『空模様』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
空模様
空ってなんでこんなに綺麗なんだろうね
自分がこんなにも悩んでるのに、こんなにも落ち込んでいるのに
清々しいほどの美しい空を見せつけられたら、なんだか自分の悩みなんて大したことないって言われてる気がする。
恨みたくなる程に美しいその模様は、いつだって私の頭の上に存在している
「さて、今日はどんな色にしようかな〜…」
ぽとりと呟きながら絵の具を混ぜる。
群青色をベースに、微かに紫を感じられる淡く爽やかな色が浮かび上がった。
満足して、雲の入ったガラス瓶に手を入れる。
久しぶりにグラデーションの雲にしようと思い立ち、
薄紅色から朱色まで、鮮やかな色々を乗せる。
そして、どこまでも続く広大なキャンバスに筆を滑らせ、仕上げには雲をそっと浮かばせた。
うん、今日も最高傑作。
空模様
どんな空模様でも君が同じ空の下で笑っていると
信じているよ
空模様
私はとても単純で
晴れだと
機嫌が良くて
曇りだと
どこか寂しくて
雨だと
機嫌が悪い
君の顔を見てね
私ほんと単純
心の中の空模様なんて
僕にしか分からないのに
どうして君に分かって欲しくなるんだろう
僕の目から涙が溢れていることなんて
目の前にいる君には分かってしまうのに
どうして分からないで欲しいと思うんだろう
(空模様)
あーまた降ってきた
雨が降ると街のどこかで子猫が鳴く
雨音に紛れていつまでもいつまでも
ママを呼んでいるのかな
淋しいの?
え?まいご?
おいでおいで
探しに行くと途切れる
気配が消えて雨の中
困ったな
せめてこの雨やまないかな
空、泣くのやめてよ、ねぇ空
『空模様』2023.08.19
ことの成り行きの様を、空の様子に例えた人は天才だと思う。
晴れもあれば、曇りもあり、雨も降る。そうした移り変わりは、人の心とよく似ている。
普段は優しくても、機嫌を損ねることもある。
今の彼がまさにそれで。
「業界人である前に社会人なんだから、もっと自覚を持たないとダメだよ」
後輩たちを前に、普段は穏やかな彼が強い口調で言う。
彼はテレビでは「いじられキャラ」として通っている。しかし、それはあくまでキャラクターであって、実際の彼は礼儀に厳しいところがある。
そんな彼に後輩たちは遠慮なく接していった。最初は笑っていたが、彼の「笑って許せる範囲」を超えてしまったため、こうして怒っているのだ。
怒鳴ったり物を投げたりはしない。ただ、何が悪いのかを淡々と言う。あの柔和な顔で。
「ちょっとやりすぎじゃない?」
と最初に言った時から、彼はイラついていたように見えた。しかし、そこは普段の彼だったので付き合いの短い後輩たちは気付かなかった。それは仕方がないことだ。
だんだん悪くなる雲行きを晴らすにはどうするか。
ここは俺が悪役になるしかないだろう。
「まあまあ、こん子らも反省しとるみたいだし。そん辺にしておいたらどう?」
俺が普段通りのテンションで助け舟を出す。当然、彼はさらに機嫌を悪くする。
雷でも落ちそうな雰囲気に、後輩たちはハラハラしているが、そこは俺の腕の見せ所というやつだ。
「ぐらぐらこくのも分かるけど、許してやるのも先輩のつとめばい」
彼の両肩に手を置いて、揉んでやる。ついでによしよしと頭を撫で繰り回した。
「俺のこのイケメンの顔に免じて、許してやってくれん?」
かわいーくぶりっ子気味に言うと、彼は困ったように笑う。そして、後輩たちに「これから気をつけて」と柔らかく言って解放した。
「甘いんですから」
「なーに言うとるか。俺が年下を甘やかすのは、今に始まったことやなか」
お前も例外じゃないよ、と付け足すと彼は普段の笑顔を取り戻した。
どうやら、曇っていた空は晴れたようだ。
空は自分の心を表してるなんて言う人もいるけど
僕はそうは思わない
嫌なことがあって精神めちゃくちゃなとき
空はあまりにも綺麗すぎて
泣きたくなってくるぐらい見るのが辛かった
正反対じゃない?
にこにこしている空と、疲れきった顔をしている僕
でも、元気な時に空を見ると
元気がなさそうなんだもん、空っておもしろいよね
#空模様
「わたがしみたい」
って君が言ったから
恋の空模様
空模様は恋模様
ぽつり、ぽつり
空は、まるで僕の心を見透かしたみたいに、雨を降らす
「あぁーあ、失恋しちゃった……」
片想いどまりの恋
「嫌われても告白しておけばよかったな」
口に出すと涙が溢れてきた。
「っ……」
まるで共感するように雨は強くなる。
『空模様』2023,8,19
今年の夏も暑い。盆を過ぎても、暑さが和らぐのは
まだ先の話のようだ。
青い空に浮かぶ白い雲と、降り注ぐ厳しい日差し。
そんな空が恨めしい。せめて曇り空になってくれないかなと思う。
よく猛暑を伝えるニュースで、カメラが太陽をとらえた映像が出るけれど、そんな真正面から撮らなくても…と、あまりの眩しさにいつも目をそらしてしまう。
真っ白すぎて何も見えない。そんな空が私は苦手だ。
「空模様」
空模様
どこまでも澄んだ青い空。雨になりそうな空模様ではない。
雲一つない青い空。目の前がきらきら輝いて見える。
こんな空を見ていると心が浄化されていく。
呼吸をすると肺が喜んでいるように思う。
色々な表情を見せてくれる空。泣いたり、不機嫌だったり、冷たかったり……。
どれも空だけど、一番はやっぱり――輝いた笑顔がいっぱいのように見える澄んだ青い空だ。
暑い 寒い
蒸し暑い 乾燥する
湿気嫌だ
晴れてばっかり
雨降ってばっかり
スッキリしない天気
夕立最悪、
どうしたって文句しか言われない。
そりゃ
空だって荒れるよね。
–空模様–
青空の足もとからもくもくと大きく膨らんだ雲
夏の空の青さに映える真っ白な雲
きっとまた夕立ちが訪れるのでしょう
そのあとには湿っていて煌めく夜がやって来るのでしょう
眠りにつけばまたからっとした空気にかわり
ギラギラと照りつける太陽と眩しいくらいの青い空が
広がっているのでしょう
夏の空は大忙し
軽めBL注意報発令!
『空模様』
高校の屋上。天気が良かったから7限目サボって大の字で寝る。
「あぁぁーサイコーの時間だぜぇ、、!!」
「静かに奏汰。今日金曜だけど、どーする?」
「え…いやー遊びに行くのはちょっと。バイトあるし」
「ちがう。分かってるだろ」
「………家族は?」
「高校生になって一人暮らし始めた」
「あー、そうだっ、たな、。」
「で?」
「決まってるだろ。」
そういって俺は真広から顔を背けた。
「そっぽ向かないで直接目を見て言ってほしいなー?」
「……行く」
そう言うと真広は笑った。
帰りのHLが終わってすぐバイト先に向かっている途中
「あ、雨降る。」
唐突に真広が呟いた。
「えぇ?あめぇ?サイアクてか何でそーゆーの分かるん?」
「雲だよ雲ー。空模様ってやつ。」
「通り雨だといーなぁ」
「多分土砂降りかな笑笑」
「うーわまじ無理ぃ!」
「奏汰って本当、雨に親でも殺されたんかって位雨嫌いだよな笑」
その瞬間心臓を一突きにされたみたいな感覚がした。
「あ、、。わりぃ言い過ぎた。」
「…いや?気にすんな」
間が空いた。気まずい間が。
「…雷も鳴るかな」
「あぁ、土砂降りっぽいし。」
そうこうしているうちにバイト先に着いた。
「じゃ、頑張れよ奏汰」
そう言って真広は帰った。
(あーあ全然克服できてねーな…。)
そんなことをうだうだと考えながら、
バイトをいつも通りの笑顔で終わらせて帰路についた。
バイト中からポツポツと雨音はしていたけど、
今はもう土砂降りになっていた。
身体が震えてきた。
指に力が入らない。
頭が全く回らない。
足を動かしづらい。
「あ、これヤバイ。駄目だ…」
人通りの少ない路地で1人。
視界がぼやけた。
傘を落とした。
頭がぼーっとし始めた。
地面に崩れ落ちた。
「奏汰!!!!」
その声にハッとしたと同時に安心して振り向いた
大きい傘とレインコート,タオル,目隠し,耳栓,薬を持って奏汰が駆けてきた。
「ゆっくり息を吸え。息が戻ったらまずこれ飲め。」
言われたとおりに動く。声は出ない。
薬を飲んでいる間に真広が顔や髪を拭いてくれる。
「それから耳栓と目隠しあとレインコート」
「つけた?移動するから背負うよ。」
そうして人目につかない迷路のような路地をまるで自分の庭のように真広は走った。振動が伝わらないように気をつけながら。
意識がなくても自分の家まで向かっていたようで、
次に気づいたときにはお風呂に入ったみたいにほかほかの身体で
ベッドの上に寝かされていた。
それが気持ちよくて、真広が来たことに気づかなかった。
いや、気づいていたけど狸寝入りをした。
「奏汰。……。ごめん、すぐに助けに行けなくて。あんなことがあったのに1人で平気なわけ無いよな。バイト終わるの待ってれば良かった。」
「…俺が間に合うまで、生きててくれてありがとう。」
真広は宝物に触れるくらい優しい力で俺を抱きしめて寝た。
俺も抱きしめ返して、呟いた。
「ごめんね。ありがとう…。」
外には2人を見守るような空模様が広がっていた。
8「空模様」
今日の空模様は最悪。
明日はもっと晴れたらいいな。
空は晴れててキラキラ光って見えるのに
綺麗すぎて泣きそうだよ。
多分今君の声聴いたら絶対泣く
だから今日は君の歌を聴くのをやめるね。
ごめんね。
【空模様】
私の心の空模様はいつも曇り
でも時々雨は降り
私の心を濡らしていく
決して晴れることはない
あぁどうか
私を照らして
空模様
今日の空模様と心とを照らし合わせてみる。ぴったり合うと嬉しくなるし違うと無性に恨めしくなる。空も1人の人間みたい。
無意識に下を向き始めるようになると、
今がどんな空模様か分からなくなる。
そうなると直ぐに、雨が降り出す。
気分は雨雲よりも重く、暗くなる。
それでもどうか、生きても良いと
認めてほしい。
水溜まりの中に、虹が見えるのを
心のどこかで願っているから。
【空模様】#21