『楽園』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
楽園
悲しみも苦しみもないのではなく、悲しむことも苦しむことも忘れてしまったのかもしれない。
涙を忘れて、傷つく心を忘れて、生のバランスを宙に浮かべて過ごしている状態というのは、多分人にとっての幸福と似た感覚でもあり、危ういのだろう。ともかく、最初の人間は追放された。
たとえそこに不時着できたとしても、この世のおよそ美しいといえるものたちがいつも刹那的であるように、永くいられる場所ではないのだとは思う。
それでも、ふとした日常の狭間に、目を閉じてみる。
そうしたら、冷たい砂漠に落ちるように、はたまた真冬の夜空が広がるように、
そこにパラダイスがあることを、夢にみる。
楽園を乗り越えてゆこうよ
日傘をさして眼をしめらせて
うずすまる広場から羽を生やして
幸福を乗り越えてゆこうよ
実になることを恐れぬように
1度だけでも楽園に行ってみたい。
名前の通り楽しい場所なのか。名前だけの場所なのか。
まだ見たことも無いその場所などんなものなのだろう。
いつか、行ってみたい。
#楽園
楽園と聞いて最初に思い浮かぶのは、楽という感情でしょうか。
それとも、その次を考えたあなたは、何を思い浮かべたのでしょうか…。
#楽園
明日も大丈夫そんな風に思ってた
この国は平和だと思ってた
あの日が来なければ…
あの飛行機が来なければ…
あの日僕は飛行機に乗って行こうと思ってた
世界のどこかにある『夢速』という場所
またの名を『楽園』
飛行機で行けると話題になったので友達と共に行くことにした。楽園があると信じていなかったので乗り気ではなかったが旅の準備していくごとに楽しくなった。
そして出発する時になった
何かがおかしい機内、奇妙なCAさん
乗客は俺らだけ…
気づくのが遅かったんだ楽園など幻想と…
何日がたっただろうか
飲まず食わずでも大丈夫だった
友達は耐えきれなくて命を絶ってしまった
もしかしたらここは本当に楽園かもしれない
だって、綺麗な草花と青空さらに春みたいな温かさ
この場所にずっと居たい…
誰が呼んでる気がするここには自分だけなのに…
おい‼️起きろ‼️起きてくれ‼️
飛行機が墜落事故してしまって、俺は軽傷だったが
こいつは意識不明の重体で毎日見舞いに来ている
いい加減起きてほしい…
俺のせいでこんなことに…
俺が楽園に行こうって言ったから…
もう1ヶ月もたっているのに…
楽園が
あるというなら
私から
心を千切って
ゆかせておくれ
【楽園】
貴方と共に過ごせる毎日は
楽園そのものだ
夫よ
幸せだよ
私は貴方の妻でいれて
ありがとう
わたしの心の拠り所
そんな場所はあるんだろうか
限られた時間の中で
思う存分旅をする
たくさんの人と出会い
様々な思いを知った
いつかそれは肥やしとなって
私の人生に花を咲かす
過去があるから今があり
今があるから未来がある
今まで歩んだ細い道や
これから歩む茨の道も
決して無駄ではないと信じている
綺麗な花には蝶が寄り
美味しい密には蜂が寄る
澄んだ空気と美味しい水
緑のたくさんある場所は
わたしの経験が生きた場所
今まで知ったたくさんの思いは
形を変えて目の前に
出会った人と歩んだ道
全てが詰まったこの場所は
いつかわたしの人生の
楽園へと変わるだろう
#楽園
ここはまさに楽園だ
私は保護猫カフェの中で、色んな猫たちに囲まれながら心の安寧をはかっていた。
やはり動物っていいな。
心が純粋で、こっちまで清らかになるような気がするんだ。
保護猫カフェから帰ってきたら、次は家で待つクロちゃんを撫で回し、二人で布団の上でゴロゴロしてみた。
クロちゃんはとにかく人の股ぐらでうたた寝するのが好きで、いまもそっとやってきては何くわぬ顔でくつろいでいる。
これぞ共依存。
お互いがいないと崩れてしまう関係なんだろうな。
#1【楽園】⠀2023.4/30
Paradise
これは夢?
花畑
しろい花
ぴんくの花
きいろの花
風にゆれる
真ん中には鐘があって
綺麗な音がなる
ひつじ
うさぎ
りす
かわいいどうぶつ
やさしいどうぶつ
夜
見上げてごらん
空には満天の星
芝生にねころぶ
手を伸ばして
あの星に手が届きそう
1番星
楽園とは天国のようなものなのかな
だれもが楽しく過ごせる
優しい世界
休日は楽園に行こう。馬がいて花々がたくさん咲いている楽園。
神様からもうなにもしなくていいよ、と言われた。
大金を渡された。
なので、会社をやめて、マンションの一室を買った。好きなことが好きなだけできるなんて思ってもみなかったので、最初は戸惑いながら生活した。
次第に部屋にこもり切り、漫画や小説を読み、ゲームを遊び、楽しい毎日を送る。
友達には知らせない。もしかしたら大金が奪われてしまうかもしれないからだ。全ての連絡先をたち、誰かと遊ぶことはオンラインでしか行わなくなった。顔も知らない人たち。もしかしたらみんな、金持ちだったり、ニートだったりするのかもしれない。
好きな物に囲まれ、よっと、高級ベッドに横たわる。ここが楽園か。
でも最期は孤独死が待ってるんだろうなあ。
ま、それでいいけど。
不登校だった私の元にある日、楽園とだけ書かれたチケットのようなものが届いた。日付が変わる十二時に窓を開けてお待ちください。お迎えにあがりますとだけ書かれている。
誰かのイタズラだろうと思いながらも、心のどこかで期待しつつ夜中を待っていた。少し仮眠を取って、眩しさで目を開けると窓の外が光っていた。真っ白な光が部屋を照らしている。窓を開けてみると、まさしく天使のような笑顔を浮かべた小学校低学年ぐらいの女の子が手を伸ばしていた。なにも言葉を発さないまま、導かれるようにその手を取った。
ふわりと身体が浮いて、目も開けてられないほどの強い光に包まれた。次に目を開けたときは、色鮮やかな花畑がどこまでも続いていた。楽園という名にふさわしい場所だった。先ほどまで手を握っていたはずの女の子もいなくなっており、なんとなく歩いてみる。裸足なのに、痛みはなく、地面は柔らかくて温かい。
すると、どこからか泣き声が聞こえた。声がする方へ走っていくと見覚えのある背中があった。すぐ近くまで来ているのにその子は私に気づかない。正面にまわって顔をのぞいてみると、私を不登校にまで追い詰めた張本人だった。思わず、後ずさる。
ごめんなさいとひたすらに繰り返している。なにに対して謝っているのかはわからない。戸惑っていると、後ろから突然服の裾を引っ張られた。そこにいたのは迎えに来てくれた天使の女の子だった。
「その子が泣いてる理由知りたい?」
首を横に振る。今さら、この人のことを知りたいなんて思えない。その場を去ってもずっと耳の中には彼女の泣き声がこびりついていた。時間だよと再び女の子がお迎えに来る。あっという間に元いた部屋に戻された。泣いている理由ぐらい聞いても良かったかもしないと後悔していた。
次の日、なんとなく保健室登校ならできる気がして三時間目が終わるぐらいの時間に学校へ行った。だが、保健室に先生はおらず空いていたベッドを勝手に使った。カーテンが閉められた隣のベッドから聞こえてきたのは昨日と同じ泣き声。
「どうしたの」
顔を見ずになら、歩み寄れる気がした。
お題《楽園》
鳥籠に守られた楽園に降る月光。
ここから出たいなんて思わなかった。
青い死神に魅入られたあの日が訪れるまでは――。
零れ落ちる砂時計の砂は語る。
ひとひらの夢幻を。
これは、死神と少女が紡ぐ泡沫奇譚。
楽園
楽園ってあるのかな?
人はエキサイティングのことや
刺激をもとめたがる
楽園は最初は
いいかもしれない
でも、すぐに飽きるのでは
ないのかな?
ある程度
歳をいけば
楽園という所は
いいかもしれない
楽園は人によって
それぞれ違うかも
しれない
楽園
甘美で幸せな
人間の堕落も受け入れて
一度踏み入れば、もう二度と普通には戻れない
楽園...
なんてあるのかな
聞いて欲しくても
抱きしめて欲しくても
今は...
どうにもならない
現実に涙枯れて
いっそ
君のいる
その場所へ
行けたら
君が笑う
楽園という名の
その場所へ
‐楽園‐
肉体と言ふ名の楔捨て
宙へいつしか解き放たれるを
夢見しやと思はば
孤独と言ふ名の自在知り
楽園追放かこち喚く
人とは知恵と言ふ名の
呪ひまうけし醜き種
『楽園』
その地は楽園と呼ばれていた。
「うああああ〜涼しい〜〜〜〜」
「今どき教室にクーラーないのマジ拷問だって」
「うるさいよ〜。涼むのはいいけど、静かにしなさい」
司書教諭に注意され、生徒たちは首を竦めて顔を見合わせた。
校内で、学生が使用できる施設で唯一クーラーの設置された場所、それが図書室。夏場のうだるような暑さは生徒たちの体力をガリガリと削っていき、限界が来た生徒たちが入れ代わり立ち代わり図書館でつかの間の休息を得ていくのだ。
生徒たちは、図書館を楽園と呼んだ。
楽園の管理者たる司書教諭は、真っ当な利用者の邪魔をしない限りは涼みに来る生徒たちを黙認してくれている。
なにせ、友達と喋ることもできず手持ち無沙汰の生徒たちは、本棚を眺めるともなしに眺めて気になった本を借りていくようになった。司書教諭としては、嬉しい効果である。
だが、昨今の夏の気温上昇は命の危険さえ感じる程だ。熱中症で倒れる生徒でも出てしまったら問題で、クーラーの各教室への設置は可及的速やかに解決されるべき課題である。まだ生徒たちには知らせていないが、設置の方向で学校も動いている。
そうなれば、この図書館の賑わいもおさまるだろう。つかの間の楽園である。
図書室に来なくなる生徒は多いだろうが、この冷房をきっかけに本に触れたものも居る。
司書教諭は、要望数の増えた本の購入リクエストに目を通しながら微笑む。
この図書室は涼を求めるための楽園でなくなるかもしれないが、本を求める者にとっては変わらず楽園であり続けるのだ。
2023.04.30
闇金ウシジマくんに「楽園くん」ていう編がある。読モに憧れた若者が騙されて、だれも幸せにならない。
はたから見れば楽園でも、中に入ってしまえば競争があり、騙そうと狙う蛇がいる。