『楽園』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『楽園』
楽園を冒険したら、楽しいだろうか。
ストレスフリーの楽園には、危ないものはないよ。
冒険しても、きっと退屈に違いない。
少しのストレスは、必要なんだ。人間には。
スポーツでも、少しのストレスがあるから、能力以上のプレーが出来たりするし、仕事も、期待というストレスあってこそ、成し遂げる達成感がある。
楽園を冒険しても、つまらないさ。きっと。
楽園か。
人を満足させる楽園を造ったのは、自分達の創造心か。
それとも…。
この汚らわしい化け物め。
おぞましい悪魔の子め。
寄るな。見るな。口をきくな。
なぜお前みたいな醜いものが生きている。
お前なんぞが生きていい場所が、この世にあると思うのか。
「さんざんそんなことばかり言われてきたよ」
彼が感情の読み取れない淡々とした口調でそう告げる。
「それは・・・・・・、悲しかったね」
「さあ、どうかな。最初はそうだったのかもしれないけれど、言われ過ぎるとそんな気持ちがあったのも忘れてしまったよ」
景色を一望できる小高い山の上。私の隣に並んで立つ彼は、そこから見える遠くの町並みへと思いを馳せていた。
彼が生まれた場所。
彼が育った場所。
けれど、決して彼を受け入れてくれなかった場所。
彼はその場所をぼんやりと眺めながら呟いた。
「僕はね、きっとずっと前から死にたかったんだと思うんだ」
そう言った彼の声はどこか安心しているようだった。
「でも自分では自分を殺せなかった。何でかな。生きている意味も生きたいという意思も別になかったはずなんだけど」
私は思わず横に佇む彼の手を取る。人と比べると少しだけ形が歪み、大きく鋭い爪を持つ、けれど、たったそれだけしか違わない、あたたかな温度の彼の手を。
「私も貴方と同じだよ」
彼は私を振り返る。柔和な顔つきに片目だけがぎょろりと赤い。その赤い目が、それでも穏やかに私を見つめる。
「私もたくさんの人に、化け物って呼ばれてきた」
私はずっとひとりぼっちだった。
私は私がどうして生まれたのか知らない。
ただ気付いたらこの世界にいて、いつまでも変わらぬ姿のまま、今日この日まで生き続けてきている。
「他の人にとって、私はただ存在しているだけで、恐ろしいみたい」
難しいね、生きるのって。
何かをしても、しなくても、間違いって言われるんだもの。
でも、私はどうせ死ぬことはできないから。
だから、こうして長い間、旅をし続けて来たの。
私の語った言葉に、彼は歪な目付きを細めてニコリと笑う。
「そうか。君は僕と違って、そんなにも美しいのにね」
ホントおかしな世界だね。
歪でも美しくてもダメだなんて。
「でも僕は、君と出会えて良かったよ」
だって初めて世界が、ちょっとだけ美しいと感じることができたもの。
「うん。私も。貴方と巡り会えて良かったよ」
だって初めて世界が、ちょっとだけ優しいものに感じられたもの。
私と彼は互いに手を繋ぎながら目を合わす。
「貴方がいてくれるなら、きっと私はこの世界を好きになれると思うわ」
はっきりと言葉にできた。これが私の今の気持ちだったから。
「・・・・・・そうか。それなら僕はこの命が尽きるまで、君とずっと一緒に居よう」
君とこの世界を旅していけば、いつか僕もこの世界を好きになれるかもしれない。
好きになったら辿り着けるかな。
こんな僕でも生きていいと思える、悲しみの何ひとつない、楽園に。
【楽園】
【別れのアイスコーヒー】
凍った星をグラスに。
アイスコーヒーを淹れた
あの星祭で一緒に拾った星々
アイスコーヒーの闇の中で
星は溶けながら輝きをとりもどし
グラスの中にあの夜空がもどった。
あの夜を思い出したら
今から彼が言おうとしている
「さよなら」はなかったことに
なるかもしれない
独りよがりの期待にかけた
おまじない。
でも、彼は、
ためらうことなくミルクを注ぎ
グラスの中の夜空を祓うと
静かに別れを話し始めた。
....
うつむいてあてもなくグラスをかき混ぜながら
私は考えている
いつからこんなにも
すれ違ってしまったのだろう
ミルクを入れない私のグラスの中の夜空では
まだ美しく星が輝いているのに...
<終>
#シロクマ文芸部
お題「凍った星をグラスに。」から始まる小説や詩
ここは楽園。
絶望の淵に追いやられた人達が集う楽園。
家族や恋人、恩師を目の前で失った人が多いが、
中には余命宣告を受け生きたかった人生を失った人も、
仕事や学校で自分の存在意義を見失って、
命を絶った人もいた。
此処にいるのは本音の言い方を忘れ、涙の流し方を忘れ、
笑い方を忘れ、息の仕方を忘れ、何もかも忘れて。
そして"自分"を見失った、迷子になってしまった人達。
彼らは"絶望"という決して癒えることない痛みを負った。
そんな人達が集うこの場所は
互いにその絶望を分け合える、絶望とは無縁の、
絶望から解放された自由な場所……
なんて言うのは建前。
ここは、様々な絶望を抱え、自ら命を絶った人達が
あの世に行く前のほんの僅かな時間を過ごす
「溜まり場」みたいなもの。
皆迎える結末は同じだからさ。
―せめて、この"楽園"で
今まで味わった絶望を忘れて晴やかな気持ちで
旅立って行って欲しい。
楽園は樂園である
自分を偽ることが樂園ならば私はその楽園で叫びもがこう
世界が終わるまで
楽しくて幸せなことだけで
できている世界が楽園なのだとしたら
楽園なんて夢物語
どんなに頑張ったって
楽園には行けないし
つくれない
生きていれば
苦しいことや辛いことが沢山ある
性格や趣味が合わない人も沢山いて
人間関係だって難しい
バラバラな価値観を持つ全員を幸せにする
世界なんてつくれないんだから
楽園を夢見て生きていくしかないの
たとえ
楽園にいたとしても
あなたに逢えない淋しさは
消えるはずもなくて
# 楽園 (125)
✢ ✢ ✢ ✢ ✢ ✢
淋しさで
壊れた涙腺を
修理してくれるのは
いつも君
「優しさ」という
ネジを使って
✩ 修理 (124)
〜楽園〜
きっと楽園は天国にあるだろう。
生前苦しい思いを沢山した人たちが幸せいっぱいに暮らして居るんじゃないかな。
今苦しくても大丈夫
きっとその苦しさも忘れるぐらいの幸せがまっている!
そう思うと今も悪くないな。
くるしんだ分だけしあわせが待っている!
ローソンの裏
花の名前
番台に小銭
人肌くらいの薬湯
若い人はまず来なくて
帰りにおやすみを貰える
このくらいのが日常に
いつも、いつも
あるといい。
南の島の楽園に
家族で行っていた頃
夏休みは無敵で
目を閉じてぬるまった浅いプールに
足を伸ばして体の力を抜く
プールサイドのざわめきと
目の裏の赤や青のゆらめき
太陽だったり水面だったり
魚になって
ただ
ただ
水の中を
気持ちよく
泳いでいたい
そんなふうに
私は あの人にいっていたっけ
微笑んだあのに
私の真意は
伝わっていたのだろうか
ここを君の思う楽園にするには、
まず君を肯定し続けること。
否定をしてはいけない。
次に君を悲しませないこと。
常に喜ばせることをしなくてはならない。
そして、私が泣かないこと。
君に負担をかけることはしてはならない。
この条件が必要である。
しかし、君の思う楽園には、
私の幸せはないのだろうから、
君の思う楽園は作れない。
「楽園」
「書く習慣っていうアプリやってる人おいで!!!!」
というオプチャの管理人です!!
ぜひおいでねー!!!
私は楽園という
終着駅を目指す亡霊だ。
そこに何があるか
知りもしないのに。
【お題:楽園】
楽園なんてただの夢物語じゃないのか。クソだるい世の中に楽園なんて存在するものか。まわりの大人たちは腐るほどの煙草を吸って溺れるほどの酒に酔いしれてる。男も女もカラダ目当て。今夜の遊び相手のお探しごっこ。
「ねぇ僕、こんなところにいて大丈夫?こっちにおいで」
「あら、珍しい。青い子だわ。こういうところは初めて?」
「ここでイケナイことしていかない、僕?」
残念、僕は女だ。夜のお姉さんたちは次々と僕に声をかける。クソッタレな世の中で楽園なんて。笑える。加速する酔いに身を任せる野郎どもの戯れなんて興味無い。そこのバーが並ぶ通りを歩けば路地裏でキスをしてる奴らなんて五万と見てきた。同性愛者だって存在する。毒に身を腐らせたやからどもが今日もまたうじゃうじゃ湧き出す。
光る街を眺めながら漂う酒と煙草の匂いを肺いっぱいに吸い込む。
「あ、お前さぁ…もっとわかりやすいところにいろよ。今日も来る?」
「…うん」
君がいる世界は楽園だなんて…ここは罪深き牢獄の中なのにな。
楽園
積み上がったビニール袋。
ボロボロと剥がれる鞄。
広告の詰まったドアポスト。
賞味期限の切れた菓子パン。
いつ開けたか不明なペットボトル。
裏面がカビた布団。
窓から逃げない異臭。
日に焼けたカーテン。
穴が空いた寝巻き。
お目見えしない服。
引っかかる爪先。
足が6本や8本の同居人。
これが、ボクの。
(2023.4.30)
楽園なんて、あるんだろうか?
楽園なんて、神話の話?
今を生きるだけでしんどくて、そんな事も考えたことない。
静かに目を閉じて
思い浮かべて?
自分の好きな場所はどこ?
自分の好きな人は誰?
自分の好きなことは何?
──やってみたいことは何?
ここでなら、何もかも自由
嫌いな人もやっつけちゃえ
ここでなら、誰にも邪魔をされない
気になるあの人とも仲良くなれちゃう
ここでら、神様にだってなれる
自分だけの妄想世界……楽園──
(2023.04.30/楽園)
色鮮やかな景色に抱擁された貴方の隣が、私にとっての楽園でした。
If I jumped into the sky. I wonder if I could go to paradise and get away from this hard day. But I don't have that kind of courage. So I'm going to live each day and find a little happiness in the process.
楽園。
英語では、パラダイスというらしい。
私が感じるパラダイスは、何だろうか?。
何故か悲しみにくれたり、
過去を悔やんだり、
そういう芸人やアニメばかり
観ていた時期があった。
その時間は何だったんだろうか。
パラダイス?。正直、覚えてない(笑)。
明るいフリをした、超根暗人間だったりして(笑)。
……なんちゃってね♪。