『理想郷』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ー理想郷ー
人によって理想郷は違うだろう。
それほど苦労せず幸せに暮らすこと、
大きな夢が叶うこと、
みんなが平和に暮らすこと…
理想とは尽きないものだ。
理想は沢山いても
現実とはなかなか仲良くなれず
仲良くなったとしても
それが理想郷に達するということになるか?
仮に、
それが理想郷だとしたら、
そこで浦島太郎は竜宮城についてしまう訳であって、
そこからは
もう老いていくだけってことじゃないか?
そしたら
浦島太郎がいない家族を思う様に
私たちはまた理想を語るんだろう
じゃあ、浦島太郎はどうすべきだったか?
そもそも竜宮城、
理想郷に
辿り着くべきでは無かった?
それはそれで寂しすぎやしないかい?
私がここで大事だと思うのは、
理想についてよく知ることだと思う。
竜宮城という理想郷をよく知りもせず
行った浦島太郎は
想像だけで幸福を描いていただろう
そして帰った時、
現実が初めから
理想にとっての理想を含んでいたことに
気づかなかったのだろう
アルカディア=牧歌的理想郷
由来:古代ギリシャの景勝地から
牧歌的=牧歌のように素朴で叙情的なさま
牧歌=牧童などが家畜の番をしながらうたう歌
牧人や農夫の生活を主題とする、
素朴で叙情的な詩歌
叙情=自分の感情を述べ表すこと
叙情詩=作者の感情や感動を主観的・情緒的に
述べ表した詩
素朴=人の性質や言動に飾り気がなく、
ありのままであること
アルカディアから派生する言葉の意味を調べれば調べるほど、穏やかで惹かれるものがある。
牧歌的理想郷─アルカディア。
きっと、それぞれが持つ個性や感情を尊重し、争いなどはなく、穏やかで優しい世界なのだろう。
なんて素敵な世界だろうか。
互いの存在を認め、尊重し合うことは、穏やかな安心や平和へと繋がっていく。
人の持つ優しさで理想郷(アルカディア)が作られたなら、そこはきっと誰もが幸せな楽園となるのかもしれない。
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理想郷
理想郷ではうまくいっているのに
現実ではまったくうまくいかない
これが普通なのかな…?
#理想郷
長野のあづみ野へ帰省する、
都会の喧騒離れていって、
特急列車の車窓から
手前に犀川、奥に南アルプス隆々と、
そのまた大昔、川近くの道路や山の麓の家々、
そういうものが一切無かった景色が確かにそこにあったんだろう
それはもう、実に美しかった理想郷に違いない
年の瀬の冬
しんしんと降る雪
静かな心
昔、親に怒られて嫌な気分になった時は、親が居ない自分だけの楽しい世界(理想郷)を一人で想像していた
ただ、全部自分が想像する理想世界と言うのも、結果が分かってつまらなくなってきて、結局現実と向き合う。なんて事を何度か繰り返していた。そうしている内に少しずつ思い始めた
何もかも上手く行く世の中は楽しく無い。逆に、全て上手く行かない事しか無い世の中も楽しく無い。上手く行く事も行かない事も全て平等にあって、それが分からないから楽しいんだと
そう思う様になってからは嫌な事から逃げず、向かい合う様になった
理想郷 作:笛闘紳士(てきとうしんし)
『理想郷』
「私の理想郷はね」
ベッドに寝転がる彼女は真っ白い天井を見つめながらそう言って、柔らかな笑みを零した。
「うん」
私は彼女の冷たい手を握って、ただ一言そう答えた。
「朝から学校に行って授業を受けて、放課後にはあなたと甘い甘いクレープを食べるの」
私は何も言えずに頷くことしか出来なくて、彼女の力になってあげることも出来なくて、それらが悔しくて苦しくて、泣くつもりなんてなかったのに涙が溢れてきた。
「たまにやんちゃして先生に怒られたり、誰もいない教室で歌ってみたりするの。好きな人も出来て、片思いしたり時には失恋したりするの」
彼女の美しく小さな声が私の耳を撫でる度、涙は溢れ、止まることをしてくれない。
「こんなに白くて狭い部屋じゃなくて家族がいる暖かい家に帰る。一緒にご飯を食べながら今日の出来事を話す。それが私の理想郷なの」
彼女はそう言って口を閉じ、私に視線を向けたあと、泣き出しそうな表情を浮かべた。泣きたいのは彼女のほうだと分かっているのに、涙を止めることが出来ない。
ずっと前から約束していたことだったし、覚悟を決めたから今日この場に来た。それでもいざやろうとすると震えが止まらなかった。
「本当に僅かな可能性でいつか叶うのかもしれないけれど、あくまでも理想郷は理想郷。理想に過ぎないの」
再び柔らかな笑みを浮かべた彼女は、
「やってくれる?」
と言葉を続ける。
「……うん。約束したもんね」
涙は止まらないし声は震えてしまったけれど、私はハッキリとそう答えた。
「ありがとう。そこの机に、遺書があるから。それをみんなに見せてね。あなたは私の願いを聞いただけって書いたから」
「うん。分かってる、分かってる」
これが本当に正しいことなのか私には分からなかった。それでも私は彼女に幸せになって欲しいし、彼女の力になりたいと思う。それがどんなに卑劣なことでも残酷なことでも、彼女の笑顔が見れるのならば望んでやる。そう思っているはずなのに、彼女の手を握る手と反対の、ナイフを握る手が震えて上手く動かせない。
「ありがとう。私、今すごく幸せ」
あぁ、彼女はどうしてこんなにも残酷なのだろう。私はどうしてこんなにも下劣な人間なのだろう。
彼女が浮かべる幸せそうな笑顔が私の心を無慈悲にえぐる。こんな事でしか彼女を笑顔に出来ない非力な自分に嫌悪感を抱くのと同時に、彼女を笑顔に出来る喜びを感じる。尋常じゃないと自覚しているけれど、彼女の表情を見てしまったら後戻りなんて出来やしない。
私は小さく深呼吸をしたあと、
「ずっと大好きだよ」
彼女が答える前にその柔らかな肌に刃を深く深く突き立てた。
「……わたし……も……だい……」
彼女の言葉はそこで途切れて、そこには非力な私と彼女に繋げられたよく分からない機械から鳴り響く高い音だけが取り残されて。
ナイフをそっと引き抜くと赤い液体がボタボタと零れ、真っ白い部屋が赤く染まる。
「綺麗な部屋になったよ」
私はそう呟いたあと亡き彼女にそっと口付けをして、そして彼女を見つめる。
──神様、私は彼女を幸せに出来ましたか。出来ていないのならばせめてどうか彼女を安らかに眠らせてあげてください。
存在するかも分からない、ましてや信じてすらいない存在に強く強く願う。
「ごめんね」
そして再び深呼吸をしたあと、私はそっとナイフを突き刺した。
日曜日の昼、太陽がすっかり昇りきった頃。オレは、自分の部屋で、コントローラーを手に、黙々と画面に向かっていた。
画面の中には作りかけの街が広がっている。
これは、クエストをこなして資金や資材、人材を集めて、街を形作っていくゲームだ。建築できるものの種類はある程度限られているものの、一般的な街にあるものは大抵作れる。
今は街の中心となる役所を建て終わったところだ。
オレは、自分の頭の中に作りたい街の形を思い浮かべながら、次は何を作ろうか思案する。
学校か、病院か……。迷って、次は病院にすることにした。
そして、クエストを受注して、街はずれの森へ資材を集める旅に出た。
数時間後。日もだいぶ傾いて、窓から入る西日が眩しくなってきた。オレはコントローラーを置いて伸びをする。何時間も夢中でやっていたから、肩と背中がだいぶ凝っていた。
画面の中の街は、まだ理想の3割程度しかできていないが、明日のことを考えて、今日は終わりにすると決めた。まだプレイしたい気持ちを抑えてデータをセーブし、電源を切る。
オレはもう一度座ったまま伸びをして、そのままの勢いでゴロンと後ろに寝転んだ。
日曜日の夕方、集中してゲームをした後、心地よい疲労感に包まれる時間がオレは好きだった。
来週はどこまで進むかな――。
狭い部屋の狭い画面の中の小さな理想郷を思い描き、オレは心を踊らせた。
僕の世界に君がいた
君は僕に尽くしてくれた
寝て目が覚めると
そこには君はいなかった
嗚呼夢だったらいいのにな
なんて思っても
これもまた夢の1部
理想郷
絵に描いても
私はいつも
その場にはいない
甘やかな
香りは好きなのに
歳をとって
膝や腰が痛くて動けなくなったら
大きなスクリーンを買いたい
窓くらい大きなテレビでもいい
日がな一日 好きな風景を映すのだ
私はインドネシアの
湿気のある空気が好きなので
熱帯林のストリートビューを
映してもらいたい
冒険に行くことは出来ないが
インドネシアの森を
毎日ながめたい
つきつめて考えないと
自分の理想郷はわからない
私は 木々に包まれて
眠りたい
同じ月見ながら言葉贈り合い
理想郷にいる気がしていた
現世では叶わない求めないけど
あなたをもっと感じたかった
♯理想郷
、、、、、、、、
私のユートピアに
あなたは欠かせない
最後にそう書いてある本を閉じたのを覚えている
確かその本の名前は
想像
、、、あ、何だ夢か
あれも想像の一部だったのだ
普通が一番?
って聞くけど
お金はいっぱいあった方がいいし 贅沢したい
理想郷…
別の星からみれば
地球こそが理想郷らしいよ。
理想郷。なんだろう。
子どもが笑顔で
夢を描ける世界。
あとは、皆もう少し
余裕を持って生きる事ができる環境。
頑張りすぎてるんだよね。
いっぱいいっぱいだと続かないよ。
隙間がある毎日が、余裕を作る。
そうして自身を大切にするとさ、
幸せ度数増えると思う。
理想郷は
探すものではなく
作るもの
作ろうとすれば
手に入るもの
とある人の理想を実現した世界。
理想郷というのは、現実にないものを求めてでき上がるものでは無いだろうか。
しかし僕はないものねだりな人間である。
理想郷にたどり着いた瞬間にまた別の理想郷を創りあげる。
今の世界もその理想郷サイクルに入ってるのかも。
(理想郷)
〈理想郷〉
皆は天国が1番楽しく優しくルールが無く辛くない場所と
逆に地獄は拷問があり辛い場所だとそんな理想郷を誰が言ったんだが、笑
天国は逆に優しいが故に殺しも何でも許されてしまうのでは無いのか?
地獄はちゃんと業務をしルールがある。
と言うより本当に天国地獄なんてあるのかそんなものが無いから幽霊が存在しているのでは無いか?
筆者(何を書いてるか意味がわからなくなっちゃった)
#10
理想郷は完璧とは言えない。
何故って、無いものが多すぎるからね。
「お?」
実家の花壇に花を植えるべく穴を掘っていたところ、なにか硬い物をカツンと掘り当てた。
下水管か?
こんな浅いところにあるわけないと思いながらも、丁寧に周りの土を取り除く
そして出てきたのは、小さい頃埋めたタイムカプセルだった。
「懐かしいな……」
小学生の時だったか、当時の宝物をこのタイムカプセルに入れて埋めた
何を入れたかまでは覚えてない。
それにしても懐かしい。
「開けてみよ」
私はタイプカプセルのふたを開ける。
当時のお宝、いったいなんだろう。
昔のおもちゃだといいなあ。
……だってプレミアがついて高く売れるんだよ!
思い出?
そんな腹の膨れない物よりは金だ!
金があれば、欲しいものが買える。
世の中金だよ!
そして私は勢いよくカプセルの蓋を開け、そして出鼻を挫かれた。
タイプカプセルに入っていた物は、ちゃちな玩具の金庫だったからだ。
なんで金庫があるのか……
私は古い記憶を掘り返す。
そうだ。
宝物を入れる時悪い奴が見つけたら大変と、宝物を金庫に入れたのだった。
なので玩具といっても、番号を入れないと開かない本格志向。
プラスチックで出来ているとはいえ、黒く塗ってあってなかなかの貫禄である。
けれど、その点はさして問題ではない。
問題は、そう!
番号が分からない!
一応、金庫を壊す選択肢もあるけどそれは取りたくない
中のものに傷がついたら、価値が無くなってしまうかもしれないからだ。
破壊は最後の手段である。
なにはともあれ、正攻法を試してみよう。
話はそれからだ。
私の誕生日――違う。
電話番号下4桁――開かない。
上4桁か?――だめ。
違う、違う、違う。
思いつく限り4桁の番号を入力してみるが、開く気配はない。
うーむ。
やりたくはなかったが、こうなったら……
番号総当たり!
時間はかかるけど、これが確実。
くそめんどくさいけど仕方ない。
あとは飽きるまでに当たればいいだけだ。
じゃあ、最初の番号0000。
カチッ。
「あっ開いた」
初期設定のままだったか……
せっかくやる気出したのに急に梯子を外されたようで、なんだか恥ずかしい気持ちだ
ま、いいさ。
これを開けたという事は、お宝が手に入るという事。
では御開帳!
小さい頃のお宝はとはいったい……
「へっ?」
私は思わず変な声を出す。
誰かが見ていれば、さぞ笑える顔だったに違いない。
私は金庫の中から宝物と取り出す
金庫から出てきたの――それは丸くてフワフワのタンポポの綿毛だった。
金庫にしまってあったから湿度がいい具合だったのか、それともただの奇跡なのか?
まるで、さっきまで地面に生えていたような瑞々しさ。
私は目の前のタンポポに目が釘付けになる
これが宝物?
たしかにタンポポの綿毛は、この歳になってもそそるものはある。
けれど、小さいとはいえこれを宝物と呼ぶには無理がないか……
どちらにせよ、金になるものではない。
がっかりだ。
そうして私が落ち込んでいると、急に強い風が吹いた。
するとどうだろう。
待ってましたと言わんばかりに、タンポポの綿毛が風に乗って飛んでいく。
私の視界を白く埋め尽くす綿毛たち。
その光景を見て、私は思い出す。
そうだった。
小さい頃、私はタンポポの綿毛がを吹くのが好きだった。
まるで意思を持っているかのように、新天地へと向かう姿はとても幻想的だ。
命を繋ぐ尊い光景。
それこそが私の宝物
「綺麗だな」
私はすぐに見えなくなった綿毛を思いを馳せながら、あの頃を懐かしく思い出すのであった