『涙の理由』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
涙の理由
「涙の理由は聞かないから。ただ僕がそばにいるよ……。」
なーんて歌の歌詞を時々耳にするけれど、果たしてそれで世の女子たちが納得するとでも思っているのだろうか?
たぶん作詞者は男性なんだろうなと推測する。
そういうオブラートに包んだ曖昧な優しさもあるにはあるのだろうけど、私にはさっぱり響かない。
少なくとも私が恋愛絡みで泣いていたならば、ガッツリそれに向き合ってくれる男がいい。
何だか知らないけど親切な振りをして、四六時中そばにくっ付いていられてもはっきり言って迷惑だ。
むしろ……
「どうした?君にそんな辛い思いをさせる奴はどこのどいつだ!俺に洗いざらい話してみろ。何時間だって聞いてやる。場合によっちゃそのあとそいつのところに乗り込むぞ!!」
ぐらいの熱量を持って接してくれる男の方が断然信用出来るし、たぶん一発で惚れてしまう。
でも、今時代は令和だからなぁ。
もうそんな男は絶滅してしまったのかもしれないな。
お題
涙の理由
人を愛せない俺なんかのために流すその涙の理由を、教えてくれ。
「涙の理由」とかけまして
「波がなくて静か」と解きます。
その心は「泣いてる/凪いでる」でしょう。
【涙の理由】*124*
最近泣いてないかも
食事中になんかツボにハマちゃって涙出るくらいみんなで笑ったことはあったかぁ笑
後はドラマでうるうるくらい
泣くことも怒ることもあんまりないかも
喜怒哀楽の『喜』と『楽』は得意なんだけどな♪
そういえば…今日職場で同僚がキレてたなぁ
私にぶちまけることで少し気持ちを落ち着かせて何とか切り抜けられたらしい
切り替えできて安心したけど
まだ怒りはおさまってないよね、きっと
またいつでも話は聞くよ〜
――。
放課後わたしは教室に忘れ物をした
教室に行こうとした途端、
泣き声が聞こえる
「これは××、じゃないかな」
「××!!」
「え、?なんでいるの、」
教卓の後ろでちょこんと座って
シクシク泣いてた
「なんで、泣いてるの?
失恋?」
「違う、言えないなんで泣いてるのかは」
【涙の理由】
『涙の理由』
sumika Lovers
このタイトルを聞いて、
この曲を思い出した。
いい曲だから、みんなも聞いてほしいな、
悲しい、寂しいよりも、楽しかったなぁ、素敵な時間だったなぁと思い出して。
涙の理由を明かさないでいる予定だった。
普段は強固なパスワードで保護しているが、その瞬間だけは隙を見せた。
画面スリープせずに、彼女は立った。
そのスマホを一度でいいから確認したい、見てみたいと思っていた同棲の彼。
無防備に遠ざかっていく気配、服のこすれ合う感じ。ドアの閉める音。その後に聞こえるシャワーの蛇口。ひねる。
このときしかないと、言語道断の指紋を付けた。
付き合っている人のスマホを見てはいけない。
どんなに気になっていようとも、尊大な疑心を抱いていようとも。でも、でも……。
メール、LINE、SNS。
一応ゲームアカウントもチェックした。
特に心配したことの形跡は見当たらなかった。
良かった、という意味の、ふう。
彼女のシャワーは彼の三倍の時間がかかる。
まだいじくっててもいいだろうと彼は考えた。
ネットサーフィンでもしてやろうか。
あわよくば履歴をのぞいて……と思ってアプリを開くと、直前に開いていたページが画面に浮上する。
とある人のNoteだった。
もしかして、自分で書いた文章なのか。
スクロールで内容を遡って見るが、0.5スクロールで最上部に達した。投稿タイトル、一分で終わる本文。
どうやら、嘆きのものだった。
「あなたのいた席はずいぶんと長い道程の果てにたどり着いたものだった。それがたった一度の過ちで、今では地の底へ。
いっときの感情のもとに切り捨ててあげてもいいのだが、ファンにも矜持というものがある。ハトがカラスになったとしても、鳥好きな人でありたい。」
除菌シートを一枚とり、画面を傾けた。
不躾の指紋を拭き取る時に気づいた。
すでに乾いた、いくつもの涙の雫の痕跡が。
彼女は十年ほど推していたらしい。
高校生のつらい時期を乗り越える糧にしていたらしい。
一方彼は、まだ三年くらいしか推されていない。
同棲期間はまだ三カ月。
彼女はシャワールームに留まっている。
涙の理由を可能な限り排除する予定だった。
スマホの画面をきれいに拭い取ってから、彼はこたつから立ち上がった。
風に乗って、薄っすらの笛の音が聞こえる。物心ついた頃から、自分を慰め続けてくれていた音が。
「――やっぱり、島が恋しいですか?」
ロレーナに声をかけられて、島をぼんやりと見上げていたオリエは我に返った。彼はばつが悪そうに頬を掻いた。
「いや、そういうわけじゃないんだ」
二人はこの間、めでたく結婚した。今は、彼の生まれ故郷になる島を出て、別の土地で暮らしているが、今日は久々の里帰りだ。
ふっと遠くを見ながらオリエは口を開いた。先ほどから浮かない顔――いや、どちらかというと、愁いた顔をしている。彼がそんな表情をする心当たりが、ロレーナにはなかった。
「笛の音が聞こえるんだ」
「笛の音、ですか」
鸚鵡返しに答えながら、彼女は首を傾げた。耳を澄ませてみるが、聞こえるのは潮騒の音のみ。ロレーナには聞こえない。
不思議そうな顔をしている彼女に、オリエは翳りのある笑みを返す。
「君には聞こえないかもしれない。もしかすると、俺にしか聞こえていない、幻の音なのかもしれない」
そういう彼の表情があまりにも切なげで、ロレーナは眉を八の字にした。触れてはいけないやわらかなところに触れてしまったのかも。
もう一度、彼女は耳を澄ませた。しかし、聞こえるのは潮騒のみ。どれだけ辺りの音を手繰っても、笛らしき音は聞こえてこなかった。
「物心ついた頃から、その音を子守歌代わりにしてきててね」
彼に両親がいたっけ。ふと疑問が浮かんだが、口にするのは憚られる。ロレーナの記憶が確かなら、この島に暮らす人々は、みんな実の親を知らない。それは、オリエとて例外ではない。
黙り込んだロレーナに気づいたオリエは、苦笑を浮かべた。何となく彼女の頭を撫でながら言った。
「別に、親がいないのを寂しいとか、悲しいとか、思ったことはないよ。俺たちには親方様がいたから」
ただ、少し物悲しげなその音色が、いつも心に隙間風が吹いたときに慰めてくれていた。それは、いるかわからぬ両親を想う自分を慰めるかのようであり、あるかもわからぬ故郷を思い起こさせる。そのせいか、この島が故郷というよりは、この音が自分の故郷であると感じる。ただ、それだけなのだ。
「オリエさん……あの、どこか痛いところでも?」
振り向いたロレーナは、オリエを見て、驚いたように目を見開いた。彼の両目から大粒の涙がこぼれていたからだ。
「ああ、いや、いいんだ。大丈夫だよ」
この情動が郷愁というのかもしれない。子守歌代わりにしてきたこの音が聞こえるとき、強い郷愁を覚える。それは耐え難いほど心を強く揺さぶって、どこからともなく熱い涙を流させるのだ。
涙の理由
(メイン機睡眠計測のため本稿を下書きとして保管)
2023.10.11 藍
私は、ソフトクリームが好きだった。
バニラを頼むのが定番で、ソフトクリームが売っている場所では必ず買って食べていたのだ。
繁忙期が終わり、久しぶりの休日。
しばらく職場と家の往復でしか外に出ていなかったので、久しぶりに出かけることにした。
こうして家を出るのは何ヶ月ぶりだろうか。
ずっと家に引きこもっていたせいか、出かける時の楽しみ方というのも忘れてしまった。
ふらふらと、宛もなく歩いていると、ある看板が目に入った。
『ソフトクリーム……』
そういえば昔食べていた気がする……。
最近は胃に入ればなんでもいいと、適当にコンビニで買ったものばかり食べていた。
ソフトクリーム屋の誘惑に負け、私はレジカウンターへと進む。
「いらっしゃいませ!!何にしますか?」
ニコニコと店員さんが聞いてきた。
店員さんの眩しい笑顔に狼狽える。
『う……あ、バニラで、』
「バニラですね!!300円になります!!」
私のオドオドとした注文もしっかり聞き取り、笑顔で返してくれる。
急いで財布を取り出し、料金を払うと店員さんは元気よく返す。
「では少々お待ちください!!」
一言一言に元気や明るさを感じる。
接客業の鏡だなぁと、しみじみ思った。
店員のお姉さんに感心していると、あっという間にソフトクリームは完成していた。
「はい!どうぞ。」
ゆっくりバニラのソフトクリームを差し出してきたので、慎重に受けとった。
少し歩いて、道の広いところにベンチがあるのを発見したので、そこで食べることにした。
ぱくりと一口頬張ると、バニラの甘みがふんわり口の中に広がった。
『美味しい。』
ぱくぱくと食べていく。
食べていくうちに、この甘さが好きだったなとか、子供の頃落として大泣きしたなぁと思い出が蘇ってくる。
思い出せば色んな人と食べた気がする。
小さな頃は母と。
学生の時は友と。
そして、
かつて付き合っていた “彼” とも食べていた。
私はバニラ味を頼んで、彼はチョコ味を頼む。
お互い一口ずつもらって、「前のところよりも美味しい」とか『今度はそっちの味にしようかな』と何の変哲もない会話をする。
それがお決まりのデートだった。
『……あ、れ。』
涙がスっと頬を伝う。
そういえば、彼を失ってから泣いたのはいつだったか。
考えてみれば、最後まで笑顔で見送りたくて彼の前では泣かないように気を張っていた。
気づけば一人の時でも涙は出てこなくなった。
そうか、
今初めて、彼を亡くして泣けたんだ。
隣を見ても違う味を食べて笑う彼はいない。
その事実が胸を締め付けた。
『ふっ……うぅ……』
今まで貯めていたからか、涙を止めることは出来なかった。
その中でも、ソフトクリームを頬張る。
甘かったはずのソフトクリームはしょっぱい味がした。
「お姉さん!?大丈夫ですか!?」
先程の店員が血相変えてこちらに走ってきた。
きっと休憩時間だったのだろう。
「すみません!!味美味しくなかったですか!?あ、今からでも作り直しましょうか!?」
店員はアワアワと私の周りで動き回る。
時折、「どうしよう」とか「店長に相談……」と呟いている。
唐突な事だったので私はキョトンと店員さんを見てしまった。
慌てて動き回っている店員をベンチでキョトンと眺めている女性は、傍から見たら余程不思議な光景に見えるだろう。
『ふっ。ふふふ……』
とうとう堪えきれず、つい吹き出してしまった。
店員は急に笑い出した私を見て鳩が豆鉄砲食らったような顔になる。
そして涙を指で拭って答えた。
『いいえ。とっても美味しいです。』
#涙の理由
周りは言う。
『今は大事な時期だから』
『今後、後悔するかもしれないから』
『人生で初めての大きな選択だから』
分かってる、分かってるよ。
そんなの自分が一番分かってるんだよ。
周りはまた言う。
『貴方は元が賢いから頑張れば大丈夫』
『貴方の実力ならこの高校でもいけるよ』
『貴方は賢いから、後悔しない選択をね』
元は賢くなんか無い、それだけ努力してんだよ。
後悔しない選択?賢い所に行かせたいだけだろ。
其れは私の選択じゃ無くて、アンタの選択なんだよ。
"期待"なんてしないで。
期待したら失望させた時に私が一番苦しいんだよ。
その期待も!!私が一番苦しめられてるものなんだよ!!!
勝手に期待されて、どれだけ私が苦しいか。
失望されたら!!私はもっと苦しい!!!
頑張るほどに、周りはもっと私に期待する。
『じゃあ次はここをもっと頑張ろう!』
『貴方ならもっと上にいけるよ』
知らないよ!!
私は上に行きたいんじゃない!!
アンタらの期待から逃げたいんだよ!!!
....もう、ほっといてよ。
私、疲れたんだよ。
私が欲しいのは期待なんかじゃ無いんだよ。
それは唯、私にとっては鎖で、重りなんだよ。
私はそれが、重くて、辛くて、苦しくて、
しんどいんだよ。
だから、やめてよ。
私が押し潰されるから。
なんて、そんな事言ったって、
また "期待" するんでしょ?
お題〚涙の理由〛
「あ、ごめん…。」
俺は慌てて、ドアを閉めた。涙の理由は聞かなかった。
彼女が乗り越えてきた、さまざまな苦難を、いつか教えてもらえたら、と思った。
【涙の理由】
夢の中にふたりきり
あなたは独りで泣いていた
わたしはあなたを見つめている
「あなたは誰なの」「何で泣いてるの」
そう尋ねても応えはない
透明人間になったみたいに
わたしの意識はふわふわと漂うばかり
あなたは只々泣いている
つまらない意地を張るわたしの代わりに
涙の理由は聞けないけれど
きっと答えはわたしの中にある
あなたの幸せを願って
あなたを忘れてしまわないように
わたしは目を覚ました
「涙の理由」
ただただ寂しくて
自然と涙が出てくるの。
どんな気持ちなんだろう
一体今の自分の体には何が起きてるの?
自分のことなのによく分からない
冷たい雫が頬を伝う
悔しい?寂しい?虚しい?
自分の思った通りに行かないことが多いのは分かってるのにね。
気分が不安定だとこうなってしまう
#涙の理由
彼女は泣いていた。
僕は、慰めたかったけど出来なかった。
若かったからだろうか。
今なら出来るのだろうか。
きっと、できない。
僕が泣いていたときはそっとしておいてほしい。
この違いで彼女はいなくなったのかな。
僕は慰められることないと知りながら泣いていた。
理由なんて他人がわかるものじゃない。
理由なんてわかろうとすればするほど、
わからなくなると思う。
その涙はどんな涙?
心の中で聞くだけでいいと思う。
#涙の理由 -33-
私の気持ちを伝えたい気持ちと、上手く伝えられないもどかしさ。
泣いてるの?
そう聞かれたら 言葉など 出せるわけない
あなたのせいよ
#短歌 #書く習慣 20231010「涙の理由」