『私だけ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
貴方には私だけを見ていて欲しい
私にだけ貴方の笑顔を見せて
貴方には
私だけを好きでいて欲しい
─────『私だけ』
私だけ
私だけが知っている
寝癖が付きやすいことも、朝がすごく弱くてよく近くにいる人にすり寄ってくることも、頭を撫でると気持ち良さそうに目を細めてくれることも、顔を洗ったらいつもの調子に戻ることも、雨の日の休みは放っておいたら昼過ぎまで寝てしまうことも、お出かけの日は私と同じくらいに起きることも。
全部全部、私だけが知っている、真面目な彼の裏側だ。
ずっと私だけを見つめていて。
私もあなただけを見つめているから。
大好きって言って。
誰よりも愛しているって言って。
君がいなきゃダメなんだって言って。
口先だけじゃダメ。
態度にも、行動にも示して。
〜私だけ〜
~私だけ~
本を持つ最後の一人
私達はそんなあなたを支え見送る者
56文字の黒の史書
【私だけ】
一人になりたいと思うのは、集団が嫌いだからではない。
気のおけない友人といても疲れを感じることがある。
笑うことも、話すことすら面倒で逃げたくなる。
そんなとき、僕は決まって屋上を訪れる。
入学式後に立入禁止と説明されたが、壊れた鍵はお約束。
初めて扉に触れる緊張感が今や懐かしい。
持ち込み厳禁のゲーム機にエロ本、タバコの吸い殻まで。
屋上には知らない誰かの秘密が溢れている。
先生も見て見ぬふりなのか、見回りに来たことはない。
ピッキングの跡がある扉も入学当初からそのままだ。
どうせ今日も誰も来ない。僕は呑気に日陰で寝転んだ。
ふいに扉の開く音がして、心臓が嫌な音を立てる。
塔屋の影から様子を窺うと、有名な先輩が立っていた。
容姿端麗、文武両道と噂の、漫画の主人公みたいな人。
そのうち異世界転生して人々を救うのだろう、たぶん。
先輩は怪しい足取りでフェンスに近づいた。
声をかけるべきか、否か。僕はひどく悩んだ。
暗い顔をした人にかけるべき言葉を持ち合わせていない。
ため息ひとつ。校舎に戻ろうとする先輩と目が合った。
気まずさを隠して会釈すると、先輩は力無く笑った。
自殺を考える人間が異世界転生できるのだろうか。
初対面の先輩は、僕と親しくないからこそ弱音を吐いた。
きっと誰にも言わないと、なぜか信用されたらしい。
妙な縁で相談相手になって、僕らは次に会う約束をした。
いつからか先輩と話すために屋上を訪れるようになった。
しかし、フェンス前に並ぶ靴が唐突に終わりを告げた。
先生も生徒も、誰もが信じられないと騒ぐ。
その影で、僕はかけるべき言葉を探していた。
時刻は午後5時。会社の定時だ。
「うひょひょーい帰れるー!」
私はものすごい速さで帰ろうとしたが主任に止められた。
「待ちなさい。君は今日サービス残業をする日だよね?」
何だその日は。なんで私だけ。
私が警戒していると同僚は言った。
「お前は会社でいつも寝てばっかりだから当たり前だろ」
なんて横暴な。
後輩も言った。
「先輩は先日取引先で暴れましたよね。肩がぶつかったとか言う理由で顧客を殴り倒して。責任を取りたいって言ってましたよね」
それとこれとは話が別だ。
おっさんも言った。
「君は一度サービス残業がしたいと言ってたじゃないか」
それは飲んだ勢いで言っただけで。
変質者も言った。
「昨日、サービス残業をしますって誓約書書いたよね。土下座までして、受け取ってくれないと暴れるってゴネたよね?」
昨日の私どうした。
「ともかくさいならー」
私は全員を振り切って帰宅しようとした。
しかし途中で捕まり会社の地下にある強制労働施設で死ぬほど働かされた。
出所後〜
「今日もサービスサービス(笑)」
私は365日サービス残業をする体にされてしまった。
私だけの貴女。
貴女だけの私。
そんな関係。
一方的な愛を受けとめてくれた。
そんな貴女が大好きだ。
「私だけ」
自分だけ成功したと思ったら
間違いなのだ
他の誰かも大海原の荒波にうまく乗っているのだ
自分だけ苦境におちいると嘆けば
それも違うのだ
皆も大流の川底に頭を打ちつけているのだ
うん うん
そうだ
そうなのだ
【私だけ】
私には特別な、私だけの物語がある。
日記帳に書いている、私の小説だ。
本当はスマホやパソコンで書くのも憧れるけど、小学生のうちは我慢なの。
でもね、いつか本になればいいなーって思ってるんだ。
本。紙をパラパラとめくっていく、私の憧れ。
もしいつか、本にできたら読んでくれる?
って聞いた時……親友が、
「楽しみにしてる」
って笑ってくれたから。
私ね、今日も小説が書けるんだ。
それから何年も経ち、私も大人となった。
まだ本格的な本にはできてないが、同人誌を作ろうと頑張れる程度の作品は作れるようになったよ。
小説って難しいのね。
表現の豊富さ、文体の確立、読みやすさの研究……。
こんなにたくさんの技術や工夫があるとは知らずに書いていた。
おかげで、何度も挫けた。
自分の小説が嫌い、って泣いた事もあった。
一文字も書けなくてやめようと思った時。見つけたのは私だけの小説と、君の「楽しみ」と言う言葉だ。
もうちょっと書いていいかな、って。
視界が熱くなったのを、今でも忘れない。
そのうちコンクールに出せる作品が完成する予定なんだ。
そしたら、君と、昔の自分に、読んでくださいと伝えるつもりなの。
だから、待っててね。
私だけの考え方なのに、誰かの所為で揺れてる。採り入れる度に不安定になるのに、更に、私だけに近付く。私だけ、は意外と、私だけでは確立しないのかもしれない。
「私だけ」
<なんか言いことがあるなら、はっきり言いなさい。あんたが考えてることわかるわけないじゃん。>
<私もーめっちゃわかるー!○○ちゃんが考えてることくらいわかるよ>
私だけが考えてること。
みんなにわかるわけがない、、よね。
生死をなんとも考えない、
ただ運命に生かされてきただけ
そんな価値観をもつ人間が
案外身近に居たらしい
私だけじゃない
そんな人生観も世界線も夢も理想も
どんな思想も尊重されるべきなんだよ
私は私を否定して受け入れて認めて生きてきた
あなたは貴方自身を最低限理解して生きなさい
私だけじゃない あなただけじゃない
現実は独りでも 同じ境遇 心情を持つ者は
きっとどこかに生きてるはず
私はただ そんな誰かが好きなんだと思う
会いたいわけじゃないんだ
あなたもきっと そうなんじゃない。
_ ₉₂
「私だけ」
私だけ自分の気持ちがわかる。
私だけ自分が何を思ってるかがわかる。
違う人にもわかってほしい。
「世界に独りだけ」
私が今いる世界は、この言葉が実現化した世界。
この世界には私だけしかいない。
動物や虫 魚ももちろん居ない。
本当に私だけ。
普段はキラキラしているイルミネーションも
賑やかな商店街も
海辺を歩きながら大きい目を動かす黒猫も
この世界には存在しない。
いつもなら近寄り難いジュエリーショップも行けるし
万引きもできる。いや、人が存在しないから罪や憲法も存在しないし万引きとも言わないか。
美味しいものも食べ放題だし高級車も乗り放題。
うるさい上司や先生、親も居ないし最高
だと思ってた。
普段は気に障るカップルも
しつこく同じことを言ってくる親も
世界的に有名になった歌手も
私以外の人の息の根すら
無いんだから。
犯罪? やったらだめ? そんなの存在しない。
まるで時間が存在しないみたいに。
虫の音 草の音 自然の風景 全てがモノクロに見える。
空白の時間が過ぎていく。
本当にこの世界には
“私だけ”
私だけ何で?と思うことがあった。
私は最近鬱になった。これは自分が悪い。だってストレスを溜めすぎたり精神的にもダメに近かったのに我慢我慢とずっと周りの人にも相談せずに自分で抱えてしまっていたからだ。
でも、やっぱりきつすぎたりすると何で私だけと思うことが多々あった。嫌になって気分が落ち込むことも。
でも、今は大切な人がそばに居てくれて支えてくれているおかげで毎日少しずつ回復へと向かっている。
--僕だけが彼女の秘密を知っている!
高揚感と優越感と同時に僕の頭を占めたのは、心臓がバクバクと鳴るほどの、大きな大きな支配欲だった。
同じクラスで学年一の美少女の彼女はいつも注目の的だった。
文武両道、才色兼備、おまけに容姿端麗。
しかも素直で優しい性格の持ち主で、まさに絵に描いたような美少女だった。
そんな彼女と僕の接点など、クラスメイトということだけだった。
この瞬間までは。
別に彼女の秘密を暴こうとしていたわけじゃない。なんなら僕だってできるなら知りたくなかった。
ではなぜそんな僕が彼女の秘密を知ってしまったのかといえば、それは偶然と呼ばざるを得ない。
今日僕が偶然、体育倉庫(今日が掃除当番だった)に忘れ物をして。
僕が偶然、体育委員(本当は嫌だったけど押し付けられた)で。
体育委員権限で鍵を借りて、その忘れ物を取りに行こうと思わなければ--その現場を見てしまうことはなかったのだから。
ではその現場で何が起こっていたのか。
それは逢引きだった。
だが彼女の相手は僕たちが通う中学の教師だった。
ヤバすぎる。
先生と生徒というのももちろんヤバいが、大人が子供と恋愛をしてるっていうのもめちゃくちゃヤバい。
でもそれを見て僕の中に湧いてきたのは気持ち悪いとか、早く誰かに言わなきゃとかいう正義感でもなく、高揚感と優越感、そして支配欲だった。
あのきれいで美しくて、いつも優しいあの子がこんな秘密を隠していたなんて!
この秘密を知っているのは彼女と先生以外には、僕だけなんだと、そう思ったらもう興奮が収まらなかった。
よし、この秘密はもうちょっとだけ言わないでおいてあげよう。
だってせっかく僕と彼女の共通の秘密ができたんだから。
深夜三時
履歴書に張る写真を取りに行った
駅前は看板の光や街灯で明るいけれど
人っ子一人歩いていない
コンビニのなかも店員すらいない
だから帰りスキップで移動
自分の人生を誰よりも知ってるのは自分だけ、ざまぁみろ。どんな天才でも秀才でも自分の人生において勝てる奴は自分以外いない
匂いも味も音も色も
わたしが受け取る全て
私だけのものだから
名前をつけたくなる
愛しいもの
「私だけ」
「か、結政くん。僕だけ見て欲しい……ダメ、かな?」
「いいよー」
「えっ」
思っていたよりも軽い……やっぱりどうとも思ってないんだろうな……
「ベルくん。お腹減ったし、ご飯でも作ろう。いつの間にお昼だよー」
「あ、うん」
……まあそうなんだろうけどね。
「ベルくん、ちょっと僕の耳見てみて」
「?」
「…………見えた?」
「う、うん、」
「ベルくん、いや、鈴太くん。鈴太くんのことしか考えてないし見てないよ」
は、はわ〜〜!?
「俺耳触られるのあんま得意じゃないんだ。どう?触ってみる?」
「え、でもお昼ごはん」
「俺がご飯ってことで。ね」