が大きなため息をしてゲーム機に手を近付ける。
ブチッ
母がゲーム機の電源ボタンを押す。
「ちょっと!強制的に終わらせないでよ!」
「あのねぇ、ゲーム楽しいかもしれないけど、ご飯くらい食べなさい!」
母の長い説教の後、ご飯を食べた。
僕は急いでゲーム機を再起動させた。
だが、遊んでいたゲームのデータは消えた…
‥‥いいの?これって。
いやいや、ダメでしょう。
え〜?いいのかなー
んー、んー、やっぱ、やめとくわ。
私にはむりだ。
#終わらせないで
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劇を見ていた
人の一生、生まれてから死ぬまでの物語。
波乱万丈、山あり谷あり。
出てくる人は皆、それぞれの魅力で溢れていた。
誰もが苦悩しながら、
時には喜んで、時には怒って、
時には涙して、時には笑ってた。
時間を忘れて、夢中になって見ていた。
気が付けばエンドロール、
主人公が死ぬシーンで終わり。
カーテンコールが鳴り響く。
死んだはずの彼らが段上へ上がる。
行かないでくれ、終わらせないでくれ。
役者が一礼して、万雷の拍手と共に幕が下りる。
私をここに置いてかないでくれ。
劇場の明かりが灯され、席を立つ人々。
私は立ち上がれなかった。
私は観客のままだった。
#終わらせないで