『海へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
階段を下り砂浜に立つ
足が砂に沈む
靴を脱ぎ裸足になる
砂はひんやりとして心地良い
夜明け前でまだ薄暗く辺りに人気は無い
少し強い風に髪が乱される
沖合で白波が立っているのが見える
ザクザクと砂浜を歩く
少し進んだ先で腰を下ろした
砂に手をつくと砂以外のものに触れた
シーグラスだ
私の手が触れていたのは水色
その向こうには緑色のシーグラス
更に向こうに茶色のシーグラス
よく見ると彼方此方にシーグラスが見える
1つ2つ拾う
3つ4つ拾う
気付けばすっかり夢中になってしまっていた
空が白んでいる
両手いっぱいのシーグラスを波打ち際で濯ぐ
濡れたシーグラスを1つ目の前にかざす
それと同時に日が昇り始めた
シーグラスが太陽の光を浴びてキラキラと輝く
ああキレイだ
気に入ったものをいくつかポケットに入れる
良く解らないが満足だった
心が満たされたような気がした
またザクザクと砂浜を歩く
砂を払って靴を履き階段を上がる
またこの海に来よう
輝く海を見ながらそう思った
―――海と私
#51【海へ】
浜辺に、海藻じゃなくて貝殻の落ちている海へ行ってみたい。
白い砂浜。打ち寄せる波は淡いブルー。
そんな、理想郷のような海へ。
『海へ』
浦島太郎っていう物語、知ってる?
あの話に出てくる竜宮城って実在すると思う?
私は、あると思ってる。
きっと、黄泉の国より素敵なところ。
え、理由?
だって城から帰ったとき、
地上ではとんでもなく長い時間が経っているでしょう?
てことはさ、
あの子もあの子もみーんないなくなってるってことでしょ?
そんなの、最高じゃん?
だから、探しに行くの。
え、見つからなかったら?
なにいってるの?あるニきマッてるデショ?
だって、
一昨年行った女の子も
その次に行ったお祖母ちゃんも
一緒に行ったお祖父ちゃんも
去年行った男の子も
10か月前の女性も
5ヶ月前の男性も
みーんなみんな
カエッテコナカッタンダカラ。
#海へ
小さな頃から、海の中で彷徨う夢をよく見た
魚の大群が前から来たかと思うと
ものすごい勢いで横を通過して行き
息が止まりそうになる夢
子供の頃は恐ろしさと苦しさで目が覚めていたけど
大人になると同じ方向に泳がなきゃと焦って目が覚めるようになった
そのうち違和感なく海を漂う夢を見たら
安心して最期を迎えるので
わたしの灰は海へ放ってください
海に逝くために
海を見てると自分が考えることなんか小さく見えて、どうでもよくなるらしい。
青くて、キラキラしてて、皆が楽しそうにしてる。
そんな場所なんだと聞いたことがあった。
私も海にいってみたいな。
あ、でも死んだらみんな海に還るんだって。
そしたら海を見てみたい。
海へ
海へ足を進めるか
空へ足を進めるか
高く高い
深く深い
場所を求めて
題:海へ
あなたの海は何色ですか。
みんなが知っているのは青だよね。
でも自分の中にある感情の海では
何色になるか想像してみてよ。
感情だから、その時によって変わると思う。
死ぬ時は何色だろう。
愛で溢れて死んでいきたい。
ピンク色かな。
あなたが死ぬ時は何色だろうね。
あなたもピンクがいい?
それとも青色?
とりあえず私は、死ぬ時ピンク色の広い海へ行けるように
頑張ってみるよ。
あなたも頑張ってね。
夜にひたすら海をみていたあの日。
満月に照らされた海はとても綺麗だった。
私はただひたすら海を眺めていた
海に引きずり込まれそうな感じがした
そして「海の1部になりたい」と思った
少しして自分の頬が濡れていることに気づいた
無意識のうちに涙が目からこぼれ落ちていた
私は海に向かって走った
海の上を走れるような気がした
私は、夏が好き
青い空に、冷たい海
どちらも暑い日にとってすばらしいものだ
特に海は、小さい頃からずっと楽しみにしている
シーグラス
ドロップの様には 甘くない
宝石の様には 輝きもない
元の姿の面影もない
ひっそりと 砂に紛れる
ただ 貴方が拾い上げた その一粒は
永遠に 甘く 輝き 私の糧となる
世の中上手くいく事ばかりでは無い
いつになったら幸せになれるのか⋯
もう、恋愛の仕方忘れてしまった
友達のつくり方も忘れてしまった⋯
病気になった時にそのまま亡くなった方が良かったのかもしれないなぁ⋯
海へ
「世界のさ、果てに行ってみたかったんだよね」
「……ん?」
「世界の果ては一体どこだろうって考えて、思い浮かんだのが海だったの」
「ほう?」
「だからね、海へ行ってきたの」
「それで?」
「世界の果てだと思ったのに、果てじゃないんだって」
「ふむ」
「はじっこですらなくてさ、ただただ世界は続いているだって」
「うん」
「……最果ては、ないって」
「……」
「じゃあ、お母さんどこに行っちゃったんだろう」
「海」
真っ平らの下に
命が詰まっていて
いろんな生き物が
生活してる
食べたり食べられたり
命を育んだり
求愛したり
巣を作ったり
そう考えると
同じ地球で戦争したり
兵器作ったり
制裁したり
差別したり
糾弾したり
搾取したり
まあいろいろとやってる人間は
つっまんねぇなあとか思う
海は広いな大きいな
行ってみたいな
戦争のない世界
薄暗い空に濃い灰色の雲が広がって
何年ぶりかに見る浜辺からの景色は
お世話にも綺麗とは言えない。
波打ち際で
空の色を飲み込んだような波はうねりをあげて荒立っている
「一緒に生きるって言ったのに…」呟いた言葉は
渦巻く海風に悲しげに吸い込まれるように消えた
あなたのいる海へ
『海へ』
夜の静かな海に1人の男の水に喘ぐ声と波の音。
波は男を弄ぶように右に左に押し流す。
男は少しでも空気を取り込もうと水面に顔を上げるが波が押し寄せ口に大量の水が入る。
男はたまらず咳き込む。
すると海は、急におもちゃに飽きた子供のようにこのゲームを終わらせる。
大きな波が男に押し寄せ岩礁に叩きつけられる。
骨が折れる鈍い音がし、一気に深海に引きずり込まれる。
呼吸が途絶え、心臓が止まる。
**
男は自分の家の前に立っていた。
太陽は傾き初め、辺りに紅い光を落としていた。
「死なないと」
波音響く 海へと歩み寄る
水際まで 足跡を描いて
ここから先は 遥かなる境界
あなたの領域
#海へ
純白のワンピースを纏う鴎。
君は藍色と青色の境界線を
縫うように羽ばたいていった。
ちっぽけな僕が出来るのは
それを見届けることだけ。
神様、どうかどうか--。
彼処に手が届くような
翼をください。
【海へ】#25
夢が叶った。川の中で新たに目を覚まし、それを実感する。体を動かせば光の差し込む美しい水中を自由に移動できる。両脇を通り過ぎていく同僚達は流れに従って下って行った。
私は魚になったのだ。
嫌なことから逃げるために魚になったのだ。
ここには私が嫌いなものは何もない。照らされた新緑の藻にまあるい石、それらは私の心を高らかに躍らせてくれた。
水中をたゆたいながら私は自由を謳歌する。水流の音だけが心地よい。
しかしそれは不意に雑音によって掻き消された。人の声、ああ忌まわしき人の声だ。
私は逃げるように水流に沿って前へ進む。煩わしいノイズから逃げる、ああ、逃げるのだ。かつてそれを悪と謗られたことを思い出して、記憶を振り払うように泳ぎ続けてる。
もっと先だ、人の居ない場所がいい。もう誰の声も聞きたくないんだ。
私が悪い、甘えている、何もできない、必要ない、価値がない。耳の蛸は海に流してしまおう。
声なんて誰にも届かない。陸じゃ声なんてあっても、誰も聞いてはくれない。声を奪われずとも、誰も、誰にも。
ああ、ならいっそ、このまま私は泡になろう。
はるか先の、その先へ。
海へ、
テーマ:海へ
タイトル:
憧れた人魚姫のような人生は、呪いだけが眼の前に
海は、広すぎて私達の目では境界線がはっきりしない。見えているようで、見えていない。そんな、曖昧な言葉でしか表現する事ができないのだ。
そのため、私は海に来るのだ。自分と海をはっきりと隔てている境界線も曖昧になれと想いを込めて、砂浜から海へと1歩を踏みだす。私の足は、海との境界線を無くしたように見えたが、浅さ故に私という存在は消えていなかった。私は、思わず口から残念と言葉を零してしまった。
海よ、君とは1つになれない。
お終い
海へ
波の音が頭に響く。
嗚咽を漏らしていても、大量の水が動く音が、すべてをかき消してくれる。
一定のリズムで行ったり来たり、慰めてくれているかのように、心を落ち着かせてくれる。
涙と同じ、塩辛い水。今までの泣いた分の涙を溜めたみたいで、寄り添ってくれるような物悲しく感じるような、そんな気持ちになる。