『秋晴れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#1 秋晴れ
秋は四季の中で一番好き。
夏や冬のように極端に暑かったり寒かったりせず、春のように誰かと別れる寂しさが無いからだと思う。
朝、やや急ぎ足で仕事へと向かう道を、秋風が吹き抜ける。じんわり温まった身体がほどよく冷まされて、心地よい。
「今日はどんな一日になるだろう?」
期待と不安が入り混じった朝ならではの気持ちを、高く澄んだ秋晴れの空が包み込む。
大丈夫、なんとかなるよと背中を押してくれているような気がして、ほんの少し、足取りが軽やかになる。
さて、今日もぼちぼち頑張りますか。
見事な秋晴れだった。
いつも眠っているあいつが久々に目を覚まして「外に出たい」なんて言うものだから、青々とした空の下、二人で敷地内を歩いて回った。
暖かい陽気と心地よい風に包まれて、なんとも穏やかな時間だった。あまりにも気持ちの良い空だったから、あいつがまた眠ってしまわないかと不安になって、何回もその横顔を伺った。
「見すぎ」
そう言って笑った顔が、幼い頃の面影と重なった。ああ、ちゃんと成長してるんだな。なんて、ジジくさいことを思ってしまってちょっと恥ずかしい。誤魔化すように、わざと大きく咳払いをした。
明日も晴れたらいいね。そう言うと、あいつは少しきょとんとして、それから静かに微笑んだ。そうして空を見つめて、言葉少なに肯定した。
青空には白い筋がひとつ、長く長く横たわっていた。
秋晴れ
寒くもないし暑くもないちょうどいい気温
色付く草木もあってなんか不思議な感じするよね
でも秋が短く思える残暑が長引いて秋になったと思ったらもう枯葉になり木々が丸裸でもう寒いってなって
モノクロな冬になるし
その過程の刹那にあるのが秋晴れだと思う。
あと柿が美味しい焼き芋が美味しい温かいものが食べても暑くならないから食べ物に秋晴れは最高のスパイスだと思う…ほぼ後ろの文章が本音(笑)
眩しい黄色 黄緑 茶色い橙色
と
透明な遠い空
秋晴れ
日中仕事だから
特別天気の良さを感じることはないけれど
晴れやかで
蒸し暑くない
それだけでとても過ごしやすい。
風が冷たい。
冬の訪れを感じ始める
わずかな時間。
彼と過ごした8ヶ月は、色んな体験をさせてもらったの。
2人でご飯食べたり、ゲーセン行ったり、イルミネーションを見に、夏祭りに行ったり。
数え切れないくらいの幸せが袋詰めされていた。
身体だって彼に捧げたし、妊娠したらどうしようなんて心配もしていた。甘い言葉に誘われて、重低音のある声に興奮して…あぁ、気持ち悪い。
今となっては黒歴史というものだけど、なんだかんだ楽しかったよ。
ありがとう。
・忘れたくても忘れられない
遠くに、車のライトの灯りが見えた。みるみるうちに、それは真っ暗なトンネルを煌々と照らし出す。
乗っているのは若いカップル。その顔には、好奇心がありありと浮かんでいた。
女の方が、スマホを構える。長い髪を綺麗にセットして、メイクもばっちり。
それに比べて私はどうだろう。長さこそ彼女と同じくらいとはいえ、ろくに手入れもされていない髪はボサボサ。
ところどころ血がついて、カピカピに固まっていたりする。サイドミラーに、一瞬、自分の姿が映った。
落ち窪んだ眼窩。変な方向に曲がった腕。全身にまとわりつく、赤黒い血。
悲鳴が上がる。
本当に、私は、バカな女だ。
大好きだった彼氏に騙されて。
悲観して、自殺した、救いようのない女だ。
ああ、全部、忘れてしまいたい。
関係のない人々を、これ以上巻き込みたくない。
なのにどうして。
こんなに、憎いんだろう。羨ましいと、ずるいと、思ってしまうんだろう。
暗く、狭い車内で、カップルは恐怖に目を見開いて動かない。コントロールを失った車は、そのままふらふら、崖の方へ吸い込まれていく。
ドォン
背後でそんな音を聞きながら、私は思う。
好きだったんだ。騙されてもなお、大好きだったんだ。
例え偽物だったとしても、彼の笑顔を、思い出を、忘れることなんて、私にはできないのだ、と。
それは死刑宣告にも等しくて。赤々と燃える火炎を背に、私は自重気味に笑った。
飛行機雲が
高く遠いそらに
すんと爽やかな一文字を
描いていた
#秋晴れ
ぼうぼうと雑草茂る空き地に
曲がり角だらけの帰り道に
高く遠く濃く伸びた影に
薄灰色の空に
跡を付けても流れていく
静止したまま足元に散る
俯いて一瞬の目眩と
瞬きで切り取った少し前
乾いた咳を一つして
唇を噛む
砂利の味
ああこの景色は
どうしようもなく秋だ
金木犀も 彩づく木々も無いけれど
青も無いのに、晴天だ
振り返った時にだけ
見えるもの、なんだ?
(秋晴れ)
秋晴れ
ただ空の写真を撮っただけでこんなに輝いて見えるのはなぜだろう
海を見に行く
日焼けしそうなくらいの陽射し
海の音を聴いて
空を見上げて
とんびが飛んでるのをのんびり眺める
気持ちのいい時間
〜秋晴れ〜
泣いたって平気だよ
ひなたにいればすぐに乾くから
(秋晴れ)
秋晴れ
温度も上着も羽織るぐらいでちょうどいい。
秋晴れのなか、コーヒーを飲む。
何かを始めることに手遅れなんてないんだ。
いつだって思い立った時がスタートなんだ。
年齢だの体力だのそんなことを言い訳にするな。
やろうと思えばなんだってできる。
人生泣いても笑っても一度きりだから。
時間はみんなに平等だから。
悩むよりも嘆くよりも憂うよりも、どうせ同じ時間を過ごすのなら僕は笑っていたいんだ。
だから決めた。
失敗するかもとか、考えない。
正直言うと見えない未来に挑むことって怖いけれど、でも、やらないほうがもっと嫌な気持ちになると思うから。
どこまで行けるかなんて分からないけど、やらないで後悔するくらいならいっそ、とことんやってから後悔したほうがいい。
いや、とことんやったのならその時は後悔なんて感じないはずだ。
とにかく信じられるのは自分だけだから、僕は行くよ。
拳を空に向かって突き上げた。
雲一つない綺麗な青空。
気持ちのいい秋晴れ。
きっと、僕を応援してくれている。そんな気がした。
秋晴れのある日。
陽気につられて散歩に出た。
家の裏手の山道を歩いていると、茂みから鹿が飛び出してきた。
しばし見つめ合うこと数秒。こちらが散歩の足を緩めなかったからか、鹿はまた茂みに飛び込んでいった。
陽気に釣られるのは、人間だけじゃないらしい。
ポカポカと晴れそうな
秋晴れの日は、朝から忙しく
冷える朝の空気を感じながら
金木犀の香りがする道を抜け
ゴミ出しをする。
行きと帰りと、フワフワと漂う
よく育った大きな金木犀は
可愛らしい花を幾つも潜ませている。
髪を結い、エプロンをかけ
洗濯物を放り込みスイッチを入れ
次に干す、毛布をあれやこれやと
収納棚から吟味する。
3度目の洗濯が干し終わったところで
時計を見ると、昼までにはたっぷりと時間がある
少しだけ窓を開け
心地良い風と、柔らかな陽射しを
浴びながらゴロンと寝転がり
読みかけの本を…と、思ったが
あまりにも、心地良いので
今日は誘惑に負ける事にしようと
静かに目を閉じた。
【お題:秋晴れ】
今日は
運動会だ。
正直、
運動会は
好きじゃない。
予行練習を含め
事前準備で
ヘトヘトな上に
たくさんの人に見られて
しかも
その前で
喋らないといけなくて
当日は
大抵
予想外のことが起きる。
緊張の連続で
ほら、
もう
吐きそう。
主役は
わたしじゃない
はずなのに。
今日
晴れて良かった。
悪天候で
順延なんかしたら
体が保たないよ。
無事に
乗り切れますように。
#秋晴れ
秋になって空は澄み切って清々しいはずなのに、
時折悲しい気持ちになるのは私の心がまだ夏の空に
留まっているから。
━━━━━━━━━━━━━━━秋晴れ
明日は秋晴れ
きみをデートに誘うにはぴったりなのかな?
#112 【秋晴れ】
遠くに見える山が色付き始め
風に甘いに香りを感じる今日は
なんだか少しご機嫌な私の足元が
1ミクロン浮いている気がする。