『柔らかい雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
柔らかい雨
あめにもまけずかぜにもまけず。
あの詩を全部読んでいる人はどれほどいるだろう。
まだであるなら是非ご一読を。
最後の一文が、僕に一つ勇気をくれる。
あめにもかぜにも負けそうな僕だけれど、
どんな僕になりたいか、そうなりたいと願い努力する事、それは誰にも否定できない僕の財産だ。
やさしいひとになりたい。
つよく、やさしいひとでありたい。
ただ、流されるままにいきているのであれば、それは、それでいい。
柔らかい雨
音もなく
空気を縫う
誰だか知らない人の
居場所を探している
気持ちになる
霧雨を纏う
家路に向う道すがら
「柔らかい雨」
柔らかい雨ってなんだろう?
小雨かな?
それとも暖かい季節の雨かな?
嬉しい時の雨かな?
柔らかい雨ってなんだろう?
柔らかい雨とは小雨、霧雨のような当たっても痛くなく、弱い雨のことだと考える。さらに気分が暗くならないような雨。例えば、お天気雨のように空が晴れていて明るい様子の雨だ。雨だと気分が下がる人が多いだろう。しかしこのような様子の雨だと気分が暗くなる人は少ないと考える。
今日は大雨がざんざか降っていた。こんな土砂降りも悪くないが、春先の暖かくやわらかな雨が好きだ。誰も傷つけなさそうな、濡れても不快にはならない。春特有ののほほんとした空気がそうさせるのか、真相は不明だ。幼い頃、友達と喧嘩をして帰り道も離れて歩いていた。その時、突然の降雨によって私たちは同じ場所に雨宿り。それがきっかけで仲直りができた。あれもやわらかな雨だったかもしれない。
雨音が心に染み入る時がある。
たとえば、誰かとお別れした後。
一緒に楽しく遊んで、お別れの時が来て、駅前で手を振って、離れてゆく電車を見送って。
そんなサヨナラの後の帰り道、柔らかい雨が降り注げば、きっとそれは心に染み渡る。
私にも、そんな経験がある。
雨は時に優しくて、時に冷たくて、時に痛い。
照りつける日差しより優しい雨。
肌を濡らし、心に染み入ってくる。
何故だろう、哀しい場面のはずなのに、世界に祝福されてる気がするのは。
きっと、自然の営みに、ほんの少しでも触れ合い混じり合うことが出来るから、なのかもしれない。
冷たく激しい雨に打たれても、きっといつかは乾くから、人生はいつだってやり直せるんだな。
すべてを洗い流して、新しい自分になって。
…まあ、そんなカッコ良くはいかないけど、柔らかい雨の音は、間違いなくリラックスを感じさせてくれるし、その香りには郷愁を覚える。
私の人生にとって、必要不可欠なものなんだ。
だから、天気予報に振り回されたりしない。
サイコロの目を見るように、何が出るかなのワクワク感で、朝を迎える。
はい、どうもこんにちは。
今、緊急で動画回してるんですけど、
柔らかい雨が降ってきました。
このあとは南風がふくのか、
雨は夜更け過ぎに雪へと変わるのかは、
全く予想できません。
取り急ぎみなさん、雨に歌いましょう。
〈柔らかい雨〉
激しい雨は柔らかい雨になる。
柔らかい雨。ずっと此処に居たいと思う。私のこの乾いた心を潤わせて、包んでくれる気がする。色々な植物が育って、穏やかにしてくれるこの雨にこの場所。忘れたくない、離れたくない。でも、いつかはこの場所、この恵みから離れないといけない時が来る。 嫌だなぁ。私はこの心地よさに頼ってしまっている。
柔らかい雨は激しい雨になる。
同じなんだって そんな風には 簡単に思えないけど
ずっと遠く離れた 青い芝生も 雨に濡れている
柔らかい雨
どしゃ降りの雨が弱まって晴れてきた時?
虹が出そうなときはチョッとテンション上がっちゃう。
滅多に見れないじゃん。
子供の頃に見た虹の方がキレイな記憶がある。
何でだろ?
【柔らかい雨】
私は雨が好きだよ。低気圧で苦しむ人々には悪いけどさ。雨音に耳を傾けると落ち着くんだよね。読書も捗る。紙の香りと雨の香り。心地が良い。紅茶が側にあると尚更良い。珈琲も好きだがね。とある彼は雨に感傷を乗せているがそれもまた一興。この雨は全てを受け入れてくれるさ。その傷を癒す事など出来ないが彼の行動を文字通り高みから見させてもらうよ。
柔らかい雨
ぽつりと雨が降る。空は晴れていた。
狐の嫁入りね、と祖母が呟いた。
そんな気がした。
空の上から柔らかい雨と共に、祖母の声が聞こえた。
そんな気がした。
─── 柔らかい雨 ───
辺り一面
何も無くなった
残ったのは瓦礫と燃え盛る草木と
戦い散っていった仲間と敵と
関係ない人々の魂の器だったもの
相手を撃ち抜き切り刻む金属の壊れた欠片
まだ心臓が動いているのは自分だけ
後に自分は生き残った意味を
果たして見つけられるのだろうか
焼かれたもの達の煙に頬を撫でられ
その場に座り込んでいた
何時間そうしていただろう
気がつくと煙は消えて
ただ静かに雨が降っていた
暖かな春が過ぎて…暑い暑い夏が過ぎて…風が冷気を帯びる秋が来て…冷たい空気の、冬が来た。
私の身体は良くも悪くも気温に敏感で、気温によっては外に出れる時間が限られてしまう。けれど冬なら、ほとんどの日は朝から晩まで外にいられる。
そうして、彼が…私の大事な人が来たら、私がいの一番に出迎えるの。
外は、雨音のしない雨が降っていた。ミストシャワーのような、肌当たりの優しい雨。
いっそのこと、雪になって降ればよかったのに。
…ううん、やっぱり、雨のままでいい。
だって、彼が来たのがすぐに分かるもの。彼が来れば、こんな雨はすぐに粉雪に変わっちゃうんだから。
口重で、少し無愛想な、氷属性の力を持った彼。冷たい人に見られがちだけれど、本当の彼はとても温かい。
私の体質を理解してくれて、いつも彼の方から私のところへ来てくれる。煙草を吸ってるらしいけれど、私の前では絶対に吸おうとしない。私が暑さにやられているときは、氷の力で冷気を生み出して私を楽にしてくれた。
最後に会えたのは、何年前だったかしら。
彼の仕事が死と隣り合わせなのは、重々承知している。
でも、彼はそんな簡単に死ぬ人じゃない。だって、手加減をした状態でさえ、あんなに強いんだもの。
それに、元から彼と会えるのは不定期だったし…不定期だからこそ、彼との時間がより一層 温かいものになる。彼が帰った後も、次に会える日を夢見ていれば、心は寒くない。
雨は、相変わらず雨のままで。
強くも弱くもならず、相変わらずの優しさで、私を包み込んでくる。
いっそのこと、雪になるか、もっと強い雨になって降ればよかったのに。
私の心が寒い理由を、寒さのせいにできないじゃない。
(「精楽の森」―精楽 氷音―)
しとしと、細く、穏やかに降る
柔らかい雨の日は好き。
そんな日はお家で、のんびり。
晴れの光とは違う、
薄暗い感じも、
なんだか落ち着く。
晴れた日ばっかりだと
空も疲れるよね。
──雨の日の買い物。
ふいに湿った風が前髪を揺らして、少しだけ開けておいた窓の外に視線をやる。ついさっきまで薄い雲が広がっていた空から、細い雨が降り始めていた。
「強くなるかなあ」
この後、午後から友人と街に買い物をする予定がある。水を操る友人からしたら調子のいい天気なのかもしれないけど、自分からすると本が濡れてしまうのが難点だ。
でも一方で、雨の日の独特の土の匂いや青々とした緑は気に入っていたりする。最近晴れ続きだったから、久しぶりの雨は乾いた植物たちを蘇らせるかもしれない。
植物を使う自分の魔法にしても、かんかん照りの日より少し湿度が高い方がやりやすい。
「あめ、あめ、ふれ、ふれ……」
懐かしい童謡を口ずさみつつ、眼を閉じて耳を澄ませば、小さな水滴が地面や屋根や植物の葉を打つ音がする。学園の庭にある池では、蛙が元気に跳ねているだろうか。
「まあ、雨の日に出かけるのも良いかも」
こんな優しい雨なら、友人との外出を楽しませる一つの要素になるかもしれない。
椅子から立って出かける準備をしながら、細く開いていた窓を少し広げた。
(柔らかい雨)
舞踏会の賑やかな雰囲気とは裏腹に、裏方のキッチンシェフやソムリエやメイド達は大忙しだ。
シェフはいくつものフライパンや鍋を行ったり来たり。
ソムリエは、ワイン貯蔵庫と会場の往復で持久走のように止まらない。
メイド達はクッキー、マシュマロ、イチゴジャムをカートにたっぷり乗せてパーティー会場のケータリングコーナーに運び入れる。
カップケーキ、ババロア、プリン。次のカートも急いで運ぶ。
あまりに多く積み上げた使い終えた食器類は洗われもせず、次の料理が載って運ばれて行く。
行ったり来たり走り回ればあちらこちらで衝突事故も起きるもので、ゼリーに赤ワインに焼きたてのハンバーグが空を舞って、柔らかい雨のように降り注いだ。
だがみんな止まらない。後で片付ければいいんだと、次の品を手に持って任された仕事へ散っていく。
(柔らかい雨)
童話によくある舞踏会の裏方達の物語。
「柔らかい雨」
人前で、泣きたくない。
でも、我慢出来ずに涙が溢れてくる。
どうして?
どうすれば良かった?
何が悪かった?
自分を責める事ばかり考えて。
考えても仕方ないのに、悪い事ばかり浮かんで、後から後から涙が溢れてくる。
でも、外は雨。
傘を忘れたフリをして、雨に濡れながら歩けば、泣いてい事も気づかれない?
今だけは、この優しい、柔らかい雨に守られて。
思う存分泣かせてください。
「柔らかい雨」
小雨。
午後まだ明るい時間帯
季節は暑すぎず寒すぎない
学校からの帰り道
1人で帰っている
そんな時。
雨が柔らかいのか、硬いのか
そんなふうに気づけるのは
私の人生のなかでその頃くらいだったかも。