『柔らかい雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『柔らかい雨』
本部との通信を終了し、端末を押さえていた右腕をだらりと下げる。足の力が抜け、そのまま倒れるように、ぬかるんだ地面へ座り込んだ。
敵部隊の殲滅作戦は成功。救護ヘリを要請し、あとは迎えを待つばかりとなった。
荒れ果てた丘の上には、横たわる彼女と、自分だけ。
周囲の空気は冷たく、音のない雨が大地を濡らしていた。
小糠雨に打たれる彼女は、ただ眠っているようにしか見えなかった。だから、日が昇れば、目を開けて「おはよう」と言ってくれるのではないか、いつものように軽い運動をして、朝飯を食べて──
また新しい一日が始まるのではないか、と錯覚しそうになる。
ギリ、と奥歯を噛み締める。それと同時に涙が頬を伝って、落ちた。
柔らかい雨が、傷に沁みた。
柔らかい雨ですら痛いと思う。
まるで誰かの視線のように
鋭く刺さる。
グサッ。
血のように止まらない涙が溢れる。
明日が晴れでもこの雨は忘れない。
同じ1日はない。だからできるだけ、穏やかに
過ごせるようになりたいな。
どんな雨が降ろうと
どれ程の雨が降ろうと
どれだけずぶ濡れになっても
この殺意は流れてくれない
この絶望を洗い落としてはくれない
この苦しみを浄化してはくれない
夢を見る
雨の中でお前を殺す夢
雷鳴の中で喚き散らす夢
雨よ、どうせ降るなら
全てを攫ってくれないか
全てを消してくれないか
平凡に生きる者が絶望しなければならない、こんな世も。
人を踏みつけ嗤う者が至上の幸福を手にする、こんな理も。
柔らかい雨しか知らぬ、愚かで哀れなる者達の居場所を
一度飲み込んではくれないか。
「柔らかい雨」柔らかい雨とはなんだろう、普通の雨は、硬いのかな?それとも柔らかいのかな?考えても分からない、今日のお題は柔らかい雨夜までに答えを見つけなくては、ぽつぽつ雨は柔らかいのかな?ザーザー雨は柔らかいのかな?どれが柔らかいか分からない、多分柔らかいとは自分の気分で決まるんだろうな明るく楽しい時は優しく柔らかい雨。暗く落ち込んでいる時はずっしりと重く強く叩きつける雨柔らかいとはこの雨だろう今日のお題は、クリアした明日のお題はなんだろう?
柔らかい雨
いろんな行事のたびに
雨が降ってた時は
「もしかして雨男じゃないの?」って。
雪になったら寒いけど
お気に入りの傘を使ってた時は
柔らかい雨も好きだったなぁ。
「霧雨なら
降るか止むかがいいなぁ」って
思ったら
降り出すのは
いつも2人で笑ってたね。
最近寒くなってきたから
2人で温まろうよ。
僕は立ちすくむ
柔らかい雨にうたれて
この乾いた心に
君の言葉が響く
言えなかった5文字
もう二度と会うことはないのに
いつかふらっと現れそうな君
あの日あの時に
君に声をかけていたら
僕らの関係は変わっていたかな
そんな淡い期待をして
本当は怖いだけなんだ
心を切り裂く思い出の刃
痛くても生きてゆくしかないんだ
思い出を抱いて歩くしかないんだ
『柔らかい雨』
それはいつもとは違って
励ますように
背中を押すように
僕を助けてくれた
袖だけ濡れていた僕の服は
全体に広がり
柔らかく包み込んでくれる
その時気づいた
こんなに暖かい雨があるんだと
こんなに柔らかい雨があるんだと
君の横顔が一番大好き。
君の笑顔に惹かれたんだ
いつしか君に「恋」に落ちていたんだ
Sorry I Can't Stop Loving You
懐かしいあの人の笑顔
朗らかな言葉
優しい後ろ姿
夕焼けの家路までの道のり
今になって柔らかい雨のように
降りそそぎ
私を染め上げていく
見えなくても伝わる
ほんのりとした温もり
柔らかい雨
私の頬を彼の暖かい涙が伝う。私の頭を自分の膝にのせ節くれだつ手で私の髪を梳かすように頭を撫でる。私はその泣き顔を眺めながら貴方の眉間に寄るシワを伸ばすように撫で頬に手を回す。彼は私の手を味わうように目を閉じた
どうしたの?と声をかけた「お前が何処かに行ってしまう夢を見た。」私はどこにも行かないよと伝えると彼はあぁ、と小さく答えた。また彼の涙が私の頬に落ちた。何だか雨みたいだ、とても暖かく柔らかい雨
tk
…知らなかったよ。
こんなに柔らかい雨があるんだ、ってこと。
僕の体に降る雨はいつも
冷たく悲しい雨ばかりだったから。
#柔らかい雨
柔らかい雨
あなたといれば私
空だって飛べそう
私の髪を撫でる柔らかい雨
あなたの温もりを感じられたら
私無敵になった気がするの
雨に打たれてびしょ濡れのまま玄関に入るなり、彼女は駆け寄ってきてくれた。心配そうな面持ちでオレの髪や顔を拭いてくれる彼女に、心底ほっとした。
こんなオレを見捨てないでいてくれる。毎日のように向けられる慈悲の笑みは、まるで柔らかな雨のよう。
こんなダメになっちまったオレを愛してくれてありがとう。オレが泥まみれになる度に、微笑んで抱きしめてくれてありがとう。
おまえがオレに見向きもしてくれなくなるまでは死なないよ。おまえがオレに呆れるまでは、優しい雨を降らしてね。
「柔らかい雨」
『柔らかい雨』
霧雨のような柔らかい雨。
それは、中から外を見ているだけでは
気が付けない。
自分から外に出なければ、
気が付かない。
柔らかい雨を身に浴びて。
柔らかい雨が私を濡らした
私は雨には負けたくないけれど
ただ強いだけの雨に打たれる気もないわ
柔らかい雨
君と私を濡らす雨は
どこか温かくて優しかった
頬に滴る雫がくすぐったくて
ビショビショで泥だらけのお互いを見て笑い合った
バスで隣の席に座った君の濡れた服が冷たかった
冷えきった手で私の手に触れ
温かいねって言った君の顔が忘れられない
ああ、この優しい雨と一緒に
土に溶けることができたなら
どれほどよかったか