『神様だけが知っている』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「神様だけが知っている」
たとえばタイムマシンができて、
歴史の謎がすべて明確に判明してしまったら、
その報告書(論文ではない)を書いて、
それが教科書に載って、
それで終わり。
ひとつの浪漫が消える。
神様だけが知っていて、
人間は、ああだこうだと妄想している。
そのくらいがきっとちょうどいいのだと思う。
…あっ、でも犯罪者の潜伏先とかは、
警察に教えてあげてほしいかな。
今日のテーマ
《神様だけが知っている》
『困った時の神頼み』という言葉がある。
正確に言うなら『困った時“だけ”神頼み』かもしれない。
普段は見向きもしないくせに、困った時だけ頼ろうなんて虫が良すぎるって、きっと神様も呆れるに違いない。
そう思いながらも、どうしても何か超常的なものに頼りたくなる時というのはあるもので、今のオレがまさにその状態というわけだ。
(神様、どうか、どうか、お願いします! これからはちゃんと信心深くなるし、お参りにも頻繁に来ます! お賽銭は小遣いに余裕ないから毎回とはいかないけど、境内にゴミ捨てたりしないし、ていうかゴミ見つけたらちゃんと拾ってゴミ箱に捨てるようにします! 授業も真面目に受けるようにするし、赤点取らないようテストも頑張ります! えーと、あと何すればいいかな……とにかくいろいろ頑張るのでどうかオレの願いを叶えて下さい!!)
近所の小ぢんまりした神社の拝殿で一心不乱に手を合わせる。
これで神様が願いを叶えてくれるというなら、お百度参りだって丑の刻参りだって何だってする。
いや、丑の刻参りは藁人形に五寸釘で呪うやつだっけ?
信心深いとはお世辞にも言えない現代っ子のオレにとって、神といえば大好きなアーティストだったり動画配信者だったりという「手が届かない実在の人物」とかその人の作品とかに使うことが多い言葉で、所謂『神様』については存在すらも怪しいと思ってたりするんだけど。
それでも、そんな、普段は全然信じてないオカルトじみたものにまで頼るほど気持ちが追い詰められてる。
藁にも縋る思いというのはこういう時のことを言うんだろう。
オレには好きな子がいる。
幼馴染みというのに近いかもしれない。小学校の時から他愛ないじゃれあいをする間柄だ。
それは中学を経て、高校になってからも変わらなかった。
お互いに自転車通学が可能な学校を選び、学力にも大した差はなかったこともあって、同じ高校に進んだというのもある。
クラスこそ違うけど、気心が知れてることもあって、移動教室とかで顔を合わせれば声を掛けたり掛けられたりするし、方向が一緒だからたまに一緒に帰ることもある。
おかげですっかり公認のカップルみたいな関係だった。
それで満足して油断してた昨日までの自分の脳天気さに蹴りを入れてやりたい。
異変は昨日の放課後に起こった。
オレ達が実はつきあってるわけじゃなく、単なる友達でしかないことをどこからか聞きつけた彼女の同クラのやつが、よりによって校門前なんて目立つ場所で告ったというのだ。
噂はたちまち広まって、何も知らずに登校したオレは朝から質問攻めに遭った。
話によれば、告白したやつはその場では返事をもらわずに一方的に言い逃げしたらしい。
バイトでホームルームが終わると同時にダッシュで帰ったことが悔やまれる。
ていうか、そんなことがあったなら誰か昨日の内に連絡くれてもいいだろうが。
彼女がどんな返事をするのかは分からない。
少なくとも今日帰るまでの間にはどうなったのかは聞こえてこなかった。
本音を言えばすぐにも確認しに行きたかったけど、オレが迂闊に動いたら更に騒ぎは大きくなって彼女を困らせることになる。
今日は彼女はバイトの日で、彼女の同クラの奴の話では、放課後になると同時に逃げるように帰ってしまったらしい。
そのバイト先というのはオレの家のすぐ近くで、だからオレは今日、バイト終わりの時間に合わせて直接話をしようと思ってる。
これまで噂を強く否定してなかったのは、きっと彼女もオレに気があるからだ――なんて、自惚れてた。
でも、告られてすぐに断らなかったということは、つまり彼女もまたそいつのことを悪く思ってないってことなんじゃないか?
そのことに気づいて、オレは自分がいかに余裕ぶっこいて自惚れてたかを思い知らされたというわけだ。
でも、だからといって彼女が他の奴のものになるのを指を咥えて見てるなんてできない。
いつから好きだったのかは自分でもよく分からないけど、オレだってずっと彼女のことが好きだったんだ。むしろ『いつから』とか明確に分からないくらい前から意識してたとも言える。
恋敵が現れて慌てて告るなんて格好悪いことこの上ないけど、それでも何もせずに諦めるよりはずっとマシだ。
そうしてオレは一心不乱に神頼みをしているというわけだ。
振られませんように、と祈りたいのは山々だけど、さすがにそれは男が廃る。
考えたくないけど、もしも玉砕した時に、彼女を傷つけることがありませんように。
できれば玉砕しても、これまで通り……いや、これまで通りは無理としても、せめて無視されたり距離置かれたりすることなく、友達としてはつきあっていけますように。
限りなく弱気で情けなくもあるけど、オレはそんなことを長々と神様に懇願した。
でも、できたら――やっぱり、彼女がオレを選んでくれたらいいな、と。
ほんの僅か、縋りたくなる気持ちが頭を擡げる。
駄目だ、駄目だ!
神頼みで彼女の気持ちをこっちに傾けてもらおうなんて虫が良すぎるってもんだろ!
既に『困った時“だけ”神頼み』をしてる段階で充分すぎるくらい虫がいいんだから、これ以上は欲張ったら駄目だ。
頭を振って都合のいい願いごとを振り払うと、オレはもう一度財布を出して、追加のお賽銭を賽銭箱に投げ入れる。
明日の昼飯のパンが1つ減るなと思ったけど、そこはケチっちゃ駄目だよな。
二拝二拍手一拝し、最後にもう一度だけ願いを告げて、オレはようやく神社を後にした。
オレが決死の思いでした告白が無事に成就することも。
件の告白劇が、実はなかなかくっつかないオレ達に業を煮やした周囲の連中が画策したことだというのも。
それを知ったオレと彼女が怒りながらも周囲の祝福の声に絆されてしまうことも。
今はまだ、それを知るのは神様だけ。
天と地と 私のみが 知る染みは
ブラックライトで 夜に浮かべり
#短歌 #書く習慣 20230704「神様だけが知っている」
お題
『神様だけが知っている』
神様だけが知っていること………?
何があると思う?
人生?未来?誰かの秘密?
神様がいて良かった!って思うことない?
私はあるよ。神様なんて大嫌い!そう思ったことはある?
だけど神様はいつでも私達のこと見ていてくれてると思うよ。
サイコロ振ったら出てくる目も
席替えのくじ引きであいつの隣になる数字も
テストに出る問題も
全部神様は知っているらしい。
でも不思議と神様になりたいと思ったことは無かった。
私たちが知りたいことを知っている。でも、私たちが知りたくなかったこともきっと神様は全てお見通しなのだと思う。
知りたくないことには背を向けて、
自分が大好きなことをどこまで行けるか分からないけど、がむしゃらに進んで、人間らしく生きる方がきっと私に向いてるから
こんなこと思ってるけど未来の私がどうなってるかなんて
神様だけが知っているんだろうなぁ。
#神様だけが知っている
力尽きて雪に埋もるツバメ。
水底に沈んだ人魚の涙。
炎に包まれ、鉛になった人形。
彼らをそうさせた愛の行方。
神様だけが知っている。
『神様だけが知っている』
神様だけが知っている。
君がこの世に生まれた理由。
生まれた理由を
生きていく理由を
人間たちは知ることができない。
自分のことなのに誰にも分からない。
だから人間たちは、その理由を見出そうとする。
何のために生まれたのか。
何のために生きているのか。
自分たちで定めようとするのだった。
神様はそんな人間たちを見ると、
健気で哀れで、愚かだなぁと思う。
そして同時に、愛おしく思う。
どんなに頑張ったって知ることはできないのに。
生まれた理由も生きていく理由も、
人間たちには分かりっこないのに。
自分でそれっぽい理由を選んで、
それを支えに生きていくだなんてなぁ。
人間って奴は惨めでちっぽけで、可愛らしいね。
【神様だけが知っている】
自分が問いにぶつかった時、いつかは自分なりの答えを見つけるのであろうことを。
きっと、神様だけが知っている。
[※grbl二次創作/狡知成代/Fate×grbl]
──『空の底』とやらには何があるのかしら? ……なんてね。
頭上のパンデモニウムを見上げながら、蝙蝠のような六枚羽を広げる。正直二千年も稼働し続けていた身体での戦闘は厳しいものがあった。ましてやそこに異物も取り込んでいるのだから体力の消耗も激しいし、擬似的なバーサーカー状態は精神的にも負荷が大き過ぎた。もう何も考えたくない、泥のように眠りたい。そんな思いで空に身を投げ戦線離脱を図ったのだが……まさか自決と捉えられるとは思わなかった。頭上からどこぞの医者と同じ声で、あの男が言いそうに無い怒号を浴びせられて面食らったと同時に笑いが止まらなかった。いやはや、お前そんな話し方できたんだなぁ、サンディ/■■■。
まぁ、そんな中でも創造主様の下へ自分の"分身"を送った俺は褒められて良いはずだ。何故って? ──『俺』はファーさんのこと、大嫌いだからね。本当なら勝手にくたばってろって言いたいところなんだが、二千年前にそれをしたら強制的に『死に戻り』をさせられてね。また最初から──"生まれたところから"やり直しをさせられた訳だ。何回、何百回見たんだろうね、ファーさんの顔。正直うんざりだ。
この世界はどうもアドリブを許さないタチらしい。シナリオ通りに進めないと強引にリセットして強制リトライさせてくる。何回かはルシフェルや空の民が望んだようなルートにも進んだんだが……結局はコアを破壊されて"戻された"。まさか異物混入させてまで殺しに来るとは思わなかったけどね。……ただ、それで心が折れたのは確かだ。抗うのも馬鹿らしくなって、流されるままにここまで来てしまった。
──『空の底』には何があるのかしら?
多分大半の人間は『あの世』とか『幽世』なんて言うのかもしれない。それもきっと間違いではないんだろう。何せバブさんがそこで何かしらの能力を手に入れていたみたいだから。でなければルシフェルに一撃で致命傷を負わせるなんてできる訳がない。
でもね、俺としてはバブさんのことは嫌いじゃないんだ。寧ろ好ましいと言っても良い。だってあの人、──他の世界線の俺に対してはどうなのか知らないけど──『俺』にはちょっと甘いんだよ。何せ与太話として話したことを信じてくれたしね。何度死に戻ってもバブさんだけは必ず応えてくれる。だから、まぁ……空の民に封印させる方向にしたのは、少し悪かったなと思っている。いくら穴だらけの術式とはいえ、内側から破壊するのにはバブさんでもかなりの時間を使う代物だから。閑話休題。
さて『空の底』の話だったか。……俺としては『幽世』なんてものじゃないと思っている。だってそうだろ? ──いくら四大天司の力が作用しているからって"島が空に浮く訳が無い"。『俺』の知っている『世界』ってヤツは、踏み締める大地があって、その外側には果ての無い"青い海"が広がっていて、空は眼下ではなく頭上に広がっているものだ。『ソレ』を知っているから、俺はファーさんの終末計画に便乗して世界を壊そうとした。そうすれば、元の形に戻るんじゃないかってね。
『俺』の予想としては、一度真っさらになったものを元の形に戻そうとして、残り少ないリソースで無理やり人類史を再現しようとした結果、致命的なバグが発生してできたのがこの歪んだ世界なんだと思っている。そこから現在で言う星の民が『汎人類史』の僅かな資料から創り出したのが、俺達『星晶獣』という生体兵器って訳だ。まぁ、どこまで合っているかは分からないけどね。
空へ身を投げたとき、本当は『かえりたい』って思ったんだ。
遥か下の『空の底』、『幽世』よりも更に深い場所に沈んでいるであろう『汎人類史』へ。
かつて俺が"人間"だった頃の世界に、人類最後のマスター達が命を懸けて走り続けた世界に、カルデアに、ただ、かえりたかった。
【神様だけが知っている】2023.07.05
──この歪な世界へ己の骨を埋めろと、それが俺への罰だと、そう言うのですか。
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※本家の狡知の堕天司ではありません
中の人はまともな感性を持った型月民(魔術使い)でした
(ただし死に戻りと2000年フル稼働でSAN値減少状態)
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「神様だけが知っている」
風で鳴る葉、痛いほど照りつける陽、パラパラ光る海水、照らされて紅のグラデーションになった鳥居、手の形に無くなった水滴がある瓶と缶の酒、適当な飯、誰かが置いていった賽銭。
神に話しかけても、神を幾ら思っても、全知のかけら一つすら知らせて貰えずとも。だとしても。
救いを、報せを、恵みを。何かを求めて神に祈る。
本心からか、何処からか。
歳を重ねる度に
涙腺が弱くなるのは
なぜ...
誰にも言えない
わたしの心
知ってるのは
神様だけ...
二人の秘密、僕達だけの永遠になったあの日
消えない傷を埋め込んで
誰にも見えない深くまで
神様だけが知っている
僕達が犯した、重いおもい罪のこと
(神様だけが知っている)
神様の胸に隠された宇宙の謎を詮索せず、ただ感謝と敬意を持って過ごすことが、真の叡智に繋がるのかもしれない。
《神様だけが知っている》
私達が生まれてきた理由
今、生きてる理由
それは神様だけが知っている
なんて
信じちゃいないけどね
雨は神様の涙らしい。
利益のためについた嘘。
小さな過ち。
愛しい家族への隠し事。
絵空事だった夢。
そんな「自分しか知らない」ような、ときには残酷な物事を、ずっとあなたは背負っているんだものね。
泣きたくなるのもわかるよ。
でもさ、それでもあなたのこと許せないの。
誰かが汗水垂らして作った建物を、畑を、車を、壊して壊して壊して。そこにつまった思い出さえも消し去って。
大切な命を奪って。まるで幼子のよう。
あなたは神なんかに産まれるべきではなかった。
もっと普通の、幸せな人間に産まれたらよかったのにね。
そしたらみんな、あなたのこと恨んだりしないのに。
皆があなたを憎んでいる今、こんなことを思う私こそ、真の大罪人だ。
「神様だけが知っている」
神様だけが知っている
神様だけが私の秘密を知っている
神様だけが私の心の中を知っている
神様だけが私が死にたいと思ったことを知っている
神様だけが私の望むものを知っている
神様だけが私の止め方を知っている
神様だけが知っている
縁だとか運だとか
そんな“偶然”という便利な詞で
括られる人生
ただ捻くれているだけかもしれないけど
今この景色に巡り合ったのは
ホントはただ“必然”だったから
なんて思っちゃう
【神様だけが知っている】
僕の願いを知ってるのは神様だけ
僕の秘密を知ってるのは神様だけ
僕の声に返事してくれないのは神様だけ
人間は何かしらの
言葉や表情で答えをくれるのに
神様は何も答えてくれないんだ
その者が皆が神様と呼ぶものなのか
人気者で羨ましく妬ましい
僕は来世に神様になりたい
神様だけが知っている。
俺が、女であるということを。
俺、ミヒャエル・デ・アレッサンドロは、王侯貴族に転生した。
生前はしがない女子高生だった俺は、今では側室が3人いる、立派な男である。
なにをして、男とするか、これが問題だ。
俺は思う。
この、憎しみと自己顕示欲の渦巻く、貴族社会で、のし上がっていくものこそ、男だと。
だが、これは間違っているだろうか?
なぜなら、俺も、俺としての自覚を持ったのは、生まれて15年という歳月をかけ、培ったものであるのだから。
女ならばこういうだろう。
「それは、本当に性別というものなのでしょうか?」
と。
以前、男でもない女でもない娼婦を買ったことがある。そいつは言っていた。
無自覚にも、自身の性を選ぶことは出来ない。
女として自覚的に抱かれるか、男として自覚的に抱かれるか、その2つしかないと。
私は疑った。
本当にそうであるなら、私という性は、何者であろうか、と。
神様はこんなに地球に人がいるなかで私を知ってくれてるのかな
私を見つけてくれてるのかな
見てくれてるといいな
───「神様だけが知っている」