『真夜中』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
[真夜中]
真夜中はねています
眠薬使って
一緒目を覚まさなくて良いです
永眠したい
極楽三昧したい
「あ」
仕事終わりの真夜中の帰り道。月夜に照らされた灯りのない道中に後ろから影が迫ってきていた。後ろを振り返ることなく、同じ帰路に就いているのだと決めつけ、特に危機感を持たずに前を歩く。
相手の歩く速度は自分と全く同じであり、こちらの歩くペースを上げると向こうも寸分違わぬ速度を出してくる。気味が悪くて仕方がない。追いつくことも追い抜くこともしない。ただ俺の後をつけている。それはそれで気色が悪い。
なんなんだろうと思っているうちに自宅近くのコンビニに辿り着く。中に入ると後ろの気配は消えており、コンビニ店員も怠そうにレジに立っている。何か不気味なモノにつかれていたわけではなさそうだ。だからと言って振り返ることはないのだが。
適当に買い物を済ませて店から出るとまたそいつは出てきた。もうどうにでもなれと自暴自棄気味に自宅に向かう。家に着いて布団に入る。鍵も閉めず、着替えもせず、そのまま夢の中に旅立つ。
「あ」
翌朝。朝食中、ふと昨日のことを思い出す。そして、考えの至らない自分自身のことを、疲れきるほどの仕事をさせる会社を馬鹿にするのであった。
2024 5/17 ♯12 〈真夜中〉
「おじいちゃんみたいな生活だね。」
と 言われたことがある。この言葉は主に早寝早起きをしている人に向けて言う言葉だ。僕の場合もそうだった。
僕は当たり前のように午前五時に起きて午後十時半には寝るようにしている。だから僕は、全くと言って良いほど真夜中を知らないということになる。でも、僕の周りには十二時まで寝ずに何かをするのが日常になっている人も少なくなかった。
日中は太陽が顔を見せながら東から昇り西へ沈むことは当たり前のことだ。月もそれが夜になっただけだ。
でも僕はまだ真夜中の顔を知らない。本当に真夜中に光るものは月なのかすらもわからないまま今宵も目を瞑る。
真夜中
(2024/05/17 21:58:16)
真夜中。
真夜中に目が覚めてしまった。
気分転換に散歩してみた。
すれ違った素敵な女性がいた。
綺麗な眼、綺麗な髪
あぁ、俺恋したかも。
真夜中
引きこもりの私が元気に活動できるのは真夜中。
みんなが起きてくる前くらいに寝る。
私はみんなと一緒の時間に生きてるのが怖かった。
違う時間に生きてるから、
私は人と違うんだ。
って思うようにした。
少しだけ安心した。
『真夜中の通話しよ?』
深夜2時。
1件のLINEが来る。
彼女の凛からだ。
『あぁ、いいよ。』
そう返事するとすぐに着信が来る。
「なんだい。凛。」
「あ、皐月ぃ。」
夜寂しくなっちゃって、と言う彼女。
「そうか。眠くなるまで話そうか。」
「うん!ありがとぉ、皐月。」
凛は私の彼女であり、私のストーカー。
「ねぇ、皐月。」
「ん?」
「なんで最近凛と遊んでくれないの?」
「あぁ、最近ちょっと忙しくてね。」
「いっつもそればっかり。
あの子と遊んでるんでしょ?」と一言。
「違うよ。本当に忙しいんだ。」
「ふーん?あっそ。」
額から冷や汗が出る。
「それにしても、凛といる時よりあの子といる時の方が楽しそうじゃん。」
「そんなことはないよ。」
凛といる時も楽しい。と伝えても、
凛の機嫌はナナメだ。
「あの子のこと、好きになっちゃった?」
「そんな…ことは…」
「見てたらわかるよ。でも、あの子は皐月のことそんな目で見てないよ?」
「………」
そう、だよな。
私が椛くんのことを恋愛的に見てるだけで、
あの子は…
「ね、皐月。
皐月には凛しかいないんだから。」
その声は、甘くて重かった。
静寂と暗闇に包まれた街
月明かりだけが輝く空
時折響く 車の走る音が
時間の経過を教えてくれる
静かな部屋の中で一人
ここにあるのは安らぎだろうか
それとも不安だろうか
真夜中の魔物に心脅かされずに
いつか眠れたら
#真夜中
ハッとして目が覚める。体内時計が狂ってしまったのかまだ外は闇に呑まれたままだ。
着信音がしてスマホの画面をつける。暗闇に慣れた目には刺激が強すぎる程眩しい。画面には“非通知”と書かれた文字が映し出されていた。男は不審に思うも、寝起きで回らない頭は自然と電話に出ていた。
「もしもし」
男は掠れた声で電話越しの誰かに話しかけた。音をつたって聞こえてきたのは、女性の声。
『もしもし、助けて頂きたいんです』
「どちら様ですか」
『…助けて頂きたいんです』
「……かける相手間違えてませんか」
『違います!私はあなたに、』
男は女性の言葉を遮り通話を終了した。ツー…と無機質な音が聞こえたのを確認し、スマホの画面を切る。再び男が布団に潜って眠ろうとしたその時、ピンポーンとインターホンが鳴った。
「…………チッ」
男は思わず無意識のうちに舌打ちをした。仕方なくインターホンの画面を覗くと、そこに居るのは見知らぬ女性。しかし何故か女性の姿はぼろぼろで、白い服には赤い何かが飛び散っていた。
『…助けて頂きたいんです』
先程聞いた声と一致している。気味が悪くなりインターホンの画面を切った。恐怖から一直線に布団へ戻り、包まる。ベッドの横に常時置いてある催眠薬を無理やり飲んで、ぎゅっと目を瞑り夢の世界へ強制的に旅立った。
ハッとして目が覚める。体内時計が狂ってしまったのかまだ外は闇に呑まれたままだ。
また変な夢を見てしまった。でもやめられない。男は“睡眠薬”をもう1粒だけ飲み込んだ。
『真夜中』
真夜中
以前は素敵なロマンティックな言葉だった。
今は、何が起こるかわからない感じがする。
昔から政変や恋愛や事件が真夜中に起こった。
神秘的だが、人の油断も誘う時間帯だからか。
今はこう考える。
真夜中のうちに、全ての問題が解決しないかと。
こう考える自分は、年老いたなぁと。
誰もいない場所で
誰も聞こえない声で
誰にも見られない私は
真夜中、暗い中、孤独の中、
1つ、1つ、また1つ、
涙を、気持ちを、流す
寂しくて、悲しくて、虚しくて、
一人啜り泣く
お題「真夜中」
真夜中
真夜中を歩いていると夜がふけてきた。その時私はこのまま夜があけなければいいのにと思っていた。母には暴言をはかれて、姉は酒好きでその上酒癖が時に悪い。その時姉は決まって私に暴力を振るう。夜もそのことが夢に出てきそうで怖くて寝られない。でも夜は明けるのぞんでいなくても。誰かに明日が来ないように私は自分にある明日を否定している。
真夜中に赤く燃える炎ってきっと綺麗なんだろうな
そんなことを考えていた。
マッチをコンビニで買って
何処かの建物に火を付けたらどうなるんだろう。
何もかも消えてなくなって
灰になるんだろうな
本当に実行したら罪を償わないといけないこと
そういうことって誰もが1度考えたことないのだろうか。
でも捕まったら取り返しがつかない事をわかっているから
皆我慢しているのではないのだろうか。
そうだったらいい。
私だけ
こんなことを考えてるなんて恥ずかしいから
そうであってほしい。
そう思ってしまう。
私が
今日も
好きになれない。理由の一つ。
悪役の昼間暴れるやさしさで眠らぬ都市をそっと抱きしめて
題-真夜中
真夜中
真夜中に。
部屋で一人。
ああ、何でだろう。
こんなにも心が楽なのは。
自分勝手なわけではない。
空気が読めないわけでもない。
けど、人に合わせるのが苦手。
人といるのが苦手なんだ。
もしかして、無意識に人に合わせないとって。
そう思って、プレッシャーをかけてるのかも。
しんどいな。
一人になりたい。
早く早く早く。
夜になると孤独を感じるのは僕だけ?
その孤独すら心地いいと思うのは僕だけ?
人と関わるとどうしても疲れる。
たまには距離を置いて。
部屋に一人。
真夜中を過ごそう。
真夜中はいつも不安になる
このまま暗い世界の中に
閉じこもったまま
全てが終わる気持になる
空を見上げたら
輝く星が希望の光
あけていく夜空に
繋がっていく
真夜中。
誰もが寝静まった時間。
だけど、寝れない日もある。
急に起きてしまう事も、
耳を澄ますと
風の音。虫の声。私の鼓動。
明日の事や、アニメの事、ゲームだったり。
色々考える。
心地の良い静寂さ。
真っ暗な闇に包まれて
おやすみ。
(真夜中)
夢の中で
過ごす真夜中
おやすみなさい
よい朝を
真夜中。
最も夜が更けたとき、深夜0時。
普通の平和な国に住む良い子であれば寝ている時間だ。だが、この街にはそんな子は、いや人自体いない。平和?そんなの20年も前に潰えた。俺は火の無いタバコを咥える。
(今日も生存者0か)
この街にはとある噂が広まっていた。この街は平和であり、死の恐怖を感じずに暮らせる街だと言われていた。しかしそんな噂は今となっては真っ赤な嘘となる。
今から20年前、街に突如人食いの化け物が現れるようになった。人はこの化け物に喰われ、血肉にされている。しかし、誰がこんな事を?と疑問を持つ者はいなかった。何故ならその化け物は夜な夜な現れて人を襲い、朝になると忽然とその姿を消すからだ。そう、人々は「誰か」ではなく「何か」に食われて死んでいった。そして、その「何か」による事件を解決するために他国からFBIやら名だたる格闘家やらがやってきたがそいつらも全員食われた。
どうにもならない自体に国王や軍さえ逃げだした。逃げ道のない平民はどうしたかって?食われた。俺を除き皆食われた。たまたま俺は化け物の味に合わなかったのか、臭かったのか分からんが吐き出されて生きている。ふざけんな、なんで俺だけ不味いって吐き出されるんだ!
しかし、20年も経てば慣れてしまうもので俺はこの化け物を「奴ら」と呼ぶようになった。そして俺はこの街から出て行った。
だが、奴らも俺と同じように街から出たのだ。食料、つまりは人を求めてだ。そして奴らは伝染病のようにあっという間に世界中に広まった。奴らは人を食って、食って、食いまくった。今や人間よりも奴らの数の方が多いのでは無いかと俺は思う。
それから2年間、俺は気ままな旅をしている。ああ、昔は良かったなと少し懐かしみながら街をぶらつく。しばらく歩き回っていればふと目に入る物がある。それは教会だった。
「あ」
ふと思い出すのは友人が俺に告げた言葉だ。俺の親友は少し変わっていて神を信じていなかった。曰く『祈っても何も変わらない』だそうだ。当時神父が聞いたら卒倒するような言葉に俺はため息を吐いていた。しかし、今思うにその友人の言葉は正しかった。俺は教会に入る。安全地帯のないこの時代に建物はありがたい。俺は奴らが居ないことを確認すると、タバコを咥える。そして、煙を吐く。まぁ、火はついていないので吐くふりだが。その時俺の腹がなった。食料は既にそこがつき、ここ数日何も食べてない。奴らは人しか食べないが、人々が逃げたり暴れたりすることによってほとんどの食べ物が台無しになったのである。教会に行けば何かあるかと思ったが、所々に屍が倒れているだけで目星いものは無い。そのとき、俺は血の匂いを感じた。まだ新しい血の匂いだ。なぜ分かるかって?ここ20年間、ずっと血の匂いばかり嗅いできたからだ。奴らは神出鬼没で俺が旅するところは既に奴らが食い荒らした跡ばかりだったのだ。
「新鮮な血……生きている人間がいるのか?」
俺は気配を消し、血の匂いを辿る。どうやら大通りの方にいるらしい。俺が大通りに出るとそこには腰が抜けて立てない老人と、その前でへたり込む少女が居た。
「化け物め!」
老人はそう叫ぶ。しかし、老人は肩を負傷しているらしい。血がボタボタと肩から流れている。一方、少女は震えており動けそうにないようだ。そして俺は化け物を目撃した。それは人の形をした3メートルはあろう巨体だった。そして大きな斧を持っていた。恐らくこの老人たちはこいつから逃げていたのだろう。しかし、老人が逃げた先は行き止まりだったようで、追い詰められたようだ。
俺は勝てない相手に喧嘩を売るようなバカではない。俺はそいつに気付かれないうちにすぐさまその場を去ろうとしたが、少女の言葉に舌打ちをする。少女はこう言ったのだ。
「私が身代わりになるから、怪物さん。おじいさんを助けて」
奴らの食い意地は凄まじく、胃袋は底なしだ。それこそ22年間旅してきた街のどこにも生きた人間はほとんどいなかったくらいだ。1000万人の大都市でさえ食い尽くしたのだから。だからきっとこいつは老人も少女も食べてしまうに違いない。にも関わらず、少女は真剣な眼差しで化け物に助けを求めたのだ。俺はまた舌打ちした。幸い俺のバッグには傷薬が残っている。老人を助けることは可能であろう。あとは……。
「おい、デカブツ!!」
俺は叫ぶ。化け物は俺を見た。
その血走った目に俺は悲鳴をあげそうになるが、直ぐにナイフを構えた。
「俺と闘え!」
化け物は斧を構える。
少女と老人は驚いていたが俺は続ける。
「安心しろ、二人とも俺が助け出してやる!」
俺はナイフをそいつ目掛けて投げつける。そのナイフはそいつの目玉に突き刺さった。あまりの痛みに大声を上げた。鼓膜が破れるほどのけたたましい声だ。近くにあったビルはその音に崩れた……ってまじかよ!?そう俺は驚きながらも少女を見る。少女はその声やそいつが苦しむ姿を見て驚きのあまり悲鳴をあげた。俺はそいつがもがき苦しんでいる間にバッグから傷薬を取りだし老人に投げつける。
「それを飲めば動けるようになる」
そして、俺はまだ怯えている少女に目を向ける。確かにこの姿を見たら普通は怯えるだろう。だが、今は怯えている場合じゃない。早く逃げないと食われるんだ。
俺は叫んだ。
「おい、お前!爺さんを連れて逃げろ!」
少女はこくこくと何度も頷く。そして、老人と一緒に急いで逃げ始めた。そいつは直ぐに刺さったナイフを目玉から抜き、俺に斧を振り下ろした。俺は斧を避ける。斧が当たった場所には小さなクレーターができていた。俺は怯みそうになるが心の中で強く強く叫んだ。
俺が勝てないのは初めからわかってることだろ。
少しでもいい、少しでも長く時間稼ぎをしなければ!!
俺はカバンから包丁を取り出し、そいつの体に突き刺した。しかし、あまり効いている様子はなかった。俺はそいつに殴り飛ばされ、壁を突き破り民家に倒れ込む。
「がはっ!」
口から血が出る。
どうやら内臓がやられたらしい。
俺はなんとか立ち上がり、包丁を構える。
「クソッ」
俺の意識は朦朧としている。
正直いってこの場で命乞いをするか、逃げ出したいくらいだ。
だが、俺はあの少女の言葉を思い出す。20年間。奴らが現れてから20年間。俺は家族を見捨てた人間や、他人を蹴落としてまで生き残ろうとした人間、国を捨てた国王や兵士たちを見てきた。だが、その逆に誰かを救おうとした人は誰一人としていなかった。あの少女だけなのだ。あの少女だけが、誰かを救おうとした。その理由は単に家族だからかもしれないし、その老人に恩を感じていていたのかもしれない。だが、それでもいい俺はその優しさに惚れたのだ。
俺はそいつが少女の元に行こうとするのを小石を投げて止めた。
「はぁはぁ、俺が相手だ」
俺はもう一度包丁を構えてそいつに突っ込む。
しかし、そいつは斧を振り下ろした。
「ぐはっ!」
斧が肩を斬り裂いた。俺の服が赤く染まる。肩を抑えながら俺は地面に転がった。そいつは再び俺を潰そうと斧を俺目掛けて振り下ろす。絶体絶命だった。その時だった。俺の体は勝手に動き始めたのだ。それはまるで誰かが操っているかのようで、俺の手は自動的に動いたのだった。俺は振り落とされる斧を紙一重で避けた。そして、そいつの心臓目掛けて包丁を振り下ろしたのだ。
「うぉぉぉ!!」
包丁は見事にそいつの胸に突き刺さり、そいつは断末魔をあげながら倒れていった。そして俺も意識を失った。
あぁ、せめて少女が無事な姿だけでも見たかった。
「あぁ、死んじゃった」
「死んだら食べられませんね」
一人の女と一人の男が肩を負傷して倒れている男をまるで小石を見るかのような目つきで見下ろした。そして、そのまま少女は……
グシャッ
【完】
真夜中の女の子。
無口に時は流れていく。
pm12:00のカボチャの馬車。
魔法は解けて
夜のカーテンの中で
霧になる。
真夜中の男の子。
手首には包帯が
幾重にも巻かれている。
暗い山で響く足音は
誰にも聞こえない。
「真夜中」