『泣かないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
泣かないで
数年振りの扉は想像よりも重たく感じた。そこへ足が向くまでに何万回の葛藤があったのだろう。
体重をかけながら扉を強く押した。世の中にはこんなに沢山の人間が鼓動を鳴らしているのかと思い込む位には、そこは息が溢れていた。あなたは笑顔だった。と同時に自分は体温がどんどんと下がっていく気配がした。
想像と違っていたり、理想を求めていた数分前の自分には、どんな言葉をかければいいのか解らなくなった。
正解は無い物ねだりだとしても、自分には見付けられなかった。ただ、あなたは笑顔だった。それだけで良かった。
どうか心よ。泣かないで。もう何も無いし、行き着く場所はない。ここであなたが笑顔で在るならば、それが答えなのかもしれないね。
踵を返す足取りは事実よりも重たく感じた。振り向いた先の扉の暖かさに涙は零れなかった。夜の風が吹き込んでくる。冷たく纏わりつくそれは、優しい気持ちがした。
緊張して思うように実力を発揮できないというのは誰しも経験があるだろう。不慣れなことに直面すると、人は少なからず不安や焦りから力みが生じる。
過剰に緊張して汗がとまらない、手や声が震えるという人もいる。ちゃんとやりたい、相手のことを大事に思っているから、真剣だから緊張する。練習していないわけではない、人一倍見えないところで努力しているのだ。
緊張で思うようにできないことは自分が一番分かってる。だけど、生きていれば避けては通れないこともある。辛いとばかり思っていたことが好きなことをきっかけに克服できたのは、結果的に幸せだと思う。
「泣かないで」
ころんだときには手をさしだすよ
はきだしたいときには
いつまでも耳をかたむけるよ
ひとりじゃないって気づいてね
どこかにあなたをわかってくれる誰かがいるからね
『泣かないで』
「用意できたか?」
「…うん」
いつもならまだ寝ている時間。休日の朝、私は凍えないよう着込んで、父と車に乗り込んだ。駅に向かわなければいけない。
1年生の時、クラスに馴染めなかった私に、同情でもなく、嘲笑うでもなく、ただ興味を持って話しかけてくれた親友が、今日遠く離れた街に引越しをする。最後のお見送りをするため、父に頼んで車を出してもらったのだ。
駅に着くと、いつもと変わらない姿で、一緒に買ったお気に入りの服を着て親友はそこに立っていた。
泣かないよう、笑って見送ろうと思ったのに、親友は寂しげな顔をして、目を潤ませた。そんな顔しないでよ。
「今までありがとう」
そんな事言わないで。
「泣かないでよ…」
「そういうあんただって泣いてるじゃん」
気づくと目から涙が溢れていた。
「2人して泣いてるね」
そう言って彼女が笑ったから、私も精一杯笑ってやろうと思った。
いつかまた、その時まで。
大会で惜しくも敗退してしまったらしい君。
陰でたくさん努力をしてたこと、私は知っているよ。
こんなことで落ち込んでちゃダメだよ。
前向きな君でいてくれなきゃ。
お願いだから泣かないで、私が悲しくなっちゃうな…
お題〈泣かないで〉
「泣かないで」
泣く事に意味があるうちは、いくらでも泣けばいい。
いずれ意味が無くなった時、僕は君を好きになるだろうね。
好き同士で別れてしまったら、いいことなんてない、って聞いていたけど、本当だね。
お互いの夢のために、二年半付き合っていた彼女と別れた。
付き合ったのは、高校一年生の夏祭りの時。打ち上げ花火を見ながら
「もし、俺が付き合いたいって言ったらどうする?」
と、いう問いに、赤面しながら小さな声で、いいよ、と答えてくれたのが昨日のことのようだ。
それから大きな喧嘩もせず、体育祭や文化祭、修学旅行も、二人だけの思い出も作った。
でも、高校三年生に上がってからの君は、ずっと泣いていたね。
戸惑う俺に、君が言った。
「外国の学校に行って、ハリウッドとかのメイクアップアーティストになりたい」
ずっと思っていたのに、俺が枷になっていたのかな?
受験が近づくにつれて、卒業が近づくにつれて、君は毎日のように泣いていた。
泣かないで、そう言っても辛いだけのようで。
「……別れよっか、で、夢が叶ったら、また付き合ってくれないかな? 俺も、お笑い芸人の夢、叶えるから!」
そう言って、別れて早半年。
別れていても、毎日電話をしている。電話越しで、毎日泣いているね。
「泣かないで……」
「じゃぁ、泣き止むようなネタしてみてよ」
「えぇ……」
彼女を泣き止ませることができるネタができたら、俺も夢が叶う気がする。
今はまだ無理だから、口で、泣かないで、としか言えないけれど。
俺も、がんばる。
【泣かないで】
11テーマ【泣かないで】
泣かないで
あなたは弱くなんかない
周りの人よりも心が強い
泣かないで
怪我したからって泣いていたら
前に進めなくなるよ
泣かないで
あなたは一人じゃない
皆苦労して挫折して
一生懸命前を向いて生きている
泣かないで
いじめられたから泣くの?
泣くとあなたが負けと
認めたことになってしまうよ?
一人だけ苦労して生きているって思わないで
あなたも周りの大人達も子供も皆々
挫折しても前を向いて
苦労をどれだけ重ねても
前に進めない世界を憎まずに
奥の光の道だけを目指して一歩一歩前に進む
その努力をしなければ誰もがそこで立ち止まる
そんな人にはなりたくない
そう思うのであれば
努力を惜しまず強くなりなさい
泣いてもいい
だけどそれはいいことが起きた時用に置いておきなさい
悔やんでもいい悲しんでもいい
あなたが遠くにいて、私が慰められない時は、泣かないでいてほしいと想う。
近くにいるなら、抱きしめて頭を撫でてあげられるから。
泣かないで
今なくと今あるものが全部なくなっちゃう。
だから今は泣かないで。泣いちゃだめ。
「泣かないでよ」
その言葉を聞いてしまうともっと泣いてしまう。
自分が情けないからなのか、
あなたに迷惑かけているからなのか。
よくわからない。
でも、あなたの前で泣けるのは
あなたのことを信頼しているから。
ありのままの私のことを知ってほしいから。
泣き終わったあと
楽しい話をして笑わせてくれるあなた。
そんなあなただから、好きなんだ。
『泣かないで』
#泣かないで
【言葉の難しさ】
「泣かないで?」と誰かに言われた。
誰に言われたかは覚えてないけれど、言われて良い想いはしなかった。
嫌な想い、つらい想いをしたのに「泣かないで?」なんて…意見を否定されたような気がした。
相手はそんな意味で言ったのではなく、励まそうとして言ってくれたのは分かる。
励ましてくれた相手に「その言葉少し嫌だ…」とは言いづらい。
自分も同じような経験をした事がある。
相手に気持ちを伝えるのは難しい。
だから嫌な想いをしてしまうのだろう。
悲しい気持ちがこらえきれない。
今にも泣いてしまいそうだ。
そんな胸の痛みを感じながら空を見上げると、雲が千切れて文字を作っていた。
泣かないで、
、で終わっているので続きがあるのかとしばらく見ていると、雲はまた文字を作った。
なんて言わないよ、絶対。
そうか、泣いていいんだよな。
泣かないで
どんなに人間関係に疲れたって
どんなに人に嫌われたって
取り繕った笑顔をしなくたって
他の人誰からも愛してもらえなくても
自分だけは愛してるから
そんなに悲しい顔で
泣かないで
「泣かないで」
泣かないで。なんて言えた義理だろうか。
アナタになんて声掛けていいのだろうか。
気づいてあげられなくてごめん。
取り返しのつかないその涙は、何を重ねてきたの?
想いを募らせてしまったの。
アタシは、貴方をどう思ってあげたら良かったの。
アタシも泣いたら、言えないよね。今は。
でもアタシも辛かったの。ワガママ言いに来たのに。
ズルいよ。アンタがわかってよ。
アタシ、今とてもさびしいよ。本当は一緒にいたいよ。
頑張っちゃダメ?アナタに恥ずかしくない女でいたいだけなの。
アタシに恥をかかせないでよ。
辱めを与えないで。
でもボクはお前がただ好きなだけなんだ。何も考えず一緒にいてくれるだけで幸せなんだ。ただいて欲しかった
でも、アタシを辱めないで。
アタシの居場所になって。安心させて。不安にさせないで。
さびしくさせないで。
ただ笑っておかえりって言って。
今日もアタシの頭に手を置いて、頑張ったね。
って言って。
それだけでいいの。
だから、、ずっとアタシを待ってて。
いつか、、アイシテル。。。っていうから
秘密だよ
『これをいつも楽しみにしてるんだ!』
彼が泣きながら喚いた。
子供じゃないんだからと私は呆れるが、言葉にはしない。その後どうなるかすでに経験しているからだ。
『そんなに泣かないでよ』
私は優しく声をかける。(仕方なくである)
『30年いつも楽しみにしてるんだぞ!』
彼は涙ながらに感情的になっている。普段はこんなじゃないのだけれど、余程これにはこだわりがあるようだ。
『はい』私はそれを山の上にさした。
それは、国旗がついた爪楊枝。今日はイタリアの国旗だ。
『ありがとう』そう言うとニコニコしながら食べ始める。
そんなに嬉しいのだろうか。私は疑問に思いながら、ため息をついた。
私の鞄の中にフランスと日本の国旗が顔を出している。
『泣かないで』
私って冷たい女なのかな。
みんなのように泣けないし。
別に全く泣かないってわけじゃない。
もちろん嫌なことがあったり、つらいことがあったら泣いてしまう。
けれど、部活のコンクールで金賞とったり、体育祭で負けたりしても、卒業式でも、泣いたことは無かった。
それほど本気で取り組んでなかったってことなのかな。
思い入れが無かったってことかな。
確かにみんなのように熱くはなれなかったけど、自分なりに楽しんで参加したのにな。
負けちゃったものは仕方ないじゃん。
卒業しても仲良い人とはLINEで連絡とれるじゃん。
そうやって泣いているみんなに
「なんで泣いてるの」
なんて言えるわけない
でも、理解したいとは思ってる
友達が泣いている理由くらいは知りたいじゃん
そう、私も知りたいんだよ
だから
『泣かないでよ』
泣かないで
泣かないで、なんて。泣いてる相手に言っても困らせるだけだよな。
でもどうしていいのかなんて分からなくて。
ただ泣いて欲しくなくて。
それがエゴだということは認識しているのに寄り添うことは選べなくて。
ただ、「泣かないで」と声をかける。
泣かないで
何も出来ないけど
今はあなたを
一人にはしたくない
悲しい気持ちは
分かち合いたい
涙が止まるまで
側に居るから
辛いですか?
いっぱい泣いていいと思う。
泣いて泣いてとことんないて。
そしてまた笑顔になれることが最高だと思う。
そして強くなれる!