『梅雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
梅雨って字を見ると梅が降ってくるのを想像するのと彼女が笑う。そんな笑顔の向こうに梅の花が降るのを想像していたら、たくさん梅があたったら痛そうだよねと続ける彼女に、そっちかとそんな気分になった。頭の後ろで手を組んで梅干しははちみつ入りが好きーなどと謎の歌を歌いながら歩いていく彼女。
自由だなと雲一つ無い空を見ながら後を追う。
【梅雨】
じめじめとした時期
毎日のよう雨が降って
湿気もすごいし、髪はまとまらないし
嫌なことも沢山ある
それでも私はこの時期は嫌いじゃない
綺麗な紫陽花などが咲くし
お気に入りの傘なんかもさせる
そして何より
雨上がりの太陽に照らされた世界は輝いて見える
確かに濡れるのは嫌だけど
それでも雨を、この時期を嫌いにはなれない
この時期のおかげで草花は大きく成長するし
あぁこれから夏が来るんだな
季節が移り変わるんだぁって感じることができる
私は梅雨は嫌いじゃない
好きかときかれたらそうでも無いけどね
梅雨
このジメッとした暑さは苦手だけど、ひんやりとしたような空気は好き
梅雨
季節と言っていいのかも分からないこの時期。
雨なんて好きじゃない。服は濡れるし気持ちは下がる。
それは本心。だけど、紫陽花、ビニール傘、雨合羽。
雨上がりのどこか懐かしさのある香り。
そんな“梅雨”を思わせる概念は、嫌いじゃない。
見てよほら、明日も雨予報だってさ。
バイクが好きで、1人ないしは友達複数人でよくバイクで開けた道を走らせる。太陽の下、身体で風を切るのが本当に気持ちが良い。
そんな趣味を決行しづらい要因となるのが、夏の始まりと共にやってくる梅雨。水力源になったり作物が助かったり必要な季節ではあるが、どうしても気持ちがモヤっとする季節。
はやくカラッとした夏の日を走りたいなあ。
ぽつぽつと振り続ける雨は 神様が泣いているのだと貴方が言った
ぽつぽつと雨が降り続ける限り 神様が見てくれているのだと貴方が言った
貴方と出会ったのは こんな暑くて ジメジメとした雨の日でした
貴方は傘もささずに街中で1人 両手を広げて立っていた
貴方への問の答えは覚えていますか
貴方は私に手を差し伸べて引いてくれた
「一緒に濡れてしまおう」
私のフードを思い切り取払った
傘を離す勇気を貰って 雨に濡れる覚悟を貰って
一体どれだけ貴方に救われたのか
全部は覚えていないけれど
貴方をなくすであろう今日この日が 雨であることを願いましょう
神様が見届けてくれることを願いましょう
雨の中でダンスを踊りませんか 歌を歌いませんか
傘なんて捨てて 合羽なんて破りさって 髪も服もメガネもぐしゃぐしゃに濡らして 子供みたいに笑いませんか
貴方との別れは 土砂降りの大雨の中で
『涙ソウソウ』———【梅雨】
梅雨
じめじめして蒸し暑くて
まるで女の園だな
唯一違うところは梅雨が終われば
カラッと晴れるところ
陰湿な出来事は
終わっても晴れる事はない
ジトジトした雨が今日も降っている。
これが軽い小雨とかならちょうどいいBGMになるんだけどなぁ。こんな大雨だとむしろうるさいや。せっかく今日学校休みになったのに、のんびり休めないじゃん。湿気臭いし。
のんびり家でごろごろするのにもすぐ飽きた私は、家にあったタブレット端末で適当にネットサーフィンをする。暇だったら寝てもいいんだけど、それはそれで1日を潰すのはいやだなぁ。だって起きていたいじゃん、せっかくの憂鬱な学校が休みなんだし。でも友達とかと話せないのは寂しいかな。
私だけ連絡手段持ってないからなんか仲間はずれみたいでちょっとだけ悲しい。なんで私だけスマホ買ってくれないんだろう。何でもかんでも最初に言われるのは否定の言葉。ゲームもダメ、スマホもダメ、そのくせ自分たちの端末は自由に買って使ってる。本当に見せつけてるみたいでイヤになるよ。まるで周りのみんなが結託して私に劣等感を植え付けに来てるみたい。
いやだなぁ、やっぱり。
雨は嫌い。憂鬱な気分にされちゃう。…独りを、実感させられる。私は孤独なんだって、誰も見てくれやしないって、思わされちゃう。そんなこと、分からないのにね。
ねぇ、みんなは雨好き?自分は…小雨なら好きかな。いい意味で独りを感じられるから。
『梅雨』
梅雨
私は梅雨というものを知らない
この時期に雨が降ると
ああ、これが蝦夷梅雨というものなのだろうか
そんなことを思ったりもするけれど
結局翌日にはからりと腫れていたりして
内地の人たちにとって
それはうらやましいことなのだろう
ジメジメした日が続かなくて
気を抜くと家の中がカビだらけなんて
そんなことにもならなくて
どんなにここで雨が降ろうとも
遠くで暮らすあなたにとって
それは梅雨とは呼べるものではない
うらやましく思われるけれど
私は少しさみしくもある
あなたと同じ気候を
共有することができないから
作品No.62【2024/06/01 テーマ:梅雨】
例年より遅く梅雨入りして
二週間ほど
今日は朝から雨でした
ある程度回復したとはいえ
水不足なこの島の
恵みの雨
の はずですが
濡れるのがいやなので
この時期は苦手です
なお
夏はもっと苦手です
「梅雨」
梅雨は嫌いだ。
雨の日は心が悲しくなる。
雨が降っていると泣いている気持ちになる。
だからといって晴れていたら気持ちも晴れになるわけではない。
難しいもんだね。
いつかは晴れの気持ちになれるといいな。
梅雨空に思う。
貴方の心持ち。
ずっとぐずぐずして、晴れない心。
いつまでも続く雨。
それでも。
高い高い青空が広がる夏を、待っている。
梅雨
私、雨女なんだ
俺、晴れ男だよ
最強の組み合わせだね
雨と太陽が合わさったら虹ができるでしょ
打ちつける
窓の向こうに
広がるは
一昨日よりも
静かなる街
【梅雨】
梅雨
長い雨と、湿気と、雨の日の独特のにおい。
それがきらいで、嫌な季節。
『梅雨』
目を覚ますと、湿気のにおいがした。そして脳が覚醒すると、サーという音が聞こえてくるのに気づく。ああ、またか。そう思いながら、私はベッドから抜け出した。
今は六月。雨も真っ盛りの季節だ。恵みの季節ともいう。昨今梅雨といっても、長期でないうえに大ぶりで、恵みというより最早災害といってもいいような雨ばかりであったので、ここ数日の小ぶりの雨にはどこか安心感を覚える。といっても、洗濯はできないし、外にも出にくいのはやはり雨の良くないところかもしれないが。
外は相変わらず雨が降っている。さて、どうしたものか。今日は休みなので一日中家にいてもいいのだが、なんとなく外に出たい気分もあった。悩んだ末、濡れても問題ないような服を着て、傘をさして家を出た。
特に意味もなく、大通りを歩く。普段はごった返している通りだが、雨だからかいつもより人は少なかった。誰もかれも雨から隠れるように傘をさし、少しうつむきがちに歩いている。今の私のように。
実際、私自身は雨はそこまで嫌いじゃない。不規則に鳴る雨音も、増えていく水たまりたちも幼心を思い出して楽しくなれる。こういう歌もあるだろう。「あめあめふれふれかあさんが」から始まるあの歌だ。今となっては忘れ去っている人も多いだろうが、私は雨が降る度この歌を思い出す。
ところがどうだ。今の私は、周りの目を気にして、周りと同じように行動している。雨に濡れないように着込み、水たまりを避けながら歩いている。なんとなく外に出たい気分であったのに、歩いているうちに何故出歩きたくなったのかわからなくなってきた。このまま歩いていてもみじめになるだけだ。ここの道を左に曲がって、そのまま家路につくことにした。
帰り道に、簡素な公園があることに気が付いた。そこはもう公園といってもいいのかどうか怪しいくらいに遊具のない公園であった。あるのは古びた滑り台とベンチだけ。滑り台のおかげで空き地と言われずに済んでいると言っても過言ではないのではないか。まあ、最近だとよくある公園だ。そのまま通り過ぎた。
家について、濡れたところを軽くタオルで拭い、窓辺に座る。雨はまだ、降り続いていた。
どんな形であれ、梅雨はやってきて、そのまま去っていく。いつも通り。いつも通りに。きっと私も変わることはできない。いつも通り。空虚な自分を自覚しながら、私はゆっくり目を瞑った。
「雨は髪がうねるから嫌いなんだよね」
窓の外を見て彼女は零した。確かにこの時期は湿気で蒸し暑いし、朝は降ってたのに帰りにはすっかり止んでて傘がお荷物…なんてことはざらにあるし、女子からしたらせっかくセットした髪が崩れてたまったもんじゃないだろう。
けど、雨上がり、空にかかった虹を見て僕に1番に報告してくれる君が、水溜まりに反射するその姿が、どうしようもなく愛おしいから。
嫌いじゃないよ、この季節も。
ー 梅雨 ー
お題:梅雨
【季語:卯の花腐(くた)し】
・卯の花腐し来ぬ友思い空仰ぐ
・満員の車内卯の花腐しかな
・広縁の卯の花腐し本を読み
***
【ひとりごと】
プレバト!!を観ていても、俳句の本をいくら読んでも、今ひとつ俳句の詠み方がわからない今日この頃。
俳句の講座で、「俳句とは座の文学だ」と教わったのだけれど、一人でああでもないこうでもないと無い頭を捻っても、ちいとも良い句は生まれないのだろうなとひとり思う。
かといって、自治体の俳句サークルみたいなものに所属するとして、場にいるのは確実にご年輩の方々な訳で……。
結社なんかに所属するのはすごく力のある人たちなイメージがあって、なんだか気後れもするし……。
仕事で年配の方に接する時の距離感なら分かるけれど、趣味の集まりの中では一体どう接するものなのかなと考え出すと、なかなか勇気が出ず今に至る。
#梅雨
「はぁ…」
盛大に溜息をつく私を見て、彼がゲラゲラ笑い出す。
「もう、笑わないでよ…」
「ごめんね。でもあまりにも感情漏れていたから…」
そう言ってまた笑い出す。
今日は初めての結婚記念日で出かける予定だったのに、朝から雨が降っている。
「天気予報は晴れだったのに…」
「確かに。まさか土砂降りになるとはね…」
初めてデートした公園へ紫陽花を見に行く予定だった。
付き合って初めての記念日から毎年行っている思い出の
場所だ。
「今まで雨なんて降った事なかったのに…」
「まあまあ、きっといい事あるよ。
お家でお祝いしよっか。
材料とかケーキとか買いに行こうよ」
「…うん」
この日を楽しみに1週間頑張ったから、中々気持ちが
切り替えられない。
梅雨の時期だからしょうがないけれど、
今まで晴れだったから初めての結婚記念日も同じ場所でお祝いしたかったのに…。
私が切り替え苦手だから、彼にも申し訳ない気持ちで
どんどん負の連鎖になっていく。
「切り替えなきゃ…」
無理矢理、笑顔を作ってみる。
せっかくの記念日なのに、可愛くない…。
「わあ…!」
沈んだまま出かける準備をして、玄関を開けると
虹がかかっていた。
「ねえ!見てみて!」
「おお〜!いい事あったね」
「…うん!」
「公園行く?」
「ううん、お家でお祝いがいい」
「いいよ、特別バージョンだね」
「うん!」
彼はいつだって私の心を晴れにしてくれる。
これからきっと雨が多くなるけれど、
2人で楽しんでいこうね。
梅雨
梅雨は雨もだし、
髪のうねりとか、
生乾きのにおいとかが嫌だ。
雨は傘が好きじゃない。
傘をささなくていいなら雨も好きになる。