『時間よ止まれ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
言葉散らかる私のお部屋。
外を走る君を窓の外に見つけて、何かを渡さなきゃと大慌て。
手当たり次第にかき集めて、袋に詰めて、窓を開けて呼び止めた。
びっくりする君に袋を放り投げると、恥ずかしくなってきて窓とカーテンを閉めた。
君が窓をノックする音が聞こえる。
その瞬間、わたしの胸にはぶわっと後悔が押し寄せた。
もっと丁寧に選んで、袋に詰めればよかった。わたしはなにを渡したかったんだろう。
ぐるぐる考えて、でも何を渡したのかはもうわからなくて、ようやくカーテンを開けた頃には……君の姿はもうなかった。
わたしは一体どうすれば。ドアから外へ、追いかけていっていいんだろうか。でもその先でどうしたらいいんだろう。
こうしている間にも、君はどんどん見えない遠くへ行ってしまうのか。それとも私の乱雑な詰め合わせで、怪我をしてしまっているのだろうか。
私に愛想を尽かしてしまって、もう二度と会えなくなるのだろうか。
──怖い。
君がどうしているのか知りたいのに、君の姿を見るのが怖い。
いっそのこと、時よ、止まれ。
(お題 : 時よ止まれ)
お題 : 時間よ止まれ
目を開けると、真っ白な天井。
起き上がろうとしても、体が思うように動かない。
頑張って視点を左右に動かして、状況を把握する。
きっとここは病院だ。
にしても、俺はなんでこんなことに?
思い出そうとしたら、頭に激痛が走る。
頭痛だとか、言葉に表せるような痛みじゃない。激痛より激痛。
それなら、簡単なことなら。
1+1=2。いや、これは簡単すぎたか。
だったら俺の名前。俺の名前は_____
あれ?俺の名前って、なんだっけ。
……なるほど。これがいわゆる、記憶喪失。「ここはどこ?わたしはだれ?」っていうヤツ。
でも、俺の場合常識は頭にしっかり残っている。
さっきだって、ここが病院ってことが分かったし。
その瞬間、閉まっていたカーテンが開く音がした。
そこには、背が高い男の子が1人。俺の常識しかない記憶によると、ソイツは同じ学年の奴らしい。
「……え、起きてる…大丈夫か!?」
真冬なはずなのに、汗を流している。
彼は、俺の友達だったのか?
「えっと……本当にすいません、誰ですか?」
衝撃を与えてしまうのは申し訳ないが、こう聞かないとキリがあかない。自分ながら胸が痛い。
「……俺は、お前の親友。俺達が遊んでた時に、事故に巻き込まれてこうなってる…ってわけ。」
「事故…………って、貴方は大丈夫なんですか?」
「俺達」。そう言っていたなら、彼だって…………
そう思い、疑問を口に出してしまう。
しまった、迷惑だったかな?
「それも全部、記憶が治ったら分かるよ」
彼は笑っている。本当に笑顔。
つまり、無事………そういうことになる。
でも、何でなんだろう。
気持ちが…とてつもなく落ち着かない。
「ところで、1つ質問してい?」
「……いい、ですよ」
「なんで泣いてんの?」
優しい顔だった。
自覚はしてた。「自分自身が泣いている」という自覚。
覚えているはずがない。記憶喪失なはずだったのに。
目の前で笑う████を見ていたら、涙が止まらなくなってしまった。
そんな優しい顔をした彼を見た時、少しだけ思い出した。
突然彼が「いつもありがとう」とか言い出したと思ったら、「今度一緒にまた遊び行こうぜ」とか言葉を並べ出して。だから、約束通り今日遊んで。
そしたら、突然建物に車が突っ込んできて、████が俺を庇って、車の下敷きになって。叫んで。泣いて。
_____そうだ。████は、死んだはず。
「思い出した?」
……さっきと同じ、優しい顔。
「マジで………有り得ねぇよ、馬鹿」
「感謝伝えられたから、俺はもうこれで満足なの」
「有り得ねぇから……そんなの……」
「受け入れろよ。それが、俺の1番の幸せだ」
「そんな簡単に受け入れるわけねぇだろ……」
「変なとこプライド高いお前も好きだぞ」
「死んだからってなんでも言っていいわけじゃねぇからな……」
██████は死んでいる。俺はまだ生きている。
そんな2人が話せる時間は、今この瞬間だけ。
「ありがと………最後まで、かっこよかったぞ…馬鹿」
「こちらこそ。………諦めず生きろよ、馬鹿」
お願いだから、1秒でもいいから。
時間が、ずっと止まっていてくれ。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
追記 : 2025/02/15「お題 : ありがとう」の2人のお話です
繋がってますので、良ければ読んでみてください
作者の「Shina#47」からでした
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
時間よ止まれ
あなたに褒められて髪を撫でられるとき、この時間が止まればいいと思う。
あなたと過ごす時間が永遠に続けばいいのに。
あなたから、今度いつ会える? なんて言葉聞きたくない。その言葉を聞いたら、あなたはわたしでない誰かのものに戻ってしまうから。
この時間がずっと続けばいいのにと思うことがある。それくらい、幸せで、楽しい素晴らしい時間だ。
その時間は、止まることなく流れ続ける。ちょっと前まではすごく幸せで、楽しかった。
けれど、気が付いたら、誰にも打ち明けられない悲しみや恐怖を抱えていた。
悲しみや恐怖の思い出は、幸せで楽しかったときよりも多い。
この状況を変えるためには、幸せで楽しかったときを思い出してみる。
心の宝箱にしまった幸せで楽しかった思い出を、いつでも取り出せるけれど、だれにも、なにからも、とられない、壊されない場所にしまっておく。
その場所は、安全地帯だから、どんな状況でもすぐに思い出をひき出すことができる。
きっと、とめた時間が動き出して、思い出がわたしに希望と勇気をくれる。
そして、止めたいと願った時間よりも、さらに素晴らしい時間がやってくる。
きっと、時間とのお別れがあるからこそ、新たな時間に出会うことができる。
時間は、”人生”という旅をカラフルに彩ってくれる、かけがえのないものだ。
新たな時間は、どんな時間かはわからないけれど、希望を持って、勇気を持って、三歩進んで二歩下がり、もう一歩下がって振り出しに戻されても、幸せで楽しかったことを心の宝箱にしまっておけば、いつでも、どんなときでも、思い出を引き出して、かけがえのない時間に変えることができるだろう。
___________時間よ止まれ ______________________。
「時間よ止まれ」
時間よ止まれと思ったことって
あまりないかもしれない。
日々は波を繰り返しながら進んでいく。
光と陰を纏って。
海底の陰で止まり続けるのは
地獄だから。
では、頂きで光を浴び続けるのは?
初めは気持ちがいいだろう。
次期に疲労で海底に引き摺り込まれる。
凪。光と陰がゆったりと現れる凪。
または、小さな小さな耐えうるほどの波。
それなら時間よ止まれって思うのかな。
私はそれを待ち望んでいるのです。
時間よとまれ
長いようで短い帰り道
日が沈み、淡いグラデーションの空が綺麗な時
隣にはまだ大好きな彼がいる
いつもなら無言の時間だって彼となら、なんだか心地がいい
この時間が続けばどんなにいいだろうか
あと3歩歩いたら彼との別れ道が来てしまう
私は足を止めた
「まだ別れたくない」
時間よ止まれ
この時が止まってしまえば
貴方のことを
離さないでいられる
誰も知らない
欲にまみれた僕の心
時間よ止まれ、などと願う必要はありません。
先が不安であっても、今が至福であっても、その瞬間に留まろうとする必要などないのです。
貴女は大丈夫ですよ。
俺たちも、貴女を愛する人も、皆貴女を応援しています。
貴女がこれからも人生を歩んでいくのを、見守っています。
私のクラスには、かっこいい男の子がいる。
積極的に話すような性格ではないようで、クラスメイトと話が盛り上がっているところはほとんど見ない。それでも多くの女子たちが毎度の休み時間に話しかけに行く理由はやっぱり顔の良さだろう。センター分けの前髪に、髪が長くて邪魔なのか後ろはハーフアップで結んである。
男子にしては珍しい髪型だ。私も、彼を取り巻く女子たちと同様に彼のキリッとした目つきや整った顔すべてがまぁ、刺さる。どタイプである。近くでその顔を間近で見たいものだけど、人見知りのため話しかける勇気がない。話しかけるタイミングもない。
恋人になりたいとかいう気持ちは無いし、同じクラスメイトとして遠目から見れるだけでもラッキーだと思う。
それにしても今日は普段に比べて一段と周りからの甘い匂いが強い。
2月14日、思いを渡す相手なんていないので、私が持ってきたのは友チョコ2つ分と、休み時間につまむ用のクッキー少しだけだ。この匂いでは、お菓子持ち込みが良いとしても授業には集中できないじゃんか。
「ねえ、ーーさん聞こえてる?」
聞き慣れない声に、パッと顔を上げる。いきなり私の前に現れたその人は、さっきまで女子に囲まれていたはずの人気者くんだった。いつのまに、てかどうして私の前に?
「今日、俺日直なんだけど。日誌まだ持ってる?」
あ、そうだった。出席番号で、私が1つ前の番号。1週間ごとに集められるそれは、書き忘れがあると担任に呼びつけられ、ねちねちとしたお叱りを受ける。
言ってくれなければ彼が危ないところだった。
「ごめん今すぐ渡す、机の中に確かあったはず……あ、」
パサッと小さな袋が落ちた音。謝りながら机の中を探っていた時、そこに置いていた友チョコの1つが飛び出してしまった。落ちたチョコを人に渡すのは気が引けるな。そう思いながら拾おうとすると、もう一つの影が袋をつかむ手に重なり、持っていかれた。
「ありがと、ってえ、あの何をしてらっしゃる?」
私が拾うより先に取られたそれを見つめるイケメンくん。袋のチョコをぶらぶら揺らしながらと私を交互に見つめて、無言のまま。その表情がにやっとたものに変わる。
「バレンタインとか、興味無いんだと思ってた。いつも読書ばっか。好きな人でもいんの?」
サラサラの髪がふわっとなびく。机の上に袋が置かれる。
「いない、けど。それ友達のだし」
「俺にくれない?これ。腹減った。」
はい?そんな自分勝手な、友達のだって言ったよね。それに、クラスの子から沢山貰っているでしょうになんでこんなのを欲しがるのこの人。
「実はきみのこと前から気になってたんだ。ね、だからいいでしょ?」
にこにこと笑ってこっちを見つめている彼。いや、どういう理論?胡散臭い顔からして絶対好きとか嘘なんだけど、断らないといけないけど、なにせ顔がいい。良いよと言ってしまいそう。
「無理、それ友達に渡すようって言ったでし「いやいや、拒否権ないからこれは今から俺の」
顔はいいのにこんな最悪な性格だったなんて。
時間よ、少しでいいから止まって。1回この男を殴るチャンスをください!
『時間よ止まれ』1
時間よ止まれ
一度はそう願った事は誰しもあるだろう
だけど人間ではこの瞬間を止めることもできない
仮に停止する能力が手に入ったら神になるだろう
人間である以上そんなことは起こり得ない
もし人生で一度だけ時間が止まるとしたら
それは亡くなる時だろう
だから後悔がないように今出来ることはやろう
その時がくるまで
時間よとまれ!
地球上の生きとし生けるものが祈り叫ぶ日
その足音が迫っている
とめたい時間があるなら
hourglass を満たしてはいけない⌛️
先送りの未来でまた黙祷の日々を送るのか
時間よ止まれ...
時間よ止まれ!って私は
正直そーなってほしくない
なぜかというと時間は止まらないから価値があるし素敵な物となっている。その止まった瞬間は何も生み出せない時間だと思う。
だから時間は止まらなくていい!
走り続ければいい!それが時間、それが大事。
※時よ止まれ*
キラキラ輝くこの一瞬を
ひらひらと儚いこの一瞬を
思い出に残る幸せの瞬間を
時よ止まれ、一瞬を切り取って永遠に続くように
目の前の景色がスローモーションに写る
時計の秒針の音が聞こえてくる
浮遊感
あぁ、このまま
『時間よ止まれ』2025-02-17
時間よ止まれ
そんな歌があったけど。
進んで欲しくない、けど進むもんはしゃーない。
人生終わった私に時間は必要だろうか、周りの人間が憎くてたまらない、そんな想いを抱きながらニコニコニコラスケイジな私。
しょうもな。
end
時間よ止まれ
なんて思っても時は止まってはくれないね
時間が経つ度にあの頃に戻りたいと思ってしまう。
戻ったとしても大した変化は訪れないかもしれないのに、
時間よとまれ
もしも、時間を止める事が出来るなら…
あの人の出発を、止めたい…あの人と、さよならなんて、絶対したくは無いから…未だ、伝えたい気持ちも、言い出せないから…
段々近づくその時…
今は、その術も無く…て…
眠らなければ朝は来ないと思ってた。
白む空、消えゆく夜に手を伸ばして。
-時間よ止まれ
時間よ止まれ
醜形恐怖に陥ったのは彼氏が私の笑顔を馬鹿にしたときがきっかけだった。
これ以上、老いたくない−−。
鏡に願う、きっと白雪姫の継母も同じことを思ってた。
これ以上、醜くなりたくない−−。
時よ止まれと、口紅を塗り直す。
放課後、まだ帰りたくなくて誰もいなくなった教室で一人、机に突っ伏して瞼を閉じる。家に帰っても帰りが遅い私を心配してくれる家族は誰もいない。静かな雨音に耳を澄ましていれば、旧校舎の方から吹奏楽部のチューニングが聴こえてきて、色んな楽器が混じり合った旋律に思わず眉を顰めた。早くこの時間が終わればいいのに、、、
「何してんの?」
すぐ横から聞こえてきた聞き覚えのある低い声に心臓が跳ねた。全く気配がしなかった。冷静を装いたくて体勢はそのままに問いかける。
「…それこっちのセリフ。部活は?」
「雨で中止。体育館も他の部が使ってて空きがなくてさ〜」
天気予報ハズレたね、って言って窓枠に腰掛け、ケラケラと笑う彼はサッカー部に所属している。
普通、部活が出来ないとなれば怒りを感じたり、愚痴るのが殆どかと思うが、この男は自ら進んで部活に入ったわけではないので寧ろ嬉しそうだ。
私はゆっくりと顔を上げ、幼馴染を睨みつける。
「休みになったんなら帰ればいいのに。」
「それこっちのセリフなんだけど?帰宅部でしょ君。」
「別にいいじゃん。それとも何?私は邪魔だからさっさと消えろってこと??」
ため息混じりに見下ろす顔に刺々しく言い返す。
彼は一瞬悲しむ表情を見せたあと、私の背中をそっと優しく擦った。
「いや、具合悪いなら早く帰って休めばいいって意味。偏頭痛なんでしょ?」
「…」
図星すぎて黙る。私は天気が悪いと頭痛が起こる。ズキズキと凄く痛むし、酷いと吐き気もして辛い。
ちょっとした事にすぐイライラしがちで八つ当たりしてしまう。本音じゃないのに。彼がそう思ってないって分かってるのに。
「....いつもごめん」
「気にしてない。薬は?」
「今日に限って切らしてた」
「じゃあ帰りにドラックストア寄って行こうか」
ひょいひょいと二人分の鞄を持って、私の手首を軽く引っ張り立ち上がらせてくれた彼は、私の歩幅に合わせて歩き出した。
(あぁ、優しいな。甘えてしまうな。家に帰りたくないな。時間、止まってほしいな。)