『紅茶の香り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私の好きな人の匂いが好き。香水ほどまとわりつかなくて、でもシャンプーほど軽くもない。すれ違いざま、静かに影を残していくような香りがふわっと奥をくすぐって振り返る。その先は好きな人じゃなくて、私の後輩が歩いていた。そうか、やっぱりそういう感じなのね。認めきれない自分と、微かな優しさがばらばら崩れていった。
(紅茶の香り)
朝
いつもみたいに紅茶の匂いがしなかった。
あぁ、喧嘩したんだった。
いつも、紅茶の匂いから始まっていた1日
なんだかやる気が出ない
自分で紅茶を入れた。
やっぱり苦い
あの時は飲めたのに
1人だと美味しくなかった
無理だと思った
電話した
ごめん、帰ってきて
無視。
無言で切られた
しばらく距離置くか。
紅茶の匂いを嗅ぎながら
反省した。
紅茶の香りがする。
アッサム? アールグレイ? それともダージリン?
よく分からない。だってわたしはコーヒー派だもの。
そんなことを思いながら、私も飲んでみる。
(......うん、やっぱり葉っぱ感がすごい)
君が紅茶好きって言ってたから。
つい自分も、なんて言っちゃって。
無理しなきゃよかったかなぁ...。
でも、カップを傾ける君の姿は随分と絵になる。
見られて良かった。
そんなことを思いながら「おいしいね」なんて、言ってみせた。
私 アールグレイにしようかな…
いつも見ていた同級生の恋人が
急に大人びて見えた。
アール…グレイ?
知らない単語に動揺しないよう
つられて 美味しさもわからない
アメリカンコーヒーを注文する。
テーブルに置かれた
小さなティーカップからは
紅茶のとてもいい香りがする
アールグレイって紅茶なんだ…
そんなことを思いながら
苦いでしかないコーヒーを
ゆっくり 少しずつ口にはこぶ。
- アールグレイ -
今日は始発に乗った。眠くて、でも走って駅まで行った。駅のホームには、きっとこれからカフェに勉強しに行くんだろうなって感じの男性がいた。学校の授業では寝ちゃうけどなんかすごい勉強できるタイプの人。というのは私の偏見であるが、その男性が私に書きたい!と思わせてくれた。特に彼がイケメンだとか(顔は見てない)、いい香りがしたとかいうわけではない。彼はただ、ホームで何かしらのプリントを眺めていただけなのであるが、その様子が彼のその後の行動まで私に連想させることに成功したのだ(おめでとう!)。そう、彼はこの後きっとカフェに行く。注文するカフェオレは砂糖無しのホット。席に着いたら机の上にシャープペンシルと消しゴム、社会科のノートを広げる。2時間くらい集中したところでとりあえず本日の朝勉終了。近くの映画館に前日に予約した映画を観に行く。
#紅茶の香り
「紅茶の香り」
私はコーヒーが好きではない。
あの苦い味をどうしても美味しいと思えないのだ。
甘くしたカフェオレであれば飲めないこともないが、わざわざ自分から選びはしない。
そのため、カフェに行った時には紅茶を選択することになる。
かといって、特別紅茶が好きというわけでもなく、知識もない。
「アッサム、アールグレイ、ダージリン、どれになさいますか?」なんて聞かれても、違いが判らない。
「アールグレイでお願いします」と答える私の作り笑顔は、ぎこちなくひきつっていることだろう。
普段から紅茶を嗜む方々は、味や香りの違いが判るのだろうか。
【紅茶の香り】
オレは大の紅茶好きだ。
気がついたら一日中飲んでいて、
ティーパックから茶葉を取り出して
そのまま乾燥したまま食べるほど好きで
カフェイン中毒になったほどだ。
普通に飲むなら
大きめなマグカップを用意し、
まず冷まさないためと香りを引き立たせるために
たっぷりとお湯をいれマグカップを温め
お湯を捨てる。
そしてティーパックを入れまたお湯をいれて蓋をし、
2分間だけ待って茶葉を蒸らし、
少し揺らして美味しさをだす。
このひと手間が少しめんどくさいが
それをじっくりと味わうのが好きだ。
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ここでちょっとだけオレがいれる紅茶を紹介しよう。
[セイロンティー(トップバリュー)]
一般的な紅茶だ。
香りも良く当たり前のように美味しい。
心を落ち着かせるのにオススメ。
[ミントティー(トワイニング)]
※カフェインレス
スッキリとしたミントが
気分をリフレッシュさせてくれる。
食後の紅茶に良い。
飲みやすいため、あっという間に飲みほしてしまう。
[アールグレイラベンダーティー(リプトン)]
※カフェインレス
アールグレイとラベンダーの絶妙なバランス。
『香りの女王』と呼ばれる
ラベンダーのリラックス効果で
おやすみ前のティータイムに良い。
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ここで余談だが、
オレのような紅茶が好きな人は
紅茶の香りがするタバコを知っているだろうか…?
それは
『アークロイヤル パラダイス ティー』だ。
パッケージは
黄色のようなオレンジ色、
まさに『紅茶』の色。
そして中心に紅茶のマークが描かれている。
箱を開けるとふんわりと紅茶の香りが引き立つ。
香りはアールグレイのような香りがし、
まるで茶葉をそのままタバコにしたような香りだ。
これは一般的な場所(コンビニ等)では売られておらず、タバコ屋かドンキホーテにしか売っていない。
本数:20本 価格:1箱540円
タール:6mg ニコチン:0.5mg
ぜひ一度はおためしあれ。
それだけが。
祖母は、呑みもしないティーカップを見詰めて、そう言葉を口から零した。
簡素な真っ白の陶器。昔から祖母の家に置かれた二組のティーカップとソーサーは良いものらしく、その話を聞いた時は若い頃からシンプルなものを好んでいたのだなぁと、二十代の祖母の背姿が見えた様に感じて嬉しくなったのを覚えている。
生活品では、シンプルで簡素なものを好む祖母だが、自身を着飾るもので言えば派手好きなのは見ればわかるだろう。
ショッキングピンクのワンピースなどを着ても似合ってしまうのは少々羨ましい。挑発的な色使いと上品さを常に維持できるセンスは生まれ持ったものなのか、それに影響されたのであろう母はファッションデザイナーとして忙しそうにしている。
ぼんやりと、机に置かれた一組のティーカップ眺める。昔から、飲まれることなくそこに置かれて香りだけを届けているその紅茶。
一度飲みたいとせがんだこともあるが、母にキツく諌められてからは特に理由も聞かずに、祖母の家の風習というように片付けられたそれは、いつだって香り高く祖母を思い出させてくれる。
……話を、しようかね。
祖母は静かに、そう言った。
かつて、昔から誰にも理解されない世界観を持つ女は、それなりに美人だけれども、センスは最悪で、マトモであれば貰ってやってもいいのに。と、周りの男どもに、親にさえも言われ続けて成人まで育った。
そんなこと、お前たちのために生きている訳でもないのに、そんな物差しで私を図るのはやめてくれ。苦痛だ。不快だ。見たくもない。
そうして傷付き、強く、自身を信じた。自身を信じることでしか強くもなれず、生きることも出来なかった女は、とある人と出逢う。
その人は飾り気のない人だった。それでいて、根っからの自己中心的な人だった。優しそうな風貌をしていて、その実、とんでもなく人に影響されない自我の塊だった。見たこともないバケモノみたいな人だった。
なので、その人は自分の美学があった。他人の物差しとは違う自分だけの物差しを、その人は握って、こちらを計っている。
その目は妙に鏡を見ているような気分になって、やっと、自身と同じく変わり者なのだと女は初めて安心感を得て、そうすると何故かどうしようもなく泣けて来て、自己中の癖して泣かれると放っておけないその優しさに、胸を打たれたような衝撃があった。
初恋、というのだろうか。
当時はそんなことも分からないまま、連れられた喫茶店で一杯の紅茶を奢ってもらった。全く違う物差しだけれども、自我だけで出来た物差し同士で語り合うのは楽しかった。飲むことすら忘れて、ただひたすらに言葉を交わした。
放置されて、微かに水面に繊維が浮く冷めた紅茶は今まで口にしたことがないほど美味しかった。
交際が始まった。そうして、結婚して、子供が出来た。喧嘩も絶えなかったが、傍から見ればそれは喧嘩ではなく討論に見えていたかもしれない。そんな関係が、そんな場所が、そんな家族と呼べる人がいた。女は飛び切りに幸せだった。
若くして、その人は死んだ。
急病で、末期なのが、何も、救ってくれやしない神の証明だった。
しかし、まだ幼いわが子がいて、女は下を向くわけにもいかなかった。自分の世界で自分を慰めるよりも、現実でその人と残した軌跡を育て上げることの方が自分らしくないけれども、自分の本心だった。
その人は機能美こそ生活を任せられると言っていた。女は生活の美学はその人ほど強くなかったので、根負けしてそういった家具が家に残っていた。
その人は肌に近いところにあるものは良いものにするべきだと言った。これは女も同意見だったので、カトラリーは良いものであるし、服や手で頻繁に触れ続けるものは良いものに溢れていた。
その人は重度の紅茶狂いだった。もう、水分を摂取するなら必ず紅茶でなければならない程に紅茶に狂っていた。特にアールグレイを溺愛していた。
家には常にアールグレイの匂いに包まれていた。影響を受けた女は、その人と話す時は紅茶を飲みながらでなければ落ち着かなくなってしまっていて、でもそれが嫌ではなくて。
女は、その人の影を追いたくなると、言葉を交わしたくなると、いつも紅茶を入れた。
その匂い、ただそれだけが。
机に置かれた白いカップは、湯気を出すのをとっくにやめていた。冷めきっていて、水面には微かに繊維が浮いている。
祖母はそのカップを手に取り、微笑んだ。
それだけが。
匂い漂う、アンティーク
舞った雨、ガラスの歌
香り咲く、紅の色
忘れていく、ほろ苦さ。
明日も明後日も永遠に続く未来が怖い
誰かのためにとか
何かのためにとか
今はただ、そんな原動力はなくて
良くも悪くも今日という日が完璧で
やりたいことも、やり残したこともなくて
今日も自分のために生きて
明日もきっと生きているから生きる
なんとも惰性的で悲観的な私だろう
ただ淡々とすぎて行く日々の中で
次の角を曲がってパッと消えられたら本望なのに
-生きる-
あなたを思い出す、紅茶の香り。
私はあなたが、好きだった。
‐お題無視‐
夜に謳ふ洋琴は
藍錆色の翼の小鳥
ひつそり優しく
密やかに
愛を囁き
哀を歎いて
【紅茶の香り】
私の前に紅茶が出された
正直飲みたくなどないが私は迷いなく紅茶に口をつけて一気に飲み干す
味は思った通り酷い
だけど私達は飲まなければ生きてはいけない
そうやって社会は出来ているから
故郷から遠く離れた、異国を旅する
白い壁、窓辺に飾られた花が揺れる
穏やかな昼下がり バルコニーにて
ティーカップに映り込む、澄んだ空
紅茶の香りが、風にのって漂う
ふわり、ふわりと
『紅茶』
title:紅茶の香り
鼻に届くと情景が出る
匂いというのは
どうしてこうも縛り付けるのか
いつも近くの喫茶店で
コーヒーを僕は飲む
目覚めにもいいし
この匂いが好きだ
朝が始まった、爽やかに彩られてく
缶コーヒーを飲むより
最近は自分で入れたコーヒーの方が上手い
こんなことを言うと笑われそう
「下手だったのは最初だろ笑」
でも、今日は11月22日だから紅茶を飲む
きっと君に会えるから
昼食を食べ終え、ひと心地ついた所でアイスティーを注文した。
文庫本を読んで待っていると湯気のたつホットの紅茶が提供された。
あれっ?頼んだのはアイスなのに。
するとすかさず氷に満たされたグラスにポットの紅茶を注ぎ始める。
ふーん、洒落たお店だなあ。
紅茶を注ぐメイドさんの所作に見惚れながら、氷が溶けて崩れゆく音が心地よく耳に響く。
おもむろにスティックシュガーを手に取りアイスティーに流し込んだ。
それを見た店員さんがギョッとして顔色の変わるのがわかった。
何でアイスなのにスティックシュガーを入れてしまったんだろう。
ぐるぐると自問自答しながら非常に恥ずかしくなって、急いでグラスに口につけ飲みだした。
アイスティーには溶けるはずもない砂糖の顆粒感がジャリジャリとする。そして甘すぎる。
紅茶の香りなんて楽しむ余裕もないまま、いそいそと退店して敗北感に項垂れながら今日も歩く。
紅茶の香り
届いてほしい想いはずっと、
聞いてほしい言葉はそこに、
置いておくことにしてる。
届かないものも、届けないままなら
自分のものにしておけるから。
本当はウソで、うそは冗談で、
『みつけた』が見つかるまでは。
跳ねるように揺れて
舞うように色づく
ゆらめきながら注がれ
芳醇な湯気が全てを満たす
味わわずして虜となる
“紅茶の香り”
ふと喫茶店の前を通った
あの日君と行った店だった
あれから一度も入ってないな
久しぶりに扉を開けた
あの日と同じ席であの日と同じ紅茶を頼んだ
違うのは目の前に君の笑顔が
私はあんまり紅茶を飲まない。
特に好きというわけでも嫌いというわけではないけど。
しかし唯一飲む紅茶は午後の紅茶のミルクティーだけだ
なので私にとっての、紅茶のにおいというのは
あまーいミルクティーのにおいということになる。