『月夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『月夜』
満月の光で集魚灯の効果が薄れ、お魚獲れなくなるんだよ。その間を「月夜間(ツキヨマ)」って言うんだ。
だから、月夜の夜は朝方からの漁を休むことが多く、漁業者は奥さんや家族と過ごしてるってね。
大好きな彼が話してくれた、ロマンチックなストーリー
美しい夜に明るい月があると今日も頑張ったなぁって思う。そして、悩んでいた時は答えを教えてくれてるように見える。辛くなる。よくわかんないけど。
月夜(3月8日)
夜、空を見上げた
そしたら月がとても綺麗に輝いていた
僕とは大違いだな
そんなことを思った
いつも暗い僕なんかと比べ物にならないくらい
月は輝いていたから
でもこんなことも思った
僕も月みたいに輝きたい
「鏡に映った月が綺麗」
月明かりに照らされた部屋で
あなたにメールをしたのは
遠い昔の話
覚えていますか?
__月夜
月夜
「私、月光浴が習慣よ〜」
会社のスピ先こと、
スピリチュアルにハマっている先輩お局は、うっとりとのたまった。
私の周りに三、四人いた同僚は、
ちょっとお手洗いに〜、とささっと
はけてゆく。しまった、壁際だ、捕まった。
「げ、ゲッコウヨクって…?」
別に聞きたくはないが、
社会人として流れを読む。
スピ先は、キラキラのスピのオーラを
漂わせながら言う。
「そう〜、満月の夜に、月の光を浴びると、リラックス効果があるらしいのよ〜。
パワーストーンを浄化したりね〜、
かのクレオパトラも月光浴したのよ〜」
薬事法に違反しない程度に、
あるらしい、と言いつつ、
パワーストーン、浄化、クレオパトラ、と、なかなかのパワーワードを吐く。
スピ先自体、年齢不詳独身、
この課の生き字引、かつて同期に、
カタカムナとかいう古代文字で書かれた
ラブレターを送りつけ、
「呪いの文書」としてパワハラ係に
調査され、ラブレターは課の金庫に
仕舞われたという猛者、
ある種の特級呪物である。
「あとね〜、町外れの住宅街の中に、
英国風の月光浴カフェがあるらしいわ〜。
満月の夜しか開店せず、眼帯をつけた隻眼の
イケメンが一人で経営してるらしいわあ〜」
「え…」ピクッと反応してしまった。
私の中のオタク女子、厨二病気質が疼く…!
「あ、興味ある〜?
今日満月だし、良かったら〜」
「あっスミマセンッ、
今日までの資料まとめが!」
よし、今度は逃げられた。
懐かしいチャイム。
うちの会社の古めかしい、終業の音だ。
スピ先に捕まらないように、
私急いでますモードで会社を出る。
と言っても実際は急いでなどいない。
いないのだが。
月光浴カフェが気になる。
出たばかりの満月に照らされながら、
住宅街を彷徨いますか…。
あわよくば、イケメンと月光に癒されよう。
あ、でもスピ先に会う可能性があるのか…汗
月夜
大きな声では言えないけど…
満月の夜に何度か宇宙船を見たことがあるんです…誰も信じてくれないから、もう言わないけど…たぶんチップがどこかに埋め込まれてると思う。
月を見るのが好きだった星を見るのが好きだった
でもいつからか夜が嫌いになった暗いし怖いし
嫌なことばかり考えるようになった。
夜にしか出てこない特別な月を見るのはすき
でも怖い。とてつもなく不安になる
いつかこの『月夜』をまた好きになれますように。
ぼくは星屑の魔法を使って、未来からやってきまし
た。
未来といっても2028年3月8日、今から4年後です。
また君に逢えるように、4年前に戻って色んな準備
をしてから帰ります。
4年後の今日、スカイツリーの展望台でお待ちし
ています。一緒に星屑を集めませんか。魔法が使え
るようになりますよ。君とぼくだけの秘密です。
月夜の晩に逢いましょう。
「月が綺麗ですね」という言葉をいつからかチラチラ見るようになった。元は夏目漱石が日本人なら直接的な物言いではなくこー言ったらいいでしょ。と書き記したことで始まったこの言い方。
確かに日本人は直接的な物言いはしない。海外に出てみるとびっくりするほど直接的にはっきりと相手に伝えている。
私もド直球に相手に伝えるのは抵抗があるし難しい。
でも、直球に言うのが無理だから、と遠回しに伝えると、
かえってしっかり伝わらなかったり、誤解されたり…
もしかしたら変なやつ認定されるかもしれない。
相手にしっかり気持ちを伝えよう!ってよく小学生の時とか習ったような気がするが、これって実は大きくなるにつれハードルが上がっているのだなぁ、とようやく最近気づいた。近頃は自分の考えや気持ちを前に出さず、相手の意見に合わせたり、納得いってなくてもとりあえず合わせておこう、と考えることの方が多くなったような気がする。
小学生の時って先生に言われたこと=正解って考えるから、実際言われたらなんでも出来るんだよね…
あーあ…もっとしっかり自分の気持ちを伝えられるようになりたいなぁ…
Theme.月夜
心曇り
月見る
月はなし
私の曙光はいつぞや?
# 月夜
夜が好きで、暗闇が好きで、日陰が好きだった。
地球上で最も大きな日陰である夜は、僕が唯一寛げる場所だ。
だから僕は月夜が嫌いだ。
太陽から逃げた先で、今度は月が追いかけてくる。
だれにも見られたくなくて、陰に潜むように必死に生きていたのに。
綺麗だと誉めそやされるそれに、いとも簡単に安全地帯を奪われる。
誰か、僕を隠してくれ。
布団の中で、月に怯えて叫ぶ夜。
お題:月夜
美しい月が空に浮かんでいる
ひっそりと街を照らして佇んでいる君に
僕達はどう写っているの?
ぼんやりと月を眺めているとより一層
淡く輝いたような気がした
問いに返事をしてくれたのだろうか…
その日はとても静かな月夜だった
白湯をグラスに注いで月明かりに照らすと恋が叶うらしい。
グラスはとても繊細で、白湯の重しに耐えることができなかったとさ。
月夜に舞う君の姿を特等席で見るのが好きだった。もうその席には座れないけど、他の誰かを座らせるつもりだってないよ。
なにか辛い訳じゃないが
空を見上げることはすっかり無くなって
いつも手元の小さなデバイスに囚われている
そう気づいて見上げた空にうつる月は
少しぼやけて遠くに見えた
そりゃ大切な人の別れなんて悲しくなるでしょう
私は君に何が残せましたか
少しの笑顔をあげられましたか
一方的に受け取った愛を私も届けたかったよ
君は今何を考えて
さよならを告げはじまりを歌っていますか
【人生の分岐点 卒業】
月夜
飲み会の帰り、大きな公園の横を通ったとき不穏な影が目に入って二度見した。
ボート池の中心付近で動いているもの、あれは間違いなく人影だ。
酔っ払いがふざけて泳いでいるのか?
にしては仲間が囃し立てている様子もない。巨大な満月を映す水面を波を引いて泳いでいる。
大丈夫か?入水自殺だったりしない?
体形から中年男性のようだ。止まって頭を上げたとき、頭上にピンとなにかが立ち上がった。
あれはバニーガールが頭につける兎耳では?やっぱりふざけているんじゃないか。
池に映る満月とバニー。妙に合ってるな、と夜空を見上げるとどこにも月が出ていない。
あれ?と池の月を見たときコプンと男性が水に潜った。
溺れた、と思い私は柵を越え公園の敷地を走った。
池に近づくと謎の満月がさらに巨大さと輝きを増し、水面に細かく不穏な波が立った。
突然水中から「満月」が浮上し、押し上げた水を滝のように流しながら上空で静止した。
池にバニー男性の姿はない。彼は宇宙人であれに乗って飛び立ったということなのか。
輝く円盤はしばし静止したあと、人間のテクノロジーでは不可能な動きと速度で舞い上がり、夜空に嵌め込まれたかのように満月になった。
月の正体はUFOだったのか。
衝撃の事実を知ってしまった。
芝生の上で腰を抜かしたまま興奮して飲み仲間に報告したらお前は飲みすぎだと怒られた。
『月夜』
夜のランニングをするのにちょうどいい気候が戻ってきた。ウォーキングや犬の散歩をする顔見知りの人たちも戻ってきているらしく、挨拶を交わしたり、犬に吠えられて飼い主に謝られたりすることもたびたびある。
ランニングコースの折り返しを過ぎて目に入るのは空に浮かぶ月。冬の冴え冴えとした空気の鋭さは薄れて、うっすらぼやける朧月から春の気配が漂っている。じわりと汗ばみ、上着を抱えてまた走る。梅や水仙の香りが鼻をくすぐっては消えていった。
月夜に出会った君は
宵闇の得体の知れなさと
望月の眩い明るさを持ち合わせていて
僕にはそれが とても美しく見えた
街灯が路を照らしても
街灯の灯りに届かなくとも
月が見えるとなんとなく落ち着く