虹果(カクヨム垢有)

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言葉散らかる私のお部屋。
外を走る君を窓の外に見つけて、何かを渡さなきゃと大慌て。
手当たり次第にかき集めて、袋に詰めて、窓を開けて呼び止めた。
びっくりする君に袋を放り投げると、恥ずかしくなってきて窓とカーテンを閉めた。
君が窓をノックする音が聞こえる。

その瞬間、わたしの胸にはぶわっと後悔が押し寄せた。
もっと丁寧に選んで、袋に詰めればよかった。わたしはなにを渡したかったんだろう。
ぐるぐる考えて、でも何を渡したのかはもうわからなくて、ようやくカーテンを開けた頃には……君の姿はもうなかった。

わたしは一体どうすれば。ドアから外へ、追いかけていっていいんだろうか。でもその先でどうしたらいいんだろう。

こうしている間にも、君はどんどん見えない遠くへ行ってしまうのか。それとも私の乱雑な詰め合わせで、怪我をしてしまっているのだろうか。
私に愛想を尽かしてしまって、もう二度と会えなくなるのだろうか。

──怖い。

君がどうしているのか知りたいのに、君の姿を見るのが怖い。

いっそのこと、時よ、止まれ。


(お題 : 時よ止まれ)

2/16/2025, 3:29:19 PM