『海へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
鏡よ鏡よ、この世で最も醜いのはだぁれ。
顔から少しずつ身体を、水面を破り沈めていく。
可愛らしい制服はこの顔にはあまりにも合わなくて。
浴びてきた視線はこの顔で生きるにはあまりにも痛くて。
陽光を照り返す生温かい水面がどこよりも心地よく、
そして底の見えない黒い潮はどこよりも冷たく傷を癒やすように冷やしていった。
制服はあっという間に水を吸い込み、底へと引きずり込むように身体に重く掴みかかる。
生きることを思い出そうとする身体の中へと容赦なく入り込む海水は肺も胃も眼球も味わうように浸食していく。
一抹の後悔をこれでよかったのだという冷めた熱が飲み込んだ。__はじめから、こんな姿で生まれたときから手遅れだったのだ。
太陽の美すら自分とともに青く暗い底へと沈める海へともう一度問う。
鏡よ鏡よ、この世で最も醜いのはだぁれ。
そして、そんなものすら受け入れてくれるのはだぁれ。
『海へ』
もし今小学生高学年だったら、
もし今中学生だったら、
もし今高校生だったら、
もし今大学生だったら、 と考えたとしたら
海沿いに落ちてるシーガラスを集めてたら
その時は「まだ」子供だろうな。
イスに座ってお酒を飲んでいたら
その時は「もう」大人だろうな。
海へ毎年行くとしたらその分、歳をとるだろう。
「まだ子供」だったのが「もう大人」になってる
そんな事あっという間に過ぎてゆく。
日が落ちてきたので、今年も海へ。
海水浴やBBQをする人が多いかもしれないが、
貝がらやシーグラスを集めるのも思い出作りになって、楽しい。
拾ったシーグラスを海水で洗い、ビニール袋につめていると
大人になった後のこういう時間って大事だよな……
ふと、そう思った。仕事に追い込まれるばかりで淡々と日々が過ぎていってしまう。
ラムネ瓶みたいな色のシーグラスをかざして見た夕焼けは、部活後のみんなで見たあの空の様だった。
#海へ
「海へ行こう」
突然の提案に驚く隙も与えられぬ間に
気付けば二人で波打ち際に立っていた
ぶり返した涙がポロポロとこぼれ落ち
大量の塩水と混ざって境がわからなくなる
「ここなら全部流してくれるから」
そう言って背中を優しく擦る手が
悲しみをぜんぶ、外側へと押し出してくれるようだった
(海へ)
海へ(運転がんばろう)
朝
地元から海を目指す
方角は東
なので朝日がまぶしい
夕方
海から地元へ帰る
方角は西
なので夕日がまぶしい
サングラスほしいわー
海へ
海、俺の住んでる所からは遠い場所だから、
実際見た事も行ったこともあまりない。
今日、久しぶりに海に来た
ツンとするような塩の匂い、引きずり込まれそうな程に大きい波、そして大きく鳴り渡る波の音。
俺は海に来ても入ったことは無い。
いつものように貝殻や綺麗な石、シーグラスなどを記念に拾って帰る君に似合いそうな綺麗なネックレスでも作ろうかな、
いろいろな貝殻や流木で何か作って部屋に飾るのもいいかもしれない。
俺は女だけど男みたいな物とか格好とかも大好きで、それでも君は「良いね」「似合うじゃん」「好きなことをするのは性別なんて気にしないでいいじゃん」
そんなことを言ってくれた。
それに俺は救われたんだ
君に、お返しをすると共にもっとたくさんあげたいななんて思ってる
今度一緒に海に行こうって誘ってみようかな…
海へ……。
海へ行って、船の上から突き落として、サメの餌にしたい。
あの悪女を……。
人のおもいを躊躇いもなく踏みにじった売女……犯罪者の娘、人でなしの今井裕子。
海へ……。
海へ行ったら、何に会えるのか?
まあ。膿が沁みることは、間違いないだろう。
ここらへんでいっか。
私は硬い石段に腰を下ろした。
さっきコンビニで買ってきた、好物のマヨコーンパンを
レジ袋から取り出す。
会社に行く前に、ここに寄るのが最近の私の日課だ。
朝ごはんのパンを食べながら見る海はきらきらしていて、
まだ眠たい私を起こして、やる気で満たしてくれる。
イヤホンをつけて、お気に入りの音楽を再生する。
よし。今日も頑張れそう。
『海へ』
「海…行こうかな」
私は呟いた
新しく配属になった部署の仕事に慣れないのだ
どっと疲れが溢れかえる
思い出しただけでたまらない
カモメが鳴く
水面が乱反射してキラキラと輝く
どんよりとした私の世界を光らせる
これが私にとっての海だ
#上下どちらからでも読める文章
作 有栖川
海へ
海へ行きませんか
忙しいのは、知っています
だけど、だからこそ
海へ行きませんか
忙しい合間に、のんびりと
会話はなくてもいいんです
貴方が楽しそうなのはわかるから
ゆっくりと、静かに
ふたりで過ごしたいんです
海へ行きましょう
暑い日なら泳いでもいいし
波の音に耳を澄ませてもいい
きっとリフレッシュできる
翌日また頑張るために
今日は海へ行きましょう
海へ、島へ、行きたいのは本当よ。
貴方に会えるから。
貴方に会えたら何を言おう。
楽しい事が言えるように祈ってる。
迎えに来てくれたら、尚、ありがたい。
海の彼方に、まだ見ぬ島があるのなら、行ってみたい。
海より深きもの。
海より恐ろしいものはない。
嵐の日に。
凪いだ風の日に。
航海の日に。
私は毎日、航海日誌をつけている。
航海長、それが私の肩書きだ。
海より深淵を隠したものは地球上に存在しないと、私は考えている。
「皆の者! 帆を張れ! 風をきって大海原を行こう!」
「航海長のお達しだ! 全速前進!」
と、船長のエスメラルダ・ドルカスは言う。
彼女は、このエーゲ海きっての大海賊で、海賊旗はエメラルド色に、ラムの樽、刃。
風をいっぱいに受け、旗は揺れる。
そうして、大海原に波跡をつけながら、進んでいく帆船。
風は吹いている。
私たちを祝福する風が。
船頭につけられた、アテネの神様が、海図と共に行く先を示す。
行く先は、黄金の国ジャパン。
船は、大量のラム酒を詰め込み、さあ出発だ! と息をあげる船長は、長い旅の始まりに、歌を歌った。
海へ行こう
何も考えずにただぼーっと眺めよう
そんなことがすぐできる人生だったらいいのにな
海へ(𝕃𝕖𝕥'𝕤 𝕘𝕠・*・:≡( ε:)
海は広く波の音もしてる
波の音は誰かに囁いている感じがする
海はいつも綺麗だよね
心が広そうでいいな
私もそいう人になりたかった
私が憧れている海
思い出のプールはもう跡地になっていた
子供の頃に好きだった砂浜色のコンクリートも取り壊されると聞いた
だからじゃないけど
お互いの思い出をかき集めるように
海へ行こうよ
浮き輪に乗って流れるままに
波打ち際で小さな波を味わおうよ
ふたりで海へ行こうよ
君はよく海に行く。
でも、海水浴客でいっぱいになる夏は嫌いだ。
どれだけ頼んでも断られてしまう。
それで聞いてみたんだ。
「……だって。寒い冬の海に二人で行って、手を握ってもらうのが好きなんだもん」
夏の制服がビリビリに破けた。
高校生の長男のズボンの話なんですが。
11キロの自転車通学で、洗濯も最低週イチしてたから
劣化が早いかなと思ったけれども
高3のここに来て…!
職場の電話にかけてきて、
「おかーさん、ズボン破れた。マジどうしたらいい」
と静かにパニックになっていた。
とりあえず指示を出しなんとか学校へ行けたそう。
学校の前に受診で病院に行ったのだけど、
病院ではすでに破れていたそう。
仕方ないのでふつうに受診してたら
若い看護師さんが、
「わかってるかもしれないけど、ズボン、びっくりするくらい破れてるよ…余計なお世話だったらゴメン」
と話しかけてくれたらしい。
「ウス、気づいてます!ありがとうございます!」
と返したとか。
超絶おバカな息子の夏が終わります。
12「海へ」
海へ行く。
ズブズブ沈む。
口が浸かる。
頭まで浸かる。
生まれ変わる。
魚として生きていく。
さようなら。
またこん
「海へ行こうよ!」
なんて突拍子も無いことを言い出す君
「なんで海?」
「だって、もうすぐ夏も終わっちゃうでしょ?」
たしかに、今年の夏休みもあっという間だったな
夏休みが終われば段々と夏の暑さも和らいで涼しくなってくる
そう考えるとなんだか淋しいな
「別にいいけど…泳ぎたくはないよ?」
「別に泳がなくてもいいの〜!」
「どういうこと…?」
「ただただ海を見たいだけ」
やっぱりよく分からない、海を見るだけで何か変わることでもあるのだろうか…
そして部活終わり、1時間もかけて電車に揺られて海を見に行った
「やっぱ綺麗だね〜!」
「うん…」
今の時間帯は丁度夕日が沈んでくる時間帯
海に夕焼けが映り、綺麗なグラデーションとなっている辺りはオレンジに染まっていた
「今年の夏も終わっちゃうのか〜」
「別に、ようやくこの暑さから開放されると思うとむしろ嬉しいけど」
「もー、夏だって良いこといっぱいあるじゃん!」
そんな他愛もない話を砂浜に座りながら君と話す時間は思ったよりも悪くは無かった
~海へ~
海の先に行ってみたい
海を渡って、どこか誰も知らない楽園に
こっちでの全てを投げ捨てたまま
そんな想像をするだけで、なんか少しほっとするから