『私の名前』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私の名前は、ただの識別番号だった。
私が「誰か」ではなく、私が「どれか」分かるためだけの「名前」。
番号で呼ばれることに何の疑問も持たなかった。
「それ」が私だったから。
けれどあなたは、腕に刻まれた私の「名前」を見て、別の読み方で呼んでくれた。
初めて呼ばれたけれど、違和感を覚えることはなかった。むしろしっくりきて、とても嬉しかったことを覚えている。
あなたに名前を呼ばれていると、これまで呼ばれてきた名前を思い出して苛立ちを覚えることが度々あった。
けれどその番号で、その並びだったおかげで、私はあなたにそう呼ばれることとなった。
それだけは、感謝してあげてもいいかな。
「 」
先を行くあなたに呼ばれた。
あなたが与えてくれた私の「名前」。
/7/20『私の名前』
とあるパロ。
子供の頃、母に自分の名前の由来について聞いた。
パッと見では意味が分からない単語の羅列だったからだ。
母は、
「優しい子に育って欲しかったから」
と言った。
「私の名前の漢字って『優しい』って意味なの?」
「いや、違うけど、なんだか優しそうじゃない」
「…?」
随分適当な口上であるが、今思えば、子供相手に分かりやすい説明をした結果なのだろう。本当はそんなことを考えなかったかもしれないが、少なくとも私の名前は、熟考して練り出されたものなのだろうということが、今なら分かる。
というのも、私の名前の画数、めちゃくちゃ縁起が良いのである。恐らくこの画数にするために、色々捻り出してくれたのだろう。
お陰様で今とても幸せである。
私の名前は無いらしい。
私には、名前をつけるほどの価値
は無いらしい。
お母さんが言っていた。
「 価値も無いのに生きようなんて思うな 」
って!
私の名前は
お母さんとお父さんに
1番初めにもらった
誕生日プレゼント
私はこの名前が1番好きだ
自己肯定感が低く他人任せになりがちですが、自分の意思を持って生きていけるよう努力します。自分の人生は自分で作ります。何事もほどほどに、楽しんでいきます!!
《私の名前》
SNSなどで沢山つけるインターネット上の名前、いわゆるニックネーム。
名前にはその人の性格が表れると何度も言われた。
じゃあ
無数に付けるニックネームには?
特に理由もなく付けた食べ物や動物の名前には、意味があるんですか?
ネット上で繋がるためにしか使わないような名前を大切に使ってる人なんていないでしょ?
みんな親不孝者だね
あ、親 自分か。じゃあ自分も大切にできないってことか。
そんな人ばっかだから、平和にならないんじゃないの?
最初に名前というモノを考えたヒトは、いったいどんな名前を、誰に、付けたんだろうか。
ひとりなら必要のないモノ。
猿の延長線上のようなヒトの、群れの規模が大きくなって、簡単な身振り手振りでは意志の疎通が困難になっていって、言葉というものが生まれて。
最初は二音ほどの、簡単な名前が生まれたんじゃないだろうか。
少しずつ音を増やして、複雑にして、神聖な意味を持たせてみたり、様々な思いや願いを込めたんだろう。
遠い未来、寿限無みたいな長過ぎる名前がスタンダードになったりして。
良かった、三文字で。
テーマ「私の名前」
私の名前
親が他界した。
親の部屋を片付けていたら親の日記帳を見つけた。
早速、色褪せたページをめくっていると、私の名前の由来について書かれてあるであろう文章が見つかった。
私の名前の由来について知りたいと思っている私にとって、絶好の機会なのではないか。
今まで聞こうと思っていたのだが、タイミングが上手く掴めず、気づけばこうして時間が経ちすぎてしまっていた。
神妙な顔つきで、私は一行一行読み進めた。
令和**年*月*日
先日、パートナーが子どもを授かった。
ありがたいことだ。
私にとっても嬉しい。
私よりはしゃいでいるパートナーは早速名前を考えては私に伝えてくれる。
元々仲は良かったと思うが、このことがきっかけなのか、前よりも積極的に話してくれるようになった。
幸せそうに話す姿を見て、私も幸せだ。
私の仕事も上手くいっていて、私を応援してくれる人もたくさんできた。
そんな私の仕事を誇りであると心から想い、笑顔で伝えてくれて、嬉しくて死んでしまいそうだ。
今なら死んでもいい。
いや、これからなんだろうけど。
でも、それくらい幸せなのである。
ただ、一つだけお願いしたい。
いくら私に誇りを持っているからといって、私のVTuber名をそのまま名付けようとしないでくれないか。
私の名前
この家に縛り付けられる為の呼び名。
親が画数まで拘って付けてくれたらしいけど、私はその名も、存在してきた形跡も、何一つ残したくない。
もういい歳だけど、あなた達と同じ墓に入って名前を刻まれるのも、御免だ。
「名前、どうしよっか?」
「そうだねぇ……。」
自分のつけられた名前は
親にこう決められたのかも知れないし。
「○○にしなさいよ、どう?」
「良いじゃないか!
君たちの名前の漢字ひとつずつだろう?」
両親に提案されたのかもしれない。
はたまた、
「ねぇ!○○は?」
「可愛い~!」
と先に生まれた兄弟の意見かもしれない。
どんな決め方であれ
生まれ持った名前は
人生で一番書くことになるであろう。
初めて書けたクレヨンの文字
テストの始めに手をつけるあの空欄
ドキドキしながら筆を持つ婚姻届
どれも自分の持つ名前が入るのです。
貴方は生まれてから
最初に貰ったそのプレゼント、
大切にしていますか?
私の名前 私は名前をなのるほど立派な名前じゃあないよ。私の特技は想像を紙に書いて小説にする事。趣味にあたるかもしれない。
私の名前
珍しい感じだけど、読みは一般的な普通の名前。
そしてこないだ結婚して、超一般的な苗字になった。
まだ漢字が珍しいからこれは私ってわかるみたいだけど、他の名前だったらきっと同姓同名多発してたんだろうなと思う。
珍しい名前も羨ましくないわけじゃないけど、やっぱり自分の名前が一番好き。
「私の名前」
実名をもじってきれいな印象の漢字をあてたもの。
ゲームのプレイヤー名とかでずっと使っているので、
実名とともに自分の中に染み付いている。
このアプリを始めるにあたり、
さらにひとひねりして今の名前に決めた。
このアプリではこれが私の名前
私の名前
私は6人兄弟の末っ子
全員男
私たちの時代は
出産は産婆さんが
やってたそうだ
母に聞くと
兄弟全員
産婆さんが
名前つけたらしい
私はまさる 勝
何事にも勝
完全に名前負けしてる
学生時代は
勉強苦手の落ちこぼれ
いいところは
明るい性格
あまり悩まない
本とかはよく読む
プラモデルも
よく作った
勉強苦手だったけど
資格はよく取った
あ、それとも
運転はうまい
長いことトラックドライバーしてました
今でも送迎ドライバー
しながら
障害者施設で
支援員してる
ネットでも
メルマガやブログも
してます
まさるって
すごいだろう
私(僕)の名前を
貴方はいつも呼んでくれる。
愛を込めて 呼びかけるように。
貴方は私(僕)に
清潔なベッドを用意し
美味しい食事をくれて
体を優しく撫でてくれる。
こんな私(僕)に
そんなことをしてくれるなんて
きっと私は
神様にゃんだ!
(きっと貴方は僕の
神様なんだわん!)
貴方「タマー、ご飯よー」
私「ニャーン!」
(貴方「ジョンー、ご飯よー」
僕「ワンッ!」)
〜猫と犬と感じ方の違い〜
その日、私はいつものように家を出た。そしてコンビニの前の交差点を右に曲がり、路地を抜けて駅に向かった。
本当に、いつものように。しかし今日は、なんだか様子がおかしい。道を行く人が、みんな私の姿など見えないというように、真っ直ぐに私に向かってくるのだ。
私はかろうじて、右に左に身をかわす。
「武道をやってなかったら、ぶつかってるやん…。」
私はブツブツと文句を言いながら会社に向かい、会社のすぐ手前のコンビニでアイスコーヒーを買って、デスクに座った。
パソコン仕事が中心になってから、同僚とはほとんど会話もしなくなった。私の挨拶に応えてくれる人なんていない。
私がノートパソコンを開けたとき、向かいの山本朋子が、真っ青な顔をして私を見ているのに気づいた。ふだん会話なんてまったくしないのに、珍しいこともあるもんだ。
「どうしたの?」
私は話しかけた。しかし声が聞こえないのか、彼女は口をパクパクさせたままだ。
「岡山さん…。」
彼女は私の名前をかろうじて口にした。
「?」
不思議に思いよく見ると、机の上には白い花を飾った花瓶がある。山本朋子は、手に一万円札の束を持っている。机の上には、何かの名簿があるようだ。
身体を伸ばして名簿を見ると、「岡山さん お香典」と書いてあった。チェックボックスには、社員の半数ほどの名前にチェックが入っている。
「お香典?私の?」
何を言ってるんだ。と私は自分の手を見た。向こうの壁やカーテン、観葉植物が透けて見える。足元を見ると、うっすらと靴の向こうにグレーの床が透けている。
そこで突然思い出した。私は、ゆうべ車に轢かれたのだ。コンビニのドアを出て、急いで家に帰る途中に。電気自動車の気配を消したエンジン音に、全く気づかなかったのだ…
そうだ、私は死んでしまったんだ。そのことに今初めて気付いた。まったく、なんてこった。死んでまで会社に通ってしまうとは!
息子はどうしているだろうか。思うやいなや、フッと身体が、いや意識が移動した。息子は、大学病院の霊安室にいるようだ。
【私の名前】
『私の名前』 155
私の名前。
なんだか不思議ですよね。
親が考えて
親が決めた
親の子供の名前
それが私の名前なわけです。
"私"の意思なんて何処にも介在していないのに、私の名前なんです。
欲しいなんて言ってませんし、なんなら強制的に付けられたものなのに、それでもやっぱり私の名前なんです。
当たり前なんですが不思議ですよね。
……そうでも無い?
私の体とか、私の人生とか。
不思議に思いませんか?
私の顔を自分好みに変形させたりは出来ませんし、私の意思で痛覚を遮断したりは出来ません。
私の思い通りに時間は進みませんし、私の望んだように人生は送れません。
"私"が自由に出来ないものであっても、やっぱりそれは私のものなんです。
何がどうして"私"のものと言えるのか、分からなくなってきませんか?
あー、頭痛が酷くて考えが纏まらないです。
今日はこの辺りで。
【私の名前】
「あんたも大変ねぇ、変わった名前だからさ」
「言うなよ、ばかぁ!」
高校の進学先が決まった夜。
お祝いに仕事帰りの姉がケーキを持ってきてくれた。実家で軽くパーティ気分でいた時のことだ。
その解き放たれた一言が、俺の胸にグサッと刺さる。
俺が即ツッコミを入れ家族からはどっと笑いがこぼれた。あまり嬉しくはないけど。
キラキラネーム。
背負わされた宿命と言わんばかりのバカな名前だ。
小学校の時はいじめられた。中学の時も、ヒヤヒヤして過ごしたのを覚えてる。
最初はやはりいじられた。友人があだ名を作ってくれたから、その後は難を逃れた感じだけどさ。
「亡くなったお婆ちゃんがつけた名前だからねぇ」
食べ終わった皿を片付けながら母が言った。
洋画ファンの祖母を恨んではいないが、『外人風の名前をつけちゃったから仕方ない』みたいな雰囲気は変えようがない。
「仕方ねぇよ……これが俺の名前だもん」
何度も嫌いと思った名前だ。
何度も恨んだ名前だ。
はぁ、と深くため息をつくと、姉がわしゃわしゃと俺の頭を撫でた。
「喜べ弟よ。そんなアンタにお姉ちゃんが良いものをくれてやる」
ドヤッと胸を張る姉を見上げて、はぁ? と首を傾げたが。
「アンタの名前、改名できるわよ」
その一言に、ドクンと胸が高鳴った。
「え? え? 名前って変えられるの!?」
「当たり前でしょ。15歳以上、2000円でオッケーよ」
「やっす!」
名前を法的に変えられる。
そんな事ができるとは思わなかった。
芸能界の一部……なんか特殊な人達だけのやつだと思っていたし。
「条件満たせば誰でもできるわよ。一回だけね」
「そうなんだ」
現実感湧かなくて、フワフワしてる。
横から両親が「でも」と何か言おうとしたが、姉は被せるようにドサリと資料をテーブルに置いた。
ーー家庭裁判所。
その文字から姉の本気が見て取れて。
「先に言っとくけど。自分を好きになれると、青春は楽しいわよ」
「ーー!」
「だから、自分の欲しい名前を、次は自分で考えなさいね」
その言葉に、俺の胸が突き動かされる。
変われるなら、変わりたい。
今まで嫌いだったものが、違う何かに生まれ変わろうとする感覚。
それは生まれて初めての感覚だったかもしれない。
#私の名前は
キミは自分の名前って気に入ってる?
まぁ俺は別に嫌いじゃないよ。
私はあまり好きじゃないんだ、私の名前は女の子か男の子か曖昧でおまけに当て字だよ。
私を思って付けてくれた名前なのはわかるけど、拒否権もないままこの名前で貴重な青春を共にしたくないよ。
じゃあ理想の名前とかあるのか?
あるよ。
あるんだ。
でも候補が15個くらいあってキミに忌憚ない意見をもらいたいな。
どれどれ……うんうん…あー、うん…
どうかな! どれがいいかな?
とりあえず今の名前が一番マシかな。
名前を呼んで。私の名前を呼んで。
あなたの声とトーンで呼ばれたら、胸が掴まれるの。苦しいの。でも、泣きたいくらい嬉しいの。
私があなたの名前を呼べない代わりに、たくさんたくさん私の名前を呼んでほしいの。私、その度にたくさんたくさんあなたに笑いかけるから。
そしていつか終わりが来たら、あなたの名前を呼んでみてもいいですか?