『真夜中の通話しよ?』
深夜2時。
1件のLINEが来る。
彼女の凛からだ。
『あぁ、いいよ。』
そう返事するとすぐに着信が来る。
「なんだい。凛。」
「あ、皐月ぃ。」
夜寂しくなっちゃって、と言う彼女。
「そうか。眠くなるまで話そうか。」
「うん!ありがとぉ、皐月。」
凛は私の彼女であり、私のストーカー。
「ねぇ、皐月。」
「ん?」
「なんで最近凛と遊んでくれないの?」
「あぁ、最近ちょっと忙しくてね。」
「いっつもそればっかり。
あの子と遊んでるんでしょ?」と一言。
「違うよ。本当に忙しいんだ。」
「ふーん?あっそ。」
額から冷や汗が出る。
「それにしても、凛といる時よりあの子といる時の方が楽しそうじゃん。」
「そんなことはないよ。」
凛といる時も楽しい。と伝えても、
凛の機嫌はナナメだ。
「あの子のこと、好きになっちゃった?」
「そんな…ことは…」
「見てたらわかるよ。でも、あの子は皐月のことそんな目で見てないよ?」
「………」
そう、だよな。
私が椛くんのことを恋愛的に見てるだけで、
あの子は…
「ね、皐月。
皐月には凛しかいないんだから。」
その声は、甘くて重かった。
5/17/2024, 12:53:52 PM