『梅雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『梅雨』
君って奴は相合傘がしたかったんだな。
私も君も傘を忘れたことなんてなかった。
だから相合傘なんてする機会はないはずだった。
それなのに君は、君はさ。
私が傘を開こうとしたら急に近くに寄ってきて、問答無用で私を自分の傘に入れてしまったんだ。
私は開きかけた傘をどうすれば良かった?
傘を持っているのに人の傘に入れてもらうなんて変だ。
そこまでして相合傘がしたかったのか。
君も大概、『彼女』とやらに夢を見ているな。
[梅雨]
ぼろぼろぼろろ
雨が降る
溶けた思考と鉛の身体
冷たく沁みる雨ぼろろ
固まり錆びて雨打たれ
ぼろぼろぼろろ
わたしは静かに朽ちてゆく
“雨”を楽しめるようになったのは、
いつの頃からでしょうか。
幼い頃は、道を歩けば靴が濡れて
下手をすると 鞄の中身さえ水浸し
外で遊ぶこともできなくて
なんて不自由な季節だと思っていましたが
土の溶けた甘い香りや
屋根を打つ 鮮やかな音
今になって、ようやく
雨の良さがわかるようになりました
梅雨というのは
大人向けの季節なのかもしれませんね
「梅雨」
梅雨は寂しい。
静かな雨だけで、そのほかの音も聞こえない。
静かで、暗くて、寂しい。
でも
なんだか、落ち着く。
静かに読書するのもいい。
梅雨をモチーフにした何かを作るのもいいかも。
意外と、いいところあるんだね、梅雨って。
じめじめは苦手。
体が重くて息苦しいから。
そんな日の夜は
布団乾燥機でカラリとホカホカになったお布団で
早めにのんびり寝てしまおう。
梅雨
梅雨はなんとも言えない気持ちになる。
雨の音、雨の匂い
雨に濡れた植物
雨に打たれる感覚
梅雨の時期はジメジメとして
あまり好きではないけど、
雨の匂いや様子を見るのは
好きなんだ
あじさいの咲き乱れる先に
君の家
じわりと滲んだその染みがだんだんと蒸気になって、私のまわりに淡い霧を残す。そうしてより色濃く、そのうち乾いた記憶になる
ただ一人で立って、それまでは傘をさして
『梅雨』
私はこの時期が嫌いなの。
髪の毛広がるから。
ただでさえ醜いのに、
もっと醜くなりたくない。
こんな姿誰にも見られたくないから。
『梅雨』
小学校の通学路に
たくさん紫陽花が植わっている場所があった
梅雨時は葉っぱに乗ってるカタツムリをよく見かけた
ランドセルに傘、紫陽花とカタツムリ
私の梅雨のイメージです
「もー、髪がまとまらない!」と髪をセットしている妹が嘆いているのが聞こえてきた。どうやら彼氏とデートしに行くらしい。外を見ると雨は降っていた。今は梅雨だからねーと思っていると
「お兄ちゃーん!ちょっと来てー!」と言われたので行くと髪を巻いて欲しいとの事。
「どんな感じに巻くの?」と言うとこんな感じと注文がはいり、見様見真似でやった。巻き終わると
「どう?一応できたけど…。」
ぱあっと表情が明るくなり、手を上下にブンブン振り出した。
「お兄ちゃんすごい!助かった!」と言ってくれたので一件落着。
「またお願いするかもしれないけど、いい?」と言ってくれたので
「いいよ」と言った。
妹はスプレーで固めて元気に出ていった。
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theme 梅雨 2022.06.02
『不毛な世界』
寝返りを打つ
なにかにコツンと 肘が当たる
(あ……まだ居るんだ……)
薄目を開けると
ぼんやりと あなたの背中が見えた
まだ 朝には少し早い
そっと 背中に触れてみる
そのまま 寄り添うように近づく
あなたの背中に おでこを当てる
「んー?……なに?」
「まだ 居たんだと思って……」
「……あぁ ……うん」
「起きる?」
「いや まだ」
「……もう少しだけ 一緒に寝てたい……」
「いいよ……」
あなたの背中が 揺れて
体が動く
「腕枕?珍しくない?」
少しだけ 笑う
「たまにはね」
なかなか こんな風に
あなたを 独り占め出来る事はないから
ほんの少し 特別な時間
でも たぶん もうすぐ帰っていく
あなたが暮らす あなたの世界に
罪悪感がないのかと言えば嘘だ
あなたの隣に いる時間だけ
罪の意識が 消える
(本当に このままでいいの?)
いつも 自分に問いかけるが
答えを 出してしまう 勇気がない
でも 本当はわかっている
わたし 本当は
あなたの事 何も知らないんだ
好きな食べ物も
よく見る ドラマも
好きな俳優も
何も 何にも知らない
そして
あなたも 本当は
私の事 何も知らないの
嫌いな 食べ物も
苦手な 映画も
嫌いな歌手も
何も 何も知らない
そうなのよ
そんなものに 興味は無いのよ
本当は
私なんかに 興味は 無いのよ
知ってる 知っていたよ
『愛してる』なんて
ただの 譫言なんだって
その 譫言だらけの中で
私は 生かされているんだって
あぁ くだらない 人生
何もならない 私の人生
本当はね 本当はさ
あなたなんか 大嫌いなのよ
あなたなんか クソくらえなのよ
夢と現実の間
意識がゆっくりと 消えていく
弱い わたしよ
早く夢から覚めなさいよ
あぁ
そうよ
嫌いよ
あなたなんか 大嫌いよ
最低よ 最低な人間よ
知っているよ 知っているのよ
そんな最低で
大嫌いな人間を 私は
ただ ただ
求めてしまうのよ
時間だけが
過ぎていく部屋の中で
わたしたちだけが 生きている
外は
梅雨の始まり
じっとりとした空気の朝が
待ち構えていた
【梅雨】
あめあめふれふれかあさんが
そんな唄を思い出す
雨は嫌いだ
ジメジメも
髪が絡まるのも
頭が痛くなるのも
嫌いだ
梅雨なんて
終わってしまえば…
#梅雨
梅雨が大嫌いだった。
湿気で髪がゴワゴワするし、雨ばっか続いて憂鬱な気持ちになる。
だけど、そんな不機嫌そうな俺の隣で「雨ずっとやまないねぇ」これでもうちょっと一緒にいられる。なんていたずらに笑う君が愛おしくて。
憂鬱なんてどっかに吹き飛んでしまった。
優しく笑う君の隣で「このまま、ずっと止まなきゃ良いのにな。」と呟いた。
それに応えるかのように添えられた桃色に染まる小さな手が俺にとってはこの世の全てで。
今日ばかりはこの忌々しい時期に感謝である。
『梅雨』
梅雨
かなり前に空梅雨で
噴水の蛇口が
閉まってたのは
かなり前の事。
梅雨もお気に入りの傘と
お気に入りの
カッパと
お気に入りの雨靴が
あれば
乗り越えられる。
オシャレな雨傘を買って
皆んなに見せたいから
2人で早く
買いに行こうよ。
梅雨は…寂しい季節だな
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わざと傘忘れてさ
傘忘れちゃった!なんて言ったりして
きみと相合傘したい。
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Theme:梅雨
気持ちも体調も悪くなる
眠れぬ夜に雨音
カーテンの波の隙間から漏れる灯り
寒さの残る六月に目を閉じる
ノイズが走り出す